戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

98 / 246
もうあと四日で一周年か…何か企画した方がいいのか…
思いついたのはifでガンヴォルトが響達と同年代くらいで登場した場合かフィーネ組に現れた場合か…それとも白き鋼鉄のXのアキュラを持ってくるか…考えるのは簡単だけど構想が立てられないから難しい…


6GVOLT

「黒いガングニールだと!?」

 

弦十郎はライブ会場に現れた装者を見て驚きの声を上げた。

 

奏の持つガングニール、そして奏のガングニールを胸に宿す響。それとは別に存在したもう一振りの撃槍。

 

「アウフヴァッフェン波形も奏さん、響さんの持つ物と九十九%一致!偽物でも別の物でもありません!あれは本物のガングニールです!」

 

既に情報を解析していた朔也が弦十郎に告げる。

 

「本物…」

 

ありえない訳ではない。二課の所持、いや奏の所持しているガングニールは欠片であり、未だ見つかっていない他の破片が出土してもおかしくはない。だがそれも可能性の一つであって必ずそうであるとは限らない。

 

そんな時にモニターの一部に防衛省と浮かび上がり、弦十郎が通信に出る。

 

『どうやらえらい事が起こったみてぇだな』

 

「斯波田事務次官。二度も不祥事を見過ごしてしまい申し訳ありません」

 

弦十郎はまず、沖縄の件、そして今回の件を未然に防げなかった事を斯波田事務次官へと謝罪する。

 

『仕方あるめぇ。起こった事はもうどう収めるの対応を考えるしかねぇさ。それと初めの報告にあった件、アッシュボルトっつう厄介なテロリストが絡んでいたんだろ?未確認の武装、そしてウェル博士の誘拐。どうも、前の件にも繋がっているようにしか見えねぇな』

 

「前とは?」

 

弦十郎は斯波田事務次官の言う以前の件を問う。

 

『ああ、少し前にだが米国の聖遺物研究機関にも襲撃があって今まで研究していたデータや聖遺物を奪われたようでな。研究員達が言うには何の前触れもなく、機材のデータが消去されていき、聖遺物が保管されていたケースが破壊されて持ち出されたそうだ。それも復元したカメラの映像を確認したところ、突然ケースが割れて、聖遺物が突如と消えたらしい。どうもそのアッシュボルトとかいう奴の武装がそうであったから俺とガンヴォルトはそう疑っている』

 

斯波田事務次官からその情報を聞き、状況を整理して行く。

 

『それで今回の件なんだが、あまりにも都合が良すぎるんだよ。まぁ、可能性であって蕎麦で例えるなら八割ってとこか』

 

「今回の件、フィーネと名乗るマリア・カデンツァヴナ・イヴはテロリスト、アッシュボルトと繋がっている?そう言いたいのですか?」

 

『可能性の話だ。だが、そう見て間違いねぇだろ。テロリストであるアッシュボルトが何故あれ以来姿を消したのに今現れたかと考えればそんな考えも浮かぶだろうよ。それにあの嬢ちゃんは私達と名乗った。単独ではなく複数であり、その中に奴が混じっていてもおかしくはねぇ』

 

斯波田事務次官は蕎麦を啜りながら弦十郎に言う。

 

『奪われたソロモンの杖があるから、動き出したんだと考えるべきだな。まだ確定ではないが今回の敵はアッシュボルトとかいうテロリストと繋がっていると俺は見ている。そうでないとノイズが現れて未だに観客を襲わない説明がつかねぇ』

 

確かにノイズの反応を確認してはいるが未だ動かないノイズ達。普通であれば人という存在がいれば我先にと炭の塊へと化そうのするのに未だ動きがない。以前のフィーネの様にソロモンの杖を使わなければ考えられない事だ。

 

「分かりました。我々もその線を考えて状況を収める為に対応していきます」

 

『ああ、頼んだぜ。それと』

 

斯波田事務次官は蕎麦を啜りながら続ける。

 

『こんな状況だ。何がなんでも状況を収めなきゃならん。使える奴を使わないなんて勿体ぶった事を俺はしたくはないんでね』

 

「まさか!ガンヴォルトを!?」

 

『ああ、諸外国には何を言われようと構わねぇ。民の安全と国の平和を守らにゃいかんのにガンヴォルトを出さねぇ訳にも行くまい。と言ってもあいつは何も言わなくても既に行っちまったがな』

 

弦十郎はその言葉を聞き、何処か安心感を覚える。

 

現在斯波田事務次官の場所にいるはずの姿の見えないガンヴォルトが既に現場へと向かっている。

 

ガンヴォルトであればどうにか事を収束出来る可能性がある。世界に放映されてる中、翼はシンフォギアを纏う事は難しい。そしてその他の装者はまだ輸送ヘリにてライブ会場まで行くのに時間がかかる。

