戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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発売して一ヶ月以上経ったし、クリアして一ヶ月以上ガンヴォルトギブスの現状報告。
クリアし終えて真エンドを見終わり、やる事といえば真ラスボスをノーダメージ+スキルイマージュパルス無しでしばく事。
真ラスボスのスペシャルスキルの避け方を理解して結構避けられる様になったけど他の攻撃をたまにミスる…
他の攻撃をうまく避けてもスペシャルスキルの避け方に失敗してきりんをティウンティウンしちゃう…
もっと上手くなりたい…
やっぱりまずはノーマルきりんよりもXXトリガーのきりん使うか?
あれチート過ぎてきりんのスペシャルスキル使えばそもそも真ラスボスのスキル使われなくて済むし…
でもやっぱり普通のきりんでしばきたい…
とにかく練習してます。


136GVOLT

ぶつかり合うボクとアシモフの雷撃鱗。

 

だが、アンイクスプロードヴォルトに匹敵する力の雷撃鱗に何の強化を行っていないボクの雷撃鱗を押し返し、ボクを吹き飛ばした。

 

「グッ!?」

 

ボクはすぐ様体勢を立て直して、再びアシモフへと視線を向ける。

 

だが、

 

「何処を向いている?」

 

「ッ!?」

 

視線を向けた先にアシモフの姿はなく、マリアがボクの後方へと指を刺していると同時に聞こえるアシモフの声が後方より聞こえてきた。

 

ボクはすぐ様背後に腕を交差して振り向くと腕に物凄い衝撃が走り吹き飛ばされてしまう。

 

だが、なんとか踏ん張って地面を滑りながらボクは殴り飛ばされた先を見る。

 

そこには先程の声の主たるアシモフの姿。

 

「この速度にも反応するか、紛い者」

 

拳を振り抜いて、そう言ったアシモフ。

 

反応が遅れた。アシモフが言葉を発しなければ、マリアの警告が無ければ反応出来なかった。

 

先程までと違う。それ程アシモフのスピードが段違いに上がっている。

 

油断していた訳ではない。だが、今のボクの反応速度を上回り、振り切れる速度をアシモフは手にしていた。これがアシモフの言う真なる雷霆と言う存在。

 

「これが真なる雷霆とでも考えてでもいるのか?」

 

まるでボクの心を読んだ様にそう言ったアシモフ。いや読んだのではない。心でそう思ってもボクの表情から、動揺を読み取り、そう考えるにアシモフは至っていたのだろう。

 

「確かにこれも真なる雷霆が齎している力だ。だが、これが真なる雷霆と思って貰っては困る。まだこの力をほんの僅かしか出していないのだからな。初めから全力を出して貴様を殺したいのだが、今の私が全力を出してもどのくらいの強大な力なのかも理解出来んのだ。だから少しずつ試している。蒼き雷霆(アームドブルー)を超えた真なる雷霆(この力)を。暴走はしないがどの程度の力かも把握しておく必要もあるからな。さて、この意味を理解出来ない貴様では無いだろう?先程の力。あれもほんのごく一部に過ぎん。人間が呼吸を当たり前にする様に、あの力も今の私にとってそれと同意義の力なのだから」

 

その言葉に、ボクとマリアは戦慄する。あれ程の力が呼吸を行う様に当たり前に使える。アシモフはそう言ったのだ。ボクが装者とシアンの思いによって到達した未踏の領域。その領域をもアシモフは造作もない様にそれを超えた事を力を簡単に出せると答えたのだ。

 

「ッ!?」

 

叩きつけられる絶望。

 

本当にボクはアシモフに勝てるのか?殺せるのか?アンイクスプロードヴォルトを超える雷撃を簡単に超えると豪語するアシモフを。

 

いいや、勝たなきゃならない。殺さなきゃならない。今のアシモフにボクが負ければみんながいるあの世界が最悪の結末を迎える。そしてボクがもう居られないあの世界をもアシモフによって変えられてしまう。

