戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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連投はやめますと言いましたが、出来ちゃったので投稿。


3GVOLT

「いやあ、ありがとうございました。皆さんのおかげで無事ここまで辿り着く事が出来ましたよ」

 

「こちらもウェル博士とソロモンの杖が無事で良かったです」

 

ウェルが米軍基地へと襲われはしたが無事到着した事に礼を述べ、あおいが代表してウェルの賛辞を受け取る。

 

「しかとこの目に焼き付かせてもらいましたよ。この国を救った英雄達の勇姿を。夢物語でもない、本物の強さというものを」

 

三人の装者にウェルがそう言うと響は照れ臭そうに頭に掻くと共に調子に乗り始める。

 

「いやいや!私達は当然の事をしたまでですよ!英雄なんてそんな褒められたら嬉しいですけど!もっと褒めてくれてもいいんですよ!なんたってっあた!?」

 

そんな響に奏とクリスが一回ずつゲンコツを入れた。

 

「ちょっと調子に乗り過ぎだ。大体私達が英雄なんて名乗る程じゃねえだろ。元より問題の解決に全力で当たったのはあいつじゃねぇか。私等よりもあいつがそう呼ばれるべきだ」

 

「そうだぞ、響。英雄なんて大層なものはガンヴォルトにこそあってるんだから。私等はそのサポートをしただけだぞ」

 

「でもー、私達だって頑張ったじゃないですかー…それにガンヴォルトさんなら私達に対してよく頑張ったって褒めてくれますよ」

 

響は二人に対して自分達もその一人だと説明するが二人は頑なに首を縦には振らなかった。

 

「ガンヴォルト…ですか…彼も大変な目に遭っているのかもしれませんが、是非ともこの機会に会ってみたかったものですが、そのガンヴォルトと呼ばれる方は今は何を?」

 

ウェルがガンヴォルトの所在を聞く。

 

「彼は現在長期療養中なんです」

 

あおいが三人の代わりにそう言う。勿論、療養などは嘘ではあるが、現在諸外国から第七波動(セブンス)という特殊な力、シンフォギア同様にノイズを倒す事の出来る力を狙われている可能性もあり、諸外国にはこのように伝える様になっている。いくらソロモンの杖の譲渡の代わりにガンヴォルトの受け渡しを流してもらえた米国政府だろうが、ガンヴォルトの情報を流す事は出来ない。

 

「それは残念です。第七波動(セブンス)という力。あれも調べる事が出来ればより早くノイズの対抗手段と世界の平和の役に立てると思ったんですが…」

 

「ガンヴォルトをあんた等の研究の為について行かせる訳ないだろ」

 

少しその事に気が触ったのか奏がウェルに言う。クリスもその言葉に賛成の様でウェルを睨んでいる。

 

ガンヴォルトと共に住むが故に彼の色々な話を聞いている二人はガンヴォルトは第七波動(セブンス)という力は元より別の世界のものの為、あまり世界に広げたくない。自分の様な人を作りたくないと言っていた。

 

奏とクリスもガンヴォルトの過去を知ってから同じような過ちを繰り返さないようにするガンヴォルトの気持ちがよく理解出来た。二人にとってもその事は自分の起こした過ちと重なり、二度と起こしたくないという思い故に口に出てしまう。

 

奏はかつて救ってくれた恩人を操られてたとは言え、傷付けてしまった事。クリスも自身がガンヴォルトを信じる前までにフィーネと共に沢山の人達を傷付けてしまった事。

 

ガンヴォルトとは違うものの過ちというものを深く理解しているからこそ、ガンヴォルトを研究対象のように見る目の前の男が、ウェルが気に入らなかった。

 

「ちょっと奏さんもクリスさんも睨まないで頂戴!」

 

あおいが、二人を止め、響もそれを手伝う。

 

「これは申し訳ありません。でも、ガンヴォルトという人物の持つ第七波動(セブンス)というものが有れば櫻井理論と並行してソロモンの杖を調べ上げると共にそれ以外でのノイズの対抗手段が見つかればより早く見つかる事も事実なんですよ。まあ、本人でなくてもそこまで拒否されれば私達もやりはしませんよ。しかし、ガンヴォルトという方はとても英雄たらしめる力を持っている他にも、こんな綺麗な方々に想われているなんてさぞその人も喜んでいるのではありませんか?英雄色を好むとはこういう事ですね」

