戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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そう言えばガンヴォルトの情報を載せてなかったので後書きに書いておきます。


4GVOLT

「ソロモンの杖を奪われただと!?」

 

新設された二課の本部に弦十郎の声が響き渡る。

 

『はい、装者達によると以前ガンヴォルトの話していたアッシュボルトというテロリストが現れ、ウェル博士と共にソロモンの杖を奪い去ったそうです。もしかすると、護送列車での襲撃の件もアッシュボルトという人物が関わっていると思って間違いないと思われます』

 

「ソロモンの杖の強奪、それにウェル博士の誘拐…アッシュボルトは何が目的だ?」

 

『分かりません。ですが、ソロモンの杖の強奪、ウェル博士の誘拐。そして基地内に保管されていた情報の破壊。これらの事からアッシュボルトというテロリストは世界をまた混乱へと導こうとしているのかもしれません』

 

あおいの言葉には一理ある。だが、世界を混乱させて何を為そうとしているのか。弦十郎はアッシュボルトのさらにその先の事を思考する。だが、フィーネ同様に何を起こすか検討がつかない。

 

「了解した。こちらもソロモンの杖の行方とアッシュボルトの行方を捜索する」

 

『気を付けて下さい。装者達の情報でアッシュボルトは突然姿を消したと報告があります。我々の持ち得ない技術すらも所持している可能性だってあります』

 

「友里も気を付けろ。装者共々まだアッシュボルトが君等を狙う可能性がある」

 

『分かりました。それともう一つ響さん個人が気になる事があると報告があったのでそちらも』

 

「気になる事?」

 

響が気になった事。それが何であれアッシュボルトの目的に繋がる小さな可能性があるのであれば捨てきれない為、弦十郎は聞く。

 

『はい。アッシュボルトと対峙した響ちゃんは何故かアッシュボルトに対して何処か戦った事のある体術を使っていたと報告を受けました。それと、響ちゃん達の攻撃がアッシュボルトをすり抜けたとも』

 

その言葉に弦十郎も考える。響と戦った事のある人を考えると純粋な体術の戦闘を行なったのは自身とガンヴォルト、そしてネフシュタンを纏っていたクリスのみ。

 

そして弦十郎はこの場で指揮を、クリスは響と共にアッシュボルトと戦闘を行なった。ガンヴォルトはもちろんこの地にはおらず、永田町で諸外国を対応する斯波田事務次官の元に従事している。

 

その前とも考えられるが、響はシンフォギアを纏うようになり、格闘術をマスターした為にその事は考えられない。となると、誰かしらと同じ武術を使うとしか考えられない。

 

「だが、響君なら自身と同じ武術であれば直ぐに気付くはず。となると」

 

ガンヴォルトと同じ武術。

 

「だが、すり抜ける様な事が可能なのか?」

 

いや、いくらなんでもそれは不可能なはず。

 

アッシュボルト。本当に何者なのか考えさせられる。謎は深まるばかりである。

 

「了解した。とにかくこちらでも調べてみよう。友里は装者達を引き連れて戻ってくれ。こちらでヘリを手配しておく」

 

『了解しました』

 

そう言ってあおいとの通信を切った。

 

「次から次へと厄介な事をしてくれるな」

 

弦十郎は頭を抱える。

 

「まさか、こんな事態になってしまうなんて」

 

「全くだ。とりあえず、我々もアッシュボルトの行方を追うと共に奴の正体を探るぞ」

 

昨夜の事は同感だが、とにかく頭を悩ませているだけでは何も進まない為、弦十郎はオペレーター達に指示を飛ばす。

 

各々がモニターに沢山の情報を映し出し、アッシュボルトの痕跡、それにアッシュボルトの正体について探る。

 

だが、全くと言っていい程アッシュボルトの事は出てこない。何者かがその情報を揉み消している様に。

 

「何が目的なんだ…アッシュボルトという者は」

 

弦十郎はただアッシュボルトというテロリストが何者かという事を模索し続けた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

マリアはライブ会場の設営を観客席から眺めていた。

 

この場を借りて世界へと宣戦布告を行う場を、ただじっと待ち続ける。後はナスターシャ達がソロモンの杖とウェルを無事回収出来ているかどうかの連絡を待つだけであった。

 

そんな中耳につける通信機にナスターシャからの通信が入る。

 

『マリア、こちらもアッシュボルトの手を借りてウェル博士の回収が完了しました』

 

「準備は整ったのね。了解、マム。こちらも後は開始されるのを待つだけよ」

 

「分かりました。ですがくれぐれも気取られぬ様、気を付けて下さい。どうやら沖縄のソロモンの杖の護送にガンヴォルトという男がいなかったとアッシュボルトから報告を受けました」

 

「まさか…こちらの動きに既に?」

 

『それはないでしょう。どうやらアッシュボルトやウェル博士曰く、長期療養中という言い訳で未だ国に匿われている様で動けない様子だと』

 