 

そんな事あっていいわけがない。

 

アシモフの好きにさせていいわけがない。

 

あの世界のボクがアシモフを倒し、それを阻止した様に、ボクもそれを実行しなければ全てが無意味になってしまう。

 

だから弱音を吐くわけには行かない。

 

ボクが負ければ惨たらしい結末がある可能性があるのであればそれを断つためにボクは戦う。

 

それに、この場にマリアがいる。ボクが負ければ、死ねば、マリアはボク同様に惨たらしい結末を迎えてしまう。だからこそ、だからこそ、勝たなければ、殺さなければならない。

 

ボクが成し遂げる事が出来なかったせいで更なる悲劇を生んでしまった。だからこそ、それを止める責任がボクにはある。それを止めなければならない責務がある。

 

だから、どんな逆境に立たされても、どんな絶望に立たされても抗ってみせる。

 

「ならボクは貴方の言う真なる雷霆を超える!ボクの持つ蒼き雷霆(アームドブルー)で!ボクの力でそれを超えるだけだ!貴方を殺す為に!真なる雷霆をボクの雷撃で打ち砕く!」

 

真なる雷霆だろうと頂点(ゼニス)だろうとそれをボクが止める。どんなに強くなろうとどんな手を使ってでもその力を超えて殺す。ただそれだけだ。

 

「迸れ!蒼き雷霆よ(アームドブルー)!今度こそ!最悪の結果を齎さんとするアシモフを!二つの世界を滅ぼさんとするアシモフを殺す雷霆となれ!」

 

「真なる雷霆をか?全ての能力者達の中で超越した私をか?貴様如きがどうにかなる訳ないだろう!今の私は能力者として蒼き雷霆(アームドブルー)を超えた真なる雷霆!蒼き雷霆(アームドブルー)の力をより引き出した貴様や奴よりも!今の私は更にその先に居る!そんな私を殺せるなど戯言をほざくなよ!」

 

そう叫ぶアシモフの姿は雷光の軌跡を残して姿を消した。それと同時にボクは虹色のオーラを身体から噴き出させると身体能力が底上げされ、アシモフの姿を捉える。

 

既にアシモフはボクの目の前に達しており、ボクの顔面へと向けて蹴りを放っている。

 

ボクはそれを体を捻り躱す。そして無理な体勢から避雷針(ダート)を撃ち込む。だが、アシモフはそれを躱す事もせず、その身に受けた。

 

「真なる雷霆なんて宣い、電磁結界(カゲロウ)も躱す事すらも忘れたか!」

 

ボクは何もせず受けたアシモフへとそう叫び、ボクは雷撃を放ち、アシモフへと向けて不可避の一撃を与える。

 

避雷針(ダート)に誘導される雷撃はアシモフの全身を駆け巡る。アンイクスプロードヴォルトまでとは言えなくても、以前のアシモフにダメージを与える力の雷撃。

 

アシモフはその雷撃をその身に受け動きを止めている。だからこそ、ボクはアシモフへと更なる雷撃を叩き込む為に雷撃を放つ手を握り、アシモフの顔面へと向けて拳を振り抜く。

 

その一撃はアシモフの顔面を意図も容易く捉え、更なる雷撃をアシモフへと流し込んだ。

 

だが、殴ったアシモフは微動だにしなかった。踏み込んだ拳は今のボクの全力。だが、殴った筈のアシモフの感覚は今までにないものであった。

 

まるで拳を振り抜いても動かない山の様であった。その身は人間。だが殴った感触はまるで先程の戦闘時に比べれば異質。

 

「今の貴様はこの程度か…それに私を殺すと宣うもののこの程度の雷撃…ダメージを食らっていた筈の貴様の雷撃などもはや静電気にも満たないな…だがいいぞ、紛い者!貴様の全力が私を能力者の頂点(ゼニス)へと至らせてくれた事を更に実感させてくれる!」