 

突如そのような事を言われ、二人は顔を赤くする。あおいと響は二人が硬直している内にソロモンの杖の受領証に印鑑を押して立ち去る。

 

「どうもすみませんでした。とにかく二人とも行くわよ!響ちゃんはクリスさんをお願い!」

 

「了解です!行こう!クリスちゃん!」

 

そう言って四人は足早と立ち去った。

 

「ですが、ガンヴォルトという方には悪いですが本当の英雄は君ではないんですよ…」

 

ウェルは誰にも聞こえない声で呟くとソロモンの杖と共に米軍基地へと入って行った。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「全く、貴方達二人はガンヴォルトの事になると本当に何をするか分からないんだから…」

 

「だって、あの野郎がガンヴォルト自身が嫌う事をやろうとしたんだから友里さんも分かってくれよ」

 

「全くだ。あいつ自身が嫌う事をしようとしたら私等だってそんな事させない為にも止めるのは自然の事だ」

 

奏とクリスはあおいにそう言うとあおいは頭を悩ませるように手を頭に当てる。

 

「…ガンヴォルト…あんたって人はなんて事をしてくれてるのよ…一番の問題児は響ちゃんと思っていたけど、あんたのせいでこの二人の方がよっぽど任務では問題児になってるじゃない」

 

「友里さん酷いです!なんで私が問題児扱いされているんですか!?改善を要求します!」

 

あおいの言葉に響は何故自分がこの中で問題児扱いされなければならないのかあおいにその考えを改めるように進言する。

 

「とにかく私達の任務も終了した事だし帰投するわよ」

 

「そうでした!早く帰れれば翼さんのライブに間に合う!急いで帰りましょう!」

 

響はあおいの言葉にさっきまで何度も改善を要求していたのだが、その事を思い出すと直ぐに忘れたかのように翼のライブへと行きたくてクリスの手を引きながら帰ろうとする。

 

「あ、おい!そんなに引っ張るな!」

 

「だって今日だよ!早く帰ればまだ間に合うんだから急がないと!それに今日のライブは特別で何と!アメリカの超人気歌手のマリア何たらかんたらイヴっていう人とデュエットするんだよ!?これを見逃しちゃうともう見れないかもしれないんだよ!急がないと!」

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴだっけ?私よりも先に翼とデュエットするなんてちょっと複雑だけど久々の翼のライブなんだ。隣に立てなくともその勇姿を観客席で見ておかないと翼が寂しがっちゃいそうだもんな」

 

そう言って奏も響と共に急ぎ向かおうとする。

 

「はあ…全く、まあいいわ。これ以上頭を抱えなくて済むなら…」

 

あおいもその意見に賛同して四人で司令の待つ移動型の新本部へと足を向ける。

 

その瞬間に先程までいた米軍基地の方から爆音と銃声、唸り声と悲鳴が響き渡る。

 

四人は直ぐにそちらに視線を向けると、芋虫のよう巨大なノイズが出現しており、今まさにノイズを生み出そうとしていた瞬間であった。

 

「三人共!」

 

「ったく、またうじゃうじゃと現れやがって!」

 

「出来る事があるのにこのまま帰る訳にはいかなくなったな」

 

「行きましょう!」

 

三人は再びシンフォギアを纏うと米軍基地へと向かった。

 

米軍基地内ではノイズを少しでも食い止めようと銃を乱射する米兵、それに逃げるように駐在していた米国の研究員達がいた。

 

響達は英語は全く話せなかったが、日本語の分かる米兵に助けに来た事を伝え、ノイズを倒し始める。

 

ノイズはあの護送列車とは違い、統制というものが取れていない印象であり、片っ端から人を狙い、炭へと変えようとしていた。

 

「おら!」

 

クリスが小型のミサイル弾で襲い掛かろうとするノイズ達を一気に吹き飛ばす。奏も響も付近にいるノイズを片っ端から倒していく。

 

