戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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前書きを使わせていただき挨拶したいと思います
初めまして株式会社の平社員と申します。
本小説、戦姫絶唱シンフォギアABを閲覧して頂きありがとうございます。
拙い文章ですが完結までお楽しみください。


13VOLT

ボクは今スーツを着て空港の軍専用のゲート前にいた。理由は過去にバル・ベルデ共和国にて捕虜となった少女、雪音クリスが無事保護されて日本に帰国する事となったため二課がその子の保護を申し出たからであった。

 

何故ボクが選ばれたかというと、明日に控えたツヴァイウィングのライブと並行して行われるネフシュタンの鎧の起動実験でほとんど手の空いている人がいなかったためである。

 

戦闘員であるボクはやれる事は少なくただ待機しているしかなかったため、弦十郎に頼まれたのだ。

 

「しかし、ネフシュタンの鎧の起動実験から外されるとはな。世紀の瞬間に立ち会えると思ったのに残念だ」

 

ボクの隣にいる藤堯朔也がぼやく。彼は二課の情報処理を担当するオペレーターだ。だけど、今回は準備などはしていたがこちらに回されたらしい。

 

「ちょっとぼやかないでよ。こっちだって重要な任務の一つなんだから。今回保護する雪音クリスさんだって重要な人物なのよ」

 

ぼやく朔也を注意するのは友里あおい。今回少女の保護という事で男だけだと怖がるかもしれないという事もあり、弦十郎が気を使ってこちらに回してくれた。

 

「だからって、たった三人だけこっちに回されたんじゃぼやきたくもなるよ」

 

「二人とも、一応機密なんだから余り声に出さないように言われてるんだ。朔也もあおいの言う通り、こっちも重要な任務なんだからぼやかないで」

 

ボクは二人を注意する。

 

「そうだけどさあ、保護の任務に俺はいるかな。司令や緒川さん、ガンヴォルトや装者と違って不測の事態が起こった時にどうする事だって出来ないし」

 

「流石にノイズ以外なら対処出来るでしょ。そんな事ぼやいてないで集中しなさい」

 

あおいの言葉に分かりましたよ、と納得がいかない様子で頷く朔也。そんな様子を見てボクはため息を付く。

 

そんな形でボク等は雪音クリスの到着を待つ。飛行機が到着したと連絡が入ったため、二人にもその事を伝えると二人も話をやめて待機する。

 

だがその時、要人用の滑走路の方でトラブルが発生したと連絡が入った。原因は紛れ込んでいた要人警護の人物の中にテロリストが混ざっていたらしく、少女を誘拐したそうだ。

 

「朔也!あおい!トラブル発生だ!保護対象が誘拐された!二人は直ぐに航空警備隊と一課に連絡して、ボクは対象の救助に向かう!」

 

「本当に起きやがった!」

 

「そんな事言わなくていいから直ぐに向かうわよ!ガンヴォルト、あなたも気を付けて下さい!」

 

そう言って朔弥とあおいは航空警備隊の本部へと向かい始めた。ボクは直ぐ様銃を取り出す。今回はダートリーダーではなく、ボク専用に作られたテザーガンだ。このテザーガンも専用にカスタマイズされており、電源がオミットされ、飛び出す電極にボクの蒼き雷霆(アームドブルー)による雷撃を流す事が出来る。ダートリーダーも持ち歩いているが一応、ノイズ以外の戦闘では禁止という事になっているため使う事が出来ない。

 

直ぐ様、蒼き雷霆(アームドブルー)で生体電流を活性化させてゲートを潜り、要人を護送した飛行機へ向かう。しかし、向かった先には既にテロリストが占拠しており、こちらを発見次第、直ぐ様持っている銃をこちらに向けて乱射し始めた。

 

ボクは直ぐ様物陰に隠れ、迫り来る弾丸をやり過ごす。テロリストの数は10人以上おり、武装も隊列もしっかりしている事から相当な訓練を受けているような感じだ。ボクが物陰に隠れた事を確認すると直ぐに銃撃をやめ、こちらの出方を伺っているようだ。

 

「戦い慣れているな…組織的な犯行なのか?」

 

そう呟くと同時にゴミ箱が破損し飛び散ったであろう落ちていた缶を拾い、物陰から出ずにテロリストの方に投げ込む。

 

缶を手榴弾か何かだと思ったのか缶は瞬く間に銃で迎撃され、原型が分からないくらいボロボロになって物陰に帰ってきた。

 

流石に一人では対処は厳しいだろう。しかし、そんな事で時間が取られれば保護対象が連れ去られてしまう。辺りに使えそうな物がないか確認して見る。

 

辺りには特に何もなく、あってもテロが撃ち込んだ潰れた弾頭と飛び散った破片ぐらいであった。だが、一つの活路を見出した。

 

天井に付いているスプリンクラーだ。そのスプリンクラーに向けてテザーガンを撃ち込み雷撃でスプリンクラーの制御にハッキングして無理矢理水を放水させる。もちろんこのエリアの全てのスプリンクラーのだ。

 

「悪いけどこんな所で時間を使ってられないんだ」

 

水浸しとなったエリア。ボクは水浸しとなった床に手を付いて雷撃を流し込む。雷撃は瞬く間に水を伝い、エリア全域を感電させた。

 

