殺人貴はトータスに行く   作:あるにき

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どうも、あるにきです。
ダンまちの方がまったく創作意欲が湧かないので息抜き的なものですはい。
もちろん両方(これとダンまち)続けるつもりですが、生存報告も兼ねた投稿です。
生きてます。



ではどうぞ


プロローグ

気がつくと病院のベットにいた。

カーテンがゆらゆらとゆれている。

外はとてもいい天気で、

かわいた風が、夏の終わりを告げていた。

 

「はじめまして遠野志貴くん。回復おめでとう」

 

初めて見るおじさんは、そう言って握手を求めてきた。

にこやかな笑顔と、四角いメガネがとても似合っている。

 

清潔そうな白い服も、このおじさんにはぴったりだった。

 

「志貴くん。先生の言ってる事が分かるかい?」

 

「......いえ。僕はどうして病院なんかにいるんですか」

 

「覚えてないんだね。君は道を歩いている時、自動車の交通事故に巻き込まれたんだ。

胸にガラスの破片が刺さってね、とても助かるような傷じゃなかったんだよ」

 

白いおじさんはニコニコとした笑顔のまま、なにか、お医者さんらしくない事を言う。

 

 

 

 

 

ーーーーーーひどく。

気分が、悪くなった。

 

 

 

 

 

「.......眠いです。眠っていいですか」

 

「ああ、そうしなさい。今は無理をせず、体の回復につとめるのがいい」

 

お医者さんは笑顔のままだ。

はっきりいって、とても見ていられない。

 

「先生、一つ聞いていいですか」

 

「何かな、志貴くん」

 

「どうして、そんなに体じゅうラクガキなんかしているんですか。この部屋もところどころヒビだらけで、いまにも崩れちゃいそうですけど」

 

お医者さんはほんの一瞬だけ笑顔を崩したけれど、すぐにまたニコニコとした笑顔に戻って、カツカツと歩いていってしまった。

 

「ーーーやはり脳に異状があるようだ。脳外科の芦家先生に連絡をいれなさい。それと眼球にも損傷の疑いがあるな。午後は眼の検査に回すように」

 

お医者さんは、僕に聞こえないように、こっそりと看護婦さんに話しかけた。

 

 

 

「.........ヘンなの。みんな体中にラクガキしてる」

 

くろい、ぐちゃぐちゃした線が、病院じゅうに走っている。

意味はよくわからないけど、見ているだけでとても気持ちがわるい。

 

「......なんだろう、コレ」

 

ベッドにもラクガキがある。

指で触ってみたら、つぷり、と指先が沈み込んだ。

 

「ーーーあ」

 

もっと細い物で触れたら奥まで沈みそうなので、棚におかれた果物ナイフでラクガキをなぞってみた。

何の力もいれてないのに、ナイフは根元までベッドに沈み込む。

面白かったから、そのままラクガキどおりにナイフを引いた。

 

 

ごとん。

 

 

思い音をたてて、ベッドはキレイに裂けてしまった。

 

「きゃあああああ!」

 

となりのベッドにいる女の子が悲鳴をあげる。

看護婦さんたちが走ってきて、果物ナイフを取りあげられた。

 

 

「どうやってベッドを壊したんだね、志貴くん」

 

お医者さんはベッドを壊した理由じゃなくて、その方法をしつこく聞いてきた。

 

「その線をなぞったら切れたんだよ。ねえ、どうしてこの病院はヒビだらけなの?」

 

「いいかげんにしなさい志貴くん。そんな線なんてないんだ。

それで、どうやってベッドを壊したんだい。怒らないから教えてくれないかな」

 

「ーーーだから、その線をなぞっただけなんだ」

 

 

「......わかった。このお話はまた明日にしよう」

 

お医者さんは去っていく。

けっきょく、誰ひとりとして僕の話を信じてはくれなかった。

 

 

 

____________________________

 

 

 

あのラクガキをナイフで切ると、それがなんであろうとキレイに切れた。

力なんていらない。

紙をハサミで切るみたいに、簡単に切ることができた。

ベッドも。イスも。机も。壁も。床も。

 

......試したことはないけれど、たぶん、きっと、にんげんも。

 

ラクガキはみんなには見えてないみたいだ。

なぜか自分だけに見える黒い線。

それがなんであるか、子供の自分にもなんとなく分かってきた。

アレはきっと、ツギハギなんだ。

手術をして傷口を縫ったあとのところみたいに、とても脆くなっているところだとおもう。

だって、そうでもなければ子供の力で壁が切れるはずなんてない。

 

 

ーーーーああ、今まで知らなかった。

 

 

セカイはこんなにもツギハギだらけで、とても壊れやすいトコロだったなんて。

 

