戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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とりあえず一期はこれにて終了。


10mVOLT

〜ささやかなる贈り物〜

 

「なぁ、もうちょっと部屋を飾っても良いんじゃないか、ガンヴォルト?」

 

久し振りにガンヴォルトが休日でありまったりとして本を読んでいたガンヴォルトに奏がそう言った。

 

「急にどうしたの、奏?」

 

急な発言に戸惑うガンヴォルト。

 

「私も思った、部屋はスッキリしてるけどなんか寂しい感じがするんだよな」

 

ガンヴォルトの部屋から漫画を持って出てきたクリスもそう言った。その後に続く様にシアンも出てくる。

 

「確かに…前の時は結構置いてたのに今は全然。ほとんど任務に使うものばっかりや聖遺物を調べているのか神話関係の本にこれと翼達のCD、後アクセサリーを飾る置物くらいだし」

 

シアンはそう言って発売されたら送られてくる漫画と翼や奏がツヴァイウィングのCDの束を見てそう言った。そして置物に関してはクリスは毎回部屋に入るたび飾っているのを見ているのでシアンの言葉に何処かにやけそうに口角が動く。

 

「何気持ち悪い顔しているのよ?」

 

「…なんでもねぇよ」

 

シアンはそんなクリスにそう言ったが、クリスは口元を隠してシアンの視線からそっぽを向いた。そしてそんな状況に疑問符を浮かべながらガンヴォルトは言う。

 

「別に必要な物は揃っているし、必要ないんじゃないかな?多分、もう誰かに部屋を見せる訳じゃないし」

 

しかし、ガンヴォルトは特に必要性を感じていないと言った。確かにもうこの部屋に機密資料は無いものの見られたらまずい様な物が幾つかある。戦闘用の装備、それに奏とクリスが一緒に住んでいる為、もう友人を上げない故にそう言ったのだろう。

 

「そうか…!ならプレゼントとしてなら何か置いていいのか?」

 

何か思いついた様に奏がそう言った。

 

「?別に、あまり大きな物じゃなければ構わないよ。でも、何かの祝いでもあるわけでも無いし、貰うには申し訳ないんだけど?」

 

「いや、世話になっているしプレゼントを貰うに値するだろ?」

 

「…そんなに気にしなくてもいいのに」

 

ガンヴォルトは別にいいと言ったが、奏の気持ちを汲んでありがとう、ならお願いするよと言った。

 

「楽しみにしといてな」

 

そう言った奏は何を置くのか分かっていないクリスとシアンを呼んで何かコソコソと話し始める。

 

「そいつはいいな」

 

「私はいいと思うけど…私も大丈夫なの?」

 

「なんとかして見るよ。そこらへんなら二課に頼めばなんとかなるかもしれないし」

 

「?」

 

三人のこそこそ話にガンヴォルトは疑問符を浮かべる。置く物をに関して話し合っているのは分かるが、一体何を置くつもりなのか?だが、ガンヴォルトはそこまで大きくなければ大丈夫かと、そして贈り物であるものを考えているのに聞くのは忍びないと再び本に視線を落とした。

 

そして三人も一度奏の部屋へと戻る。

 

「じゃあ私は旦那に連絡して見るからシアンは響と未来、クリスは翼に連絡してくれ」

 

「分かったわ」

 

「了解」

 

奏の指示でシアンは一旦響と未来のところに向かったのか姿を消す。クリスも翼に連絡を取る。

 

「旦那、今大丈夫か?」

 

『どうしたんだ奏?何かあったのか?』

 

「ちょっと用意してもらいたいものがあるんだけど二課にあるかなって」

 

奏は弦十郎に思いついた事を話す。

 

『それはいいな。ある筈だから使用許可を取っておく。いつ使う?』

 

「今日はどうかな?ガンヴォルトも休みだし」

 

『分かった。なら準備をしておくから、ガンヴォルトと一緒に仮設本部に来てくれ』

 

そう言うと奏は了解と言って電話を切る。

 

「こっちは旦那が了承してくれたからOKだった。クリス、翼の方は?」

 

「話したら分かり次第すぐ連絡をくれって来た」

 

「なら準備出来そうだって翼に言って二課仮設本部に来てって連絡しておいてくれ」

 

そう言ってクリスは翼に連絡を入れる。後はシアンが確認しに行った響と未来次第。

 

ほんの少しだけ待っているとシアンも戻ってきた。

 

「二人ともOKだって」

 

「なら私が連絡入れとくよ。仮設本部に来てくれって」

 

「許可取れたんだ!ならすぐに行こうよ!」

 

「そうだな」

 

シアンもそれを聞いて嬉しそうにする。奏もそれを了承して全員でリビングに向かう。

 

「GV出掛けよう!」

 

「プレゼントでも決まったの?」

 

突然の声にガンヴォルトは少し驚きつつもシアンに言う。

 

「そんなところ。だから出掛けようぜ、ガンヴォルトもいないと意味ないから」

 

「断りなんかしねぇよな?」

 

奏とクリスの言葉に、ガンヴォルトは嫌そうな顔をせず了承する。

 