聞こえてくるのはテロリストの悲鳴。水を伝ってテロリストの身体に雷撃が流れたのであろう。次々とバタバタと倒れる音がした。テーザーガンのモーターを回転させ電極を回収してから、物陰から石を投げて反撃がない事を確認して物陰から飛び出す。

 

エリア内のテロリストは全員感電しており、時折痙攣して動いている。テロリストの武装である銃を雷撃で破壊しておく。一応念のために一丁のハンドガンと数個のマガジンだけは回収して。

 

進路の安全が確保出来たため、再び駆け出した。テロリストの占拠していた区画を抜け、空港の搭乗口から滑走路に飛び出す。

 

滑走路にも既にテロリストが占拠しており、こちらを見るとすぐに発砲してくる。だが隠れる場所も遠く間に合わないだろう。ボクは生体電流をさらに活性化させ、弾丸を避けながら先程回収したハンドガンのセーフティーを外してテロリストに近付くと至近距離から銃弾を数発撃ち込んだ。先ほどのテロリストたち同様の装備であり、防弾チョッキを着ているため、撃ち込まれた箇所に物凄い衝撃が走り、気絶した。

 

「what tha fack!」

 

近くにいたテロリストが叫ぶ。英語で話しているのは言語による特定を防ぐためなのだろうか。しかし、今はそんな事に構っている暇はない。

 

スコールのように降り注ぐ弾丸の雨を掻い潜り、テロリスト達を無力化していく。電磁結界(カゲロウ)が使えればこんな弾丸の雨を躱さなくて済むのだが。ないものをねだったって仕方ない。

 

今出来る事で対処しなければならないのだから。

 

滑走路にいるテロリスト達を全て鎮圧し終えたところで耳に付けていた通信機に連絡が入った。

 

『ガンヴォルト!無事ですか!?』

 

「ボクは大丈夫。今滑走路にいたテロリストを全て鎮圧した。これから対象の捜索をするところ」

 

あおいからの連絡に答える。しかし、あおいから入った連絡は悲報としか言えない内容であった。

 

『保護対象、雪音クリスは既にこの場にいなくなっています。乗り込んだテロリストが既に彼女を誘拐していて、追跡をしていたのですが振り切られ、行方が分からなくなりました』

 

「振り切られた場所は!?これから向かって痕跡を探す!」

 

ボクは直ぐに捜索を行うために追跡を振り切られた位置の座標に向かおうとする。しかし、あおいがそれを止める。

 

『無理です!ガンヴォルト!こちらの動きが読まれたように振り切られたの!あなたが今行ったところで捜索する事は出来ないの!』

 

「くそっ!」

 

ボクは拳を握りしめる。かつてのようにまた救う事が出来なかった。そして今はこの状況で何も出来ない自分にも腹が立つ。

 

『とにかく今は怪我人の処置とテロリスト達の捕縛を。今彼女の捜索は一課が全力で行ってます。私達の出来る事をしましょう』

 

あおいの言う事は正しい。だが今は直ぐにでも雪音クリスを追いたい気持ちがあった。しかし、なんの情報もないまま闇雲に追っても意味はない事ぐらいは分かる。

 

「…分かった。こっちは滑走路の方にいるテロリスト達を捕縛する。あおいと朔也はさっきのホールの奥にいるテロリスト達の捕縛とこちらにも人員を割くように航空警備隊や一課の人達に伝えて」

 

『分かりました。そちらもまだテロリストがいる可能性があるので気を付けて下さい』

 

通信が切れた。ボクは捕縛すると言ったものの手錠などを持っていないためテロリストが持っていた銃のスリングを使って簡易的な紐でも作ろうとする。

 

近くにいたテロリストの銃を取ろうした瞬間、離れた所にいるテロリストの一人の頭が爆発した。

 

「なんだ!」

 

その一人が爆発すると連鎖的に次々と倒れたテロリストの頭が爆発していく。直ぐ様テロリストから離れる。

 

「あおい!朔也!すぐに捕縛をやめさせるんだ!テロリストの頭に爆弾が仕掛けてある!」

 

通信先の朔也とあおいに直ぐに伝える。

 

『なんだって!?』

 

「テロリストから離れるよう直ぐ伝えるんだ!」

 

『分かりました!』

 

朔也が悲鳴のような声で通信機越しに叫んでいる。だが、あおいと共に通信後に直ぐにテロリストから離れるよう伝えていた。

 

付近のテロリスト達から爆発が収まる。つまり全てのテロリストが死んだ事を意味している。

 

『ガンヴォルト!何が起きてるんだ!』

 

「分からない。倒れたテロリストの頭が急に爆発した。情報を吐かせないためだろう。だけどここまでするなんて」

 

『ひどい…なんでこんな事に』

 

朔也とあおいは余りの悲惨な状況を通信越しで聞いているのであろう、声が僅かに震えている。

 

「二人とも一課や警備隊、空港の被害状況の確認を頼む。ボクはこっちの状況を確認次第そっちに向かう」

 

そう言って通信を切った。辺りの惨状を見て顔を歪ませた。

 

皇神(スメラギ)のように人を人として扱ってない。誰がこんな事しているか知らないが必ずボクの雷撃で打ち砕いてやる」

 

いつか必ず報いを受けさせるべくボクは姿の見えない敵を見据え呟いた。

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