戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

102 / 246
今月二話終了まで投稿したのでアキュラかひびみくと同年代Ver.かフィーネ組のどれがきていいようにプロットを立てることに専念します。とりあえずこの投稿が終わりアンケートは明日で終わりですが今は圧倒的に白き鋼鉄のXアキュラです。



10GVOLT

ぶつかり合う雷撃鱗が雷撃を辺りに散らしながら宙を舞う。

 

「アッシュボルト!」

 

「邪魔はさせんぞ、貴様にはな」

 

「GV!早く戻らないと皆が危ない!」

 

「分かっている!」

 

だが、アッシュボルトの雷撃鱗はシアンの補助を受けたボクと同等の出力を持っており、防ぎ切る事で精一杯となる。しかし、それはアッシュボルトも同様であり、宙へと浮かべたまでは良いが、それ以上何もする事が出来ず、ただ勢いのままに押し続けている。

 

「この辺で良いだろう」

 

急に雷撃鱗を解いたアッシュボルトはボクへと向けて更に近付き、雷撃鱗を電磁結界(カゲロウ)で無効化させるとボクへと向けてライフルを振りかぶり、そのまま地面へと叩きつけようとする。

 

ボクはその攻撃を受け止めるが、蒼き雷霆(アームドブルー)をシアンの力で強化した肉体であってもその攻撃を完全に受ける事は叶わず、そのままビルの屋上へと叩き落とされた。

 

なんとか空中で体勢を整えてビルに着地すると同時に雷撃鱗を解除する。

 

アッシュボルトも同様に向かいのビルの屋上へと降り立つ。

 

「ここなら貴様にもあの場に戻り手出しは出来ん」

 

「装者達を舐めない方がいい。あの子達もかなりの戦闘を積んだ優秀な子達だ」

 

「ああ、あの程度のノイズをどうにかしてもらわねば困るからな」

 

「どういう事だ!?」

 

出現させたノイズをどうにかしてもらう。なぜそのような事をしなければならないのか。そもそもなぜボクだけをライブ会場から引き離したのか。先程の言葉の意味が分からない。

 

「何、我々の目的にはここで彼女達にやってもらわねばならないのだよ。私の本当の目的の為にな」

 

「まさか!?他にも完全聖遺物を持っているとでもいうのか!?」

 

その言葉の真意は分からない。だが、奏が倒そうとしても分裂し増殖するノイズ。それにアッシュボルトが何者かへとぶつぶつと通信をしていたのか何かしらの指示を出していた。そしてその時に聞こえたフォニックゲインというワード。

 

以前、ボク等も行おうとしていたネフシュタンの鎧の起動の為にライブを利用したようにアッシュボルト達も装者の歌を使い、何かを起動させようとしているのなら。

 

「装者達の歌を利用してなんて事をしようとしているんだ!」

 

ボクはライブ会場の方へとアッシュボルトを無視して駆け出すが、ライフルを構えてボクへと向けて放ち、行く手を阻む。

 

「行かせる訳ないだろう」

 

「GV!もうどうにもならないかもしれない!それならこいつをここで止めてこいつ等の目的を聞き出して止めればいい!私も全身全霊で歌って蒼き雷霆(アームドブルー)に力を貸すからここで止めよう!」

 

「シアン!頼んだよ!」

 

そしてシアンがさらに力を与えるように歌を歌う。そのおかげでボクの雷撃が更に強まるのを感じる事が出来るのだが、アッシュボルトはそれと同等の雷撃を体に迸らせた。

 

だが、強化されたというよりも制御し切れていないのか溢れ出す雷撃がビルの床や空へと向けて散らしていく。

 

「素晴らしいな、電子の謡精(サイバーディーヴァ)というものは…流石皇神(スメラギ)が目を付けていただけの事はある。そしてそれを可能にする奴と同じように強める事の出来る貴様は逸材だよ」

 

「何を言っているのか分からないけど貴方を倒す!絶対にもうあんな事にならない為にも!ここで貴方のやろうとしている事を止めて見せる!」

 

ボクは例え聖遺物が起動したとしてもその元凶であるアッシュボルトを止めて目的を阻止させる事に切り替える。

 

アッシュボルトの蒼い雷撃とボクの蒼い雷撃が夜空を照らし出す。

 

相対する蒼き雷霆(アームドブルー)の能力者同士。迸る雷撃が我先に互いを倒さんとばかりに向かい、雷撃を散らしている。

 

睨むボクとバイザーにより全く表情の読めないアッシュボルト。だが、こんな所で睨んでても仕方ない。早くアッシュボルトを捕まえる為にボクは蒼き雷霆(アームドブルー)、そしてシアンが歌う歌により強化された肉体でビルを飛び移り、アッシュボルトへと強襲する。

 

