雑用係と神造兵器   作:サンダーボルト

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アンケートやって気付いた事。

選択肢3つの後に全部やるって書いたら、そら全部に投票するよね。




お約束だね、分かるとも!

白い砂浜に建てられたステージの上で、メイヴを筆頭とした水着サーヴァント達がパフォーマンスを行い、観客を沸かせている。

 

己の美しさを知らしめる為、そして人気をかっさらいフェスの優勝を磐石のものにする為に開催されたメイヴコンテスト。

 

審査員に採点された点数の上位三名が優勝と謳っているが、最後に飛び入りという形で着替えた自分も参加し、上位三名を自分だけのものにする腹積もりのメイヴは内心ほくそ笑む。

 

ホームステージで自分が負けるはずがない。

 

余裕綽々でコンテストを楽しんでいた彼女に向けて、讚美の声があちこちから挙がる。それで更に気を良くするメイヴ。

 

そんな中、彼女の描いたシナリオをぶち壊さんとするサーヴァントが現れた。

 

 

「そこまでだ、悪党っ!!」

 

 

パワードスーツを脱ぎ捨てて、ヒロインXXがコンテストへと乱入する。

 

 

「ひとーつ、人の世に蔓延るセイバー皆殺し!

 

ふたーつ、不埒なセイバー皆殺し!

 

みーっつ……皆殺しだセイバァァァァァ!!」

 

「な、何事っ!?」

 

 

一番注目を集めていたメイヴに斬りかかるXX。不意討ちであったがギリギリで対応出来たメイヴは、斬撃を受け流して距離をとった。

 

 

「あらアナタ、確かアサシンの癖に自分の事をセイバーだと名乗ってる頭が可哀想な…」

 

「だまらっしゃい!それは昔の話です!貴女こそ、元はライダークラスの癖にわざわざセイバーに鞍替えとは!この私に逮捕される覚悟あっての所業ですか!」

 

「何よ、文句があるならアナタも出ればいいじゃない。まあ、美しさで私に敵わないと知って、実力行使に出たんでしょうけど?クスクス♪」

 

「ふん、このコンテストが真っ当なものではない事など、ハナから見破っているのですよ!」

 

「さあ、何の事かしらね?なんであれ、真正面から攻めてくる気概は褒めてあげるけど…」

 

 

XXを取り囲むように、武器を取り出す男の観客達。

 

 

「私を守る勇者たちがひしめき合うこのステージで、たった一人でやってきたのが運の尽きよ!さあ、私の愛しい勇者たち!飛び入り参加者を歓迎してあげなさい!」

 

「Oh------!」

 

「……あれは宇宙OLの私ですか。ここは助太刀した方が良いのでしょうか」

 

「やめとけ、やめとけ!どさくさ紛れにやられるのがオチじゃろ」

 

「どうしましょう、先輩。私達もXXさんに加勢するべきでしょうか…」

 

「うーん……とりあえず様子見しておこうか…」

 

 

不利な状況に立たされた筈のXXだが、その表情に焦りは見られない。

 

 

「ふふふ、残念ながら今の私は一人ではないのですよ!自分に有利な状況を作ったつもりでしょうが、こちらには心強い味方が付いているのです!」

 

「……何ですって?」

 

「海岸線でイベントをやろうとしたのが運の尽き!刮目せよ!マイ・ベスト・フレンド!!」

 

 

XXが海を指さすと大きな水飛沫が上がり、巨大な怪物が姿を現した。その姿は――

 

 

『しゃーーーーーーーーく!!!』

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

「サメだな」

 

「サメだね」

 

「サメですな」

 

 

孔明先生とアレキサンダー君、そしてまた会った黒ひげ船長が次々に口に出す。XXの助っ人に現れた大きなサメ。言うまでもなく変身したエルキドゥである。

 

 

『な、なんだあのデカイサメはぁぁぁ!?』

 

『落ち着け!どんなにデカくても相手はサメだ!陸までは上がってこれn(ガブリ』

 

『男Aーーーーーー!?』

 

『おい普通に陸まで来たぞ!?どうなってんだ!!』

 

