戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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14mVOLT

〜調との約束〜

 

再度の拘留されたマリア、調、切歌達との取り調べに訪れていたガンヴォルト。

 

それと同じく取り調べではなく面会に訪れていた装者達。

 

しかし行われているのは面会や話し合いなどでは無い。

 

そ何故か響と未来、マリア、切歌、調以外の装者達に囲まれる様にガンヴォルトは正座していた。

 

「忘れてはいないが、もうある程度時間も経った事だし、あの時の言葉の意味を教えてもらおうか、ガンヴォルト?」

 

怒気を孕む声を出す翼。

 

「そうだな。貴方と共に歩む未来…だったか?」

 

翼ほどではないが静かに怒りを見せる奏。

 

「事と次第によっちゃ、お前をおっさん達に引き渡さねぇといけねぇからな」

 

そして二人同様に怒りを見せるクリス。

 

「いや、なんで君達はそんなに怒っているの?ボクにとって調との約束は特に重要なわけだけど…それの何処に君達を怒らせる要因が…そしてそこで何で弦十郎の名前が出てくるのさ?」

 

「ガンヴォルトが悪い以外何があると言うの?それで、その約束はなんなのかと聞いているのだけど?」

 

翼がガンヴォルトに向けて物凄い圧を押し付ける様に言った。

 

「ガンヴォルトに聞くのもいいが、どうせガンヴォルトが言葉にすると確実に拗れるだろう。だったら約束を結んだ当事者に聞く方が早い」

 

そう言ったのは奏。そして奏は少し離れた方にいる調の方をみる。調は頭に疑問付を浮かべている。だからマリアへと視線を向ける。

 

「調、貴方…ガンヴォルトと何を約束したの?」

 

奏の視線を受け取ったマリアが、調に対してそう聞いた。

 

「ガンヴォルトと将来の約束をしたよ」

 

なんの捻りもなく調がそう言った。

 

まるでプロポーズの様な言葉を言われた様に話した調。

 

その言葉に狼狽えるマリア。そしてそれを聞いた三人はガンヴォルトに詰め寄った。

 

「どういう事だ!ガンヴォルト!」

 

「お前!あの子が好みなのか!?」

 

「お前!私達くらいならまだしも流石に通報案件だからな!」

 

焦りと怒りを見せる三人。そしてなんとなく語弊があるんだろうと思う響、そしてガンヴォルトに詰め寄りはしないものの固まった未来。

 

そして調の言葉に驚きを隠せない切歌。

 

「ど、どういう事デスか!調ぇ!一体いつからガンヴォルトさんとそういう関係だったデスか!?」

 

「そうよ!調!貴方!ガンヴォルトと何を約束したの!?」

 

ガンヴォルトは三人に詰め寄られて何故通報と弦十郎達に引き渡されなければならないのか分からないと思いながら三人を宥めるが、逆効果であり、何の意味もない。

 

そして調の言葉にマリアと切歌に詰め寄られる調は毅然として答える。

 

「ガンヴォルトさんと私、二人にとってすごく大切な約束をしたの。ガンヴォルトさんと二人でそう誓ったから」

 

大切な約束。それはフィーネとの約束。調にとっては助けてくれた大切な恩人であり、フィーネが見れない為にこの目でガンヴォルトが望んだ世界を見ると約束を誓った人物。

 

そしてその約束は確かに大切な事。しかし、大切な約束であるが、調も調で大切な部分を言っていない為に、話を更に拗らせてしまった。

 

そして何故かマリア、切歌も調をガンヴォルトと共に正座させられる」

 

「何でみんな怒るのか分からない…」

 

「話したのになんで…」

 

「ガンヴォルトさんに調ちゃんも、言葉足らず過ぎるからじゃないかな?」

 

理不尽だと思う二人がそう呟くが、響がそれに対してため息を吐きながら二人に向けて言った。

 

「それで、二人は何を約束したんですか?」

 

固まっていた未来もようやく言葉を発せるまで戻った為、不安に思いながらも事と経緯を詳細に求める。

 

そう言われたガンヴォルトと調が顔を見合わせた。

 

それに対して更に不安と怒りが募る一部の装者達。それを察した調が怖がりながら堪える。

 

「…フィ、フィーネとの約束…」

 

「マリアと切歌は知らないとしても、みんなは知っているだろう?ボクとフィーネの約束」

 