アッシュボルトも警戒するガンヴォルトという存在。第七波動(セブンス)という特殊な力を持ち、この国をフィーネから守り抜き、更には同じ第七波動(セブンス)の力を以てフィーネ同様に世界を支配しようとした少年、紫電を倒した男。

 

そしてマリア達が最も警戒しなければならない最大の障害。

 

「動けないのなら好都合よ。障害となる存在が動けない今こそがチャンスなの」

 

『分かっています。ただ、注意しなさい。アッシュボルト程の男も警戒する人物。その人物が出てきて仕舞えば目的を達成出来なくなってしまう可能性が高くなってしまいます』

 

「分かったわ。こっちもガンヴォルトの事は注意しながら動く。こちらに到着次第、また連絡を頂戴」

 

『分かりました。それとマリアにお願いがあるのです』

 

通信を切りかけた際にナスターシャが言う。

 

「何かしら?」

 

『宣戦布告を済んだらで構いません。切歌と調を慰めてあげて欲しいのです。あの子達、アッシュボルトに銃を向けられて酷く傷付いていますから』

 

その瞬間にマリアは激昂する。

 

「何であの子達にアッシュボルトは銃を向けたの!?あいつは何を考えているのかしら!」

 

『切歌も調も協力関係にあるアッシュボルトを少し怒らせてしまった様で』

 

「だからって!協力者である私達に!何故銃をあの子達に向けなきゃいけないの!それにあの子達はまだ子供なのよ!」

 

マリアは大切な家族がアッシュボルトにより傷付けられた事に怒りを隠せない。

 

『協力関係にあるアッシュボルトに何故装者達へと自身の姿を晒した事で切歌が注意した様なのですが、アッシュボルトにも意図的にやった事の様でして。それについてもこちらの為に装者のデータを取る為と言ってはいたのですが、私としても我が子の様に思うあの子達に銃を向けた事は許せません。ただ、それ以上言ってアッシュボルトの怒りを買い、目的遂行の破綻がある為に何も言えませんでした。もちろん私も慰めてはいるのですが、やはりあの子達には貴方から声を掛けてあげた方がいいと思いまして』

 

「…分かったわ。あの子達にも私も直ぐに合流するとだけ伝えて」

 

『分かりました。無事やり遂げるのですよ』

 

「もちろんよ」

 

そう言ってナスターシャとの通信を切った。その瞬間にマリアは拳を強く握る。

 

「アッシュボルト…貴方は本当にクズよ」

 

外道と手を組まなければ事を為せない自分達の不甲斐なさ、そして二人をそんな目に遭わせた事を悔いる。

 

「私達は本当にあのクズと組んで良かったの…」

 

マリアは大切な家族である二人を傷付けられ、信念が揺らぐのを感じる。だが、アッシュボルトの協力がなければここまで準備する事は不可能であった。

 

だが、これでいいのか。家族を傷付けられたのにも関わらずにあの外道と手を組み続ける事が本当に正解であるのか。だが、そうしなければ誰一人として救えない。そうしなければ世界を救えない。

 

「私は本当に正しい事をやれるの…セレナ」

 

ポケットから取り出した何の反応を見せないギアペンダントを見てそう呟く。セレナの形見であり、壊れたペンダント。だが、ペンダントにそう呟いても何も返答はありはしない。

 

マリアは首を振り、揺らぐ己の信念を再び奮い立たせる。己の為せる正義を。例え、それが傍から見れば悪だとしても。世界を救う為にはそうしなければならないと自身に言い聞かせる。

 

「やらないと…もうあんな苦しみを出さない為にも…私がしっかりしないと…」

 

マリアは何度も呟いて信念を貫こうと決める。

 

もう迷ってはいけない。迷えばここまで共に来てくれた切歌、調、ナスターシャを裏切る事になる。だからこそ、しっかりとしなければ。事をなさなければならない。

 

「必ず…必ず私が救って見せる…」

 

マリアは何度も己の信念を貫かんと悩みを振り払い、再びステージの完成を待つのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

『という訳だ。そちらもライブ会場の設営、翼の準備などで忙しいと思うが注意してくれ』

 

「分かりました。しかし、今までに表に立たなかったアッシュボルトが現れるなんて…」

 

慎次は弦十郎から沖縄の件を通信端末越しで聞いていた。どうやらソロモンの杖をアッシュボルトに奪われ、更にはウェルの誘拐。

 

「何が目的でソロモンの杖を…」

 

『それが分かれば苦労はせんさ。何にしろ、翼はライブに集中してもらいたい。慎次、この事は翼にはくれぐれも内密にな』

 

そう言って弦十郎からの通信が切れる。

 

「それなら今僕に報告しなくてもいいじゃないですか…司令。まあ、過去のガンヴォルト君の事もありますし、報連相は大切ですけど…」

 