アッシュボルトはライフルだけを捨ててボク同様に銃を片手、もう片方の手に雷撃を迸らせながら、強襲するボクへと接近する。

 

打ち付け合う腕と腕、迸る雷撃が辺りへと被害をもたらす。

 

だが、それでもボクとアッシュボルトは気にせずに互いに向けてダートリーダーと銃を互いへと向けて撃ち合う。

 

ボクは銃口から身体を逸らし躱してアッシュボルトも同様に躱す。

 

だが、互いの攻撃を与える際にボクはまるで鏡を前にしているように同じ動きをするアッシュボルトに違和感を覚える。

 

「チャタンヤラクーシャンクーをなぜ貴方まで!?」

 

そう、ボクと同様の動き、つまりボクと同じ武術、チャタンヤラクーシャンクーのアレンジを使うアッシュボルト。

 

「貴様には関係ないだろう?」

 

ボクの拳を払うように手で軌道を逸らしながら

アッシュボルトが告げる。

 

「関係ない訳ない!」

 

そうただのチャタンヤラクーシャンクーなら別であるが、アシモフによりアレンジの入ったこの武術を使えるのなら関係ないとは言えない。

 

皇神(スメラギ)でもないのなら貴方は元々フェザーの人間なのか!?」

 

「懐かしい名前だな…だが、何度も言うが貴様には関係のない話だ」

 

「ふざけるな!フェザーの人間ならなぜこんな事をしている!?皇神(スメラギ)とは違ったやり方でなぜ混乱を招く必要がある!」

 

「フェザーも隠蓑の一つであり、かつての目的の為に結成されていたに過ぎない。最も貴様には全く関係がない」

 

「だから関係あると言っているんだ!ボクも元々フェザーの人間だ!同じ組織の人間が敵であるのならばその間違った思想を止める!」

 

アシモフのように同じような考えでないにしろこの世界を混沌へと導こうとするならば止めなければならない。ボクはアッシュボルトへ向けて無駄かもしれないが雷撃を纏う拳を振るう。

 

「無駄だ」

 

アッシュボルトが言うように拳はすり抜けて全く役に立たない。だが、ボクがしたいのはアッシュボルトを殴る事ではない。アッシュボルトから貫通する腕から雷撃を放ち、アッシュボルトの後ろにある貯水ポンプを破壊して大量の水を放出させる。

 

ボクは素早く、その場から飛び退き、難を逃れるが、アッシュボルトはその行動に気付くのが遅れ、そのまま水を全身に浴びてしまう。

 

「地形を利用して私の蒼き雷霆(アームドブルー)を封じたか…」

 

「これで蒼き雷霆(アームドブルー)は使えないわ!」

 

同じ蒼き雷霆(アームドブルー)の能力者だからこそ知る弱点。これでアッシュボルトの能力はしばらくは使えない。

 

「だが、電磁結界(カゲロウ)が使えなくとも時間さえ稼げればそれでいい!」

 

そう言うとアッシュボルトはボクへと向けて駆け出す。銃を構え、ボクへと放ち、ボクも応戦するようにダートリーダーをアッシュボルトへ向けて放つ。

 

互いの弾丸が交差していくがどちらの弾も当たることはなく、壁へと突き刺さる。

 

そして距離がゼロとなったボクとアッシュボルトは完全な近接戦闘へと切り替えた。

 

雷撃を纏う拳とぶつかり合う拳。雷撃がアッシュボルトの身体を迸り、身体中を駆け巡る。

 

だが、それでもアッシュボルトは手を止めない。

 

「痛みを感じないのか!?」

 

「感じているさ!だが、この程度の痛み!あの時の痛み、そしてこれまで費やしてきた途方もない時間に比べればどうということはない!」

 

迸る雷撃をものともしないアッシュボルトはボクへ向けて拳を脚を使い、攻撃してくる。

 

ボクは雷撃を展開してその攻撃を防ぐが、アッシュボルトはボクの方へ手を翳して言葉を紡ぐ。

 

「瞬くは雷纏し聖剣、無慈悲なる蒼雷よ、敵を穿て!迸れ!蒼き雷霆よ(アームドブルー)!スパークカリバー!」

 

翳した手から出現するボクと同じスパークカリバー。ボクはコートの端をスパークカリバーに貫かれながらも躱すが、スパークカリバーから放電する雷撃にダメージを負う。

 

だが、それでも関係ない。ボクはシアンにより強化された能力を細胞へと働きかけ、急速に傷を治癒する。

 

そして、ボクは振るわれるスパークカリバーを躱しながら、アッシュボルトまで辿り着くとボクは最強のスキルを発動する為に言葉を紡ぐ。

 

