雑用係と神造兵器   作:サンダーボルト

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CEOイベント、始めてなので楽しみです。

推奨BGM::帝国のマーチ


お仕置きだね、分かるとも!

「ケン君、今日が決戦の日です!」

 

 

 気合十分のヒロインXXと待機している俺とエルキドゥ。

 

 どうもこのフェスはただ聖杯を取り合うだけのものじゃ無いようだ。

 

 今更知った事だが、BBが立香ちゃん達を巻き込み、フェスで優勝するまで一週間を繰り返し続けるよう仕向けていた。

 

 ………マネージャー、断るべきじゃなかったかもな。

 

 

「何を考えているか分かるけど、君が責任を感じる事じゃないよ」

 

「そうだろうか…」

 

「そのBBとやらは、意図的にケンさんやドゥさんと接触を避けていたようです。気がつかなくても無理はないですよ」

 

 

 そう2人がフォローしてくれたおかげで、少し気が楽になった。

 

 ……マウナケア山にて対峙する、BBと立香ちゃん達。

 

 BBの姿が変化し、スロットマシンの残骸のような不気味なオブジェクトが生み出された。

 

 

「この反応は…やはり、彼女には邪神の力が宿っています!」

 

「なんてこった…」

 

 

 あのBBに邪神パワーとか、厄介でしかないぞ…。

 

 

『深淵を覗く者は注意しなければならない。あなたが覗くとき、深淵もまたあなたを覗いているのだ

 

…でしたか?それで結果はご覧の通り♡BBちゃんは邪神と同調して、暗黒のBBに!』

 

 

 カルデアのハワイ支部や天文台はBBの虚数空間に飲み込まれて消失してしまっていたのか…。息をするように恐ろしい事をやらかしたな…。

 

 

『では、カルデアが観測したフォーリナーはやはりBBさんだったんですね…!』

 

『ええ、もちろんです』

 

 

 邪神の権能、BBの機能、女神ペレの権能。これらが合わさり、今回の舞台が完成したのか。

 

 

『あと目障りなギルガメッシュさんを背後から襲って記憶を混乱させたのも――――』

 

「………………あ゛?」

 

「………やべ」

 

 

 BBの一言がトリガーとなり、エルキドゥからドスの効いた声が漏れた。ゆらり、と立ち上がったエルキドゥを見て、XXが短い悲鳴を上げる。

 

 

「ねえ、ケン…」

 

「ああ、うん。言わんでも分かってる。行ってこい」

 

「ありがとう。それとXX。それ、借りても良いかな?」

 

「ハッ!!どうぞお使いください!!」

 

 

 やけに低姿勢で双槍ロンゴミニアドを差し出したXX。それ、途轍もなく貴重そうなんだけど貸して大丈夫なの…?

 

 

「エルキドゥ…」

 

「なんだい?」

 

「その、やり過ぎるなよ…?」

 

「……………」

 

 

 ニッ、コリ。

 

 返事は無い。しかし、笑っている。

 

 これアカン。

 

 

「……あの、ケン君」

 

「……なんでしょう」

 

「凄く怖かったです」

 

「俺もです」

 

「やり過ぎたり、しませんよね?」

 

「……最悪、マウナケアが消えます」

 

「……」

 

「……」

 

 

 猛スピードで飛んでいくエルキドゥを、俺とXXはただ見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 規格外の力を持つBBに追い詰められていく人類最後のマスター。

 

 彼女達に迫る黒い影は、どんな手段をもってしても対抗する事は叶わない。

 

 

「頑張りますねぇ。でも私はまだまだ元気です♡」

 

 

その言葉に嘘は無く、奮闘する立香達を纏めて飲み込もうと影を展開する。

 

 

「……?」

 

 

 その時、BBは気づいた。ここに向かって尾を引く飛行機雲を。

 

 自身に迫る光を。

 

 

「チェェェェェェェェストォォォォォォ!!!!」

 

「ギャーーーーー!?」

 

 

 黒い影を切り裂く赤い光をかわしたBBは、マウナケアに降り立った神造兵器の姿を捉える。その手に持ったロンゴミニアドと、発せられている赤い光を見て目を見開いた。

 

 

「ちょっ、それ一体どうしたんですかぁ!?こう、コスモスがエーテル!?っぽい、凄い光!?ていうか真っ赤で怖いんですけど!?」

 

「この槍の光は、宇宙に秩序をもたらすもの。君のような混沌の化身には良く効くだろうねぇ…?」

 

 

 口が弧を描き、両目が赤く光るエルキドゥ。マジギレである。

 

 

「ケンと僕とのサマー・バケーションを邪魔した挙句、ギルにまで手を出すなんて……そんな僕の怒りの感情がエネルギーになって、この槍から放出されているのさ」

 

「ていうかそれ、ほんとに対邪神の切り札じゃないですかぁ!?」

 

