戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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最終決戦決着。


73VOLT

「やはり貴様が立ちはだかるか!ガンヴォルト!」

 

赤き竜の体内でぶつかり合うスパークカリバーとデュランダル。フィーネはボクを睨み付けながら叫ぶ。

 

「貴方が世界を混沌に変えようとするならボクは全力で貴方を止める!何度だって貴方の前に現れて止める!」

 

ボクもフィーネへと叫び、スパークカリバーを握る手に力を込める。

 

それと同時に溢れるように剣から放電される雷撃が周りを破壊していく。

 

「鬱陶しい!何故希望を捨てず、立ちはだかる!何故命を捨てようとしてまで事をなす!?」

 

「命を捨てようなんて考えてない!例えどんな状況だろうとボクは諦めない!それに、ボクがこうしている間にも皆が何とかしようと必死に抗っている!ボクだけじゃない!全員が貴方を止めようとしているんだ!」

 

「無駄な足掻きだ!完全聖遺物と融合した私とこの黙示録の赤き竜に勝てると思い、そんな矮小な希望だけで抗うというのか!」

 

「矮小な希望なんかじゃない!」

 

ボクはスパークカリバーを握る手にさらに力を込める。

 

「皆が繋いだこの時間は大きな希望だ!そしてこうしてる間にも必ず、皆が勝機を掴んでくれる!」

 

「黙れぇ!」

 

フィーネが叫ぶと周りから砲台のようなものが出現してボクへ向けて構えられると同時に光線が放たれる。

 

ボクはデュランダルを弾き、スパークカリバーを振るい、それを全て防ぎ切る。だが、防ぐと同時に上がる爆煙によって視界が遮られる。

 

「思い上がるな、ガンヴォルト!」

 

煙を切り裂き、ボクへとデュランダルを振るうフィーネ。ボクはスパークカリバーで何とかガードしたものの、そのまま赤き竜の体内から弾き出された。

 

赤き竜はボクという異物がいなくなった瞬間に響達の攻撃をくらった時と同様に再生を始め、切り開いたフィーネまでの道を閉ざしてしまう。

 

「クソッ!」

 

スパークカリバーが出力を出し切り消えて、ボクはそのまま空中で体勢を立て直し、地面へと着地する。それと同時に幾つも放たれる赤き光線。ボクはその攻撃よりも早く、降り注ぐ光線の雨の中を駆ける。

 

だが、流石に全ての光線を避ける事は厳しく、幾つかは直撃する事はなかったものの掠ってしまう。

 

「クッ!?」

 

だが走る事をやめない。諦めてはならない。絶対に皆が勝機を掴んでくれる。だから立ち止まる事などしない。

 

そして、その時は訪れる。

 

「やるぞ!翼!」

 

「奏、合わせて!」

 

二人の声がこの場に響く。光線の雨を潜り抜け、奏と翼へと視線を向ける。

 

空を飛ぶ二人は剣と槍を合わせ、光を集めている。そして交わる蒼と黄色の光。その光はやがて二人をの手に収束すると巨大な旋風を巻き起こす。

 

そして光を振り下ろす二人。巻き起こる黄色の旋風に交わり、幾つもの蒼いエネルギーの刃が赤き竜へとぶつかる。

 

旋風が赤き竜の鱗状の装甲を剥ぎ取り、蒼き刃が装甲の下に埋もれていた肉を削いでいく。そして再び現すフィーネの姿。

 

そこに向けてクリスが飛び込み、破壊された場所は埋まっていく。だが、埋まった瞬間に内部から膨らみ爆発した。

 

弾き出されてくるクリスの姿。だが、フィーネ自身もその爆発に飲まれ、傷を負っている。

 

そしてフィーネの手から離れ、宙を舞うデュランダル。

 

「立花!そいつが切り札だ!」

 

「絶対に掴み取れ!勝機を!希望を!」

 

「何が何でも取りやがれ!」

 

「させるかぁ!」

 

叫ぶ三人に混じり、フィーネは叫び、赤き竜を操り、デュランダルを奪取しようと動き出す。

 

クリスはフィーネに何としてもデュランダルを渡さない為に銃でデュランダルを弾き、響の元へ送り届けようとする。

 

「させるか!」

 

赤き竜は大きく口を開けて、弾かれるデュランダルへと追いつき、そのまま口の中へと取り込もうとする。だが、掴めそうな勝機を逃してはならない。

 

ボクはダートリーダーを構えて赤き竜の頭に避雷針(ダート)を全て撃ち込むと、腕から雷撃を放出させて赤き竜の頭部を破壊する。

 

「絶対に掴め!響!勝機を絶対に掴み取るんだ!」

 

ボクは叫ぶ。この争いを終わらせる為に、響にデュランダルを託す為に叫んだ。

 

そして、響の元へとデュランダルは届き、掴み取った。

 

だが、響はデュランダルを掴んだ瞬間に白く輝くシンフォギアが黒へと侵食されていく。

 

「ガァァ!」

 

侵食されゆくシンフォギア。響はそれに抗うが如く、両手でデュランダルを握り、溢れ出すエネルギーを侵食していく黒を抑え込もうとする。だが、侵食の方が早く、完全に黒へと染め上げられる。だが、それでも、響は以前のようには暴走をせずに、抗い続ける。