『しゃーーーーーく!!』

 

 

「……阿鼻叫喚ですなぁ」

 

「僕、サメって見た事ないけど、あんな生き物じゃないよね?防人さん?」

 

「サメですから」

 

 

『怯むな!相手は一匹だ!数で囲めば勝t(パクリ』

 

『ひ、ひぃぃ!?あ、あ、頭が増えt(パクリ』

 

『あっという間に姿が変わったぞ!?どうなってんだあのサメは!?』

 

『しゃーーーーーーーーく!!』

 

 

「……頭が増えましたぞ」

 

「尻尾まで頭になってるよ、防人さん」

 

「サメですから」

 

 

『きょ、距離を取るんだ!遠くから攻撃すれば倒せr(ズドーーーーーン!!!』

 

『男Bーーーーーー!?』

 

『頭を千切って投げやがった!!しかもすぐ生えてきやがる!ば、化け物だぁぁぁぁ!!!』

 

『しゃーーーーーーーく!!!』

 

 

「やりたい放題ですなぁ」

 

「あれもうサメじゃないよね、防人さん?」

 

「サメですから」

 

「だから違うよねぇ!?」

 

 

『ははは!まさかバカンスに来てあのような怪物とあいまみえるとは!血が滾ってきたぞ!』

 

『駄目だよ師匠!水着を着てる時点であれにはまず勝てないからぁ!何人かは生き残れるけど他は餌にされるだけだからぁ!!』

 

『それを聞いて大人しくしていられるか!さあ、いざ尋常にs(パックンチョ』

 

『師匠ーーーーーー!?』

 

『しゃーーく!!しゃーーーーーく!!』

 

 

「スカサハが食われたぞ」

 

「サメですから」

 

「それと、サメの鳴き声は『しゃーく』ではないぞ。そもそも鳴かんぞ」

 

「サメですから」

 

「防人さんさっきから同じことしか言ってないよね!?」

 

 

『な、なんてこと……私のコンテストが…あんなサメ一匹に…。ゆ、許さない…許さないわよ、アンタ達…!』

 

『ふっ、では決着といきましょうか……その前に写真を一枚。はい、チーズ!』

 

『っ!!?(ビクッ!!』

 

『隙ありっ!!死ねぇっ、セイバァァァ!!』

 

『きゃーーーーーーっ!!!』

 

 

「終わったな」

 

「あっけない最後でしたな…。しかし防人氏、よくこんな作戦思いつきましたなあ」

 

「アイツにサメ映画見させられてるせいですかね、こういうビーチを見ると頭にサメがよぎるんですよ」

 

「病気じゃないかな?」

 

「こ、これは…策と呼べるのでしょうか…?」

 

「実際倒しちまったしな…。ま、勝てば官軍負ければ賊軍、ってやつでしょ」

 

「アレですよ、こんなビーチでサメ対策もしないで呑気にコンテストやってたのが悪い、って事で」

 

「酷い言いがかりだ!?」

 

「ケン君ケン君!セイバー退治終わりました!ご褒美に本場の分厚いステーキを所望します!」

 

「しゃーく!」

 

「じゃあ、昼飯はステーキにしますか。それとエルキドゥ、戻ったならもうサメの真似はいいから。いや、真似になってないけどな」

 

 

一仕事終えた俺達は、後始末をロビン達に任せてステーキを食べに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、今日も疲れた……でも、楽しかったな」

 

 

ステーキを食べた後もエルキドゥとXXにあちこち引っ張りまわされて、夜にようやく帰ってこれた。

 

 

「すぴー……すぴー……」

 

「なんて格好で寝てるんだ、この人は…」

 

 

海遊びにセイバー退治に観光で、タフそうなXXも体力の限界にきていたようだ。あどけなさが残る寝顔で水着のまま寝ている彼女にそっとシーツを掛けておく。

 

 

「ケン」

 

「?」

 

 

閉めたカーテンの隙間から、バルコニーに出ていたエルキドゥが手招きをしていた。外に出てみると、月の明かりでうっすら輝く海が広がっている。

 

 

「おお…また違う景色が見られたな。良いもの見つけたじゃないか、エルキドゥ」

 