「そうだね。それですんなり同期出来たのかもしれない。――――僕は神を縛る鎖だから」

 

 

 大地より生まれた鎖がBBの体を雁字搦めに拘束する。

 

 

「うぐぅっ!?……は、外せない!?こんな事って…!」

 

「下手に神性なんてものを身に付けるからこうなるのさ。まあ、事故のようなものだったんだろうから外すこともできず、僕達を意図的に蚊帳の外にして難を逃れるつもりだったんだろうけど」

 

「ええそうですよ!こんな事になるのが嫌だったから放置したのに!」

 

「目論見が外れて残念だったね」

 

 

 ロンゴミニアドを分離させて両手で構え直すエルキドゥ。赤い光が刃となり、金の鎖が展開されて切っ先をBBへと向けた。

 

 

「え、じょ、冗談ですよね?そこまでやりますか?」

 

「加減が出来る相手じゃないからね。もしかしたらBBちゃんのついでに邪神が消えるかもしれないけど、必要な犠牲、コラテラル・ダメージというやつさ」

 

「消滅させる優先順位、私が上なんですか!?」

 

「安心してくれ。僕が忌み嫌うのはイシュタルだけ。君には怒っているけど、一時的な事だから。もっとも、この後君が残っているかは分からないけどね」

 

「ヒィ!?」

 

 

 エルキドゥは飛び上がり、双槍を構えて高速で肉薄する。身動きの取れないBBに遠慮なく刃を振り下ろした。

 

 

「エヌマ・エーテル・ディザスターーーーーーー!!」

 

 

 邪神の力は切り裂かれ、鎖が貫きバラバラにされる。

 

 

「キャーーーーーー!」

 

 

 邪神・BBホテップ。ここに散る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バーベ!」

 

「Q!」

 

「だね、分かるとも!!」

 

 

 BBを倒して事件も無事に解決し、皆で打ち上げのバーベキューをする事になった。ちなみにBBは権能の殆どを封じ込められ、XXにしょっ引かれて牢屋で反省中だ。

 

 

「肉……肉か……いや大丈夫……サーヴァントは太らぬ…」

 

「とか言ってると、自分でも知らない間にお腹周りに食べた分のお肉がぽっちゃりと…」

 

「マスターちゃんやべてぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「なにさー!サーヴァントの皆だけ太らないって不公平じゃん!」

 

「例えどんなお姿になられても、ますたぁはますたぁですよ?」

 

「ありがとう清姫!でも微妙にフォローになってない!」

 

「そんな!?」

 

「先輩!鶏肉が良い焼き加減です!どうぞ!」

 

「ありがとうマシュ!あっ、つい受け取ってしまったぁぁぁ!?」

 

 

 年頃の女の子は大変だなぁ…。そう思いながら、網にどんどん肉を乗せて焼いていく。

 

 

「ビーフ、ポーク、チキン、ラム、ジビエ…皆違って、皆美味しいね、ケン!」

 

「最後のは肉の種類じゃないぞ…。ま、じゃんじゃん食っていけ」

 

「わーい!」

 

 

 何本もの串を手に取り、口いっぱいに頬張ってご満悦のエルキドゥ。立香ちゃんの周りはもとより、俺達の所でも沢山のサーヴァントが来てバーベキューを楽しんでいた。

 

 

「ははは、毎度の事ながら周回は堪えるねぇ」

 

「ぼやいても仕方あるまい。効率的に動き、必要な分を速やかに確保して終わらせるのが、周回における最適解だろう」

 

「二人共お疲れ様です…」

 

 

 くたびれた様子のマーリンと孔明先生に丁度焼けた肉を差し出した。

 

 

「ああ、頂こう」

 

「どうもありがとう。いやぁ、最近ぞんざいに扱われる事が多いから、ケン君の心遣いが身に染みるよ」

 

「それは日頃の行いのせいだろうに…。ケン、お前もご苦労だったな」

 

「立香ちゃん達に比べたら、なんてことないですよ」

 

「どれ、一口……うん、これは美味い!こういった開放感のある場所で食べるのは、また格別だねぇ」

 

「景色もまたご馳走といったところか」

 

「どんどん食べていってくださいね」

 

 

 追加の肉を焼いていると、串を片手に静かに泣いているサーヴァントがいた。

 

 

「ど、どうしたんですかエレシュキガル様?」

 

「ケン……これは何でもないのだわ…。ただ、冥界ではこんな美味しい物食べられないから、感動しただけなのよ…」

 

「そ、そうですか」

 

「もっと欲しいのだわ…構わないかしら…?」

 

「焼けてる物は持っていっていいですよ」

 

「感謝するわ!!」

 

 

 がっついて食べ始めたエレシュキガル様。やっぱり現代の食べ物ってサーヴァントからしてみれば珍しいんだろうなぁ。

 

 

「とってもいい匂いね。私も貰っても良いかしら?」

 

