別に書かなくてもいいんじゃないかと思いながら、そうすると繋がりが無くなったりして怖いなと思いながら書いていました。
なんや感や後書きに白き鋼鉄のXの続編希望で自分なりの真エンドっぽく書いたけど絶対にこんなことになる事はないや。
だってタイトルがタイトルだもんね。
と言うことで白き鋼鉄のX未プレイの方は閲覧注意。
「全く、同じ病室のお見舞いに一日三回も訪れるなんてね」
「ガンヴォルトが心配性なだけよ」
「そうですよ、ガンヴォルトさん」
ボクの言葉に翼と響が答えた。
「そうかな?でも、二人ともなんともなくて良かったよ。慎次には様子を聞いていたけど心配だったんだ。それよりも響、今はなんともない?」
響はボクの言葉に対して疑問符を浮かべる。どうやらすっかりさっきの戦闘の暴走を忘れているようだ。今回は無事に戦闘が済んだが、響がクリスとの戦闘の際に起こしたあの暴走。響はその時の記憶が無い為、何故あのようになったのか分からないが、響の胸に宿るガングニールが何か悪い方向に作用していない可能性もないとも言い切れない。
ボクはあの時の事を伝えると顔を曇らせ、ボクに頭を下げて謝る。
「ごめんなさい、ガンヴォルトさん!」
「ボクは気にしていないから大丈夫。でもなんであんな事になったの?」
ボクがそう言うと少し間を開けて響は話した。
「未来が…親友が私の目の前であの子に傷付けられて…それで胸の中で嫌な感情が溢れ出して、次に気付いた時はガンヴォルトさんがあの子と戦っている時でした」
「響の親友…あの付近に倒れていた女の子かい?」
「多分、そうだと思います。搬送してくれた隊員の人がたまたまいたので異常もなく無事とは聞きました。大事をとって今は入院していて眠っているので病室にも入れなかったです」
響はそう答える。無事な事もいい事だが、大切な人を傷付けられた事を引き金に響の胸に宿るガングニールがなんらかの影響で暴走したのかもしれない。
聖遺物に詳しい訳では無い為なんとも言えない。了子も休みであったが響の事を聞いて今こちらに向かってもらっている。
「とりあえず、響は了子が来たら一回了子に見てもらった方がいい。もしかしたら病院では分からなかった異常が見つかるかもしれない」
「…分かりました」
表情が暗いままの響。だが、何か思い出したようにボクに言う。
「そういえば私、意識が朦朧とする中、またあの歌を聞いたんです。ライブ会場で聞いた、勇気をくれたあの歌を」
その事を聞き、ボクは驚き、響に詰め寄る。
「シアンに会ったの!?」
急の事に響は驚く。そして何故か顔を赤くして答えようとも言葉が出ないのかあの、えっとと繰り返す。
「ん、んっ!」
そんな様子を見ていた翼が咳き込む。
ボクはなんの事か分からないが、翼の体調を気になり、一旦落ち着いて翼の体調を気遣う。
「大丈夫かい?翼?」
「ええ、大丈夫よ。でもガンヴォルト。急に詰め寄ったりしたら立花も話しにくいと思うから離れた方がいいわ。立花も多少なりとも負傷してたんだから身体を気遣わないと」
何故か怒ったように強い口調で言う翼。怒っている理由は分からないが確かに響も負傷していたし。悪い事をしたと響に謝る。だが、それでも響にはその事を…シアンの事を聞かなければならない。
「ごめん、急に詰め寄ったりして。でも、どうしても知りたいんだ。なんでシアンの話が出てくるのかを」
響は息を吸っては吐いてを繰り返して、ようやく落ち着いたのか話し始める。
「私もなんであの歌が聞こえてきたかは分かりません。だけど意識が朦朧としてた時、ガンヴォルトさんの声が聞こえて、急に意識が覚醒したんです。でも何故か意識はあるのにあの森じゃなくて何もない真っ白な空間にいて、そこでその人があの歌を歌っていたんです。蝶を思わせる服を着た金色の長い髪の女の人が」
蝶を思わせる服、そして金色の長い髪。モルフォだ。
「でも、その人は私が話しても反応がなくて、何度も呼びかけたんですが反応がなかったのでその人の所に向かったんです。けど女の人に近付こうにも何故か距離が変わらなくて、気付けば私とその人の間に霧が出て、とにかく私はその人の元に向かって走ったんです。それで光が見えたのでそこに向かって走っていたらあの森で倒れていたんです」
響の話を聞いて考える。シアンが、歌っている姿を響は見ていた。しかし、響が話しかけてもシアンは歌い続け、響の事を無視していた。何故?
「あら?何二人してそんな深く考え込んでいるの?」
ちょうど考え始めた瞬間に了子が翼の病室に入ってきた。
「了子か」
「何よ、貴方が呼んだんでしょう?」
少し不服そうに了子が答える。確かに呼んだのだが、どうしてこう間が悪いのだろうか?