「うん…」

 

 

腕を取り、こちらに寄り添ってくるエルキドゥ。俺も少し体を寄せ、お互いに寄り添う形のまま夜景を眺めていた。

 

 

「……そろそろ寝るか?」

 

「ケン…聞きたい事があるんだけど」

 

「なんだ?」

 

「ケンは水着の女の子が見られたら……嬉しい?」

 

「何だそれ…。まあ、ちょっとは嬉しいけど…」

 

「………」

 

「ごめん嘘。かなり嬉しい。俺も男だからさ…」

 

「そうだよね…」

 

 

格好つけたかったが、エルキドゥの無言の重圧に負けて正直に言う。メイヴコンテストだって、妙な思惑さえなければ観客でいたかったし。

 

顔を伏せていたエルキドゥが俺の腕を放し、一歩後ろに下がる。なんとなく気まずくなって視線を逸らしたが、仄かな光がエルキドゥから放たれたのを切っ掛けに視線を戻す。

 

――――俺は絶句した。

 

 

「…………どう、かな」

 

 

手を後ろに組んだエルキドゥが自分の体を見せつけるようにして立っている。

 

――――身に纏っているのは真っ白なビキニだった。

 

 

「僕が誘惑したい雄は…君だけだよ」

 

 

ふっくらと膨らんだ胸。キュッとくびれた腰つき。綺麗でハリのある太もも。女性の魅力を前面に押し出したエルキドゥが水着姿で立っている。口を開けたまま、その光景に目が釘付けになって動けない。

 

 

「ケン……何か言ってよ…」

 

 

少し不安そうに聞いてきて、ようやく俺の頭は再起動した。

 

 

「あ、あの……き、綺麗で、とても似合っている…。凄く…可愛い…よ…み、魅力的だ…」

 

 

途切れ途切れになってしまう言葉に、情けなくなって頭を掻き毟った。

 

 

「…悪い、気の利いた言葉の一つも出てこない…」

 

「……ふふ、何を言うんだい」

 

 

ふわり、と距離を詰めたエルキドゥが、背伸びをするように俺の唇に短いキスをした。

 

 

「気を遣わなくても良いよ。僕と君の仲じゃないか。君の正直な言葉が僕には嬉しい」

 

 

至近距離で優しい微笑みをたたえるエルキドゥ。顔が真っ赤になっていくのを自覚した俺は、顔を横に逸らした。

 

エルキドゥの両手が顔を掴んで、視線を自分へと戻してくる。

 

 

「目を逸らさないで…。もっと僕を見てよ」

 

 

見ればエルキドゥの顔も、俺と同じくらいに赤くなっていた。たどたどしく言葉を紡いでいくエルキドゥ。

 

 

「好き。大切な存在だ。大好きだ。愛してる。離れたくない。ずっと一緒にいたい。君が大事だ。一緒にいてほしい。ありがとう。

 

……ごめんよ。君に贈りたい言葉は山ほどあるのに、一つに纏められないんだ。ごめん……んむっ」

 

 

しょぼくれた姿がたまらなく愛おしくなり、エルキドゥの頭に手を回し、長いキスをした。

 

もう片方の手をエルキドゥの腰に回し、引き寄せ、抱きしめる。足りない、足りないと体を押し付け、体温を分かち合う。

 

強張っていたエルキドゥの体から力が抜けて、俺に全てを委ねてくれる。

 

長いキスの後、唇を離したエルキドゥの顔はさっきよりも赤くなっていた。

 

 

「謝るなよ、俺とお前の仲だろう?」

 

「ケン…」

 

「言いたい事は全部言ってくれ。俺もちゃんと返すからさ」

 

「………大好き」

 

「俺も大好きだ」

 

 

エルキドゥが顔を胸に押し付けてくる。

 

 

「君は、やっぱり……優しいね」

 

 

エルキドゥが満足するまで抱きしめ続ける。

 

エルキドゥとの絆が少し深まった気がした。




ヒロインXXルートは終了。次はメイドオルタです。

キングゥは救済するべき?

  • 助けてあげたい
  • 見殺しにする
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