やはりガンヴォルトシリーズのキャラ投票は無印のエリーゼ然り爪のジブリールと敵キャラが人気ですね。
自分の投票したコハクは敗れてしまいましたがハロウィンイラストは楽しみです。
センターのイソラを二階席から応援しておきましょう。
そういえばイラストに今回の悪魔の所業たる奴は参加なのでしょうか?
ネタバレのしないために載らないか第二形態で載るか欠席者のように右上か左上にちょこんとなるのか。
しかし投票にまさか変態のおじさんことロメオがあったけど無効票にされてかわいそうなことになってたことに残念と思いました。一応登場するのに…
何この展開!とまさにその通りだなと思いました。白き鋼鉄のXで変態のおじさん是非探してみてください
ボクは急いで長野から本部へ向かった。本部に着いた頃には既に日が暮れている。
「弦十郎!状況は!?」
装備を整えて司令室へと入るボクは第一声に弦十郎に現状の説明を要求する。
「ガンヴォルトか…休みを出しているのにすまない。来る途中に通信端末で説明した通り、現在翼と響君が我々が二年前に紛失してしまった聖遺物、ネフシュタンの鎧を纏う少女と接触した。少女の手には前にガンヴォルトの話してくれた情報と一致するノイズを操作する事の出来る聖遺物と思われる物を所持している」
ノイズを操作する事の出来る聖遺物と思われる物。
「やっぱり存在していたか…ボクも現場に急行する!位置の情報!それに一課に要請してヘリの準備を!」
「すまない、現在一課の方も現場にて避難作業を行なっているため、ヘリの要請をする事が出来ない。俺と了子君はネフシュタンの鎧を纏う少女に接触を試みるため、現場に向かう。悪いが俺達の車に同乗して、護衛をしながら向かうぞ」
弦十郎はそう言うと了子がモニター席から立ち上がり、弦十郎の近くに寄る。
「急ぎましょう、第4号聖遺物であるネフシュタンの鎧が起動しているとなるとその力は計り知れないわ。翼ちゃんや響ちゃんの持つ聖遺物の欠片と違ってあちらは完全聖遺物。どれ程の力を持っているかも起動前の状態でしか見た事のない私達には分からない。そして、接触した少女の持つノイズを操る聖遺物らしき物もある向こうの戦力も未知数。言い方は悪いかもしれないけど響ちゃんと言う未だに戦力になるか分からない彼女がいる状態で翼ちゃん一人で戦うには分が悪すぎるわ」
弦十郎はその言葉に頷くと車のキーを取り出しながら司令室から出て現場に向かう。了子とボクもその後を追って車に急ぐ。
車に乗り込んだボク等は法定速度など無視をして現場に向かう。本部からの通信によると少女との戦闘が始まったらしい。
大量のノイズが召喚されたようで翼と響がノイズの掃討に取り掛かっている。
「ノイズを操る事の出来る聖遺物と思わしき物。私の今まで調べていた聖遺物の中でも該当する物はないわ」
「聖遺物の採掘をしても見つかる事なんて稀だ。了子君ですら分からない聖遺物も幾つあってもおかしくない」
「今はそこに関して考える時じゃない。もし今ネフシュタンの鎧を纏っている少女の持っている物が聖遺物であるのならば、歌がなければ使用する事なんて不可能。それは了子の提唱している櫻井理論で分かってる。もしあれが聖遺物となるとすれば既に誰かの歌により起動した完全聖遺物になる。ネフシュタンの鎧同様、歌の力により覚醒していて常人でも使えてしまう危険な代物だという事。そして、少女がなぜ持っているか分からないが今は置いておく。少女の目的が何なのか分からないけどこのまま放っておくと危険な事は変わりない」
ボクの言葉に頷く二人。しかし、完全聖遺物であるネフシュタンの鎧、そしてノイズを操る事の出来る聖遺物と思わしき物を持って現れた少女。何故今頃になって現れたのか分からない。何か重要な要素があるのか。