そしてガンヴォルトがみんなに向けて説明する。

 

「そうだったのか…」

 

それを聞いた全員は納得した表情をする。亡きフィーネの約束。それをガンヴォルトは依然として果たそうとしている。そして調はガンヴォルトが将来に望んだ未来を見る事を約束した。

 

だからこそ、二人にとって大切であり、叶えなければならない願いという事。

 

それを聞いた一部装者達は胸を撫で下ろす。

 

フィーネの願い。それはかつては世界を一つにすると言うもの。だが今は、ガンヴォルトが望む、平和な世界。それを見届ける事を調がフィーネから受け継いだのだから。

 

それを理解した全員は調は許されて解放する。だが、ガンヴォルトも解放されると思い立ちあがろうとするが、ガンヴォルトだけは駄目だと言われて何でと言おうとしたが、意を唱える事すら出来ない圧をかけられ、黙って正座を続けた。

 

あいも変わらず言葉足らずのガンヴォルトに向けて静かに怒りながら翼が言う。

 

「ガンヴォルト…貴方はどれだけ話の内容に言葉足らずか理解しているの?」

 

「いや、ボクは説明は出来ていると」

 

「いいえ、貴方は出来てないわ。貴方と会話していて、主語が出てくるのは結構後よ。それが引き起こしていると貴方は理解出来てる?」

 

出来ていると言うガンヴォルトに対して、それを否定するのはマリア。マリアもガンヴォルトのその説明不足な部分につい最近困らされた為に、翼に同調する。

 

「そう言う事だ。報告書とかしっかりしているのにそう言う会話での説明は下手なんだからもっとしっかりしてくれよ」

 

奏は先程と違い、安堵しつつ呆れながらもそう言った。

 

「全くだ。本当にそう言うところだぞ」

 

「そうですよ。ガンヴォルトさん」

 

クリス、未来も続けて言う。

 

「…気をつけるよ」

 

そう言ったガンヴォルトだが納得していない。しかし、今までの経験からここでも変に言葉を濁すとまた終わらない謎の説教が続くと思った為に、そう言った。

 

そう言うところは理解出来るガンヴォルトだが、恋愛感情に対してはどうしようもなく気付けないその鈍感さにほとほと呆れるしかない。

 

「気をつけてね、ガンヴォルトさん」

 

「調もそっち側だったんデスから、調はガンヴォルトさんには言えないデスよ?」

 

調がガンヴォルトに注意するのだが、今回調もそっち側だったので切歌が調に対してそう言った。

 

「そんな〜…」

 

「そうね、今回は調もガンヴォルト同様悪いわ。だから、ちゃんと説明出来るようにね」

 

項垂れる調を慰めるマリア。

 

「気をつけるデスよ、調」

 

マリアと同様に、調を慰める切歌。

 

そうして装者達はガンヴォルトと調との約束が安堵しながら、一人を除いて全員が溜め息を吐きながらも親交を深めるのであった。

 

「…で、ボクはいつまで正座を?」

 

「ガンヴォルトさんがある鈍感さに気付くまでじゃないですか?」

 

「…前から思うけど、よくわからないタイミングで響はボクに対して塩対応になってない?」

 

「ガンヴォルトさんが悪いとしか言いようがないのでと言いたいところですが、今回というか何と言うか…ただ、いい加減にみんなの想いに気付いて下さい。善処するって言いながら何も進歩してないじゃないですか…まあ、その想いがあるのに打ち明けられないみんなも悪いとは思いますけど…」

 

呆れながらも、最近はガンヴォルトが悪いと思いながらも、みんなも悪いのではないかと思い始めている響。

 

伝えれば良いのに伝えきれない想い。

 

それが互いにそれを恥ずかしがって伝えていない。

 

故に今の現状なんだろう。

 

そう考えるとガンヴォルトもあからさまな想いに気付がない事も悪いが、みんなも悪い。だから響は溜め息を吐いた。

 

だが、そんな態度を示しても分からないと言う顔のガンヴォルト。

 

「もう私は諦めていますが、自分が蒔いてきた種なんですからね?上手く摘んで納めて下さいね」

 

「…?」

 

ガンヴォルトは分からないと言うふうに疑問符を浮かべる。

 

「上手く摘むって…どう言う事なんだい?」

 