みんなには見えてない。

だから平気。

でも僕には見えている。

こわくて、こわくて、歩けない。

まるで、僕だけおかしくなってしまったみたいだ。

 

だからだろうか。

あれから二週間も経つのに、誰も僕の話を信じてくれない。

あれから二週間も経つのに、誰も、僕に会いに来てくれない。

 

あれから二週間も経つのに。

ずっと、僕だけがツギハギだらけのセカイに生きているーーーー

 

 

 

 

____________________________

 

 

 

 

病室にはいたくない。

ラクガキだらけのトコロにいたくない。

だからココから逃げ出して、誰もいない遠い場所に行くことにした。

 

でも胸の傷が痛くて、少ししか走れなかった。

気がつけば。

自分がいるのは街の外れにある野原で、ちっとも遠い場所になんて行けなかった。

 

「......ごほっ」

 

胸が痛くて、すごく悲しくて、地面にしゃがみこんでせきこんだ。

 

ごほっ、ごほっ。

 

誰もいない。

夏の終わりの、草むらの海のなか。

このまま、消えてしまいそうだった。

 

けれど、その前に。

 

「君、そんなところでしゃがんでると危ないわよ」

 

後ろから、女の人の声がした。

 

「え.........?」

 

「え、じゃないでしょ。君、ただでさえちっこいんだから草むらの中でうずくまってると見えないのよね。気をつけなさい、あやうく蹴り飛ばされるとこだったんだから」

 

ふきげんそうに女の人は僕を、指差した。

......なんか、ちょっとあたまにきた。

僕はクラスでも、前から四番目なんだから、そう背が低いほうではないとおもう。

 

「けりとばされるって、誰に?」

 

「ばかね。そんなの決まってるじゃない。ここにいるのは私と君だけなんだから、私以外に誰がいるっていうの?」

 

女の人は腕を組んで、自信たっぷりにそう言った。

 

「ま、ここで会ったのも何かの縁だし、少し話し相手になってくれない?私は蒼崎青子っていうんだけど、君は?」

 

まるでずっと知り合いだった友達のような気軽さで、女の人は手を差し伸べてきた。

断る理由も見当たらなくて、僕は遠野志貴と自分の名前をいって、女の人の冷たい手のひらを握り返した。

 

 

 

 

____________________________

 

 

 

 

女の人とのおしゃべりは、とても楽しかった。

この人は僕の言うことを『子供だから』といって無視しない。

ちゃんと一人の友達として、僕の話を聞いてくれた。

 

色々なことを話した。

 

僕の家のこと。歴史のある旧い家柄で、とても行儀作法にうるさくって、お父さんが厳しい人だということ。

あきはという妹がいて、とてもおとなしくて、いつも僕のあとを付いてきていたということ。

広い屋敷だから、森のような庭で、いつもあきはと一緒に友達と遊んだこと。

 

 

ーーー熱に浮かされたように、色々なことを話した。

 

 

「ああ、もうこんな時間。

悪いわね志貴。私、ちょっと用事があるからお話はここまでにしましょう」

 

女の人は立ち去っていく。

......また一人になるのかと思うと、寂しかった。

 

「じゃあまた明日。ここで待ってるからね。君もちゃんと病室に帰って、きちんと医者の言いつけを守るんだぞ」

 

「あーーー」

 

女の人は、まるでそれが当たり前だ、というように去っていった。

 

「......また、明日」

 

また明日、今日みたいな話ができる。

嬉しい。

事故から目覚めて。初めて、人間らしい感情が戻ってきた。

 

そうして、午後になると野原に行くのが日課になった。

女の人は青子って呼ぶとおこる。

自分の名前が嫌いなんだそうだ。

考えたあげく、なんとなく偉そうな人だから『先生』と呼ぶことにした。

 

先生はなんでも真面目に聞いてくれて、僕の悩みを一言で片付けてくれる。

.....事故のせいで暗くなっていた僕は、少しずつ、先生のおかげでもとの自分に戻っていけた。

あんなに怖かったラクガキのコトも、先生と話しているとあまり恐くは感じなくなっていた。

だから、どこの誰だか知らないけど、もしかしたら先生は本当に学校の先生なのかもしれない。

 

でも、そんなコトはどうでもいいことだと思う。

先生といると楽しい。

大事なのは、きっとそんな単純なことなんだ。

 

「ねえ先生。僕、こんなコトができるよ」

 

ちょっと驚かせたくて、病院から持ち出した果物ナイフを使って、野原に生えていた木を切った。

あのラクガキみたいな線をなぞって、根元からキレイに切断した。

 

「すごいでしょ。ラクガキが見えているところなら、どこだって簡単に切れるんだよ。こんなの他の誰にもできないよね」

 