慎次は溜息を吐き、一度気を引き締め直す。眼鏡を外し、翼の元へ向かう。

 

「翼さん。準備は大丈夫そうですか?」

 

ポンチョの様なものを付けて舞台衣装を隠し、待機している翼へと慎次は声を掛ける。

 

「司令から何か言われました?」

 

「ライブ楽しんで来い、だそうです」

 

慎次は嘘ではあるがそう伝える。今はアッシュボルトの事を伝え、翼のライブコンディションに支障を来す訳にはいかない為に、気取られない様にそう言った。

 

しかし、その言葉は翼にとっては直ぐに嘘であるとバレてしまう。

 

「嘘を吐くなら自分の癖をしっかりと隠さなければ意味がないわよ、緒川さん」

 

慎次は嘘を吐いている事が直ぐにバレてしまった事に驚く。

 

翼は自身の胸を指して言う。

 

「昔からガンヴォルトも同じで何かあると眼鏡を外す癖がある。関わりのない者にとっては分からないかもしれないけど、私や司令だったら直ぐに気付きますよ」

 

自身の癖を読まれて翼には敵わないと思いながらもガンヴォルトも同じ様に何かあれば眼鏡を外していたなと思い返す。

 

「全く、二人とも隠すならもう少ししっかりしないと」

 

その言葉をそっくり返したいと思う慎次であった。ガンヴォルトの事になると翼も同じ様なものだろうとも思うが、ガンヴォルトもガンヴォルトであり、あれほど分かりやすい翼の好意を気付かない鈍感なのである。

 

「これまた前途多難ですね…ですが、それでいいのかもしれません…とは正直考えたくありませんね」

 

全員も知っているがガンヴォルトにも帰る場所がある事。今の現状は帰る手立てが無いだけでいずれガンヴォルトは元の場所へと帰らなければならない。だから、思いを伝えないというのもガンヴォルトにとって後腐れもなく帰るにはいいのかもしれない。

 

だが、ここぞとばかりに女性へと甘い言葉を言い続けて翼は疎か、奏やクリスもその気にさせている事自体、ガンヴォルトが去った後の事を考えているのかと言いたい。

 

だがガンヴォルトにより、翼も奏もクリスもそして響も救われている。だからこそ、慎次はこのままここに居続けて欲しいと感じてしまう。

 

「ボクの勝手な理想でガンヴォルト君に迷惑は掛けられませんね」

 

それは慎次の儚い願いだったとしても、いや、全員の思いだったとしてもそれはガンヴォルトにとって苦しい選択となるだろう。

 

「何か言いましたか?緒川さん?」

 

慎次の独り言に気付いた翼が、そう言うが、慎次は首を横に振るう。

 

「いえ、何でもありません」

 

いずれ来るであろう別れを今は振り払い、ライブに集中してもらう為に慎次は翼に伝える。

 

「翼さん、頑張って下さい」

 

慎次は翼にそう告げるのであった。

 




一期ガンヴォルト基本情報

NAME:ガンヴォルト

AGE:初期14歳→一期最終話21歳

HEIGHT:160cm→190cm

何かしらの原因によりこの世界に流れついた一人の少年。

性格は今までと変わらず、どこまでもまっすぐで曲がったことを嫌い、自身の思い描く平和のために戦う少年であったが七年の歳月で青年となる。

第七波動(セブンス)も健在であり、雷撃鱗はもちろん、腕から雷撃を放出させること、蒼き雷霆(アームドブルー)の応用でのハッキング、身体能力強化とその能力の使用方法は多岐に渡る。強力なスペシャルスキルもあり、依然として最強の能力を遺憾なく発揮させる。一課にも一台欲しい万能能力者。唯一、電磁結界(カゲロウ)のみはペンダントがないため発動することができない。

強化もしてない状態では弦十郎には身体能力は劣り、慎次とどっこいどっこい。だが強化した状態であれば壁を駆け上がり、高いところから着地しても無傷と弦十郎にも引けを取らない能力を有している。

ノイズとの戦闘も可能であり、その理由は彼に宿る電子の謡精(サイバーディーヴァ)によるフォニックゲインの上昇による、ノイズとの位相差障壁を無効化して戦闘を可能としている。電子の謡精(サイバーディーヴァ)無しでも戦闘は可能ではあるが、蒼き雷霆の出力を高く維持し続けなければならないと言うデメリットがある。簡単に言えばEPエネルギーが普段の消費量より多く減っていく状態で戦わなくてはならない。

目的は元の世界に戻り、この世界に流れ着いた原因となるアシモフを止める事。だが、ノイズという脅威にさらされるこの世界でその事を見過ごす事ができず、二課と協力して共に戦う。フィーネと紫電という脅威がなくなり、シアンも会う事の出来たがこの世界で異端の力である第七波動(セブンス)を知るアッシュボルトを止める為に現在も奮闘している。

こんな感じです。
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