「ガンヴォルトさんが気付いて答えを出さなきゃいけない事です。だから、日常でも戦闘の勘と同様にしっかり活かして下さい」

 

「…戦闘と日常じゃ緊張感も違うから難しいけど…頑張るよ」

 

そう言ってガンヴォルトは努力して貰う事を確約する。そしてその言葉を気に立ちあがろうとする。

 

「だからと言ってもういいってわけじゃないんでまだ正座したままですよ」

 

「…はい」

 

ガンヴォルトはただ響にそう言われても項垂れながらも正座を続けるのであった。

 

「ガンヴォルトさんっていつまで正座させられっぱなしなんデスか?」

 

「切ちゃん…あの話題でも何となく察せない?」

 

「デス?それとこれとは話が違うんじゃないんデスか?」

 

そして切歌のみ、この現状を未だに理解出来ていなかった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「本当にガンヴォルトって恋愛初心者どころの話じゃないわよね」

 

監視という名目の勾留所のカメラで様子を見ていたあおいが溜息を吐きながらそう呟く。

 

「いや、今更じゃないですか、それ。こんな状況でも響さんがあれだけヒントを出しているのに分からないとか、もう呆れるしかないし、こっちもこっちで正直言うとガンヴォルトの為にならないし…とか言ってもガンヴォルトが気付くなんて天地がひっくり返らない限りあり得ないと思いますよ…本当にあんなのが存在するのは漫画か小説の中だけと思っていましたけど…実際に目の前にいますからね…」

 

その言葉に賛同しながらも朔也も呆れながら同様に溜息をつく。

 

「今に始まった事じゃないだろう。ガンヴォルトの朴念仁は」

 

「そうですね。前の話を掘り返しても、まだ小さいし、翼さんも否定してたんだからとか言ってましたし、今は違いますと言いたかったですね」

 

「なんですか?その話って?」

 

弦十郎も溜め息を吐き、慎次も翼が助けられた時に言った言葉を思い出しながら苦笑いを浮かべていた。そしてその話を知らない朔也が慎次に聞く。

 

「ガンヴォルト君がまだ中学生の時にあった話です。お二方がまだ配属前なので七年前ですかね?ガンヴォルト君に救われた翼さんがガンヴォルト君に対してプロポーズにもとれる言葉を言った事があったんですよ」

 

「あの翼さんが大胆な行動を…」

 

朔也とあおいの配属前の話。二人は興味がそそられて慎次に詳しい内容を聞く。

 

「本当にそんな事が…と言うかその時に司令が取り乱すなんて…」

 

「まだガンヴォルトとは少し距離があった時だからな。今ならばそう言わずに俺は喜んでガンヴォルトに任せるだろうな。まぁ、俺は良いとしても翼を大事にしている俺の上の兄弟はどう出るか分からんがな」

 

苦笑いを浮かべる弦十郎はそう言った。

 

「そんな事があったんですね…と言うか、そんなに長く思われているのにあの男は…」

 

あおいがそれを聞いて青筋を浮かべながら画面に正座をした状態で映るガンヴォルトを見る。

 

「まぁまぁ。どっちもどっちなんじゃないですか?ガンヴォルトもここまで鈍い事も問題だし、そんな事があったのに翼さんも翼さんで拗らせたの事も原因の一つだと思うし」

 

「…藤堯君のその俯瞰した見方も正直ムカつくわ」

 

「なんでそうなるの!?」

 

あおいが朔也に対してそう言った。

 

「まぁまぁ。取り敢えず、人生の先輩として優しい目でここはとにかく見守りましょう」

 

「そうだな…ただ、あの鈍感さだけはどうにかせねばならんからそこだけは大人としてさり気無くちょっかい出して少しでも気付くように仕向けるとしよう」

 

弦十郎の言葉にその場の全員が頷いた。

 

ガンヴォルトを画面越しに見ながら四人は頷くのであった。

 

「…何か変な感じがするんだけど…気のせいか?」

 

そんな中、何故か画面越しのガンヴォルトはその思惑を知らぬとしても第六感が何かを感じ取った。

 

そして、

 

「…何か私の知らぬ所で私の話が出たような気がする…」

 

「…翼…電波系にでもなるつもりか?」

 

翼も何か感じ取ったのかそう呟いたが、その呟きを聞いた奏が少し心配そうに翼へとそう言うのであった。

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