とにかく、事態の収束とソロモンの杖とウェルの無事を確認する為に三人はノイズを倒していく。

 

そんな中、気を失ったウェルを担いでいる謎の人物が悠々とノイズのいる中を歩いている姿を目撃する。

 

爆炎でシルエットしか見えない。だが、その手に握られている物を見て三人は急ぎ、そのシルエットへと攻撃を開始する。

 

だが、何故かそのシルエットへの攻撃はすり抜けるように当たる事はなかった。

 

「全く、いきなり攻撃とは」

 

シルエットから聞こえるボイスチェンジャーで変質された声。そして爆炎も先程の攻撃により吹き飛ばされ、その正体を三人は見た。

 

顔全体を覆うバイザー、そして黒色のパワードスーツのような物を纏うガンヴォルト程の身の丈をした存在。

 

クリスはその声を知っていた。

 

二年前、テロリスト達に連行された際に聞いた、テロリストの頭目である奴の声。

 

「お前!アッシュボルト!」

 

「アッシュボルトってクリスちゃんを攫ったテロリスト!?」

 

「こいつが!?」

 

その存在に三人は更に警戒心を強める。

 

「こうして相見えるのは初めてだな、雪音クリス。如何にも私がアッシュボルトだ」

 

アッシュボルトはそう言うとソロモンの杖とウェルを地面に下ろす。

 

「お前達が来る事は分かっていたが、ここまで早いとは…少しタイミングを間違えたようだな」

 

そう言うとパワードスーツの腰から二丁の銃を取り出す。

 

「だがお前達程度どうという事はない。小手調べでもさせてもらうとしよう」

 

そう言うとアッシュボルトが動く。狙いはクリスのようでクリスに向けて二丁の銃を撃ち出す。だが、クリスに届く前に奏が槍でそれを振り落とす。

 

だが、その隙にアッシュボルトは奏へと接近しており、至近距離で引き金を引いた。

 

「くっ!?」

 

奏はなんとかそれを躱すもののアッシュボルトは避けた奏に対してそのまま蹴りをお見舞いする。

 

弦十郎の様な人間でなければシンフォギア装者には毛ほどのダメージも与えられない。だが、アッシュボルトは奏の鎧を砕く程の一撃を放ち、吹き飛ばした。

 

「がはっ!?」

 

あまりの威力に奏は地面を滑る様に転がる。だが、受け身を取り、素早く態勢を立て直すとアッシュボルトに槍を構え駆け出す。

 

「この野郎!」

 

振るわれる槍をいとも容易く躱していくアッシュボルト。

 

「響!やれ!」

 

だが、奏は一人ではない。響は奏に合わせて既にアッシュボルトへと接近しており、拳を背中へと振るう。

 

だが、見えていないはずのアッシュボルトはそれをいとも容易く避けるとすれ違いざまに響の足に弾を撃ち抜く。

 

シンフォギアを纏う間は身体にこの程度では傷を負う事はないが、鋭い痛みを響は覚える。

 

その隙に響を奏の元へ蹴り飛ばす。奏は飛ばされた響を受け止めるが、その瞬間にアッシュボルトは至近距離で奏と響に向けて銃を乱射し始める。

 

「私の事を忘れるんじゃねえ!」

 

そんなアッシュボルトへと向けてクリスはガトリングを向けて掃射する。

 

だが、既にアッシュボルトは距離を取っており、それを躱していく。

 

「悪い、クリス!助かった!」

 

「気にするな!だが、アイツ!おっさんやアイツみたいにシンフォギアに生身で戦うなんておかしいだろ!?」

 

クリスはシンフォギアを生身で相手に出来るなんておかしい存在が他にもいる事に驚きを隠せない。あのスーツのおかげなのか、それともアッシュボルト自身もまた人外なのか。

 

考えても仕方ない。三人は再びアッシュボルトと対峙する。アッシュボルトは先程撃ち尽くしたのか、二丁の銃をしまう。

 

「呆れたものだな、この国のシンフォギア装者というものは。先程のノイズでの戦闘の方がまだマシに思える。所詮この程度か…」

 

