戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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ブラスターマスターゼロ2買いました。本編クリアしたんですけど相変わらず特殊アイテムを集めないと強制バットエンドとはインティらしい作品だった。ガンヴォルトシリーズとは違いハッピーエンドで良かったし次回作も期待出来そうなので早く来る事とアキュラの追加を楽しみながら待つ事にします。


30VOLT

ボクは響との訓練が終わった後、一課へと赴き、今後の対策についてを話し合いに来ていた。シンフォギア装者である翼の一時的な戦線離脱、その事によって起こる被害の状況予想。通常なら了子や弦十郎が来て説明するべきなのだろうが実際の現場に出ているボクが来るようにとお達しがあった為一課保有の基地へと赴いていた。

 

今回の話し合いで一課は対策としてシェルターの増加の検討や災害時の二課のシンフォギア装者やボクの要請によるヘリなどの高速移動手段の対応など、翼が居なくなり、戦力ダウンした二課へのフォローを行い、被害の拡大を防ぐと言った内容であった。

 

話し合いは長くなり終わったのが夕方であった。一課の職員に帰りに送迎は必要かどうか聞かれたが、ボクは一度病院へ寄ってから本部へ戻ると伝えてその申し出を断った。

 

一課の事を信じていない訳では無いが、内通者がいる可能性もあるだ。既に知られている可能性もあるのだが、念には念を入れておかなければならない。

 

ボクは徒歩で奏や翼の入院する病院へと向かう。尾行なども警戒しながら向かう途中の災害復興地帯、僅かに漂う血の様な匂いに気付き、病院へ向けていた足の方向を変えてそちらに駆け出した。途中、テザーガンを取り出して何かあれば対応できる様に集中する。

 

そして高架下のトンネルにて何かにぶつかってひしゃげたであろう車のフロントが見えた。そちらに足早に向かい、トンネルの中の状況を確認するとトンネル内には弾丸により貫かれたスーツ姿の人間が何人も倒れていた。

 

「ッ!?」

 

ボクは辺りに気を配りながら、何があったのか確認する。倒れている人達は既に絶命しているが体温がまだ温かい事からまだこうなって間もない事は分かる。

 

「一体何が…?」

 

まだ生存している人がいないかを確認する。一番前の車、そして真ん中の車、二台の車の内部には既に死に絶えた人達しかいなかった。そして三台目の車の中を確認する。

 

ボクはその中にいる横たわった人物を見て驚いた。

 

「広木防衛大臣!」

 

ボクはその名を呼ぶが広木防衛大臣から返答はない。それもそのはず、ボクが広木防衛大臣の身体を車から出している時に見た身体は大量の銃弾を浴びており、即死している事が分かった。

 

「なんでこんな事が…広木防衛大臣は確か了子と話し合っていたはずじゃ無いのか?」

 

ボクはとにかくまだ何か残っていないかを確認する為に広木防衛大臣の乗っていた車を調べ始める。広木防衛大臣以外に乗っていた秘書と思われる人物も車から下ろして、内部を捜索するが特にこれと言って手掛かりはなかった。

 

ボクはとにかく二課の本部へと連絡しようと通信端末を取り出そうとした時に一番前の車から僅かに聞こえる電子音に気付き、素早く雷撃鱗を張った。

 

直後、一番前の車が爆発して連鎖する様に他の二台をも巻き込んで大きな爆発を起こした。崩れるトンネル。瓦礫が雷撃鱗に触れてチリとなる。砂埃を立て、辺り一帯を見えなくさせる。

砂埃が晴れ、ようやく視界がクリアになる。

 

「…二年前のテロリストと同じで証拠を爆発で消し飛ばしたのか…」

 

辺りの様子を見てボクは呟いた。

 

「とにかく連絡を取らないと」

 

二課へと連絡を取ろうとした時、こちらに向けて猛スピードで来るサイレン音に気付き、そちらに顔を向けると、パトカーが何台も壁になる様に止まり警察官が降りてこちらに銃口を向ける。

 

「その場を動くな!銃を捨てて手を挙げろ!」

 

ボクに向けて構えられる銃口。ボクの手にはテザーガンだが傍から見たら拳銃にしか見えない。そしてボクの足元には先程車から下ろした広木防衛大臣とその秘書。そして、その二人を下ろす時にスーツに付いた血痕。

 

