俺、沢田 圭は現在桜内梨子の部屋にいます。
「じゃあ私お茶取ってくるね」
「おう」
にしても本当にアニメで見た通りだな…一体どうなってんだこの世界。
「ん?何か手に触れ…あっ…」
俺の手に何か触れたと思い手元を見てみるとそこにはあの薄い本があった。
「これもアニメで見た通りだな…」
しかし問題は中身である。アニメでも映っていたりしたが誰も中身をしらないであろう。
気になるよねー
ってことで梨子には申し訳ないが中身を見させてもらおう
大丈夫だバレはしない。何故なら梨子はこの部屋にくるまで階段を使わなければならない。つまり階段の音が聞こえたら戻せばいいだけだ
「ってことでいざ!オープン!」
ページを開くとそこには女の子が女の子に壁ドンしてる画像があった。
えっ?女の子が壁ドンするの?されるんじゃなくて?
「かぁ~女の子が女の子に壁ドンする時代か…」
いわゆる百合ってやつか…。
俺はさらにページをめくる。すると今度はイケメンが顎クイをしている写真があった
「チッ…イケメンかよ」
思わず舌打ちしてしまった。何がイラつくって2次元の世界に行ってもイケメンが最強なことにかわりがないのが腹立つわ。
「またイケメンかよ!」
さらにページをめくるとまたイケメンが登場した。って言うか顎クイとか壁ドンしてる時点で自分がイケメンって自覚あるよね?なかったらこんなことしてねぇわ!羨ましいわ!
「ふぅ…一回落ち着こう」
俺はテーブルにおいてあった麦茶を飲む。くぅ~うまい!夏は麦茶!これに限る!
俺は自分の麦茶を机に戻した所で思考が一度停止し、ある疑問点が浮かぶ
なんで俺麦茶飲んでるんだ?
答えは簡単である。そこに麦茶があるからである。
なんで麦茶があるんだ?
答えは簡単である。梨子が持ってきたからである。
ということは?
梨子はすでに部屋に入っていると言うことである。
つまり?
俺が梨子の薄い本を読んだのを目撃されたってこと
えっ?これもうダメじゃん
脳が危険信号を出したのか冷や汗が止まらなくなる。おそらく梨子は俺の位置からして左側にいると考えられられる。しかし、扉があるのも左側である。つまり逃げることはもう不可能であるということ。
「な、何をしているの?」
声をする方向を見ると梨子がプルプルと震えた様子で聞いてきた。
「え、えっと…読書の方を…」
すると桜内は俺が読んでいた本を奪い取りタンスの中に無理やり入れる。
「読書?何を読んでいたの?」
「えっ…その同人誌を」
「同人誌?ちょっと私にはわからないかな…」
梨子は満面の笑みで言う。これはあれだこれ以上触れるなってことだ。
「そ、そっか…ならいいんだ。で?なんで俺を家にいれたんだ?」
これ以上触れると自分の命が危険なので話を変えることにした。
「相談があって…」
「相談?」
いやこの時期に相談ってどう考えてもピアノコンクールについてでしょ
「ピアノのコンクールの出場のお知らせが来たんだ」
「ほう…」
「だけどコンクールの日がラブライブ!予備予選の日と一緒なんだ…」
「それでどっちに出るか迷ってると」
まぁ予想どうりな訳だが…その相談は本来千歌が答えるべきであり、俺が答えるべきではない。
「梨子はどうしたいんだ?」
「私は……」
梨子は顔を下に向けながら言葉をつまらせる。どうやらまだ決めかねているようだ。
「まぁ、どっちを選んでも正解だと思う。ピアノもAqoursも」
「そっか…」
「ただ千歌だったらピアノを優先させるだろうな」
「えっ?」
「今度千歌に同じこと言ってみな、絶対ピアノ優先させるから」
「どうしてそう思うの?」
「アイツはそういう奴だよ。どんなに小さなことでも友達のことを考えて、信じてあげられるような奴だから…」
まぁアニメ全話見たから言えるんだけどね
「だから今回ははっきりとした答えは出してあげることは出来ない。答えは千歌が持っている」
「千歌ちゃんが?」
「あいつは絶対ピアノの方選ぶから。これでハズレてたらジュース2本奢ってやる」
「わかった。約束ね?」
「ああ、じゃあ家遠いから俺はもう帰るわ」
嘘である。
家が遠いんじゃない。
自分の家がどこにあるかがわからないのである。
今日の朝、突然ラブライブ!の世界に飛ばされたため、パニック状態となり通学路すら覚えていないと言う、人生最大の危機が迫っているのだ。ワンチャン俺、ホームレスになるかも。
