戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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モルフォのニューアルバム発売決定したので即予約しました。
楽しみです。



28GVOLT

「おっーと!可愛い挑戦者達が現れましたね!このステージにどうして上がったのかな?」

 

司会が切歌と調にそう聞くので切歌がマイクを貰い、宣戦布告するように言う。

 

「ステージに上がったのは他でもないデス!さっき歌ってたあいつらよりも私達の歌の方が凄い事を知らしめてやる事デス!」

 

「そして宣戦布告をする!」

 

「これは!?何の事だか分かりませんが、この子達と先程の生徒と何か因縁でもあるのでしょうか!?」

 

司会の子も二人の言う事は分かっていないが、場が盛り上がる事になっている為に二人の言葉を注意する事なく、流れるままに二人へとマイクを渡して曲を聞くと二人はツヴァイウィングの過去の曲を選び歌い始める。

 

その歌は二人の感情を表すように怒りのままに。だがその歌の中にある奏や翼の様に、クリスの様に、シアンと未来と響の様に。感謝とは別のベクトルではあるが、二人の歌声が伝播して会場を沸かせる。

 

そんな二人の歌を聞いていた装者と未来、シアンはステージに上がり、先程の少女が言った宣戦布告の言葉とその歌で完全なる敵意を察知する。

 

「何であいつらがここに!?」

 

「雪音!今はそんな事はどうでもいい!とにかくあの子達が何をしようとしているか分からないが、民間人の避難を!」

 

「翼も落ち着け!そんな事したらパニックになってさらに状況が悪化する!ノイズも出ていない以上、私達でなんとかするしかない!」

 

「待って下さい!奏さん!今あの子達には聞かない事が山ほどあります!それにノイズも出てないし、マリアさんもアッシュボルトとかいう人もいないなら話せば何か分かるかもしれません!」

 

「響!そんな悠長な事言ってられないわ!あの子達もアッシュボルトの仲間なのよ!これ以上何もさせない様にあの子達だけでも捕まえないと!」

 

「でもシアンちゃん!あの子達も何か事情があるかも知れないんだよ!それなのにいきなり捕まえるのもどうかと思う!それに話し合いもせずにアッシュボルトとか言う人と協力しているかもしれないけど、何か事情があるかも知れないよ!だから落ち着いてあの子達に話を聞こう!」

 

慌ててクリスと翼が周囲へと危険を伝えに行こうとしたが、奏が止める。だが、奏も完全に敵意を剥き出しにする二人に対してここで捕まえる構えでバルコニー席から飛び出そうとしていた。

 

響はとにかく三人のやりたい事を理解しているが、アッシュボルトと言う人物に何故協力しているのか聞かなければならなかった。以前よりステージに立つあの二人はマリアに対して銃撃しているアッシュボルトに怒りを募らせていた事をガンヴォルトから聞いている。

 

もしかしたらあの二人は脅されている可能性もあると感じてその様な事を口にする。

 

「だけど、それでもあの子達もフィーネと関わりのある子達だ!これ以上何かされる前にこちらから打って出なければいつまで経ってもフィーネの目的も、アッシュボルトの事も分からずじまいだ!」

 

翼が響へとそう言う。だが、それでも響は一歩も引かず、翼に向けて懇願する。

 

「それでも!それでもあの子達と話し合わず、戦うなんて間違ってます!確かにあの子達は私達というよりテロリストの人達です!それでももしかしたらアッシュボルトとかいう人に何か大切なものを取られて無理やり協力している可能性もあるじゃないですか!」

 

響は四人に向けてそう言う。そして翼も以前のクリスの事もある為に何も言い返せない。もしかするとあの二人もアッシュボルトに何か吹き込まれ、フィーネがクリスを協力させていた様に誤った事を伝え、敵として戦った。

 

フィーネを名乗っている以上その可能性もある為に四人は考える。

 

「…ここで私達だけで話し合っても拉致があかない。シアン、ガンヴォルトをすぐに連れ戻してきてくれ。それまであの子達は私達が何とか引き止める」

 

「分かった。GVには私から事情を伝えて早く戻ってくる様に伝える。貴方達はあの子達が歌い終わった後、なるべく引き止めて時間を稼いで」

 

そう言ってシアンは姿を消してガンヴォルトの元へと向かった事を知らせる。

 

「未来。あの子達とは一度話さないといけないの。だけど危険かもしれないからここにいて」

 

「分かった。あの子達の事は私は知らないけど、みんなの慌て具合からあのライブ会場と関係している人なんでしょ?だったら、私が出ても何も出来ないから…でも、響。危険な事だけはしないでね?」

