戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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〜それぞれの部屋割り〜

 

装者達はそれぞれの部屋割りを決められて各自与えられた部屋へと行く。しばらく待機命令を出されている為、特にやる事もない装者達は与えられた部屋へと向かって行く。

 

「あれ?翼が何でここに?」

 

翼が与えられた部屋には既にガンヴォルトがおり、ちょうどスーツのネクタイを緩めようと手でネクタイに触れている所であった。

 

「ガ、ガンヴォルト!?」

 

与えられた部屋が、ガンヴォルトと同じなのか?いや、嬉しいのだが何故?

 

「まさか…弦十郎…部屋が少ないからってこんな部屋割りにしたのか?」

 

「その通り!すまんな、ガンヴォルト!今は部屋がいっぱいで何処も空いてないからこの様な部屋割りになった!」

 

突如現れる叔父の弦十郎。

 

「叔父様!?」

 

「それなら仕方ないね」

 

「ガンヴォルト!?幾ら幼い頃から気兼ねないとは言え、年頃の男女が同じ部屋だと何か間違いが!?」

 

「そんな事GVがする訳ないでしょ!?寧ろ翼の方が何かしそうなんだけど!?」

 

「ッ!?」

 

今度はシアンが翼の背後に突如現れる。

 

「...?シアン君もそこにいるのか?俺には何も見えんのだが?機械を通さずにどういう理屈で見えているんだ?」

 

「多分聖遺物のお陰じゃないのかな?ボクにも理屈は分からないよ」

 

二人はシアンがどうして弦十郎には見えないのか議論し始める。

 

「全く!私が目を覚ましたからにはGVに女の人を近付かせないんだから!なのにあの大男!GVと翼を同じ部屋にするなんて!」

 

「そんな事よりも何故ガンヴォルトは私と同じ部屋なのになんの動揺もしないのが不思議なんだが…」

 

その言葉にシアンは翼に自慢する様に言った。

 

「何を隠そう、私とGVは一緒に住んでいた事があるんだから!今更翼と一夜を共にするくらい訳ないのよ!」

 

「…つまり、私もシアンも女として見てもらえていないという事なのか…」

 

翼の言葉にシアンも翼も互いにガンヴォルトという想い人から意識されていない事にどよんと重い空気が漂い始める。

 

「弦十郎…なんか翼とシアンの様子がいきなりテンションだだ下がりなんだけど、そんなにボクと同室が嫌だったのかな?」

 

「分からん。見えないシアン君は別として翼の様子を見れば何となく分かるが。女心は全くもって俺にとっても読めないものだよ、ガンヴォルト」

 

弦十郎の言葉にガンヴォルトは頷く事しか出来なかった。

 

そして、ガンヴォルトが寝静まった後、翼が奏へと自慢する為にガンヴォルトのベッドに潜り込もうとした際にシアンとの激しい攻防があった事などガンヴォルトは知る由もなかった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

クリスはとても戸惑っていた。

 

まさか部屋割りでガンヴォルトと一緒の部屋になるなどと思いもしなかったからだ。

 

だが、ガンヴォルトの様子はいつも通りで何処かムカつく。

 

女性である自分と一緒の部屋であるにも関わらず何の疑問を持たないガンヴォルトに対して少し苛立ちを覚える。

 

(私だって女なんだぞ!少しぐらい意識したっていいじゃねぇか!)

 

なのに何の疑問を持たずに、自身の武装であるダートリーダーとかいう銃を丁寧にメンテナンスしている。

 

「おい、お前は女と同室なのに狼狽えもしないのかよ?」

 

少し苛立ちながらもガンヴォルトに対してそう言うがガンヴォルトは何の疑問も思わずに答える。

 

「同じ部屋とかは無かったけど、シアンと一緒に暮らしてたんだから今更どうこう言えないさ」

 

その言葉にクリスは驚きつつも、この男が自身の事を女と見ていない事に激怒する。

 

「私はあの女と同等なのかよ!」

 