ボクが少女が現れた理由を考える。
二年前に紛失したネフシュタンの鎧、そしてノイズが頻繁に現れている今の現状は少女の持つその杖のような物により引き起こされたものだと考えるのが妥当だろう。しかし、なぜ。
ボクは思考するが思い当たる節といえば新たに現れた装者である響の存在。しかし、その存在は公になっておらず知る事は不可能。ならば何か少女が出てくるに値する重要な出来事でもあったのだろうか。未だ何者か分からない少女。組織的なものなのか、それとも少女自身の何かしらの思惑があるのか。
今ある情報を頭をフル回転させて何故このような出来事が起きたかを考える。
そんな中、車のラジオから流れる現在の翼と響の情報が入り、思考を一旦やめる。だが入ってきた情報はボクにとっては最悪とも思える情報であった。
「翼さんの纏う天羽々斬から急激に上昇するフォニックゲインを確認!このパターンは二年前の奏さんと同じ、絶唱を放つ時のパターンと一致します!」
その言葉にボクは自分の通信端末から本部に連絡する。
「今すぐ翼に絶唱を放たないように指示を!」
しかし帰ってきた答えは翼と響への通信が不能とあり、指示を行えない事。
ボクはクソっ!と悪態をつくと弦十郎にスピードをさらに上げるよう申し入れる。
「無理だ!これ以上のスピードをこの車で出す事は不可能だ!翼を信じろ、ガンヴォルト!絶唱だとしてもシンフォギア装者の身を滅ぼすものだが、奏とは違い、正規適合者である翼なら堪える事が出来るかもしれない!」
「それでも貴方は翼の親族なのか!そんな低い可能性しかないものをボクは信用する事は出来ない!もし、翼も奏のようになってしまったらどうするんだ!」
ボクの言葉に対して弦十郎は何も返さない。運転している弦十郎を殴りそうにもなったが、ハンドルを握る手が強く握り締めている事に気付いたボクは弦十郎も苦しんでいるのに気付き、ボクは拳を収める。
「…貴方達二人の気持ちは分かるわ。でも相手がそれだけ強敵で翼ちゃんも倒すには絶唱以外ないと覚悟を決めたの。だからガンヴォルト、翼ちゃんを信じて」
ボクは了子の言葉を聞くが、どうしても奏という前例がいるため頷く事など出来なかった。
絶唱、装者の奥義であり使うと身体をも蝕んでしまう諸刃の剣。奏の場合は後天的にlinkerと言う薬品による強制的に適合率を引き上げられた適合者であり、絶唱を放ったあの日は普段よりも容量を抑えて行ったためあのような状態になったと聞いているが、それでもあれ程のダメージ、そして二年もの昏睡。あれを見せられて絶唱に対する考え方などボクには使うなと言う答えしか見つからない。
しかし、翼の目の前には今の翼の技量を上回る敵。そんな敵と戦って勝つためにはそれしかない状況となれば使うざるを得ない。
「…翼ちゃん、絶唱を使ったみたい…」
ボクが考えている間にラジオより入った情報を了子が呟いた。
ボクはダートリーダーを握る手で誰も座っていない隣の後部座席を叩き付けた。
間に合わなかった。そんな後悔の念が浮かぶ。そして、弦十郎の手にも力が入り、ハンドルに亀裂が入った。
「とにかく今は早く向かいましょう」
了子の言葉に頷く弦十郎。ボクは強く拳を握り、翼の無事を祈り続けた。
◇◇◇◇◇◇
倒れる少女とその前に佇む翼。
「クソッタレ…」
悪態をつく少女。その身体は既にボロボロで鎧は所々絶唱による攻撃により砕け、ところどころ傷の付いた素肌を晒している。
「ぐっ!?」
少女は突然苦しそうな声を上げると傷付いた身体に鞭打って立ち上がると空を飛んで何処かに消えてしまった。
「翼さん!」
それを見送った響はその場から動かない翼の名前を呼び駆け寄る。しかし、先程の衝撃により足場の悪くなった地面に足を取られ転んでしまう。