 

「志貴ーーー!」

 

ぱん、と頬を叩かれた。

 

「先......生?」

 

「ーーーー君は今、とても軽率なことをしたわ」

 

先生はすごく真剣な目をして見つめてくる。

 

 

.....理由はわからないけれど。

僕は、いま自分がした事が、とてもいけないコトなんだって思い知った。

 

厳しい先生の顔と、叩かれた頬の痛みで。

とても、とても悲しい気持ちになった。

 

「......ごめん、なさい」

 

気がつくと、泣いていた。

 

「ーーーーー志貴」

 

 

ふわり、とした感覚。

 

「ーーー謝る必要はないわ。

たしかに志貴は怒られるような事をしたけど、それは決して志貴が悪いってわけじゃないんだから」

 

先生はしゃがみこんで、僕を抱きしめていた。

 

「でもね、志貴。今誰かが君を叱っておかないと、きっと取り返しのつかない事になる。

だから私は謝らない。そのかわり、志貴は私のことを嫌いになってもいいわ」

 

「......ううん。先生のこと、嫌いじゃないよ」

 

「ーーーそう。本当に、よかった。......私が君に出会ったのは一つの縁だったみたい」

 

先生はそうして、僕が見ているラクガキについて聞いてきた。

この目に見えている黒い線のことを話すと、先生はいっそう強く、抱きしめる腕に力をこめた。

 

「......志貴、君が見ているのは本来視えてはいけないものよ。『モノ』にはね、壊れやすい箇所というものがあるの。いつか壊れるわたしたちは、壊れるが故に完全じゃない。

君の目は、そういった『モノ』の末路......言い代えれば未来を視てしまっているんでしょう」

 

「......未来を......みてる、の?」

 

「そうよ。死が視えてしまっている。

ーーそれ以上のことは知らなくていい。

もし君はそういう流れに沿ってしまう時がくるなら、必然としてそれなりの理屈を知る事になるでしょうから」

 

「......先生。なんのことだか、よくわからない」

 

「ええ、分かっちゃダメよ。

ただ一つだけ知っておいてほしいのは、決してその線をいたずらに切ってはいけないということ。

ーーー君の目は、『モノ』の命を軽くしすぎてしまうから」

 

「ーーーうん。先生が言うならしない。それに、なんだか胸がいたいんだ。......ごめんね先生。もう、二度とあんなことはしないから」

 

「......よかった。志貴、いまの気持ちを絶対に忘れないで。そうしていれば、君はかならず幸せになれるんだから」

 

そうして、先生は僕からはなれた。

 

「でも先生。このラクガキが見えると不安なんだ。

だって、この線を引けばそこが切れちゃうんでしょう?なら、僕のまわりはいつバラバラになってもおかしくないじゃないか」

 

「そうね。その問題は私がなんとかするわ。ーーどうやらそれが、私がここにきた理由のようだし」

 

はあ、とため息をついてから、先生はニコリと笑った。

 

「志貴、明日は君にとっておきのプレゼントをあげるわ。私が君を以前の、普通の生活に戻してあげるわ」

 

 

 

 

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次の日。

ちょうど先生と出会ってから七日目の野原で、先生は大きなトランクを片手にさげてやってきた。

 

「はい。これをかけていれば妙なラクガキは見えなくなるわよ」

 

先生がくれたものはメガネだった。

 

「僕、目は悪くないよ」

 

「いいからかけなさい。別に度は入ってないんだから」

 

先生は強引にメガネを僕にかけさせた。

とたんーーー

 

「うわあ!すごい、すごいよ先生!ラクガキがちっともみえない!」

 

「あったりまえよ。わざわざ姉貴の所の魔眼殺しを奪ってまで作った蒼崎青子渾身の逸品なんだから。

粗末にあつかったらただじゃおかないからね、志貴」

 

「うん、大事にする!けど、先生ってすごいね!

あれだけイヤだった線がみんな消えちゃって、なんだか魔法みたいだ、コレ!」

 

「それも当然。だって私、魔法使いだもん」

 

得意げににんまりと笑って、先生はトランクを地面に置いた。

 

「でもね、志貴。その線は消えたわけじゃないわ。ただ見えなくしているだけ。そのメガネを外せば、その線はまた見えてしまう。」

 

「ーーーそ、そうなの?」

 

「ええ。そればっかりはもう治しようがないコトなのよ。志貴、君はその目となんとか折り合いをつけて生きていくしかないの」

 

「.........やだ。こんな恐い目、いらない。またあの線を切っちゃったら、先生との約束が守れなくなる」

 

「ああ、もう二度と線をひかないっていうアレか。

ばかね、あんな約束気軽に破っていいわよ」

 