「同等って何を比べるのさ。シアンも雪音クリスも可愛い女の子だろ?男のボクと同室で申し訳ないと思っているさ」

 

ガンヴォルトは少し申し訳なさそうに言うが、クリスにとって初めて言われた言葉の方に意識が向いてしまい、顔を赤らめる事しか出来なかった。

 

「ば、馬鹿野郎!可愛いって私には似合わねぇよ!というかフルネームは辞めろよ!」

 

「分かったよ、クリス。これでいい?」

 

フルネーム等でなく、名前を呼んでくれたガンヴォルト。クリスにとって少しガンヴォルトとの距離が少し近付いた事が嬉しかった。

 

「おっぱい魔人二号!あんたもGVを誑かすつもりね!?そんな事私がさせないんだから!」

 

「いつの間に!?何でお前までここにいるんだよ!?というかおっぱい魔人言うのやめろ!」

 

「シアン、クリスをあんまり変に言わないでよ…というか他にもそんな変なあだ名をつけてるんじゃないよね?」

 

ダートリーダーの調整をしながら苦い顔をしてガンヴォルトは言う。

 

シアンはそれでも食い下がらずにガンヴォルトに対して自身の不安を言い続ける。

 

「でもGV!この女、絶対にGVを狙ってるわよ!」

 

「クリスは仲間だろ?それにクリスはもうそんな事しないし、ボクの命なんて狙ってないよ」

 

「そういう事じゃなーい!」

 

鈍感なガンヴォルトにクリスは少し残念に思いつつもいつか絶対に一人の女性として意識させて見せる事を誓うのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

響は困惑している。

 

今までにクリスや翼とも同室になった。次は誰だろうと楽しみにしていたら何と男であるガンヴォルトと同室になっているのだから。

 

「ごめんね、響。部屋割りでどうしても誰かしら男女混同になってしまうらしいんだ」

 

「それじゃ仕方ないですよ。でも年頃の男女が二人っきりで同じ部屋だと…」

 

「GVと二人っきりなんてさせる訳ないじゃない」

 

突如、光が収束してそこから現れるシアン。

 

「シアンちゃん!?」

 

姿を現したシアンに響も驚きの声を上げる。

 

「次なる刺客は貴方って訳ね、響。でも私がいるからには翼やクリスの様にGVには...」

 

「シアンちゃーん!あれ以来ガンヴォルトさんはいるけどシアンちゃんが居なくなってたから心配してたんだよ!よかった!また会えた!」

 

響は飛んでいるシアンに抱きついて、胸に顔を埋めていた。

 

シアンも響の行動が予想外過ぎて戸惑い、ガンヴォルトの方にどうすればいいか困惑した顔を向ける。

 

「響、シアンの心配をしてくれてありがとう。この世界に来てまだ友達とかもいないからシアンの友達になってくれない?」

 

「もちろんです!私、シアンちゃんと沢山お話ししたかったんです!それにお礼も!シアンちゃんに何度も助けられたし、シアンちゃんの歌のおかげで何度も救われたの!だからありがとう、シアンちゃん!」

 

純粋なお礼の言葉にシアンは先程までの警戒を解いて、響に接する。

 

「私もありがとう、響。貴方にはGVを何度も助けになってもらったんだから。私も貴方と話したかったわ」

 

そして響とシアンは用意されたベッドに座ると、初めて話すはずなのに今まで友達であった様に話に花を咲かせていた。

 

その様子を見るガンヴォルトは微笑んでいた。

 

「えっ!?ガンヴォルトさんって元々ヘソだしスタイルだったんですか!?」

 

「そうなのよ!なのにGVの新しい服はチャームポイントが消えているの!製作者には一度なんでせっかくのチャームポイントを消したのか問い詰めたいのよ!」

 

その言葉でガンヴォルトの表情は苦いものへと変わる。

 

何故そんな話になっているのかと。

 

ガンヴォルトは自身の過去を響に話すシアンを見てどっと疲れるのであった。

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