その時一台の黒塗りの車が到着する。その車から降りてきたのは弦十郎と了子。そして、今日は非番だったはずのガンヴォルトであった。
ガンヴォルトは車から降りると直ぐに翼の元に駆け出す。
「翼!」
ガンヴォルトの言葉と共に振り返る翼。そこには目と口から止めどなく血を流していた。その光景を見たガンヴォルトは素早く翼へと駆け寄る。
「ガンヴォルト…ごめんなさい…。私は…結局少女も捕らえる事も出来ずにこの有様…」
そう力ない声で言った翼は倒れてしまう。ガンヴォルトはそれを支えると素早く耳元に手を当てて叫んだ。
「本部、直ぐに医療班をこっちに回してくれ!装者が重症だ!早く!」
ガンヴォルトはそう叫ぶと応急処置を施すために弦十郎や了子に指示を飛ばした。
そして直ぐに付近で避難誘導を行っていた一課の医療班が到着して処置された翼を救急搬送していった。
翼を見送るとガンヴォルトが何も出来ずに立ち尽くしていた響の方に歩み寄る。責められると思い直ぐさま響はガンヴォルトに対して謝罪をする。
「す、すみませんガンヴォルトさん!私が不甲斐ないせいで翼さんが…」
下を向く目からは涙が止めどなく流れる。だが、ガンヴォルトは響を責める事はなく、そんな響の頭に手を置いて撫でる。
「響のせいじゃない…あれは、防人としての翼が…自分の信念を貫いて行ったんだ…君は勿論、誰のせいでもない…」
顔を上げ、ガンヴォルトの顔を見る。その顔はとても辛そうであり、悲しそうとも取れる表情を浮かべていた。
「ガンヴォルトさん…」
そしてガンヴォルトは響の頭から手を離すと呟くようにそして自分を責めるように言った。
「ごめん。ボクが居なくなった時に限ってこんな事になって…」
「ガンヴォルトさんのせいじゃないです!私が…私がもっとしっかりしていれば!」
「二人ともこんな所で互いに責めていても仕方ないだろ。俺達も急いで病院に向かうぞ」
響は向かおうとするがガンヴォルトは立ち止まり、弦十郎に言った。
「ボクはこれから少女の捜索を行う。本部に確認して反応が消えた位置は特定している。絶唱による一撃だ。ボロボロになった身体じゃ遠くに行く事は難しい。翼の覚悟を無駄には出来ない」
「…分かった。だが、気を付けろ。その少女のバックには誰がいるかすらも分からない。協力者がいて危険と判断したら直ぐに逃げろ」
ガンヴォルトの言葉に少し考えてから弦十郎は言った。ガンヴォルトは弦十郎の返答に頷くと少女が飛んで行った方向に駆け出して行った。
「現状はガンヴォルトに任せて、俺達は病院に向かおう、響君」
そう言って響は了子と共に弦十郎の車に乗って翼の搬送された病院へと向かった。
◇◇◇◇◇◇
翼は絶唱を行い、そのフィードバックによって身体がボロボロであったが病院で適切な処置が行われ、何とか一命を取り留めた。
響は翼がこうなってしまったのは自分の不甲斐ないせいでと表情を暗くしてソファーに腰を下ろしていた。
「誰もこうなったのは貴方のせいでとは思っていませんよ」
響は顔を上げるとそこには翼のマネージャーである慎次の姿があった。慎次は一つの湯気の立つ紙コップを響に渡して、少し距離を開けて同じソファーに腰を下ろす。
「翼さんが自らの覚悟を決めて歌ったのですから。でも…またこんな事になるなんて…」
「また…?」
何の事か分からない響は慎次に問い返す。
「二年前の貴方もいたライブ会場の惨劇。その時に奏さんが自らの命を燃やす覚悟で絶唱を放ちました。ですが、絶唱は発動せずにその負荷のみを使用者である奏さんが受ける事となり、今も昏睡状態に陥っています」
響はその時の事を思い出す。
「じゃあ翼さんも…」
奏が二年も昏睡状態になっているとしたら翼も奏と同じ状態になるのではないかという最悪の考えが思い付いてしまう。そして、その原因となったのがまた自分にあると考え、涙を流す。