ガンヴォルトはじゃあ準備したら行こうかと言い、奏とクリスは準備を始める。

 

そして準備の終わった二人とシアンの後にガンヴォルトは付いて行く。

 

「何なんの気になる?GV?」

 

シアンが出掛けてからそんな事を聞いてくる。

 

「気になると言えばそうだけど、こう言うのは貰うまで知らない方がいいんでしょ?それに、みんなが選んでくれた物なら大切にするから」

 

「大切にして貰わないと困るからな。まぁ、なんなのかはすぐにわかるさ」

 

ガンヴォルトは気になりはするがみんなが選んだ物なら大切にすると言い、その言葉に奏も大切にしてくれと、そしてそれがなんなのかはすぐに分かると言った。

 

そしてガンヴォルトは見た事のある道を歩きながら、何を贈ってくれるのだろうかと考えるが、それについては何も聞かない。

 

そして仮設本部に到着すると三人の姿を確認する。

 

「あっ!みなさん!待ってました!」

 

奏達の姿を見て大きく手を振る響きの姿が目に入る。その隣には未来、そして翼の姿も。

 

「もしかしてみんなも?」

 

ガンヴォルトがそう聞くと響はキョトンとした顔をする。

 

「シアンちゃんから聞きましたけど、ガンヴォルトさんと…」

 

「響!まだ秘密!」

 

そんな響の言葉を遮る様に、シアンがダメダメとジェスチャーと間に入った。

 

「そうだったんだ…てっきり、ガンヴォルトさんも知っているものと思ってた」

 

「知ってはいるけど内容はまだ秘密なの!未来も翼もGVには言っちゃダメだからね!」

 

シアンが響に秘密と言い、翼と未来にも言わない様に言った。

 

「分かるまで秘密と言うことか」

 

「シアンちゃんは今はまだ内緒って言っているって事ですか?」

 

未来はシアンが見えない為に翼に確認を取ると翼が頷いた。

 

じゃあ秘密にしておきますと未来も頷く。

 

「秘密なのは分かったけど…どうして二課の仮設本部に?集合場所には分かりやすいけど」

 

そしてガンヴォルトは疑問になった事をみんなに聞く。

 

「すぐに分かるよ」

 

代表して奏が答えると暫くして大量の機材を持った弦十郎と慎次まで現れる。

 

「待たせたな、機材を借りるのと使い方を確認して遅れた」

 

「弦十郎に慎次まで…みんな何をしようとしているの?」

 

少しだけ戸惑いを見せるガンヴォルト。

 

「あんたの部屋に良い物を置こうとしてんだよ」

 

戸惑うガンヴォルトに向けてクリスが言った。

 

「そうですね!シアンちゃんから聞きましたけどガンヴォルトさんの部屋ってあんまり物ないみたいなんで少しだけ私達が飾りつけようと思って!」

 

「確かに、どこか寂しい気がしましたし、どうせなら少し暖かみのあるものをプレゼントしようと思って」

 

響と未来もガンヴォルトに向けて笑顔を向けて言う。

 

「そうだな。流石奏だ。こう言うものを考え付くとはな」

 

翼もうんうんと頷いて言う。

 

「そろそろボクもみんなが何をしたいのか教えてもらいたいんだけど…」

 

そんな中唯一何か分からないガンヴォルトがそう言うと弦十郎が言う。

 

「写真だよ。全員で記念撮影だ」

 

「写真…」

 

ガンヴォルトはその言葉に何処か戸惑いを見せる。

 

「分かっています。ガンヴォルト君は特殊な為に、あまり写真に写ろうとしない事くらい。でも、みんなガンヴォルト君と写真を一緒に撮りたいんですよ。そして部屋に大切に飾って欲しいと思ったんですよ。女の子達のささやかな思いと、それを贈りたい思い、無碍に出来ます?」

 

「…分かったよ。みんなのお願いだし、それにプレゼントとして貰うんだから、突き返したりしないよ」

 

慎次がそう言うと少し考え、みんなの思いを汲み取り、ガンヴォルトはそれに了承した。だが、一つハッとするガンヴォルト。

 

「でも写真ってシアンはどうなるの?」

 

ガンヴォルトの疑問。それはシアンの存在。装者達以外、機械を通さないと見えないシアン。そのシアンとどうやって写真に映るのか?