「......そうなの?だって、すごくいけないコトだって言ってたじゃないか」

 

「ええ、いけない事ね。

けどそれは君個人の力なのよ、志貴。だからそれを使おうとするのも君の自由なの。君以外の他の誰も志貴を責める事はできないわ。

君は個人が保有する能力の中でも、ひどく特異な能力を持ってしまった。

けど、それが君に有るという事は、なにかしらの意味が有るという事なの。

かみさまは何の意味もなく力を分けない。

君の未来にはその力が必要となる時があるからこそ、その直死の眼があるとも言える。

だから、志貴の全てを否定するわけにはいかないわ」

 

先生はしゃがんで、僕の視線と同じ高さの視線をする。

 

「でもね、だからこそ忘れないで。

志貴、君はとてもまっすぐな心をしてる。

いまの君があるかぎり、その目は決して間違った結果は生まないでしょう」

 

 

「聖人になれ、なんて事は言わない。

君は君が正しいと思う大人になればいい。

いけないってこう事を素直に受けとめられて、ごめんなさいと言える君なら、十年後にはきっと素敵な男の子になってるわ」

 

そう言って。

先生は立ちあがると、トランクに手を伸ばした。

 

「あ、でもよっぽどの事がないかぎりメガネを外しちゃだめだからね。

特別な力は特別な力を呼ぶものなの。

どうしても自分の手には負えないと志貴本人が判断した時だけメガネを外して、やっぱり志貴本人がよく考えて力をを行使なさい。

その力自体は決して悪いものじゃない。結果をいいものにするか悪いものにするかは、あくまで志貴、君の判断しだいなんだから」

 

トランクが持ちあがる。

 

ーーー先生は何も言わないけれど。

僕は、先生とお別れになるんだなとわかってしまった。

 

「ーーー無理だよ先生。僕だけじゃわからない。

ほんとは先生に会うまで恐くてたまらなかったんだ。けど先生がいてくれたから、僕は僕に戻れたんじゃないか。

......だめなんだ。

先生がいなくちゃ、こんなメガネがあったってだめに決まってるじゃないか.......!」

 

「志貴、心にもない事は言わないこと。自分自身も騙せないような嘘は、聞いている方を不快にさせるわ」

 

先生は不機嫌そうに眉を八の字にして、ぴん、と僕の額を指ではじいた。

 

「ーーー自分でもわかってるんでしょう?

君はもう大丈夫だって。ならそんなつまらないコトをいって、せっかく掴んだ自分を捨ててはいけないわ」

 

先生はくるり、と背を向けた。

 

「それじゃあお別れね。

志貴、どんな人間だって人生っていうのは落とし穴だらけなのよ。

君は人よりそれをなんとかできる力があるんだから、もっとシャンとしなさい」

 

先生は行ってしまう。

とても悲しかったけど、僕は先生の友達だから、シャンとして見送る事にした。

 

「―――うん。さよなら、先生」

 

「よし、上出来よ志貴。その意気でいつまでも元気でいなさい。

いい? ピンチの時はまず落ち着いて、その後によくものを考えるコト。

大丈夫、君なら一人でもちゃんとやっていけるから」

 

先生は嬉しそうに笑う。

 

 

 

 

ざあ、と風が吹いた。

草むらが一斉に揺らぐ。

先生の姿はもうなかった。

 

「......ばいばい、先生」

 

言っても、もう会えないんだな、と実感した。

残ったものはたくさんの言葉と、この不思議なメガネだけ。

たった七日だけの時間だったけれど、なにより大事なコトを教えてくれた。

 

 

ぼんやりと佇んでいたら、目に泪がたまった。

 

ーーーああ、なんてバカなんだろう。

 

僕はさよならばっかりで。

ありがとうの一言も、あの人に伝えていなかった。

 

 

 

 

 

僕の退院は、それからすぐだった。

退院したあと、僕は遠野の家ではなく、親戚の家に預けられる事になった。

けど大丈夫。

遠野志貴は一人でもちゃんとやっていける。

新しい生活を、新しい家族と過ごす。

 

遠野志貴の九歳の夏はそうして終わった。

新しい秋がやってきて、僕は少しだけ、大人になったんだと思うーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

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ーーーーーーーーー秋

 

夏の面影が見事に消え去ってしまった10月もなかばの月曜日(・・・)

自分こと遠野志貴は、八年ぶりに長く離れていた実家に戻る事になった。

 

「志貴、早くしなさい。いつもの登校時間を過ぎていますよ」

 

台所から啓子さんの声が聞こえてくる。

 

「はい、今でますからー!」

 

大声で返して、それまで自分の部屋だった有間家の一室に手を合わせる。

 