これじゃあ、ボクがやった様にしか見えない。

今はこの状態で何か行動を起こしても悪い方向にしかいかないと思い、地面にテザーガンを下ろして手を挙げる。

 

そして、ボクは警察官により広木防衛大臣を暗殺した殺人犯として現行犯逮捕された。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

「はぁーい、皆。櫻井了子ただいま帰還しました!」

 

「了子さん!?無事だったんですね!」

 

本部に戻ってきた了子を響が心配そうな表情をして出迎える。

 

「了子君!連絡が取れないから心配したぞ!」

 

「何々!?皆そんな慌てて、私が居なくてそんなに寂しかったの!?本当に皆私が居ないとダメなんだから」

 

少し嬉しそうに言う了子だが、弦十郎が首を振りながら心配している原因を説明する。

 

「広木防衛大臣が殺害されたんだ。それで了子君に連絡をしたんだが全く連絡が取れなかったから君も何か巻き込まれたんじゃ無いかと」

 

「広木防衛大臣が殺された!?」

 

それを聞いて了子は驚く。

 

「犯行声明が幾つも出されている。現在二課で調査しているが今の所なんの手掛かりも見つかっていない」

 

「了子さんもなんで連絡したのに出れなかったんですか!?私達心配で心配で…」

 

そう言って了子は自分の通信端末を確認するとどうやら壊れていた様で何の反応もしていなかった。

 

「壊れてるみたい。ごめんね、心配掛けて。それよりも、ガンヴォルトはどうしたの?」

 

「ガンヴォルトにも連絡しているんだが、あいつにも連絡がつかない。ガンヴォルトの事だから心配ないとは思うが、何かしらに巻き込まれている可能性もある」

 

弦十郎は自分の通信端末でガンヴォルトの方に連絡を入れている様だが一向に繋がる気配がない。

 

「今は彼の事を信じましょう。私の方も無事で広木防衛大臣から受領した政府の機密データも無事よ。この機密データに入っている任務を遂行する事が広木防衛大臣への弔いになるはずよ」

 

そう言って了子はデータが無事な事を見せてくれた。

 

「そうだな。俺達に出来る一番の弔いはその任務を達成させる事だ」

 

弦十郎はその事に頷く。そんな時、弦十郎の通信端末に誰かから連絡が入る。

 

「こんな忙しい時に誰が?」

 

弦十郎は通信端末を耳に当て、誰かと話し始める。

 

「なんだと!?」

 

急に大声を上げる弦十郎。その声により全員の視線がそちらに向かう。そんな事をお構いなしに弦十郎は違う、あいつがそんな事するはずがない!と端末に向かい叫んでいた。

 

そして通信が終わり、通信端末を耳から離すと弦十郎は握っていた通信端末を握り潰した。

 

「くそったれ!」

 

「急にどうしたの弦十郎君、皆貴方があんな大きな声を出して通信するからびっくりしたじゃない。さっきの通信、何かあったの?」

 

了子が代表して弦十郎に問いかける。すると弦十郎は苦虫を噛み潰したように顔を歪めて言った。

 

「ガンヴォルトが…ガンヴォルトが広木防衛大臣の殺害犯として逮捕されたと、昔の同僚から連絡が入った。あいつに限ってそんな事をするはずがない…」

 

弦十郎の悔しそうな声にその場の全員が驚きの声を上げた。

 

「そんな…嘘ですよね!?ガンヴォルトさんが!?」

 

響が弦十郎に対して問いかける。

 

「聞くと、あいつが広木防衛大臣の殺害現場に銃を持っていた事で現行犯として逮捕されたらしい。それ以外はまだ分からないが、とにかく俺は一旦ガンヴォルトが居る所に行ってあいつから話を聞く。了子君、すまないが機密データを解析後、そこにある任務について全員に説明をしていてくれ」

 

そう言って、弦十郎は急いで司令室から出て行きガンヴォルトの元へ向かっていった。

 

「嘘ですよね…ガンヴォルトさんが犯人なんて…」

 

響は了子に対して信じられないという風に言った。

 

「…そうね、あの子に限って絶対にないはずよ。前にガンヴォルトは誓っているんだから」

 

響にではなく、二課にいるメンバーに対してその言葉を問いかけていた。その言葉に二課の七年前から携わっているメンバーは誰もが頷いている。

 

「それってどう言う事なんですか?」

 

了子の言葉に響は問いかける。

 