 

「その問題は大丈夫だ。特殊なカメラを使えばシアン君も映る事が出来るからな!」

 

そう言った先程の大量の機材をテキパキと組み立て始めた。

 

「シアン君の存在を確認する事ができる超高性能カメラ…だったか?詳しい内容は専門的で分からなかったが、これがあればシアン君も写真に写ることが出来る!これぞ二課科学班の努力の賜物だな!」

 

ガハハと笑う弦十郎。

 

「と言う事。私もGVと写真に写りたかったし、記念写真を飾ろう!」

 

シアンがガンヴォルトに対してそう言った。

 

「…そうだね。せっかくみんなが撮ってくれるんだったら飾ろうか」

 

シアンが嬉しそうにするのを見て釣られて頬を緩めるガンヴォルト。

 

「じゃあ写真を撮るからこのでかいレンズの前に全員集合してくれ!」

 

そう言った弦十郎。ガンヴォルトはその言葉通りに移動し始める。

 

そして写真撮影をすることになったのだが、いつも通りら誰がガンヴォルトの隣に立つかと響以外が椅子取りゲームの様に群がり、わちゃわちゃとなる。

 

「いくらでも撮ってやるから少しは落ち着いたらどうだ」

 

そう写真を撮ろうとする弦十郎に対して、一人の装者を除いた全員が弦十郎に向けてそれぞれが飾られるのは一枚の可能性があるから!と叫んで弦十郎を怯ませる。

 

「…ガンヴォルト」

 

凄まじい覇気に弦十郎も流石に何も言い返す事が出来ず、その中で揉まれながらも待機するガンヴォルトに助けを求める。

 

「みんな、いろんな写真を飾るから、落ち着いてよ」

 

弦十郎からのSOSを感じ、ガンヴォルトはそう言ってなんとか収まりが付く。

 

そして何回も行われた記念写真の撮影。

 

装者全員とシアンで撮った写真、弦十郎と慎次とガンヴォルト、そして仕事終わりに来た朔也とあおいその他大勢の人物達も写真を撮った。

 

そして一通り写真を撮り終えたみんなは二課のプリンターで写真を印刷してそれぞれが沢山貰う。

 

「じゃあこれ!大切にしますんで!私達はこれで!」

 

写真を大量に印刷した写真を響と未来が大量に持ち帰るのを皮切りに全員が解散する。

 

そしてガンヴォルト達も家へ帰り、二課仮設本部で撮った写真を全員で確認していた。

 

「沢山撮ったな」

 

「まぁ、いっぱいあっても困んないだろ」

 

「そうよ、こう言うのが良い思い出になるんだから」

 

三人が写真を見ながら雑談していた。プリントされた数々の写真。ガンヴォルトの隣を取り合う写真や、それぞれが一人でガンヴォルトと撮った写真。そして二課面々と映る写真。数々の写真を見て楽しそうに話をする。

 

「で、あんたはどれを飾る?」

 

クリスがそんな自分達を見るガンヴォルトに向けてそう言った。

 

「正直、何を飾ろうか迷うよ。でも、みんなから貰ったんだ。君達が決めて良いよ」

 

ガンヴォルトは贈り物だからと三人が選んでくれと言う。

 

その瞬間に、それぞれが隣に映る写真を選ぼうとする。だが、結局話し合いでは解決しないと分かっているが、結局暫く言い合いをしたのち、どうするかと悩む。

 

「まぁ、現状は無難にこいつを飾って貰おう」

 

埒が開かないと分かっている奏がそう言って一枚の写真を取る。

 

それは全員の集合写真。本当ならそれぞれの写真を飾って貰いたいが、あまり多くても困るだろうと無難な写真を選んだのだ。

 

「…及第点にしときましょう」

 

「他のよりは何にもなくて済むだろう」

 

シアンもクリスももめに揉めていた為に、疲れてはいたが、それならと奏の持つ写真を見てそれならまだ許せると言う。

 

「決まりだな」

 

そう言って奏はあらかじめ用意していた写真立てにその写真を入れるとガンヴォルトに渡す。

 

「いつもありがとな。プレゼントって言ってもただの写真だけど」

 

渡された写真を受け取ったガンヴォルトはその写真を眺める。

 

「気にしないで良いよ。でも、こちらこそありがとう。あんまり、こう言うの受けとることなかったから嬉しいよ」

 

そう言ってガンヴォルトは写真に目を落とす。

 

そこにいる全員が笑って映るその写真。何処か不器用に笑うガンヴォルトに自分自身でもおかしいと思うのかクスッとする。

 

「大切に飾らせて貰うよ。二人も、ありがとう」

 

ガンヴォルトはシアンとクリスにも礼を言う。

 

「これからも増やしてやるよ。そうすりゃ、あんたの部屋もかなり賑やかになるしな」

 

「GVと写真に写れるならいくらでも映るから!いっぱい飾ろう!」

 

「…そうだね。でも、今度はみんな少しは落ち着いて撮ろうね」

 

ガンヴォルトは苦笑いを浮かべ、その写真撮影の時のことを言った。

 

「別に良いだろう?賑やかで」

 

ガンヴォルトへと楽しいからそう言うのも良いだろうと言う奏。

 

「お前の相方が暴走しなければな」

 

奏へとクリスがそう言うと確かにと奏が笑う。そしてガンヴォルト共に写真を部屋に飾る。寂しいと言われた部屋に僅かながらの温かみが加わる。

 

「また撮ろうな」

 

「これだけじゃなく、今後はアルバムみたいなのも作るか」

 

「良いね!時間があったらそうしよう!」

 

三人が盛り上がり、ガンヴォルトもそんな三人の雑談を嬉しそうに眺める。

 

その温もりを感じて、今日一日を大切な思い出に刻むのであった。

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