 

そしてまるで狂気を孕んだ邪悪な笑みを浮かべたアシモフはボクが叩き込んだ拳を掴み、先程までと比べ物にならない膂力でボクを投げ飛ばす。

 

「ッ!?」

 

投げ飛ばされたボクは空中で素早く体制を立て直し、アシモフの追撃に備える。

 

だが、アシモフは投げ飛ばした場所から一歩も動いて居なかった。

 

余裕なのか、慢心なのか、ボクの神経を逆撫でする。だが、その驕りが自身の首を絞める事を思い出させてみせるとボクは地面へ降りたった後の行動を、そしてアシモフの次の動きを予測してあらゆる対策を立てる。

 

だが、ボクへと向けてまるで考えを見透かす様に言った。

 

「追撃して来ない事が余裕とも慢心とも思っている様だな。だが、違う。余裕を見せている訳でも慢心でもない。それに追撃の手段があるから()はしていないだけだ」

 

そう言ったアシモフ。何が追撃の手段だ。今のボクならアシモフの速度にも追いつける。だが、アシモフの言葉にほんの僅かながらの違和感と含みのある言い方にボクはすぐにその意図に気付けなかった。

 

その意図を見抜けなかった。存在しているのにアシモフと言う強大な力を持った存在に気を取られて完全に頭から抜けてしまっていた。

 

だからこそ、ボクは背後からの強力な一撃を避ける事が出来ずにそのまま地面へと叩きつけられ、地面を削り、そのままマリアの元へと転がった。

 

「ガァ!?」

 

「ガンヴォルト!」

 

叩きつけられた事に肺の中の空気が一気に放出され、意識が朦朧とする。その姿を見てマリアも叫ぶ。

 

何が起こった?何がボクに一撃を入れた?

 

そんな疑問が浮かぶ。だが先程言った様にあれ程の存在を頭から消したボクの落ち度。

 

アシモフの力によって生み出されたネフィリム。それがボクに一撃を与えたのだ。

 

「グッ…大丈夫…」

 

ボクは軋む身体を何とか立たせる。今の攻撃のダメージは大きい。だが、生体電流を活性化させてダメージを少しずつ回復させて行く。

 

リヴァイヴヴォルトで一気に回復すればいいだろうと考えたが、この先どんな戦いになるかも分からない故に(スキル)の乱発は出来ない。

 

アンイクスプロードヴォルト。あの力に到達したものの今はその未踏の道が閉ざされ、到達出来ない。あの力を再び到達出来ればなんとか出来る可能性もある。

 

シアンの思い、そして装者達が齎したあの力を。

 

だが、ボクの思いとは裏腹にそれに至る事は叶わない。あの力はシアンの思いと装者達の歌う輪廻の歌が齎した力。ボク一人では到達する事はもう不可能であった。

 

だが無いものをねだっても仕方がない。至れないのであればその力を抜きにして戦術を練り、戦い、勝たなければならない。

 

アシモフとネフィリム。二人の怪物から。

 

「ガンヴォルト…ごめんなさい…私が…私がシンフォギアを纏えないから…」

 

ボロボロになって立ち上がるボクに向けて涙を流しながらそう言う。

 

「何度も言うよ…これは君のせいじゃない。これはボクが成し遂げる事が出来なかったから起こった。君がシンフォギアを纏えないせいじゃない…だから…ここは任せてくれ…ここも危険だ…逃げ場もない…だけど…マリア…ボクは君を絶対に守る…アシモフを…ネフィリムを倒して…セレナと…シアンを救って…みんなの元に帰すから…絶対に…」

 

ボクは涙を流すマリアにそう言った。

 

敵対するアシモフとネフィリムは強大。力の上限を見せていない。既知の人物で限界をも知っていたが、今となってはそんな情報など何も役に立たない。

 