「響ちゃん、ガンヴォルトが別の世界の人間って言うのは聞いていると思うけど彼の過去の事は詳しくは知らなかったわよね?」

 

了子の問いかけに頷く響。そして、了子からガンヴォルトの過去について聞かされた。過去に奏に話した時同様、響は、そしてその時まだ配属していなかった者達はその過去について驚く。ガンヴォルトは元いた世界で一人の少女を、彼の探すシアンと呼ばれる少女を助ける為に戦っていた事。そして、その際にシアンの持つ第七波動(セブンス)を狙っているとある大きな企業に所属する能力者達と戦い、その手で能力者達を殺めていた事。当時二課に所属していた弦十郎もその事でガンヴォルトを警戒していたが、彼自身から進んで殺しをしていた訳ではなく、彼女を守る為に敵対していたと話してもらい、自分からは人を殺す事はないとガンヴォルトは誓った。

 

「私達もこれ以上の事はガンヴォルトから詳しく聞いていないから分からないわ。でも、彼が何の関係もない広木防衛大臣を殺すなんて考えられないの」

 

「ガンヴォルトさんは人を殺して…あんなに優しい人がなんで…その戦っていた人達と話し合いとか出来なかったんでしょうか?」

 

「そこは私達も分からないわ。そこはガンヴォルトにも聞かないと」

 

未だ不透明なガンヴォルトの過去。だが、それでも彼の今までの行動には人を殺して楽しむ様なサイコパスに見えないし、裏でテロリストなどの組織とまともに取り合う様な人柄に見えなかった。

 

「とにかく、今ガンヴォルトの事は弦十郎君に任せて、私達はこの機密データの中身の確認を行いましょう。私がデータを引き出して来るからそれまで皆は犯行声明をもう一度洗いざらい調べて彼の無実を証明する事を優先して!」

 

そう言って了子は機密データの保管されたチップと共に二課にある自分の研究室に向かって行った。他の二課のメンバー、特にガンヴォルトの過去を知る者は必死になって彼の無実を証明しようと動き出すが、友里や朔也などは初めてその事実を聞いた様で未だに放心していた。しかし、古参の二課メンバー達が喝を入れようやく動き始める。

 

そんな中で響はただ見ている事しか出来ない。

 

(ガンヴォルトさん…なんで人を殺めて…話し合いでどうにかならなかったんでしょうか…)

 

響はガンヴォルトの過去の事を考えてみるが彼自身からその事を聞かないと答えを知る事が出来ない。

 

何故ガンヴォルトは助ける為に殺す事を選んだのか?響には今はその事を理解する事は出来なかった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「まさか、こんな嬉しい誤算があるなんて…」

 

研究室にてパソコンでデータを確認する了子は顔に浮かんだ不気味な笑みを堪える事が出来なかった。

 

協力者に頼み実行された広木防衛大臣の殺害、そして死体の処理。ただそれだけなのに二課の保有し、計画の障害となり得る戦力であったガンヴォルトの逮捕。無実のはずの彼がたまたまその付近に居合わせたおかげで動けなくなるなんて嬉しい誤算だ。機密データの内容が明日の明朝でサクリストD、デュランダルをより安全と思われる永田町にある記憶の遺跡への輸送となっている。

 

例えガンヴォルトが無実だとしても取り調べや現場での説明などで釈放されるまでは少し時間が掛かるだろう。ガンヴォルトと言う障害がなければクリスを投入してデュランダル奪取と立花響の誘拐も可能になるかもしれない。

 

「全く、こんな都合の良い事が起きるなんて本当に笑みが隠せないわね」

 

そう呟きながら了子はクリスへと暗号化させた明日のデュランダル輸送の計画をメールにて送りながら自らの計画が上手く進んでいく事に不敵な笑みを浮かべ続けた。

 




【悲報】ガンヴォルト逮捕!
また災難な目に遭って残念なガンヴォルト。とりあえず取り調べ受けて弦十郎から説明を受けても経緯の説明やら何やらでガンヴォルトはデュランダル輸送はお休みしていただきましょう。
ガンヴォルトがここで参加すると響ではなくガンヴォルトがデュランダル持って第七波動、電子の謡精と共鳴、ガンヴォルトが暴走して強制的ベルセルクトリガーからのコレダーデュランダルとかしそうなネタもあったんですがそうなると響よりも黒幕が第七波動に興味が向いちゃうので。
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