戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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白き鋼鉄のX2発売決定!楽しみだ!
PV見たけど、カットイン動かし、アキュラの新武装もかっこいい!新ヒロインも可愛いし!楽しみで仕方ない!
今度は別世界な感じなのかな?元の世界に戻るって言ってたし?
副題も消えて、何か怪しい…
とりあえず速攻で初回限定版を予約しました!
来年はギプスも出るし、確かシンフォギアも十周年だった筈だしいい年になりそうです!


84GVOLT

未来に向けて接近する調と切歌は連携をして未来を何とかしようと攻撃を行う。

 

振るう鎌。回転する丸鋸。だが、未来にその攻撃は届かない。

 

未来はアシモフの作り上げる穴を介して離れ、反撃を繰り返す。反撃されようが、離れられようが、切歌と調は止まらない。

 

調は希望が見えたからこそ止まれない。自分達も望んでいい。響同様に、自分達が思い描いた未来を掴み取る為に足を止めない。

 

切歌は止まらない。悲しみがこの先に待っていようと調とマリア、ナスターシャとの別れが来るとしても。自分だけがその場所にいないとしても。自分以外が助かるのなら。他のみんなが幸せであるのなら自分がこうして戦うことに意味があると。

 

そして響も。二人が未来を追い込もうと奮闘する二人に負けじと未来へと接近する。だが、同様に、未来は響の接近も許さない。近くの穴から離れた穴へ。

 

でも諦めなどしない。何としてでも未来を取り戻す。みんなを助ける。その思いを原動力に響は歌を力強く歌う。

 

そんな事してはガングニールの侵食を早めると分かっている。響が歌を歌う程侵食が早まるが、それ以上に自身の身体から力が沸き立つ。身体が熱くなる。

 

侵食で響の身体は人ではなくなりかけていると実感する。それでも、響は人間を辞めるつもりなどない。響は響で為に歌を歌い続ける。

 

切歌も調も先程響の状態を聞いている為に、何とかしようと試みる。だが、未来はそんな切歌と調などものともしない。

 

嘲笑うかの様に接近しては距離を取られ、反撃でさらに距離を遠ざけられる。

 

時間がないのにこれでは誰も救えなくなる。

 

そんな事させない。

 

そんな事あってはならない。だから足を止めない。

 

その思いが響を、切歌を、調を突き動かす。

 

離れるならば何度でも突き進む。突き放すのならその反撃を前に出て躱す。

 

一進一退のじゃない。退いては駄目だ。突き進め。常に前へ。距離を詰めろ。

 

三人は互いを補いながら、下がる事はせず、常に前進し続ける。

 

未来の纏うシンフォギア、神獣鏡(シェンショウジン)にはシンフォギアを分解する力が宿っている。だが、そんな事など知らないだろうが、シンフォギアを分解されて行こうが常に前に進み続ける。

 

響、調、切歌。それぞれのシンフォギアが、前に突き進む毎に何処かが消えていく。

 

だが、シンフォギアと言う鎧が消えようが、身体は消えない。傷を増やそうが深い傷ではない。動けない程のダメージを負っていない。

 

だからこそ、突き進んだ。

 

そのお陰で距離が縮まっている。未来との距離が狭まっている。もう一押しだ。

 

だが、そんな希望を持ち始めた頃に、今のタイミングで来て欲しくないものが牙を剥く。

 

「グッ!?」

 

それはガングニールの侵食。響が力強く歌うことにより侵食が早まり、そして響を人ならざるものへと変える悪魔が響の身体から突き出した。

 

黄色い結晶の様な物。それは響の細胞を侵食し続けたガングニールが響の細胞そのものをガングニールへと変化させた物。

 

折角の希望の兆しを絶望の影と変える悪魔。

 

響は突然の出来事に足が止まり、膝をつく。

 

「ッ!?」

 

勢い付いた切歌と調も最悪の状況に足を止めた。

 

しかし、その行動が更なる絶望を呼び起こす。

 

その瞬間、未来が好機とばかりに扇子の様な物からいくつもの鏡の様なビットを顕現させる。

 

そして顕現したビットと扇子の様な物を円状に広げると今までの攻撃がお遊びに見えるほどの力の塊を具現化させる。

 

避けようがない程の力の塊。誰も逃げる事を許さない絶望の塊に。切歌も調も己の抱いた希望が崩れていくのを感じる。

 

「こんなの…どうすればいいって言うんデスか…」

 

「もうどうにも出来ない…こんなのどうする事も出来ない…」

 

絶望を前に戦意が根こそぎ奪われる。だが、響だけは違った。

 

身体から己の変質化した細胞がガングニールに変わろうと諦めない。何があろうと未来を助ける。みんなを救う。胸に刻んだ思いを簡単に捨てない。思い描いた未来を掴む為に絶望などしない。

 

だから身体がこんな事になろうと諦めない。響は響であり続ける為に変質化し、突き出た結晶を握りつぶし、立ち上がる。

 

「諦めない…絶対に!」

 

そして立ち上がる響だが、そこに無情にも未来が絶望の塊を完全に溜め終えたのかそのまま放とうとする。

 

だが、放とうとする前にその絶望の塊は徐々に霧散していく。

 

何が起きた?もしかして未来に声が届いたのか?微かな希望が身を結んだのか?