「それじゃ行くよ。八年間、お世話になりました」

 

ぱんぱん、と柏手をうった後。

鞄一つだけ持って、慣れ親しんだ部屋を後にした。

 

玄関を出て、有間の屋敷を振りかえる。

 

「志貴」

 

玄関口まで見送りにきた啓子さんは、淋しそうな目で俺の名前を口にした。

 

「行ってきます。母さんも元気で」

 

もう帰ってくる事はないのに行ってきます、というのはおかしかった。

もうこの先、家族としてこの家の敷居をまたぐ事はないんだから。

 

「今までお世話になりました。父さんにもよろしく言っておいてください」

 

啓子さんはただうなずくだけだった。

八年間ーーーー俺の母親であった人は、ひどく悲しげな目をしていた。

この人のそんな顔、今まで見たことはなかったと思う。

 

「遠野の屋敷の生活はたいへんでしょうけど、しっかりね。あなたは体が弱いのだから、あまり無茶をしてはいけませんよ」

 

「大丈夫、八年もたてば人並みに健康な体に戻ります。こう見えてもワリと頑丈なんです、俺の体」

 

「ええ、そうだったわね。けど遠野の方達はみなどこか違っている人達ですから、志貴が圧倒されないかと、心配で」

 

啓子さんの言いたい事はなんとなくわかる。

今日から俺が住む事になる家は、お屋敷といえる時代錯誤な建物なのだ。

住んでいる家も立派なら家柄も立派という名家で、実際いくつかの会社の株主でもあるらしい。

くわえて言うなら、八年前に長男である俺ーーー遠野志貴を親戚である有間の家に預けた、自分にとって本当の家でもある。

 

「でも、もう決めた事ですから」

 

そう、もう決めた事だった。

 

「......それじゃあ行ってきます。今までお世話になりました」

 

最後にもう一度だけそう言って、八年間馴れしたんだ有間の家を後にした。

 

 

 

 

 

 

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「ーーーーはあ」

 

有間の家から離れて、いつもの通学路に出たとたん、気が重くなった。

 

 

ーーー八年前。

普通なら即死、という重症から回復した俺は、親元である遠野の家から分家筋である有間の家に預けられた。

 

俺は九歳までは実の両親の、家である遠野の屋敷で暮らしていて。

その後八年間、

高校二年生である家までを親戚である有間の家で暮らしていた、というコトになる。

なかば養子という形で有間の家に預けられてからの生活は、いたってノーマルなものだった。

あの時ーーー別れ際に先生が言っていたような特別な出来事はまったくおこらなかったし、自分も先生のくれたメガネをかけているかぎり『線』を見る事はない。

 

遠野志貴の生活は、本当に平凡に。

とても穏やかなままで、ゆるやかに流れていた。

 

......つい先日。

今まで勘当同然に放っておかれた自分に、

『今日までに遠野の屋敷に戻って来い』

なんていう遠野家当主からのお言葉がくるまでは。

 

 

 

「はあーーーー」

 

またため息がでる。

実のところ、交通事故に巻き込まれて入院する以前から、俺は遠野の家とは折り合いが悪かった。

行儀作法にうるさい屋敷の生活が子供心にはつまらないモノに思えてしまったせいだろう。

だから有間の家に預ける、と実の父親に言われた時は、さして抵抗もなく養子に出た。

 

結果は、とても良好だったと思う。

有間の家の人たちとは上手くやっていけたし、義理の母親である啓子さんとも、義理の父親である文臣さんとも親子のように接してきた。

 

もともと一般的な温かい家庭に憧れていたところもあって、遠野志貴は有間の家で本当の子供のように暮らしてきた。

 

そこに後悔のたぐいはまったくない。

.....ただ一つ。

1歳年下の妹を遠野の屋敷に残してきてしまった、ということ以外は。

 

「......秋葉のやつ、俺のことを恨んでるんだろうな」

 

というか、恨まれて当然のような気がする。

あの、やたら広い屋敷に一人きりになって、頭の硬い父親とつきっきりで暮らしていていたんだ。

秋葉がさっさと外に逃げ出してしまった俺のことをどう思っているかは容易に想像できる。

 

 

「............はあ」

 

ため息をついても仕方がない。

あとはもうなるようになれだ。

今日、学校が終わったら八年ぶりに実家に帰る。

そこで何が待っているかは神のみぞ知るということだろう。

 

「そうだよな。それに今はもっと切迫した問題があるし」

 

腕時計は七時四十五分をさしている。

うちの高校は八時きっかりに朝のホームルームが始まるため、八時までに教室にいないと遅刻が確定してしまう。

鞄を抱えて、学校までダッシュする事にした。

 

「ハア、ハア、ハアーーー」

 