「閃く閃光は反逆の導、轟く雷吼は血潮の証、貫く雷撃こそ万物の理!迸れ!蒼き雷霆よ(アームドブルー)!ヴォルティックチェーン!」

 

纏う雷撃が鎖へと変わり、アッシュボルトに絡むように操り捕らえようとする。だが、アッシュボルトは操作する鎖へスパークカリバーを振るい、全て斬り伏せていく。だが、スパークカリバーの出力が大きく減っているのか雷撃が止んで遂には消滅する。

 

「捕らえた!」

 

ボクはアッシュボルトを絡め取る為に出力を上げて更に鎖を出現させると操作して捕らえようとする。

 

だがアッシュボルトの姿が突如として消えた。鎖も先程までいた場所に向けて操作したのだが、何も反応がない。

 

「GV!これって最初に出てきた時の!?」

 

時間切れ(タイムアップ)だ。どうやら向こうがもう既に完了したようなのでな。ここで引かせてもらおう」

 

何処からともなく響くアッシュボルトの声。それと共にライブ会場の方から光が立ち昇り、物凄い勢いで風が吹く。

 

「アッシュボルト!何処にいる!貴方だけは捕まえる!」

 

鎖が消えて再びこの場を覆うように巨大な雷撃鱗を展開するが、今度は何も反応がない。

 

「何、また私と貴様は戦う事になる。それまで決着は預けておこう。奴と同じだが異なる意味を持つGV」

 

「!?」

 

アッシュボルトがフェザーならそのコードネームを知っている事は分かるが異なるとはどういう意味なのか。

 

「どういう事だ!アッシュボルト!答えるんだ!」

 

だがボクの声が夜闇に木霊するだけでアッシュボルトからの返答はない。

 

「GV、どうやらアッシュボルトっていう奴、この場からいなくなったみたい…ご丁寧に捨てたライフルも消えてる」

 

「クソッ!」

 

ボクは拳を強く握り、テロリストの頭目を逃してしまった事を後悔する。だが、奴はまたボクの前に姿を現すと残していった。訳の分からない言葉と共に。

 

「一体何者なんだ…貴方は…」

 

「異なる意味を持つGV…一体アッシュボルトっていう人は何を知っているっていうの…」

 

ボクもシアンもアッシュボルトのいた場所を眺めながらそう呟く事しか出来なかった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「これがこの国の装者の力…」

 

マリアはライブ会場から離れたビルの上から会場から登る光を見てそう呟いた。

 

あのノイズを滅ぼさんばかりの莫大なフォニックゲイン。これをたった四人で行うなんて規格外にも程がある。

 

「それにガンヴォルトの存在…」

 

第七波動(セブンス)という特殊な力を持つあの男がいる限り本当に目的を達成させる事が出来るのだろうかと不安に駆られる。

 

「マリア、大丈夫デスよ。私達三人なら出来るデス」

 

「うん。あんな偽善者達に邪魔されても絶対にやろう、マリア」

 

二人は不安そうなマリアの心情を察して手を握る。

 

「…ありがとう、切歌、調」

 

そうだ、こっちにも自分を含めた三人の装者がいる。そしてナスターシャが。大切な家族がいる。四人なら何とか出来ると信じ込む。だが、問題があるとすれば協力はしているものの、未だ信頼出来ていないテロリストのアッシュボルトと何処までもアッシュボルトを心酔するウェルの問題。

 

「ここにいたか、お嬢さん(レディ)達。さっさと戻るんだ。奴等も馬鹿じゃない。直ぐにこの場を包囲する」

 

突如この場に姿を現すアッシュボルト。表情は見えないが、先程までガンヴォルトと激しい戦闘を行なっていたのだろう。特殊な黒いスーツは所々に傷んだ形跡が見える。

 

「そのつもりよ。それよりも貴方もあの男に派手にやられたようね?」

 

「何、この程度想定内だ」

 

確かにアッシュボルトは装者に匹敵する程の力を持つガンヴォルトと相対していたのにも関わらず息ひとつ上げていない。

 

「それよりも早く戻れ。この場にいれば早い内に奴等に見つかる」

 

「分かっているわ」

 

マリアはこの男に言われ苛立ちながらそう返した。

 

「ならば行け。私は直ぐにDr.ウェルとソロモンの杖を回収する」

 

そう言ってアッシュボルトはスーツが透明になり、姿を消した。

 

「…行きましょう、二人とも。マムも心配してると思う」

 

アッシュボルトの言う事を聞くのは癪だが、アッシュボルトの言う通り、ここにいても危険なのは変わらない。

 

「分かったデス!」

 

「了解」

 

そしてマリア達もその場から離れて、ナスターシャが待つ輸送機へと向かい、ビルから姿を消した。

 




北谷屋良公相君(チャタンヤラクーシャンクー)
個人的に響や切歌は言えそうにない名前。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。