 

そう思ったが、現実は希望は常に此方には微笑まない。絶望だけが常に背後で微笑み続ける。

 

それは未来の身体の変化。ギアインナーの白い部分を赤く濡らし、目隠しの様な鎧の下から血がが流れていた。

 

「未来!」

 

LiNKERの代償。無理矢理適合率を上げた代償を払う様にその身を焦がしていた。

 

「やはり急造品。この辺りで限界か。だが、十分な時間を稼いだ。十分な絶望を齎した」

 

そして響達にも聞こえるアシモフの声。奏、翼、クリスが戦っていたはずなのに何故?

 

視線をアシモフの声の方に向けるとそこは絶望が広がっていた。

 

アシモフにより翼が行動不能の状態で持ち上げられ、その近くに燃え盛る炎の中心に倒れるクリス。そしてその少し離れたところに倒れる奏の姿。

 

「だが、まだ貴様にはやってもらわなければならない事がある。身体が動かなかろうと無理にでもやって貰うぞ。だがその前に目の前の敵を殲滅が先だ」

 

アシモフの言葉に未来は血を流しながらも先程同様に巨大な力の塊を作り上げる為に再び構えるのであった。

 

「もうやめて!未来!もうこれ以上は未来が死んじゃう!お願いだよ!未来!」

 

だが未来に響の声は届かなかった。

 

そして更に叩き落とす様に、アシモフから告げられた。

 

「Dr.ウェルか?ああ、そちらも片付いたか。ならば貴様達が死ぬ前に最後の絶望をプレゼントしようか」

 

響にではなく、切歌と調に向けてそう言った。

 

「貴様達が私を裏切り、そうやって希望に縋り戦っていたが、貴様達が望む希望は初めからありはしない。私に勝てないのは当たり前だが、例え助かったとしても、貴様達が助け出そうとしているDr.ナスターシャは既にこの世にいない」

 

二人に向けて絶望を告げた。

 

「…嘘…そんなのって…そんなのって」

 

「…嘘デス…だったら私達は…何の為に…」

 

その言葉に切歌と調の心が折れる。持ち始めた希望が完全に崩れ去る。助けたいと思った人は既に死んでいる。絶望が切歌と調の戦意を完全に奪った。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「全くアッシュは本当にえげつないね」

 

会話を聞いていたウェルがそう言った。その足元には倒れたマリア。

 

「それよりも君は僕になら勝てると踏んで僕に襲いかかってきたのかもしれないけど、飛んだ勘違いだよ。確かに僕は弱いかもしれない。アッシュに比べれば。シンフォギアを纏った装者に比べれば。機動二課にいるあの怪物達に比べれば」

 

マリアを踏みつけながらマリアに向けてウェルはそう言った。

 

「だけどシンフォギアを纏わない貴方に負ける程やわじゃないんだよ。だって僕は英雄になるんだよ?弱くても英雄になれるけど、やっぱり英雄になるならそれなりの人よりも強くなくちゃ格好がつかない。だからアッシュに鍛えてもらってたんだよ」

 

ウェルは今までそんな役回りゆえに、少しばかり優越感に浸りながらマリアに言った。

 

だがマリアはそれどころではなかった。アシモフの言葉に絶望していた。

 

大切な人はもうこの世にいない。助け出そうとしても無駄だという事実を突きつけられた。

 

「この程度を絶望なんて思わない方がいいよ。これから貴方は更なる絶望を目にするんだから」

 

そう言ってマリアの腹を蹴り、転げながらモニターが視界に入る様にする。

 

「まさか…」

 

「そのまさかさ。君は運が悪いね。大切な人達が目の前で死んでいく光景を見るんだから」

 

ウェルは画面を付け、絶望する切歌と調を映し出した。

 

「辞めて!それだけは!」

 

痛む身体を無理矢理動かしてウェルに懇願する。だがウェルはそんなマリアを踏みつけながら言う。

 

「聞くわけないでしょう!貴方達裏切り者達の懇願など!貴方はそこで見ていてください!派手に散る大切だった者達が瞬間を!」

 

「辞めてぇ!」

 

だが無情にもウェルは楽しそうにアシモフより渡された切歌と調の命を握り続けた爆弾のスイッチに手をかけた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

二課の潜水艇もあまりの現状に誰もが絶望に陥った。

 

奏も、翼も、クリスもやられた。響ももう限界に達した。折角アシモフを裏切りこちら側についてくれた切歌と調も絶望の淵に立っている。

 