着いた。家から学校まで実に十分弱。

陸上部がスカウトにこないのが不思議なくらいの好タイムをたたき出して、裏門から校庭に入る。

 

「......そっか。裏門から入るのも今日で最後か」

 

位置的に有間の家と遠野の家は学校を挟んで正反対の場所にある。

有馬の家は学校の裏側に、遠野の屋敷は学校の正門方向。

自然、明日からの登校口は裏門ではなく正門からになるだろう。

 

「ここの寂しい雰囲気、わりと好きだったんだけどな」

 

なぜかうちの高校の裏門は不人気で、利用しているのは自分をふくめて十人たらずしかいない。

そのせいか、裏庭は朝夕問わずに静かな、人気のない場所になっている。

 

かーん、かか、かーん。

 

.....だからだろうか。

小鳥のさえずりに混ざって、トンカチの音まで確かに聞こえてしまうのは。

 

「トンカチの音かーーーって、え......?」

 

かーん、か、かかーん、かっこん。

 

半端にリズミカルなとんかちの音がする。方角からして中庭のあたりからだろうか。

 

「...............」

 

なんだろう?

ホームルームまであと十分ない。

寄り道はできないのだが、なんだか気になる。

ここはーーー

 

 

ホームルームまであと数分。今は教室に直行するべきだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________________

 

 

 

 

 

 

 

いつもより何分か余裕をもって教室に到着した。

 

「遠野くん、おはよう!今日はいつもよりちょっと早めだね。これを機にもっと早く来ようよ」

 

 

教室に入ってすぐ声を掛けてきたのは、この高校で二大女神などと言われている二人の片割れ、名を白崎 香織(しらさき かおり)という女の子だった。

二大女神なんて仰々しい名前で呼ばれているだけあってやっぱり可愛い。

腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな(ひとみ)はひどく優しげだ。

スっと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。

微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。

 

「ああ、おはよう白崎。今日は遅刻しそうで走ってきたんだよ。だからちょっと早いだけ。むしろ家を出た時はいつもより遅いぐらいだったんだ」

 

軽く挨拶を返して自分の席に向かう。窓際の席だ。

 

「そうだったんだ。でも遠野くん大丈夫だったの?体調でも崩したら...」

 

以前の交通事故以来、俺の体は身体能力こそ普通にしろ、すぐ貧血を起こしたり倒れたりするいわゆる貧弱体質になってしまっている。

啓子さんにも言った通り、この体質になってからかれこれ八年も経つので昔より遥かに楽になっているようには思うが、それでも体が弱いことには変わりない。

 

「よぉ、キモオタ!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

「うわっキモ〜。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん」

 

教室の端っこの方でクラスメイトの....たしか南雲とか言った男子がいつもの様に檜山を筆頭にしたいじめっ子集団に絡まれていた。これが始まればクラスのリーダー的立ち位置のやつが止めに入るが。

見た目は別にきもくもなんともないのだが、何故かいびりの標的になっている。いつも思うが一体何が原因なのだろうか?

 

しかしもはやいつもの風景なので今更止める気も起きない。

それより問題は今俺が白崎と話していることだ。

 

実のところ。これもいつものコトなので今更どうにかできるとは思っていないが、彼女と話す時、周りの視線が辛いのだ。

殺気、というには生温いが敵意や嫉妬のような視線を凄く感じるのだ。

主にクラスの男子から。

女子からも少々あるが。

毎日頻繁に話しかけくれたり、俺が体調を崩した時には保健室に同行してくれたりしてくれるのは有難いがどうしても視線(これ)はきついと思ってしまう。

あいつ(・・・)とは小学からの付き合いだが、最近になって白崎とは中学からずっと同じ学校だったことを知った。

なんでこの人が俺に構うのかよくわからないが。

 

..........単純に善意かな?

 

俺の学校での立ち位置は中立。

何があっても基本的に男女問わず中立を保つようにしている。

そのせいなのかよくわからないが、クラスでかなり孤立した存在だと思う。

それでも友人は少なからずいるわけなので、それで構わないのだが。

なんて呑気に考えていたら、よく白崎と一緒にいる三人がこちらに向かってきた。

 

「遠野君、おはよう。毎日大変ね」

 

「おはよう遠野。香織、また遠野の世話を焼いているのか?やっぱり優しいな」

 

「よう遠野。今日は調子いいのか?」

 

真ん中の人以外割と好意的に話しかけてくれたこの三人。

上から、

八重樫 雫(やえがし しずく)

天之河 光輝(あまのがわ こうき)

坂上 龍太郎(さかがみ りゅうたろう)

 