 

だからこそガンヴォルトを弦十郎は信じる。

 

蒼き雷霆(アームドブルー)という、特殊な力を持ち、一度この国を装者と共に救ったガンヴォルトなら。

 

「ガンヴォルト、あいつには苦労をかけさせます」

 

『気にするな。あいつ自身もやらなきゃならない事らしいしな』

 

ガンヴォルト自身の目的である帰る方法、それは依然として見つかっていない。だが、ガンヴォルトはこの世界に第七波動(セブンス)を異端の力を残してはならないと常々言っている。

 

だが、何故ガンヴォルトは第七波動(セブンス)を知るだけのテロリストであるアッシュボルトを追っているのか疑問に思う。

 

「しかし、アッシュボルトを捕らえる事は賛成だと思いますが、何故ガンヴォルトがアッシュボルトを追うのですか?」

 

『どうやら、アッシュボルトもガンヴォルトが言うにゃ、同じくここに流れ着いた能力者と考えているらしい。俺にとっちゃスケールがデカ過ぎて正直よく分からんがな』

 

蕎麦を啜り、弦十郎に伝えた。

 

「なっ!?」

 

弦十郎は疎か、その発言を聞いたオペレーター達全員が驚きを隠せない。

 

第七波動(セブンス)が他にも、ガンヴォルトの持つ蒼き雷霆(アームドブルー)、そして紫電と呼ばれた少年が持っていた念動力(サイコキネシス)。それ以外にもこの世界に第七波動(セブンス)能力者がいる。

 

そしてガンヴォルト自身が追っているとなると危険な能力者の可能性もある。いや、アッシュボルト自身がテロリストであり、既に危険人物だという事は理解している。

 

だが、ガンヴォルトや紫電の様な能力を持っているとなると装者達だけでは対応が難しくなる可能性が高い。

 

『今回の件はガンヴォルトにアッシュボルトを任せるしかない。だから俺はあいつの行動制限をこの場を以て解除する事をお前に伝えておくぞ、弦十郎。ガンヴォルトと共に、再び起きうる最悪の事態を未然に防ぐんだ。頼んだぜ』

 

そう言って斯波田事務次官からの通信が切れる。

 

「まさか…アッシュボルトという人物も第七波動(セブンス)を持つ人物である可能性があるなんて…」

 

先程の件で朔也が驚きのあまり言葉を漏らす。

 

「ああ。だが、今はその事を考えても仕方ない。我々は急ぎ、現状を打破出来る方法の模索とこの事をライブ会場へ向かう三人へと伝える!それと共に奏、響君の持つガングニールの無事を確認するんだ!」

 

弦十郎の指示で一斉に動き始めるオペレーター達。

 

そして直ぐに朔也がライブ会場へと向かう装者三人とあおいの乗る輸送ヘリへと通信を繋げた。

 

『師匠!会場は無事ですか!?未来は!翼さんは!?』

 

『旦那!翼は無事なのか!?それにあいつの纏う黒いシンフォギアは本当にガングニールなのか!?』

 

「落ち着いてくれ、二人共。今はなんとか無事だと思う。どうやらあちら側はノイズで未だ人を襲おうとしていないみたいだ。それと二人共、ガングニールは無事か?」

 

『無事も何もさっきまでノイズと戦ってたんだからペンダントとして首にかけてるよ』

 

『私も。自分の胸のガングニールは特に問題ありません』

 

その言葉を聞き、ガングニールが奪われたという線は消える。だがそうなるとさらに厄介なもう一振りの撃槍が現れた事となる。

 

その事を四人に伝える。

 

『んな事あるのかよ!旦那!』

 

奏がその事を反対する様に叫ぶ。

 

「ありえない話じゃない。奏が持つガングニールは欠片であり、本体から欠けたごく一部でしかない。他の欠片が出土してもおかしくはない。それに響君の事例もある。あの時の破片を回収されて、それを利用されたという可能性も』

 

その事を奏と響へと伝える。そして弦十郎は最も重要な事を装者達に告げる。

 

「今回の件、沖縄で君達が戦ったアッシュボルトが絡んでる可能性が高い」

 

そう言うと一番に反応したのはクリスであった。

 

『野郎!ソロモンの杖を奪っただけじゃなく、こいつらと絡んでいるのか!』

 

「おそらくだ。だが可能性は高い。ノイズの出現。そして未だ人を襲わないノイズ。こんな事、ソロモンの杖なくしては不可能な芸当だ」

 

『クソ野郎!フィーネを名乗るあいつもアッシュボルトの野郎も何をするつもりなんだよ!あの時みたいにノイズを使ってまた誰かを不幸にするつもりか!?』

 

画面越しにクリスが輸送ヘリの壁を叩く。

 

ソロモンの杖を起動させてしまったという事からクリス自身がソロモンの杖をこんな事に再び使われた事が許せないのだろう。

 