だけど今まで通りだ。情報のない戦いに何とか勝利を掴んできた。だが、今回ばかりはそれがかなり厳しい。可能性があまりにも低いと今のボクの感覚がそう知らせる。

 

だが、それが何だ。可能性が無いわけじゃない。ゼロでなければ掴める可能性がある。諦める気など毛頭無い。

 

何度倒されようが今までの様に自分が認めたくない結末を否定する為に立ち上がってみせる。

 

シアンを救えず、セレナを救えず、マリアを救えず、あの世界のボクを信じてくれるみんなのいる世界を壊されない為に。

 

そしてボクは今出せる最大限の雷撃を纏う。

 

そしてどれ程の効力を持つか分からないが、マリアの安全の為に、ボクは通信機をマリアの元に向けて滑らせるとそれを起点としてマリアを守る雷撃鱗を展開させた。

 

そしてそのままより近くで構えをとっているアシモフに向けて駆け出す。

 

そして再び雷撃鱗を展開してアシモフとぶつかろうとする。

 

アシモフも駆け出したボクに応戦する様に雷撃鱗を展開して迎え撃つ。

 

「芸が無いな。馬鹿の一つ覚えの様に雷撃鱗の突進。今の貴様如きの力で私がどうにかなるとでも思っているのか?」

 

そう言ったアシモフの雷撃鱗が出力を上げる。今のボクの最高出力を超える雷撃鱗。

 

拮抗とも呼べず、ボクが押される。

 

出力では敵わない。それでも押し負けんとふんばろうとする。

 

だが、そんな努力は虚しくアシモフがさらに出力を上げた雷撃鱗にボクは押し負け、距離を離され、雷撃鱗が解除される。

 

そしてそのまま離された距離を一気に詰め寄ったアシモフがボクを展開した雷撃鱗に取り込んだ。

 

「グッ!?」

 

自身の出力を超える雷撃。許容量を超える雷撃にボクの身体はダメージを蓄積させていく。

 

更に雷撃鱗へ取り込んだアシモフは追撃とばかりに拳を蹴りを叩き込んでくる。

 

雷撃が身体を蝕み、動きが鈍くなり、躱す事を出来ず、ガードをしても鈍い動きでは間に合わず、アシモフは掻い潜り、雷撃鱗よりも強力な雷撃を纏う拳と蹴りの連撃を叩き込んで来る。

 

自身の強化のお陰で骨は折れなくとも身体が軋む。だが、それでもこの連撃にいつまでも耐えられるわけがない為に、何とか反撃を試みるもその全てアシモフに防がれる。

 

躱され、流され、防がれ、反撃をされる。

 

手も足も出ない。

 

サンドバックのような状況。

 

そしてアシモフはボクのコートの胸ぐらを掴むと雷撃鱗からボクを投げ飛ばした。

 

その投げ飛ばした方向にはネフィリム。

 

ネフィリムは何もしていなかったわけではなく、物凄い力を秘めた光線を溜めていたのだ。

 

そして放たれる極太のレーザー。残光(ライトスピード)の力。今までに見せた残光(ライトスピード)の力など比較にならない力。本来の能力者のスペシャルスキルがお遊びに見える程の圧倒的な能力。

 

その一撃がボクへと向けて放たれたのだ。

 

あんな力の奔流に当たればどうなるか分からない。幾ら強化された肉体だろうとあれ程の力を耐えられる訳がない。

 

ボクは雷撃鱗を展開して投げ飛ばされるスピードを抑えようあ。そして雷撃鱗による磁場を利用してそのレーザーから逃れる為に空中を移動して何とかそれを回避する事が出来た。

 

だが、

 

頂点(ゼニス)の力だ。その威力は見ただけでも理解できるだろうが、体感してみるのもいいだろう?」

 