どうする事も出来ない現状。敗北のカウントダウンは目の前まで迫っていた。

 

「浮上しろ!今すぐに!」

 

そんな中、弦十郎は諦めていない。まだ誰も死んでいない。まだ誰も失っちゃいない。だからまだ間に合う。

 

だが、そう思おうが、もう間に合わないだろう。この潜水艇が浮上する頃にはもうあの甲板の上には絶望しかありはしない。アシモフという男が作り上げた絶望しか。

 

だが、そんなの認めるわけにはいかない。

 

だから弦十郎はそう叫ぶ。

 

浮上しろと。

 

絶望するオペレーター達。誰も動こうとしない。いや、動けないのだ。目の前に広がる絶望に。もう終わり。そう思える光景に。

 

「諦めるのか!認めるのか!こんなふざけた事を!」

 

弦十郎も分かっている。もうこんな状況で誰もが動けない事など。だが、それでも司令官としてどんな状況でも絶望するわけにはいかない。可能性があるのならば足掻き続けなければならない。

 

叫び続ける。

 

だが、誰も行動を起こせない。

 

もう自分でどうにかしようと、潜水艦のオペレーションを自ら動かそうとコンソールを動かす。

 

だが、動かそうとしたその時、コンソールに映し出していた付近のレーダーに謎の高速で近づく反応が写り込んだ。正体不明(アンノウン)と表示される何か。

 

「ッ!?」

 

高速で近づく何か。それは何か分からない。だが、その高速で移動する正体不明(アンノウン)の後に現れた機動一課の所有するヘリの機体番号。

 

もしかしたら希望なのかも知れない。しかし、本当なのか?あり得るのか?そんな事が本当に?

 

その正体不明(アンノウン)が本当にそうなのか?

 

だが、それがそうである事を願い、弦十郎も動く。もしかしたらそうじゃないかも知れない。だが、弦十郎は何処かその正体不明(アンノウン)の存在がそうであると確信していた。

 

何故確信出来たのかなど分からない。だが、その正体不明(アンノウン)はそうであると思えたのだ。

 

だから弦十郎もまだ何とかなると信じ、潜水艦を浮上させるのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

絶望する甲板の上。そこにいるアシモフという絶望が更に絶望へと叩きつけ、その魁として切歌と調を終わらせようとしていた。

 

さよならだ(アスタラビスタ)。裏切り者共」

 

その言葉と共に切歌と調の元に大きな爆発が起きた。

 

その光景に響は絶望する。助けたかったのに。一緒に助かろうとしていたのに。どうして。どうしてこんな事に…

 

絶望の果てに散った二人の居た黒煙が包む場所をただ眺めることしか出来なかった。

 

どうしてこんな事に。ようやく自分の意思でアシモフを裏切り、一緒に助かろうとした二人が。何でこんな目に遭わなければならない。何でこんな結末にならなければならない。

 

何で…何で…なんで…ナンデ!

 

響が絶望に呑まれようとする。ドス黒い感情がガングニールに呼応し、更に響の身体を侵食しようと蠢き始める。

 

だが、それを止めたのはアシモフの声。

 

「最悪だ…本当に最悪だ…こんな時に現れるとはな…」

 

何処か怒りと憎しみを含んだドスの利いた声。

 

何故そう発したのか理解出来なかった。だが、その意味を一瞬で知る事となる。

 

爆心地に漂う黒煙。その中から、黒煙を振り払う様に雷撃が迸る。

 

「貴様達が生かしたせいで、一気に最悪の気分だ…全くもって度し難い…」

 

アシモフが恨めしそうに腕に巻かれたネフィリムの心臓に向けてそう言った。そして、顔を上げると、雷撃が迸る黒煙に向けて叫んだ。

 

「貴様などにはもう二度と会いたくなかったのだがな…紛い者!」

 

アシモフの叫びと共に、黒煙を蒼い雷撃が吹き飛ばし、その中からゆっくりと歩く存在に、響の絶望も吹き飛ばされた。

 

歩く人物の背後に何が起きたのか分からない様に、呆然とする無事な姿を見せる切歌と調。その首には先程までついた爆弾が無くなっている。

 

そしてその前に居る人物を見て、響は涙を流した。

 

「…本当に…本当に…そうなんですか…?」

 

あまりの嬉しさに言葉が出ない。現れた人物。そして切歌と調が生きている事に涙を流す。

 

「ガンヴォルトさん!」

 

黒煙を晴らし、二人を救ったのは、見間違えるはずが無い。居場所を守ると誓ったガンヴォルトの姿であった。

 

「…」

 

ガンヴォルトは周りの状況を見て静かであったが、ガンヴォルトの心情を表す様にガンヴォルトの纏う雷撃が強く、そして荒々しく迸るのであった。

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