「悪かったよ。それより、メールで言った響の件お願いしても大丈夫?」
「当たり前じゃない。人類の砦となるシンフォギア装者。そして開発者である私が断ると思う?それに今までなかった現象。響ちゃん自身に今の所何もないにしてもいつ異常が出るか分からない以上、無視する訳にいかないじゃない」
日頃からこのぐらい真面目ならいいのだが。とも思うが、了子に響の事を任せる。響も了子の後をついて行き、翼の病室を後にした。
残されたボクと翼。ボクは翼に対して問う。
「翼、なんで響が話したシアンの事で君も考え込んだんだい?」
先程、了子が言った通り、二人。響ではなく、考え込んでいたのは翼とボクである。シアンの声を聞いた事のある翼が何故ここまで考え込んでしまうのかボクは気になった。
「…さっきも話した
「…なんでそう思ったの?」
ボクもその事を問い返す。確かに先程クリスとの戦闘前に翼の言っていた
「でも、もしそれが本当ならどうすれば…響のガングニールの欠片は心臓付近に食い込んでいるんだ。それを取り除くとなると響に危険が伴う…」
「…とにかく、今は様子を見る事しか出来ないと思う。だから、私達で立花の様子を見守るしかない…」
翼も何処か悔しそうにそう言う。まさかこんな身近に、そしてあろう事か疑わしきものが響の胸の中に宿っている可能性があるなんて。
「でも、まだ可能性の段階だ。ボクはその事も考慮して念の為に他にもそれらしきものを探そうかと思う」
翼はその言葉にお願いと返事をする。
「とにかく、翼は体の方をゆっくりと休めて復帰して。ボクや二課の皆。それに歌手としての翼の帰りを待ち望んでいるんだから」
「…そうね。ありがとう、ガンヴォルト」
「気にしないで。翼も早く良くなるようにしっかり休むんだよ」
ボクはそう言って翼の病室から立ち去った。
◇◇◇◇◇◇
病室に残された翼。翼は先程の件の事を考えていた。
(立花の胸に宿るガングニールの欠片…それがシアンの言っていた
確証はない。だが、ガンヴォルトから聞いた響の暴走。そして響が見たシアンの姿と歌。翼がシアンと会った時の事と似ている。そして、響が声を掛けても反応がなかったシアン。
あまりにも出来過ぎているとも感じてしまう。多分ガンヴォルトもそれを考えて別の物があるかの捜索を行うと答えたのだろう。
だが、もし響の胸に宿るガングニールがシアンの言っていた物であるのならばどうやってそれを調べる。調べるとすればシアンは秘密にして欲しいと言っていったが了子の調査は必須となる。
「シアン…私達はこの後どうすればいいんだ?」
翼の病室に呟いた言葉が木霊した。だが、その問いに答える反応は一切無かった。
誰もいなくなったスメラギ第拾三ビルの最下層。そこにある砕かれた三つの電脳ポット。損害の少ない唯一のポットの中に未だノイズが混じりながらも百年以上前に存在していたテロリストのエンブレムが存在していた。
「マイナーズドモメ…ヨクモワタシヲ…セプティマホルダーノ守護者デアルワタシヲコワシテクレタナ…」
ノイズがかったデマーゼルの声が室内に木霊する。しかし、その声も消えかかるように遅く、そして明滅しながら電脳とかした命も尽きようとしていた。
「マダダ…マダワタシハヤラネバナラン…セブンス能力者ノ…セプティマホルダーダケノ世界ヲ…コンナトコロデ…ヴァニッシュスルワケニワイカナイッ!」
そう言うと再び天井からもう一つ冷気を纏いながら降りてくる一つのポットがあった。
「マサカ…コノ姿カラ退化スルコトニナルトハナ…」
そう呟くと共に冷気を放つポットが熱を帯び、水蒸気が舞う。水蒸気が晴れるとそこには機械に繋がれた一人の少年の姿が現れた。
かつてデマーゼル自身がこの手にかけた少年の姿が。
「能力因子ノキャプチャノ為ニキサマを残シテ正解ダッタ…」
そう呟くとその機械に繋がれた少年の身体中に蒼い雷撃が迸る。
そして少年の身体から雷撃が消える。それと同時に先程まで破損したポットの中に浮かんでいたエンブレムも消失した。
静寂がこの場を支配する。
そして静寂を破ったのは機械に繋がれた少年であった。
再び機械に繋がれた少年の身体から蒼い雷撃が迸る。
「…どうやら
先ほどまで動きのなかった少年の口が重々しく開かれる。
そして少年は辺りの機械を破壊するほどの雷撃を迸らせると雷撃による破壊を尽くして、地上へと降り立つ。
「マイナーズ…そしてアキュラ…まだ私は終わらない…この世の全てを能力者だけの世界に変えるまでな…」
そう呟くと先程エンブレムが消えていたポットに再びエンブレムが映し出される。
「この身体…有用に使わせてもらうぞ…GV」
その言葉と共に少年の身体にはいつの間にか出現していたコートを羽織り、何処かに消えていった。