八重樫は白崎の親友だ。

ポニーテールにした黒髪がトレードマークの凛とした雰囲気の少女。

冷たいというよりかっこいい系女子。二大女神の片割れだ。

百七十二センチと俺より二、三センチ大きく女剣士、みたいな印象を受ける。

というのも彼女の家が八重樫流という剣術道場を営んでおり、小さい頃から剣道の大会では負け無しなのだとか。

この子とも小学からの付き合いで、いつだったか白崎同様最近気づいた。八重樫に誘われてその道場に行ってみたことがある。

その時は、『見るよりやってみる方が早いかもよ?』という誰かの意見により中学から授業でもやった事がなかった竹刀を持ち、勇猛果敢に挑戦したのだ。

しかし、あっという間に一本取られると思っていた俺の予想とは裏腹になぜか俺が勝利を収めてしまい、それ以来よく勧誘を受ける。たまたまだと思うんだけど....

それでも八重樫の家にはたまに行くので覗いていたりする。

その勧誘を断ったり、二大女神(ふたり)と俺が話しているのが気に食わないのかで、少し険悪な態度を取る、真ん中の人。天之河、さっきいったリーダー的なやつ。

カリスマ性があってクラスのみんなに好かれているだけあって悪いヤツでは無いと思う。そして八重樫流の門下生だったりする。

まあ、聞いた話によると天之河は八重樫か白崎のどっちかが好きらしいから恋敵みたいな扱いなのかもしれない。

最後に坂上だが、かなり単純ないわゆる脳筋で、根性!みたいなやつだ。....ぜんぜん説明になってないよね。

俺は別にやる気のない人間という訳では無いので、去年の体育祭以来割と交友的だ。

 

「おはよう三人とも。今日は元気だぜ坂上。この調子だと本気で体育に参加出来るかもしれない」

 

体育は週に三回あるが基本、それまでに早退しているか、軽く流す程度に済ませるか位にしか普段は出来ていないが、もしかしたら今日はできるのでは?なんて思っている。ちなみに今日は6限目だ。

 

「あ、そういえば遠野君、さっき先生が探してたわよ。なんかお家のコトで話があるとかで」

 

「......ふうん。家のコトって、引越しについてかな」

 

住所移転の手続きなら前の週にすませたはずなんだけど、なにか不備でもあったんだろうか。

 

「え?!遠野くん引越ししたの!?知らなかったよ!」

 

「あれ、言わなかったっけ」

 

実際、この話を知っているのは俺と家の親戚と、八重樫とあいつぐらいか。

八重樫にはよく剣道を進められると言ったがそれ以外にも、俺的には友人だと思っているので、学校以外のとこでは結構話す。

さっきも言ったが、何度か道場ではなく家の方にお邪魔させてもらったこともある。もちろんと言うべきか白崎の家も、だ。

俺なんかと話して楽しいのかはなんて知らないが、二人が拒絶しないのだから別に良いだろう。と言っても二人と出かけるときは(片方の場合ももちろんある)ショッピングモールで荷物持ちとか、服を買うのに付き合ったりとかご飯奢ったりとかだが。一般だと恋人とかとするようなコトだと思うんだが....

そして引越しのことをになぜ白崎に話してないかといえば単に忘れていた。

 

「なら今度引越しパーティしようよ!」

 

「あー、それが。今度から住むところはほら実家の....」

 

八重樫、白崎、あいつ。

あいつこと乾 有彦(いぬい ありひこ)とも小学からろいろいろあった腐れ縁だ。

いつでも喧嘩上等、みたいなアウトローなあいつの辞書にはおそらく『月曜日 登校』なんて項目はないのだろう。

基本月曜に学校には来ない。

いちおう進学校なのだか大丈夫なんだろうか。

有彦には檜山たちに目をつけられそうになった時に少し手を回してもらったのだ。

そのせいで標的が南雲になっているが、とにかく2人には感謝している。とくに有彦には口には出さないが。

 

ともかくこの三人は、俺の家庭の事情を知っている。

 

「え、遠野くんの実家って...」

 

三人には、遠野の家が厳しかったことを言っているので、引越しパーティなんてものをする許可なんて降りないと思ったのだろう。誰より俺を有間の家に追いやったことに怒りをあらわにしていたのが彼女なので、困惑は隠しきれないのだろう。

俺はなんとか視線で流してくれ、と思いの丈を伝えると、それに気づいてか追求されることは無かった。

八重樫も空気で察したらしく、白崎同様流してくれた。

 

「「??」」

 

天之河と檜山は完全に置いてきぼりを食らって頭に?を浮かべている。

そういえば、白崎は天之河が少し苦手なタイプとか話してたな。

 

「ーーーじゃあ私の家でしようよ!」

 

そしてこの瞬間。教室に核が落とされた。

 

 

 

 

 

 