 

「うん。分かってるよ」

 

そう言って未来をバルコニー席へと残し、四人の装者はステージに上がる二人を逃さない為にステージへと向かった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

鏡の前で腫れぼったくなった目が治るのを確認すると、ボクは頬を伝っていた涙の跡を消す為にハンカチで拭っている。

 

ようやく目立たなくなったのを確認して眼鏡をかけ直す。三人も戻っている事だし、席に戻ろうと鏡を見返した瞬間、ボクは鏡に見える入り口付近に映る顔を見てすぐさま振り向く。

 

「おっと、まさかこんな所で会うなんて思いませんでしたよ。ですが、探していたので丁度良い」

 

「貴方は…ウェル博士」

 

ボクは何故この男がここにいるか理解出来なかったが、すぐ様バッグの中へと手を滑り込ませてテザーガンを握る。

 

「ちょっと待って下さい。ここで貴方と争う気などありませんよ。それに、こんな所でそんな物出しても良いんですか?」

 

ウェルがそう言うと同時に数名の男性がトイレへと入ってくる。そしてウェルとボクに怪訝そうな視線を向ける。

 

「何で貴方がここにいる?」

 

「まあ、その話はここでするのも場所が悪いでしょう。移動しましょうか」

 

「貴方とは今話し合う事なんてない」

 

ボクはウェルへと近寄る。

 

「まあまあ、そんな慌てなくても逃げませんよ。それに、貴方がここで話し合いに応じないとなると、僕もそれなりの対応をしなければなりません」

 

そう言ってウェルはポケットから何かを取り出す。それは小さなリモコンの様な物でボクは一瞬何かは分からなかったが、ウェルの背後にいるアッシュボルトの事を考えて、爆弾の起爆装置だと察してすぐに手を離す。

 

「貴方達はどこまで卑劣な事をするつもりなんだ」

 

ボクは不審がられない様にだが、それでも表情は怒りが出る。

 

「落ち着いて下さいよ。ほら、入ってきた人達も不審がっていますよ?」

 

ウェルの言葉にボクは一旦表情を押さえてウェルの言う通りにする。

 

「それで良いんですよ。ご迷惑をおかけしました。それじゃあ行きますか」

 

そう言ってボクはどこかに仕掛けられた爆弾を恐れ、誰かが犠牲にならない様、ウェルの後について行く。それと同時に背後について行きながら、弦十郎へと通信を繋げて会話だけでも届く様にした。

 

そしてたどり着いたのはリディアンの中庭であり、今は講堂でメインイベントがあるためか人がいない。

 

「ここなら邪魔が入らないでしょう。じゃあ話を始めましょうか、第七波動(セブンス)能力者、ガンヴォルト」

 

まるで自分が物語の主人公というばかりに大袈裟な素振りを見せてそう言った。

 

「巫山戯るな!貴方達と話す事なんてない!」

 

「そんな事を言って良いんですか?人質がこちらに入るんですよ?この場にいる何千人という人達が今、ボクの手によって握られているのですから」

 

そう言ってウェルは手に持つリモコンの様なものボクへと向けて見せる。

 

「この外道が!人の命を何だと思っているんだ!」

 

ボクはウェルに向けて叫ぶ。

 

「どうせ近々滅びゆく、選ばれない命に何の価値があるんですか?むしろここで楽しいひと時を過ごせて逝けるだけでも幸せと思うのですがね?」

 

「どう言う事だ!」

 

近々滅ぶ。何を意味しているか分からないが、その言葉の意味こそがフィーネ、そしてアッシュボルトの狙っている事と察してボクは少しでも状況を聞き出そうとする。

 

「おっとそれはここでは話すべきではないですから黙秘させて頂きますよ。ただ、ボクはここに来た理由はガンヴォルト、アッシュから貴方へと言伝を預かっているだけなんでね」

 

「言伝…あの時逃げておいて今になって何を伝えるつもりだ?」

 

「こちらも何かとやらなければならない事が多過ぎる事もありますし、アッシュ自体が暫く離れているからこそ、僕がこうやって出てきたわけですよ。まあやる事はやって離れてくれたからこそ、僕がこうやって貴方の前に現れる事が出来たんですがね」

 

既にここへと仕掛けられた爆弾はアッシュボルトが仕掛けていったという事らしい。警戒はしていたがそこまでされていたとは気付かなかった。

 

アッシュボルトの纏うあの謎の装備の関係上、警戒していても全く意味を為さなかった事に歯痒く感じる。

 