「私が不甲斐ないせいで二人とも目を覚まさないという事に…」
こんな事になった事を酷く後悔する響。しかし、慎次はそれでもなお、響を責めずに言った。
「先程言ったように響さんのせいではありません。今回の責任があるとすれば貴方ではなく、サポートをする事が出来なかった我々にあります。少女の来襲の察知、そしてノイズを操れる聖遺物と思われる物の調査不足。二年前も同様、我々の敵に対する調査不足が今回の原因を作ったと言ってもいいでしょう」
穏やかに言っている慎次だが、手に力が入り震えている。自分だけではなく、慎次や弦十郎、そして現在少女の追跡を行なっているガンヴォルトも響同様に辛い思いをしている。そして響に対して慎次は言った。
「響さん。今こんな事をお願いするのは申し訳ないですが、翼さんをどうか嫌いにならないで下さい。貴方に対しての翼さんの反応はとても厳しいものでとても嫌いにならないでと言うお願いが無理と言えるかもしれませんが、不器用な人なので未だに貴方との距離感を掴めずにああ言ってしまっているのです。だから、どうかお願いします」
そして頭を下げる慎次、そしてそこから続けるように言った。
「そして、ガンヴォルト君の助けにもなって下さい。今の彼を支えてあげる事が出来るのは同じ戦場に立つ事の出来る貴方だけなのです」
「えっ?なんでガンヴォルトさんも…あの人は私よりも強くて決して支えられるような人には見えないんですが…」
なぜ彼を。遥かに自分の戦力を超える彼を支える事をお願いするのか疑問が浮かび慎次に問い返す。
「彼自身が前にも言ったように別の世界の人間であり、この世界には家族や恋人と呼べるような大切な人という者がいません。そして彼の探すシアンと言う女の子の足取りが未だに掴めない今、奏さんや翼さんが彼は気付いていませんが彼の中心となっていました。そして二人がこのような状態になった今、彼は自分の事など顧みず戦いに没頭してしまう可能性があります。だからこそ、そうさせないために貴方に彼をお願いしたいんです。もうこれ以上、彼に傷付いて欲しくないから」
その事を聞いた響はガンヴォルトの境遇を改めて認識する。彼は響とは違い、全く異なる世界に来て、大切な人がいないながらも戦いに身を投じ、そこで会った奏や翼の二人が今となっては大切な仲間であった。しかし、その二人がいなくなった今、大切なものがなくなってしまったガンヴォルトにはただ人類という莫大な人々を守るために一人で無理をしてでも戦おうとする事が何となく分かる。ガンヴォルトとは付き合いが短い響だが、彼の性格を知る者としてそうなる事は容易に思い浮かんでしまった。
そして、翼が絶唱の前に言った言葉を思い出す。そして、その言葉に従うならこの現状から逃げてもいいと。だが、それは響にとって苦しんでいる人がいるのに自分は呑気に過ごす事になる。そんな選択はもとより響の中にはなかった。
「私は、翼さんを嫌いにはなりません。絶唱と言うあの力を放つ前、翼さんは逃げてもいいと言いました。翼さんは覚悟を決めて…自分の命を顧みずに自分の役目を全うしたんです。…なのに私が逃げれば翼さんの覚悟を無駄にして…ガンヴォルトさんが一人苦しみながら戦う事になります。だから、私は逃げずにガンヴォルトさんを助けてみせます。翼の見せてくれた覚悟…まだ見えぬ敵が襲う限りまだこの戦いは終わりません。それなら私は出来る事をして戦います。今度こそ、翼さんにしっかりと顔向け出来るよう…翼さんが認めてくれるように!」
涙を拭い、覚悟を決めた響。今までの自分に課していた不透明な覚悟とは決別し、新たな覚悟を胸に刻む。
「ありがとうございます、響さん」
慎次はそんな響に礼を言った。