いつの間にかボクの雷撃鱗の中に出現していたアシモフ。先程と同様にボクの雷撃を物ともせずに存在するアシモフはボクのコートの胸倉を掴むと同時に、更に強力な雷撃をボクに流し込んだ。

 

「ガァ!?」

 

今までとは比べ物にならない雷撃。それに耐えきれず、ボクは苦痛の悲鳴を上げる。

 

それと同時に今回の雷撃はあまりの強さに、他の作用も齎した。

 

ボクのEPエネルギーのオーバーヒート。許容量を大きく超えた雷撃がエネルギーにまで作用したのだ。

 

雷撃鱗が無理矢理解除され、ボクは無防備な状態にさせられる。

 

そして、アシモフはボクを掴んだまま、アシモフ自身も未だに放たれている極太のレーザーへと飛び込んだ。

 

「アアァァ!」

 

極太のレーザーへと飛び込んだ事により、光や持つ熱量がボクに襲い掛かる。

 

想像を絶する熱と痛みがボクの全身を駆け巡る。

 

意識が飛びそうになる。身体が引きちぎられそうだ。

 

だが、逃れようとしても逃れられない。レーザーが、アシモフがそれを許さない。

 

レーザーを直撃してその熱量に晒されながらもアシモフは何のダメージを受けていない。

 

その理由は分かりきっている。

 

電磁結界(カゲロウ)

 

電磁結界(カゲロウ)によってこの熱量を無効化している為に無傷でいられる。

 

故に腕を離さず、ボクをそのレーザーに晒し続ける。

 

そのままボクはその膨大な熱量を逃れる事ができず、身体がバラバラになる様な痛みにさらされながらそのレーザーが消えゆくまで晒され続けた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「ガンヴォルトォ!」

 

アシモフに手も足も出ず、極太のレーザーに飲まれたガンヴォルトの名をマリアが叫ぶ。

 

アシモフと言う存在の強大さと復活したネフィリムの使う第七波動(セブンス)の力。

 

規格外。

 

そう表すしか表現しようのない力。

 

それにガンヴォルトは飲まれたのだ。

 

ガンヴォルトが作ったマリアを守る為の雷撃鱗の中からでもその力の破壊力を理解出来る。

 

あの力は人間が耐えられる攻撃ではない。あれは人がどうにか出来るものでは無い。

 

ガンヴォルトはあれをまともに受けて無事なのか?生きていられるのか?

 

不安がマリアを支配する。

 

だが、マリアに出来る事は祈るだけしか無い。

 

今のマリアは何の力も持たない。シンフォギアを纏う事すら出来ない。ただガンヴォルトがマリアを守る為に作り出した雷撃鱗の中で黙って見る事しか出来ない。

 

だが、例えアガートラームを纏えたとしても。戦えたとしても。この戦闘では自分の持つ力のは足手纏いにしかならない。

 

ガンヴォルトですら手も足も出ないままあんな事になった。そんな敵にマリアが叶う訳もない。

 

そして極太のレーザーが消え、無傷のアシモフと浮遊するネフィリムの全体像がマリアの目に映り込む。

 

そしてアシモフが手に捕まる蒼いコートがボロボロとなり、身体の至る所から血を流すガンヴォルトが見えた。

 

「ガンヴォルトォ!」

 

希望たる光のボロボロの姿。マリアはガンヴォルトの名を再び叫ぶ事しか出来ない。

 

ガンヴォルトと言う希望が潰える瞬間を見せられるマリアは絶望する。

 

だが、アシモフに掴まれたガンヴォルトはコートが破れ、そのまま落下していく。

 

本当の絶望がマリアを支配しようとしたその時、

 

「…リ…リヴァイヴ…ヴォルト…」

 

掠れる様な声、聞き取れるか微妙な声がマリアの耳に届くと、ガンヴォルトから再び雷撃が迸り、空中で体制を立て直すと、虹色のオーラを再び纏って、地面に着地する。

 