「夫人。ええ、お好きにどうぞ」

 

「ニャーフ!ありがとう!」

 

 

 水着に着替えたブラヴァツキー夫人が手を伸ばす。

 

 

「マハトマが囁いているわ。このお肉が食べごろよ!」

 

「マハトマってそんな事も教えてくれるんですか?」

 

「そうよ!マハトマは凄いんだから!」

 

 

 嬉しそうに肉を食べ始めた夫人。今日は喧嘩の仲裁をすることも無く、平和に過ごせているな。

 

 

「ケン君!ちょっといい?」

 

「どうしました?」

 

 

 俺と同じ肉焼き係のブーディカとエミヤがこちらに来た。

 

 

「それが、予想外に人が集まってしまってな。肉が足りなくなってしまったんだ」

 

「今、新しいのを頼んでるんだけど、ちょっと時間がかかりそうなの。お肉が余ってたら分けてもらえないかな?」

 

「ああ、そういう事ですか。そこに沢山ありますから、どうぞ持って行ってください」

 

「ありがとう!わ、綺麗な色のお肉だね」

 

「追加が届いたらこちらにも持って来よう」

 

「ありがとうございます」

 

 

 肉の盛られた大皿を持っていく二人。あれだけあれば恐らく足りるだろう。

 

 

「はー、良かった。ケン君は頼りになるねぇ」

 

「あのー、追加のお肉を調達してきました」

 

「ああ、助かる。ケンから貰ってきた肉が丁度焼けたところだ。食べるだろう?」

 

「はい、是非!」

 

 

 特製ソースで味付けされた串焼きをエミヤから受け取ってかぶりつくマシュ。味を確かめるように何度も咀嚼し、頭に疑問符を浮かべる。

 

 

「これは、何のお肉でしょうか…?」

 

「……そういえば、なんだろ?」

 

「聞いていなかったな」

 

 

 マシュが小走りで俺の所に来た。どうかしたのか?

 

 

「防人さん、このお肉は何のお肉なのでしょうか?なんだか食べた事の無い味と食感です」

 

「ああ。それね、サメ肉」

 

「さめにく」

 

 

 きょとんとして自分が手にしている肉を凝視するマシュ。まあ珍しいよね。

 

 

「エルキドゥが獲ってきたんだよ。美味いだろう?」

 

「はい。肉厚でとても食べ応えがあります!」

 

「サメか。珍しい肉を調達してきたんだな。追加を持ってきた。味付けは済んでいるからそのまま焼いてくれ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 エミヤが持ってきた串焼きも焼いていく。しかし、焼いても焼いてもすぐに無くなっていくな。

 

 

「ケン君、さっきから焼く係ばかりで食べていないようですが…」

 

「私が変わってあげましょうか?」

 

「甘いなお前たち。奴の皿を良く見てみろ」

 

「へ?見てみろって………おや?」

 

「あ、あれ?お肉が増えたり減ったりしてますよ!?」

 

「そうだ。奴は雑用を極めてあのように、周りが気づかないうちに自分の食事を済ませる技能を身に付けている。私の目指す奉仕とはまた違うが、あれはあれで参考になるぞ」

 

「ふふ……」

 

 

 メイドオルタの解説に、つい得意げになって笑みが零れてしまう。そうとも、こういう場では焼く係や配膳係になる俺は、気を配りつつ自分の飯も食べるスタイルを会得したのだ。

 

 そしてまた追加の肉を焼こうとすると、トングと肉を横から奪われた。

 

 

「アホなスキル磨いてないで、食べたいなら食べたいって言いなさいよね。私が代わりに焼いてあげるから、普通に食べなさい」

 

「あ、はい。すいません」

 

 

 ジャンヌ・オルタに焼く係を奪われた俺は、大人しく食べる係になる事にする。

 

 

「ほら、もうこれ焼けてるわよ。取ってあげるわ」

 

「ど、どうもありがとう…」

 

「……どう、美味しい?」

 

「ええ、とても美味しいです」

 

「そ」

 

 

 ジャンヌ・オルタは俺の皿にガンガン肉を置いていく。い、一体彼女に何があったんだ…?

 

 

「あいつはな、最初にお前を力ずくでマネージャーにしようとした事をずっと気にしてたのさ。部屋でもたまにぼやいていたしな」

 

「あんた何で知ってるのよ!?」

 

「私はメイドだぞ?メイドというのはだな、あらゆる人間の裏側を覗いているものだ」

 

「覗いてたワケ!?この冷血メイド!!」

 

「俺なら気にしていないから、大丈夫だぞ」

 

「……こっちの気が済まないのよ。ほら、肉だけじゃなくて野菜も食べなさいよね」

 

「あ、はい。いただきます」

 

 

 こうして俺はジャンヌ・オルタのおかげで、普通にバーベキューを堪能した。




私は鶏肉が好きです。

キングゥは救済するべき?

  • 助けてあげたい
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