____________________________

 

 

 

 

 

 

 

核が落とされてから昼休み。

案の定有彦は来ていないが、今日は屋上にでも行って食べるかななどと考えを巡らせる。

教室で食べようとすると白崎や八重樫に誘われるのだ。

しかしそんなことをしてしまえば俺はクラスの全男子を(八重樫のファンの女子も)敵に回しかねないので普段はそさくさと撤退する。

屋上で有彦も交えて三、四人で食べるコトもたまにあるのだが。

 

 

 

そして核の話に戻ろう。

お察しの通り、核が落とされてからクラスのほぼ全員なんじゃないかと思うほどの人達に質問と言うには生温い。

尋問紛いの事を受けたのだが何故か唐突にパタンとやんだ。

 

 

____________________________

 

 

これは志貴の知らない話だが。

質問が唐突にやんだのには理由があった。

 

「香織ちゃん!さっきのは一体どういうこと?!」

 

「さっきのって?....皆なんでそんな詰め寄ってくるの...?」

 

「遠野くんとの事だよ!もしかして二人は付き合ってるの?!」

 

「ふぇ?!そ、そんなことないよ!遠野くんとは....その...友達だよ.....?」

 

「そっかぁ、良かったぁ。私のかおりんが取られたらどうしようかと心配しちゃったよ。

それじゃあ遠野君のことはなんとも思ってないってことでいいいんだよね?」

 

「――――ふぇ??!!

べ、別に遠野くんのことは、そのぉ、す、好きとかじゃぁ.....」

 

 

 

「「「「..........」」」」

 

 

 

それは乙女の顔だったという。

その表情をクラスメイトの大半は視認した。

天之河という男はその表情を見ていなかったことから言伝に聞いたコトを曲解して都合よく歪めたようだが。また、白崎香織のことが好きであったとある男も同様に。

しかしクラスメイトの大半は理解した。

それはつまり、白崎香織が遠野志貴を――だということを。

 

 

____________________________

 

 

 

そんなことを知りもしない志貴は呑気に昼を食べる場所なんて考える。

クラスメイトは怒りを通り越してどうでもいいというか、応援したいというか、なんだかよく分からない感情になっていた。

そんな志貴に白崎は話しかけた。

 

「遠野くん。珍しいね、教室にいるの。お昼一緒にどうかな?」

 

もちろん今の時点で有彦は来ていないので構わないとも思ったが、また周りの目が辛いので、断りかけた瞬間。

 

「いや、遠慮す―――」

 

「え!お昼それだけなの?ダメだよ、ちゃんと食べないと!私のお弁当、分けてあげるね!」

 

白崎は俺の昼がパン一個だと知りお弁当を分けると言って、俺の席の前に椅子を持ってきてそこに座る白崎。

八重樫は察しがよく学校ではあまり話かけてこないが、こっちはそういうのをよくわかってない。

でも、口に出して伝えるのも幅かれるので言えないのだ。

 

「香織。こっちで一緒に食べよう。遠野はいつも通り教室では食べないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を他のやつに食べさせるなんて俺が許さないよ?」

 

爽やかに言い放つ天之河だが、それを聞いて白崎はキョトンとした顔でこう言い放つ。

 

「え?何で、光輝くんの許しがいるの?」

 

それを聞いた八重樫が「ブフッ」と吹き出した。

天之河は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、志貴の席に高校一有名な四人組が集まっている事実に変わりなく視線の圧力は弱まらない。

 

(ただでさえ今日の放課後から面倒なことが控えていて、ブルーになってるってのになぁ...)

 

なんて考えていたらふと、制服のポケットにナイフが入れっぱなしだったことに気づいた。

やばい、と軽く冷や汗を流してこっそりバッグにでも忍ばせようかと考えたその時。

 

教室の地面に突如として魔法陣のようなものが光り輝き現れた。

未だ教室にいた担任の愛子教諭が咄嗟に「皆!教室から出て!」と叫ぶが時すでに遅し。

魔法陣から発せられる光にクラスにいた生徒全員が飲み込まれ、光が収まる頃には既に、誰もいなかった。

蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。

この事件は集団神隠しとして大いに世間を揺るがすことになるのだが、それはまた別の話。

 

 




志貴とみんなの関係。(全員じゃない)志貴視点。
白崎と八重樫

友達。視線が辛いし、最悪刺されそうなので学校では話しかけて欲しくない。
八重樫は察しているが、白崎はよく理解していない。
結構遊ぶ。
デートみたいなことに誘われるが、好きでもないやつと行くなんて、無自覚に魔性だなー(鈍感)

次の回を書くにあたって質問があります。志貴の天職どうしよ....

  • 暗殺者
  • 殺人鬼
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