「ガンヴォルト!大丈夫なの!?」

 

マリアはガンヴォルトの名を心配そうに叫ぶ。

 

「無事…とは言い難い!何とかして見せる!だからマリア!君はとにかくその中にいるんだ!」

 

ガンヴォルトはそう叫んで、再び空中へと向かい、アシモフと戦闘を再開する。

 

だが、アシモフとネフィリム。二つの強大な敵を前にガンヴォルトは常に劣勢を強いられながらも対峙していた。

 

巨大なレーザー。巨大な火球。そして飛来し続ける黒い粒子。そして石化の光線。

 

今までの第七波動(セブンス)の比にならない攻撃を耐え忍ぶガンヴォルト。

 

それを見る事しか出来ないマリア。戦えない事が辛い。力になれない事が悔しい。何も出来ない自分が腹正しい。

 

そんな思いがマリアに募らせる。

 

力になりたい。でも一人ではどうする事も出来ない。力のない自分には何も出来ない。

 

悔しさに涙を浮かべる。

 

そして飛び火した残光(ライトスピード)爆炎(エクスプロージョン)の力がマリアの近くにも飛来する。

 

だが、何とか当たることは無かったが、自分の周りの地面が削れ、その破壊力の高さを知らせている。

 

ガンヴォルトには勝ってほしい。だが、あの強大な力に本当に勝てるのか?いや、勝たなければ全てが終わる。

 

どうしようもない絶望に抗うガンヴォルトをただ見る事しか出来ない。

 

「お願い…セレナ…ガンヴォルトに…ガンヴォルトに力を…」

 

そして願うのはネフィリムの中に囚われているセレナ。

 

意識がないのか、動きはない。だが、それでも神よりも、今までマリアを守っていたセレナにマリアは祈るしか無かった。

 

しかし、

 

「マリア!?」

 

「ッ!?」

 

その祈りを消す様に、アシモフとネフィリムと対峙するガンヴォルトがマリアの名を叫んだ。理由は未定だから分かる。マリアの近くに爆炎(エクスプロージョン)の火球が一つだけ向かってきたからだ。

 

どうしようもない。死にたくないが死を覚悟してしまう様な一撃。

 

だが、その爆炎は今までと威力が違い、マリアの近くで爆発したものの、そこまでの被害を起こさなかった。

 

「どうやら、ネフィリムは力を誤った様だな…だが、もうそんな事を起こさせん!何も出来ない奴は無視だ!まずは紛い者を力を試し、殺す!」

 

アシモフは力を誤ったのかそう言うが、マリアなど眼中にない様にそう叫び、再びガンヴォルトを痛ぶり始める。

 

「ッ…どうしたら…」

 

助かったが、依然として変わらない劣勢。

 

『マリ…ア…姉…さん』

 

そんな時、大切な妹、セレナの声が聞こえた。

 

マリアはすぐにネフィリムに取り込まれたセレナを見る。だが、セレナはぐったりしており、意識は戻っていない。

 

もしくは自身が思う余り、あるはずが無い幻聴を作り出したのか?

 

そんな考えが浮かんだ。

 

だが、

 

『マリア…姉…さん…それで…あの人を…助ける力に…』

 

再び聞こえたセレナの声。

 

幻聴ではない。間違いなくマリアの耳にセレナの声が聞こえた。

 

何を意味しているか分からない。だが、セレナは何かを知らせてくれた。

 

「ッ!?」

 

そしてマリアは気付く。先程マリアの近くに放たれた爆炎(エクスプロージョン)の火球が着弾した地点。

 

そこにあるもう失われたと思われた物が僅かに見え隠れしていた。

 

ボロボロになっているが原型は留めている。

 

セレナの声が齎した希望。そしてこの戦いをどうにか出来るかもしれない希望。

 

それを手にする為に、マリアは雷撃鱗の起点となる通信機を手に、それに向かい、駆け出した。




あと三話
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