他人を苛つかせる様な物言い。

 

「ウルセェ!」

 

「クリス!乗るな!奴の思う壺だ!」

 

奏が吼えるクリスへと自制させる。

 

「クリスちゃん!奏さん!ここは私が行きます!」

 

そう言って響はアッシュボルトへと駆け出し拳を構える。だが、アッシュボルトはいとも容易く響の拳を流してしまう。

 

「はぁ!」

 

それでも響は手を止めない。アッシュボルトに隙を与えてはならない。

 

「ふむ、先程よりは良くなってはいるがこの程度か」

 

動じないアッシュボルトは響を拳、そして蹴りを避けつつそう言う。

 

「ソロモンの杖を渡す訳にはいかない!もうあんな事を起こさせない為にも!」

 

響はアッシュボルトの言葉を無視して止める事を優先させる。だが、それでもアッシュボルトには響の拳が届かない。しかもアッシュボルトは余裕も感じさせ、クリスや奏の動きを抑制する為に新たな銃を取り出して牽制も行っている。

 

「くっ!?」

 

拳を振るいつつも合間にアッシュボルトは響にも攻撃を仕掛けてくる。

 

だが、響はその攻撃に違和感を覚える。

 

知っている。動きも次にやる事も。会った事もないはず、戦った事のないはずのこの人物の次の行動が何故か響には理解出来た。

 

響はアッシュボルトの攻撃を躱して次の蹴りを受け止めて、隙の出来たアッシュボルトへと拳を振り抜いた。

 

だが、その拳はアッシュボルトを捉えたかと思ったのだが、初めて攻撃した時と同様に拳がアッシュボルトの身体をすり抜ける。

 

「えっ!?」

 

「驚いたよ。まさか動きを読まれるなんてな」

 

アッシュボルトは余裕ながらも僅かに焦りを見せて響を蹴り飛ばした。

 

「まさか、不意打ち以外にこいつを使わされるとはな…」

 

アッシュボルトはそう言うと一旦下がり、ソロモンの杖とウェルを回収する。

 

「この程度でいいだろう。私はそろそろ退散させてもらおう」

 

「逃すかよ!」

 

いつの間にか接近していた奏とアッシュボルトへと銃を構えるクリスが逃げようとするアッシュボルトへと追撃をする。

 

だが、奏は簡単に槍をあしらわれ、クリスの撃ち出す弾も躱されるとウェルとソロモンの杖も共々アッシュボルトの姿が消えた。

 

「焦らずとも私はまた貴様等の前に姿を現すさ」

 

声だけが響き、その場に三人は残される。

 

「野郎!何処に行きやがった!ソロモンの杖を返しやがれ!」

 

クリスはアッシュボルトのいた付近へとガトリングを出現させると撃ち始めるが、何の反応もない。

 

「落ち着け!クリス!とにかく、残ったノイズを倒さねぇとここが大変な目に遭う!」

 

「ここもだが、ソロモンの杖を持ち出したアイツを止めねぇとなんねぇんだよ!アイツはあれを何に使うか分からない!もうこれ以上あれで混乱を巻き起こしちゃならないんだ!」

 

「クリス!落ち着け!」

 

奏がクリスに近付いて肩を掴む。

 

「確かにあの野郎も止めないとならない!だが、もう見失って何処かに消えた以上、どうしようもないんだよ!深追いしたって奴が見つかる保証はない!私だってあれを止めないとって分かってる!でもこれ以上無闇にあの野郎を探してもここの被害が増えるだけなんだ!」

 

奏はクリスへと叫び説得を試みる。奏もクリスの気持ちが痛い程分かる。あれによって生み出されたノイズ達がどんな事をしでかすかも。だが、それでも優先順位を見誤ってはならない。だからこそクリスを説得する。

 

「ックソ!分かってんだよ!そんな事!」

 

クリスもそう言いながらも一旦アッシュボルトへと向けていた視線を未だ残るノイズへと移し、掃討する為に基地の奥へと飛んで行った。

 

「私等も行くぞ、響」

 

奏は未だ立ち尽くす響に声を掛ける。

 

「は、はい!」

 

