戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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原作一話終了


5GVOLT

準備の整ったライブ会場にて未来や創世、詩織、弓美はサイリウムを持って特別に用意してもらったライブ会場内にある関係者用の特別席へと向かっていた。

 

「まさか、生ライブをこんな席で見られるなんて夢にも思わなかったよ!」

 

「ですね!それもこれも立花さんや小日向さんが風鳴翼さんと友達になってくれたおかげです!」

 

「だね!いやーこんな事アニメでしか起こらないと思ってたけど実際に起きると感動的だなー!」

 

三人もとても楽しみにしていたらしく、とてもテンションが高い。

 

「うん。これも響や翼さん達のおかげだよ」

 

そう言うとライブ以上にテンションを上げる三人に未来も楽しみでたまらない為に興奮を隠しきれない。

 

今回席を用意してくれた響達には感謝してもしきれない。

 

そして通された関係者席に座り、ライブの開始を待つ。

 

「しかし、アメリカの人気アーティストとのデュエットなんてやっぱり翼さんも世界に通用する人だったんだねー。やー、同じリディアン生徒として自慢出来る」

 

「安藤さんの言う通りですね。しかも、こんな席で見られるなんてクラスメイト達に自慢出来ます!」

 

「本当に立花さんと小日向さんが招待してくれて良かったー!感謝感激だよ!」

 

「私も楽しみで仕方ないよ。こんな席でライブなんて初めてだもん」

 

四人はガールズトークに花を咲かせる。そして創世が他に来るクリス、奏、響の席を見て用意されている椅子が一つだけ多い事に気付く。

 

「この席って誰のなの?私達合わせても一人分椅子が多く用意されているけど?」

 

「そう言えば一つ席が多いですね?設営ミスでしょうか?」

 

「まあいいじゃない!こんな部屋で席が一つ多くても別に問題ないんだしさ!」

 

詩織は少し疑問を持つが、ライブが待ち遠しい弓美はミスは誰にでもあるし、気にしないと言う。

 

「うーん、設営に慣れた人がこんなミスするとは思えないけど?」

 

未来も一つだけ多い席を見て考える。奏、クリス、響は少し遅れてこちらに来るとは聞いているが、そうなると同じ席に座るのは同行しているあおいであろうか?だが、あおいも二課で忙しい為にこちらには来ないであろう。となると未来の中に思い浮かぶのはガンヴォルトであった。

 

「もしかしたらガンヴォルトさんの席かも?」

 

未来のその言葉に三人はライブの待ち時間などもうどうでもいいとばかりに未来へと詰め寄った。

 

「えっ!?あの人も来るの!?」

 

「そう言えばあれ以来会っていませんが、小日向さんならあの人の事知ってますよね!?本当にこちらにいらっしゃるんですか!?」

 

「ヒナはあの人に会ってるみたいだけど、いい加減紹介してくれてもいいんじゃない!ていうかこの場所に来るなら是非!私とあの人を繋ぐ絶好のアシストをお願いします!」

 

未来に詰め寄る三人の目は何処か飢えた獣の様な目をしていた。確かにガンヴォルトを知る三人になら紹介しても構わないとは思うのだが、何処か獲物を狙う様な三人に紹介する事を何処かガンヴォルトの危機を感じてしまい躊躇ってしまう。

 

それに、未来にですら現在のガンヴォルトの様子はクリスや奏への連絡で無事という事しか分かっていない。ガンヴォルト自身が現在、諸外国からその特殊な力を狙われる様になって国に匿われている。だから本当にこの場に来れるかは分からない。

 

「まだ確定してる訳じゃないし、ガンヴォルトさんも色々と今忙しいみたいだから…もしこっちに来たら聞いて見たらいいんじゃない?」

 

「よっしゃー!絶対に連絡先を交換してやる!そしてあわよくばお付き合いを!」

 

「そんな簡単に行かないと思いますが…でも私もあの人と連絡先を交換させて頂いて出来るなら親密な仲になりたいですね…」

 

「詩織も意外にグイグイいくね…まあ、私としてもあんなイケメンとお近付きになってあわよくばとも思ってるけど」

 

弓美が熱烈に燃え上がり、詩織はお淑やかに言っているのだが、目は完全に獲物へと狙いを付ける獣と変わらない。創世も二人に呆れながらもガンヴォルトへと狙いを定めていると公言する。

 

未来は三人へと渇いた笑みを浮かべながら、ガンヴォルトの事を考える。

 