「まあ、本題に入りましょうか。アッシュからの言伝ですよ」

 

そう言ってリモコンを持つ手と逆の手でポケットからスマホを取り出すと音声データを再生させた。

 

『これが再生されているのなら聞いているだろう。貴様と私、同じ蒼き雷霆(アームドブルー)能力者、そして消して交わらない私達の目的、ならばやる事は決まっているだろう』

 

スマホから流れるアッシュボルトの声。

 

『貴様の息の根を止めて、電子の謡精(サイバーディーヴァ)を頂く。私はそれさえ出来れば貴様などに用はない。貴様は私を止める。だったらやる事は分かるであろう?』

 

そう言って一度再生をやめるウェル。

 

「…戦えと言う事か?」

 

「そうでしょうね。まぁ、その答えが聞ければボクとしてもここにきた目的は達成したけど、アッシュからの君へのメッセージはまだ残っているよ」

 

そう言って再び音声データを再生させる。

 

『答えは聞かずとも分かっていたよ。場所は既に決まっている。貴様の正体を知ったあの深淵(アビス)で待つ。そこで貴様と相見えよう。電子の謡精(サイバーディーヴァ)と共に二人で来るんだ。出なければ何の関わりのない者が多く死ぬと思え』

 

そこで音声データが終了したのかウェルはスマホの電源を切ってポケットへとしまう。しかし、アッシュボルトはボクの何を知っている。異なる意味のGV、そしてボクの正体。一体何の事だか全く分からない。

 

「そういう事だよ。アッシュはガンヴォルト、君との一騎討ちを望んでいるみたいなんだ。さっきの通り、電子の謡精(サイバーディーヴァ)と二人で行かないとここに仕掛けられているのとは別の爆弾を爆破して多くの人が命を落とす事になるよ」

 

「外道が…」

 

「そうでもしないと君はアッシュやボク達を捕まえる為に、色々と策を練ろうとするだろう?だったら少しでもこちらが有利に事を進めないといけないですしね。あ、後これでボクは失礼させてもらいますが、追わない方が良いですよ。通信を二課と繋げているんでしょう?もしボクを追うならばここ以外の場所に仕掛けられた爆弾を爆発させてもいいとアッシュから言われているんだ」

 

そう言ってウェルは中庭から出て行こうとする。こちらの動きを既に悟っており、それに気付いて去って行く。

 

『クソッ!気付かれていたか!ガンヴォルト!こちらで奴の言う爆弾の場所を探す!お前も装者と合流しろ!それとこちらでなんとかして秋桜祭を中止させる!』

 

「ダメだ!彼方がこちらが何かしているのがバレればどこに被害が出るか分からない!」

 

『だがそれでもやらねばならん!見殺しなんて出来るか!』

 

「分かっている!だけど動きがバレればあっちが何をするか分からないだ!クソッ!」

 

弦十郎と通信して対策を考える。

 

「GV!ここにいた!」

 

そんな時、シアンがこちらへと慌てて飛んでくる。

 

「大変よ、GV!ここにあの子達が!敵の装者二人が現れた!」

 

『なんだって!?次から次へと厄介事が舞い込んでくるか!?』

 

「ウェル博士とあの子達といい!一体なんでこんな事を!」

 

ボクは強く噛んで急いで講堂へと急ぐ。

 

『とにかく、ガンヴォルトは二人の元へ急げ!俺達は爆弾をどうにかする!』

 

「…分かった。爆弾解除のスペシャリストを呼んで。それもアナログでのスペシャリストだ。蒼き雷霆(アームドブルー)の関係でアッシュボルトはどこかから監視しているかもしれない。電子機器なんて持っていればすぐバレる可能性がある」

 

『分かった。そちらも何とかして二人を保護、出来なくても何かしら情報を手に入れてくれ』

 

そう言って弦十郎からの通信が切れる。

 

「GV、何があったの?」

 

心配そうにシアンがボクに聞く。

 

「ウェル博士がいた。それもアッシュボルトからの伝言を持って。どうやらシアンを狙って一騎打ちをしたいみたいだ」

 

「まさかあの男まで!?というかアッシュボルトまで何で今になって!?」

 

「分からない。でも彼方の要求を飲まないと被害が出る。それにここでも」

 

「そんな!?」

 

シアンもそれを聞いて驚き、慌て出す。

 

「どっちにしろ、今は爆弾は弦十郎に任せてボク達は二人を何とかしよう」

 

そう言ってシアンと共に講堂へと駆けて行った。

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