「えっ?圭君って千歌ちゃんの隣に住んでるんじゃないの?」
「えっ?」
「えっ?」
「「えっ?」」
俺は下の階におり玄関の扉を開け、外を見る。
梨子の家の隣に千歌の家及び旅館があり、その隣に
俺の家がある…
「あー…今日ちょっと親戚の家に行かなくてな」
「えっ?千歌ちゃんが前にけー君は近所に親戚がいないから私が何かあった時のために鍵持ってるんだーって言ってたよ?」
「い、いや親戚というか友人というか…と、とりあえずもう行くわ!」
「う、うん。ありがとう相談に乗ってくれて…」
「俺は何もしてないよ。さっさと答えを千歌に聞くんだな」
「間違ってたらジュース2本奢りだからね?忘れないでよ?」
「忘れないって…それと」
「それと?」
「本の件は本当にすまなかった。デリカシーがなかったと言うか女の子もこういう本とかよm…」
「も、もうあれはいいから!わ、忘れて!」
とりあえず謝罪はしといた。よくよく考えたら異性に自分のお宝本読まれるって結構ショックだからな。俺だったらショックで気絶してるレベル
「わ、わかった…じゃあまたな」
「うん。バイバイ」
梨子は笑顔で見送ってくれた。うんいい子だ…
俺はそう思いながら自宅を目指す。と言ってもすぐ目の前なんだがな…
俺は自宅の扉を開けるために鍵を取り出した瞬間俺の背後に一人の男性が通りかかった。
俺は何を思ったのか知らないがほんの数秒その男性に意識がいく。
直人?
小学校のころから一緒だったからすぐにわかった。
「おい!直人!」
男性は俺の声に振り向く。顔、体格すべてが紛れもない直人だった。しかし、俺はすぐに気づいてしまった。
「お前…直人じゃないな?」
雰囲気というのだろうか…コイツは直人じゃない。直人の皮を被った何かである。
「さすがだね沢田圭君。」
直人は俺に対してそう言う。
「お前は何者だ…」
「残念ながらそれは言うことはできない。強いて言うならお前をこの世界に送った者だ。」
「なっ!?」
コイツが原因だったのか…
「いやー初日からおもしろい物が見れて大満足だよ!君は私の予想を大いに裏切ってくれた」
予想?何かの実験か?
「私の予想は大喜びすると思ったんだがね…でも君は変わっている。大好きなラブライブ!の世界に転移したのにもかかわらず、絶望を抱いている。」
「俺はもうラブライバーをやめて現実を見ることを決意したからな」
「そうか…君は変人であり興味深いな」
なんなんだコイツ
「それに驚かされたのはこれだけではない!ラブライブ!の世界に行っても喜びもせずに絶望を抱いているにも関わらず、冷静になり情報を収集しこの世界に順応しようとしている」
「俺の観察結果などどうでもいい。単刀直入に聞く、なぜ俺をラブライブ!の世界へ送りこんだ?」
「それは答えることが出来ないなー」
クソ…言い方がいちいち癇にさわる…
「ではお前に要求する。俺を元の世界に返してくれ」
「あれ?この世界で生き抜く決心はしたんじゃないのかい?」
オレはそんなことを口にした覚えはない。コイツ心が読めるのか!?
「あくまでそれは帰れないこと前提の話だ。いつまでもパニック状態では生きていけないからな。」
「本当に君は変人だね。まぁいい…返してやる。ただしすぐには無理だ。」
「いつだ?」
「約7ヶ月後だ。」
は?コイツはふざけてるのか?7ヵ月後?今7月の後半だから来年の3月ぐらいまでこの世界で暮らすってことか!?
「ふざけんな!こんな勝手なことが!」
「もう決まったことなんでね。まぁ場合によっては1ヶ月短くなるかもしれないからそれに期待するんだな」
「ちなみに俺が帰ることが出来たらこの世界はどうなる?」
「安心しなこの世界自体は消えはしない。ただ君に関する記憶は全部消えるけどね。じゃあこれからどうするのか楽しみにしてるよ。」
「おい!待て!」
しかし直人は俺の言葉を聞くことなく消えていった。
「クソ!」
アイツ何が理由で俺をこの世界に送った?
ただなんとなくわかるのは奴はこのまま俺をほっとく訳がない。何かしてくるぞ…
続く
いかがでしたでしょうか?次回は合宿の前に8月1日は千歌ちゃんの誕生日なため、できれば番外編を書きたい!
まぁ8月1日になっても投稿されなかったら間に合わなかったんだなと察してください。
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