現在は様々な国から狙われていて行動をかなり制限されている様でこの場に来れるかすらも怪しい。そして、その行動制限がいつ解除されるか分からない。だから現在は二課の特定の人物や共に住む奏とクリス以外ガンヴォルトとの接触が禁止されている。

 

未来もここにガンヴォルトが来てくれる事を考えるが本当に来てくれるかどうか分からない。未来もガンヴォルトに会いたい気持ちもあるが、こちらから来てと連絡する事が未来には出来ない。連絡は定期的にガンヴォルトの方からしてくれているので不安はない。だが、それだけである事が何処となく物足りないと最近感じてしまう。今日は来てくれるのだろうか?ここにいればガンヴォルトに会えるのだろうかと。また面と向かって話し合う事が出来るのであろうかと。

 

「ここに来てくれますよね?ガンヴォルトさん…」

 

三人にも聞こえない声で未来は呟く。

 

それは自身の勝手な願いなのかもしれない。でもそう願わずにはいられなかった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「これでもダメな様ですね…」

 

ライブの様子を輸送機内で見ていたナスターシャは画面に映るフォニックゲインの上昇率が思ったよりもかなり足りない事を見て落胆しながら呟いた。

 

「以前フィーネが使用した手法、風鳴翼と天羽奏のライブでのフォニックゲインの上昇の再現によるネフィリムの完全起動を目論んだが、こちらは失敗だったか」

 

その傍に立つアッシュボルトも表情は読めないが落胆している。だが、それでも同室にいるウェルはそんな落胆する二人に告げる。

 

「こんな事だろうと思っていましたが、プランを変えれば良いだけですよ。二人の歌で足りなければそれを補う為に足せばいい。何せこちらにもあちら側にも装者は併せて七人もいます。それだけの人数がいればなんとでもなりますよ。しかもあちら側には完全聖遺物であるこのソロモンの杖、そして今は消失してしまいましたが、デュランダルをたった一人で起動させた人材が二人もいる事ですし」

 

ソロモンの杖を見せてウェルはそう言った。

 

「しかし、装者をこの場に呼び寄せるとなるとマリアの身に危険が」

 

「いや、それでいい。お嬢さん(レディ)の安全は私が保証しよう。装者以外にもここに誘き出さなければならない奴がいる訳だからな」

 

アッシュボルトはナスターシャにそう告げる。

 

「奴…ガンヴォルトをですか!?貴方があれほど計画の障害になると言っていたではないですか!何故この場に呼び寄せないとならないのですか!」

 

「Dr.ナスターシャ。奴が持つ力こそ、私が…いや我々がやらなければならない計画の重要なピースなのだよ」

 

電子の謡精(サイバーディーヴァ)…貴方が言うそれを私個人でも調べさせてもらいましたが、何も情報のないそれをどう調べたいえ、知っていたというのですか?第七波動(セブンス)という異質の力に何故貴方はそこまで詳しいのですか?それにガンヴォルトの持つ力…蒼き雷霆(アームドブルー)についても」

 

ナスターシャも事前に第七波動(セブンス)についてアッシュボルトから聞いているが、計画に本当に必要なのかと疑問を持っていた。聖遺物とは異なる異質の力、第七波動(セブンス)。そしてこの男は情報が規制されているのにも関わらず蒼き雷霆(アームドブルー)という強力な第七波動(セブンス)すらも誰よりも詳しかった。

 

「私にとって第七波動(セブンス)というのは身近な存在であっただけだ。それ故に私は詳しいだけであり、目的の遂行の為にその力に目を付けているだけさ。それに奴の事もほんの少しだけ知っているというだけだ」

 

「答えになってません!あんな力が身近にあったのならば何故聖遺物の研究者達の目に留まってないのですか!そんな力があれば...!?」

 

あの子達が傷付かない方法がと言いかけたナスターシャはそれ以上言う事が出来なかった。

 

アッシュボルトがいつの間にか銃を抜き、ナスターシャへと銃口を向けているからである。

 

「貴方にとって重要なのはお嬢さん(レディ)達の安全と計画の遂行なのだろう?それならば第七波動(セブンス)の事は知らずともいい」

 

「アッシュ、やめてあげなよ。ナスターシャ博士も研究者故に未知である第七波動(セブンス)を知りたかっただけなんだからさ」

 

ウェルがアッシュボルトの構える銃を下げながらそう言った。

 