 

「デュランダルを使わせるか!」

 

だが、そんな響へと向けてフィーネは再生した赤き竜の口で響を噛み砕こうとする。

 

「させない!」

 

ボクは雷撃を放出して響への攻撃を止める。

 

「邪魔をするな!ガンヴォルト!」

 

叫びながらも攻撃を止めようとしないフィーネ。

 

「響!気をしっかり持つんだ!もうこんな事を終わらせるんだ!」

 

放つ雷撃はさらに出力が上がり、雷撃が赤き竜の動きを遅くする。

 

「立花!ガンヴォルトの言う通り、ここで終わらせるんだ!」

 

「ガンヴォルトの頑張りを無駄にさせない為にもここで終わらせろ!」

 

響の元へ辿り着いた奏と翼が響と共にデュランダルを握る。

 

「ツ…バササン…カナ…デサン」

 

「いい加減そんなものに打ち勝てよ!飲まれるな!お前の思いで全て抑えつけろ!飲まれるんじゃねえ!」

 

「ク…リス…チャン…」

 

響は抗っている。それでもデュランダルから溢れ出したエネルギーと感情を抑えつけるに至っていない。

 

「飲まれないで!響!」

 

「しっかりしろ!響君!」

 

そして現れた未来や弦十郎が響に向けて声を掛ける。そして先程避難したはずの生徒やオペレーター達も響へと叫ぶ。

 

「ミク…ミンナ…」

 

溢れ出したエネルギーは全員の声援に応えるようにデュランダルへと吸収されていく。

 

「行け!響!もうこんな現実を終わらせるんだ!」

 

ボクは赤き竜へと雷撃を放ち続けながら叫んだ。

 

「ガンヴォルトさん!」

 

そして完全に抑え込まれ、デュランダルへと戻り、デュランダルはエネルギーを放った巨大な剣へと変わる。

 

「ガンヴォルトさんが繋いでくれた…皆が繋げてくれた勝機で終わらせるんだ!」

 

そしてその巨大な剣を四人は掲げて雷撃により縛られる赤き竜へと振り下ろす。

 

「これで止まって下さい!了子さん!」

 

振り下ろされた巨大な剣は赤き竜の鱗を肉を全てを焼き尽くす。

 

「こんな所で…何も為せずこんな所でぇ!」

 

赤き竜が叫びを上げる中、轟くフィーネの断末魔。

 

振り下ろされた巨大な剣の熱量により赤き竜は完全に姿を消し、ボロボロになったネフシュタンの鎧を纏い倒れ伏せるフィーネだけが残された。

 

◇◇◇◇◇◇

 

フィーネが目を覚ますのを待ち、フィーネが目を覚ました頃には既に上がっていた太陽は沈みかけていた。

 

「私は…負けたのか…悲願を成就出来ず…」

 

「そうだ。貴方の思惑はボク達が止めた。だから罪を償うんだ。フィーネ」

 

ボクは目を覚ましたフィーネに言う。

 

ボロボロになったフィーネには既に何をする気力もないのか放心状態となっている。

 

「ガンヴォルトさんの言う通り、もうやめましょう。了子さん」

 

「まだその名で呼ぶか…立花響」

 

声からして怒っているようだが感情を出す事すらしないフィーネ。

 

「だってフィーネと名乗ったって私には貴方が了子さんにしか見えませんから」

 

響はフィーネに向かってそう言った。

 

「全く、何処までも貴方は馬鹿なのかしら…」

 

その言葉は先程までと違い何処か自分を未だ了子と呼び続ける響に哀れみとはまた違った何処か嬉しそうな感じが見える気がする。

 

「もう、ここまで悲願の為に練っていた計画を打ち砕かれては諦めるしかないか…」

 

倒れたフィーネは諦めているのに何処か満足そうな顔を浮かべる。

 

「世界は一つにならなかった。だけど、貴方達のその姿を見ていると、そんな事をしなくてもいずれ別の形で世界は一つになる気がしてきたわ」

 

「了子さん!」

 

「今まで散々酷い事したもの…ガンヴォルトの言う通り罪は償うわ」

 

「そう言ってくれて嬉しいけど、その前に天叢雲、八咫烏、黒豹を渡してくれ」

 

「何を言っているのか分からないわ。貴方がカ・ディンギルを止める際にそれを破壊したんじゃないの?」

 

「ッ!?カ・ディンギルの中にそんなものなかった!貴方が持っているんじゃないのか!?」

 

ボクは倒れるフィーネに向けて叫んだ。

 

「貴方を貫いた後は私はあの聖遺物の放つエネルギーをデュランダルの守りにしていたのよ?私はその後貴方に野望を砕かれた後は呼びかけに応じないから壊れたとばかり思っていたんだけど…」

 

「壊れたとは心外だな、フィーネ。ボクは機を待っていただけだよ」

 

突如響く少年の声。

 

あの時の声と同じだ。そしてボクはその声をする方へ視線を向ける。

 

「あの時の声はやっぱり幻聴じゃがなったのか…何故君が生きている!紫電!」

 

ボクは視線の先、カ・ディンギルの砲口に座りこちらを見下ろす紫電へと叫んだ。




始まろうとする真・最終決戦。
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