何処か上の空であった響の様子が気になり、奏が響に聞く。

 

「どうしたんだよ?」

 

「その…アッシュボルトっていう人の事で…何故か分からないんですけど、攻撃が読めたんです…何処か似たような動きを知っているんですけど上手く思い出せなくて…」

 

「響が受けた事のある…何かの手掛かりになるかもしれないから後で旦那に報告だけはするか。とにかく、私等も行くぞ」

 

そう言って奏も響もクリスの向かった基地の方へと駆け出した。

 

響は未だアッシュボルトに何処か違和感を拭えないながらも、ノイズの掃討に意識を向けるのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「全く、酷い目に遭ったよ。いくらノイズに襲われないからと言ってあんな中を変な風に担がれながら移動させられるなんて」

 

ウェルは米軍基地からアッシュボルトにより連れ出され、輸送機の中で嘆いていた。

 

「助かったんならいいじゃないデスか。というより!何故貴方は姿を現して、あまつさえ装者と戦ったデスか!?穏便に済ませば事が大事にならずに済んだかもしれないじゃないデスか!」

 

切歌がその傍らに立つアッシュボルトに向けて叫ぶ。

 

お嬢さん(レディ)、戦力の確認も重要な事なんだよ。君は何一つ情報のない相手と戦おうとしているのか?F.I.S.はどれほど情報の重要さを理解していないのやら」

 

フルフェイスのバイザーにより表情は読めないが、呆れている事は理解出来る。その事に苛立ちアッシュボルトへと掴み掛かろうとする切歌だが、それよりも早くアッシュボルトが銃を抜き、切歌の額へと銃口を当てていた。

 

「!?」

 

「君一人失ったってこちらは痛くも痒くもない。それに私は子供だろうと容赦なく引き金を引ける」

 

そう言って引き金に指をかけるアッシュボルト。切歌は本当に撃たれてしまうんではないかという恐怖に身体を強張らせる。

 

「やめて!」

 

現れた調が押し当てた銃口を切歌から離してアッシュボルトへ言う。

 

「何でそんな事しようとするの!私達は今協力関係にあるんでしょ!?」

 

調が動けない切歌の前に立ち、守るようにアッシュボルトの間に入る。

 

「協力はするさ。だが、こちらにも目的がある。それにそこのお嬢さん(フロイライン)は情報の重要さを理解していないからお灸を据えただけだ。元より、この銃にはマガジンは入っていない」

 

そう言ってアッシュボルトは銃をしまう。

 

「だが、お嬢さん(レディ)達。協力関係と言えど私と君等は対等ではないんだよ。その事をよく覚えているといい」

 

そう言ってアッシュボルトは運転席の方へと向かい姿を消す。

 

「という事だよ、二人共。アッシュを怒らせない方がいい。しかし、やっぱりアッシュの言葉には痺れるな!英雄になる僕もあんな台詞を簡単に口に出せるように練習しておかないと!」

 

何処かズレたウェルは先程のアッシュボルトが放った台詞をメモしたり、自分でも言ったりと自分の世界に入ってしまう。

 

「切ちゃん大丈夫?」

 

「調ぇー!」

 

ようやく恐怖から解放された切歌は調へと抱きついてぐすぐすと涙を流す。

 

「何であんな奴等と手を組まないといけないんデスか…世界を救う為とは言えあんな外道なんかと…」

 

「仕方ないよ、切ちゃん…私だってあの人は嫌い。素顔さえ見せなくて何を考えてるか分からないアイツが。それに切ちゃんに平気で銃を向ける奴なんか…」

 

だが、二人も理解している。世界を救う為にはアッシュボルトが必要不可欠である事を。既に資金などがないF.I.S.に資金や聖遺物の支給。それを全て行なっているのがアッシュボルトだという事を。

 

だからあのような外道とも手を組まなければ世界を救えない。二人は理解しつつもアッシュボルトの事をとても信用ならないと思いながら、世界を救う為には仕方ないと理解するしかなかった。




アッシュボルトには何故か攻撃は効かない。
貴方ならわかりますね?
だけど答えは言ってはなりませんよ。
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