「ナスターシャ博士も目的の遂行さえ出来ればいいんだから、そんな事を聞く必要もないでしょう?僕等は僕等でやるべき事をやればいいだけなんだから。アッシュはそれを手助けしてくれるんだから僕等は黙って事を為すだけでいい」

 

その言葉でアッシュボルトも銃をしまい、ナスターシャに言う。

 

「Dr.ウェルの言う通り、貴方は目的を遂行する為だけに動けばいい。奴や第七波動(セブンス)の事は私が対処する。いずれにせよ、奴の相手は未熟な装者達では出来ないからな」

 

そう言ってアッシュボルトは輸送機の内部にある武器を手に取り、調整を開始する。

 

「ライブが一段落着いたらお嬢さん(レディ)達に連絡をするんだ。計画を変えるとな」

 

そしてアッシュボルトは調整を終えたライフルを手に輸送機から出て行った。

 

「まぁ、アッシュに任せていれば全て上手くいくよ。ナスターシャ博士も自分のやるべき事をやってればいいさ」

 

そう言ってウェルも部屋から出て行く。

 

「…アッシュボルト…貴方は何故第七波動(セブンス)という力を何故そこまで知っているのですか…聖遺物と異なる力を…貴方は一体何者なのですか?」

 

ナスターシャの疑問は解決する事はなく、呟きは静寂が支配するその場で消えて行くのであった。

 

だが、首を横に振り目的の為にはアッシュボルトの言う通り、計画を変更した事をマリアや切歌、調に伝えなければならない。

 

「マリア、切歌、調。計画を変更します。ネフィリムの起動に十分なフォニックゲインが集まりませんでした。少々早いかもしれませんが、宣戦布告を行いなさい。そして装者とそこで戦闘を行います。切歌も調も準備なさい」

 

『了解デス!』

 

『任せて、マム』

 

現在ステージで歌うマリアからは連絡はないが、届いているであろう。そしてその事を聞いた二人が通信を返す。その言葉にナスターシャは二人にそしてマリアに気を付けてと伝えると通信を切る。

 

「成し遂げて必ず無事に帰ってきなさい」

 

◇◇◇◇◇◇

 

翼とマリアが炎舞うステージを歌とダンスで会場を湧かした。

 

そして、歌を終えた翼とマリアはお互いに観客達へと言葉を掛け合う。

 

そしてさらに会場を湧かせると翼とマリアは互いの健勝を讃え合う。

 

「この舞台で貴方というアーティストと歌えた事を光栄に思うわ」

 

「私も、貴方の様な世界を駆ける歌姫と歌う事が出来てとても楽しかった。こちらもとても感謝している」

 

二人は手を出し合い、硬く握手をする。

 

互いに認め合い、これからも自分達という歌姫が世界の魁になる様に。

 

だが、硬く結んだ手を緩めたその瞬間にマリアは観客の方へ歩み始める。

 

「そしてこの場で私は宣言しなければならない事がある」

 

マリアの言葉に観客は何を言うのかと期待とどよめきが会場を支配する。

 

そしてマリアは観客達の期待に応える様に手を振るう。

 

だが、その瞬間に期待は絶望に、どよめきは悲鳴へと変化する事となる。

 

マリアが振るう手に合わせる様に会場に大量のノイズが出現したのだ。

 

「ここで私という…いえ、私達という存在を宣言させてもらうわ。私達はフィーネ!終わりの名を持つ者だ!」

 

その瞬間にマリアは聖詠を歌う。

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl」

 

その瞬間にマリアは光に包まれる。

 

そして光が収まると先程まで纏っていた白のドレスではなく黒い鎧を纏って現れた。

 

「黒い…ガングニール!?それにフィーネ!?」

 

翼はステージの上で黒い鎧、シンフォギアを纏うマリアを見て驚く。

 

奏と響と同様のガングニールもかなりの驚きであったが、フィーネというかつてこの国で戦った存在の名を語るマリア。

 

あの時倒した存在を何故この場に。

 

「マリア!貴様は一体!?」

 

「さっきも言ったでしょう、風鳴翼。私達はフィーネと」

 

マリアは観客から翼へと視線を移してそう告げた。

 

「私達は今この場を借りて世界へと宣戦布告をするの。そして知らしめるのよ。世界に新たな敵である私達がいるという事を」




フロイラインを使ってましたが、よく調べると性差別などの意味もあり利用規約にも引っかかる可能性を考慮と不快に思う方もいると思いレディに変更しました。
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