「そんな事をさせない為にも我々がなんとかしなければならない。それに、ようやくガンヴォルトが動ける様になった」

 

弦十郎の言葉に三人は驚き画面に寄る。

 

『本当か!旦那!』

 

『師匠!ようやくガンヴォルトさんも復帰出来るんですか!?』

 

『本当なのかよ!おっさん!?』

 

「今も現場にガンヴォルトは向かっている。とにかく君達も急ぎ向かってくれ。それとアッシュボルトはガンヴォルトに任せるんだ。アッシュボルトはもしかしたら君達では対処出来ない可能性が大いにある」

 

弦十郎はアッシュボルトがガンヴォルトと同じ、なんらかの原因で流れ着いた人物である可能性とガンヴォルトや紫電の様な第七波動(セブンス)能力者である可能性が高い事を伝える。

 

『なっ!?本当なのかよ!おっさん!あいつと同じような能力をあの野郎も持っているのか!?』

 

『本当かよ…という事はあの時の響と私の攻撃を通り抜けたような感じはその第七波動(セブンス)が原因ってでもいうのか?』

 

「可能性があるだけでまだ我々にもまだ判断は出来ない。だが、以前からガンヴォルトを知り、詳細な情報を残したメモを現場に残していたと考えるとその可能性が高い。それにすり抜けた件ももしかしたら第七波動(セブンス)の可能性もあるが実際に調べてみないと分からない。とにかく、アッシュボルトの事はガンヴォルトに対処してもらう。君達は急ぎ向かい、翼のサポートを頼む」

 

『了解!』

 

装者達とあおいがそう言って通信が切れる。

 

「俺達もとにかくやれる事をやるぞ!」

 

装者にも現状を伝え終えた弦十郎はオペレーター達に指示を飛ばす。

 

「とにかく、現場はお前に任せるぞ。翼を…ライブ会場にいる皆を救ってくれ、ガンヴォルト」

 

弦十郎はガンヴォルトが早くライブ会場へと着くのを願い、己のやるべき事を始めるのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

ライブ会場ではノイズの出現により混乱が起こっていた。だが、依然としてノイズは人を襲おうとしない。

 

「さて、まずは全世界で見ていると思う国の重鎮達にもう一度挨拶しなきゃならないわね。初めまして私達はフィーネ。終わりの名を持ち、世界を変える組織である」

 

会場に設置されたカメラに向けて堂々と宣言するマリア。

 

「さて、手始めに我々に対して各国は私達に国土の割譲を求めましょうか?今から二十四時間以内に応じなければノイズを使い、応じない国の主要都市がノイズによる襲撃に遭う事になるわ」

 

「何を馬鹿な事を!?」

 

「世界を変える為にはこの程度の事は序章に過ぎないのよ」

 

ステージに立つ翼は馬鹿げた要求をするマリアに言うが、マリアもそれに対してこれは目的の一部でしかない事を語る。

 

「そんな事!させる訳ないだろう!」

 

そして翼は聖詠を歌おうとしたが、ペンダントに搭載された通信機から慎次に止められる。

 

「何故止めるのですか!?」

 

『翼さん!今シンフォギアを纏えば全世界に風鳴翼の存在が晒されてしまいます!そんな事をすればガンヴォルト君の様に国に匿われて生活をしなければなりません!翼さんはそんな事を強いられてはいけません!いずれ貴方は世界に羽ばたかなければならないのですから!こんな事でそれを途絶えさせてはいけません!』

 

「しかし、このままでは!?」

 

『こちらでなんとかします!だから、翼さんは堪えて下さい!僕が急いでなんとかします!』

 

そして慎次からの通信が切れる。シンフォギアを纏う事が出来ず、とにかく今は慎次がどうにかしてくれる事を信じ、マリアを睨む。

 

「どうしたのかしら、風鳴翼?シンフォギアを纏わないの?」

 

マイクを通さずに翼へと告げるマリア。だが、翼は何も答えず、マリアを睨む。

 

マリアはシンフォギアを纏わぬ翼を見て何処か面白くなさそうにする。そして未だ混乱で騒ぐ観客の方に視線を移してマイクを通して叫ぶ。

 

「狼狽えるな!安心するといい!貴方達は良いパフォーマンスを演じてくれた!情けとしてこの場から貴方達は解放してあげる!直ぐにこの場から去りなさい!」

 

『マリア!何故その様な事を!?せっかく得た有利な状況(アドバンテージ)を捨てるというのですか!?』

 

ナスターシャから通信が入り、マリアがとんでもない事をしてくれたとばかりに叱責する。

 

「マム、こんな人質を取るような真似、私達には相応しくない。私は必ず成し遂げるから好きにやらせて頂戴」

 

『…分かりました。貴方の好きなようにやりなさい。ですが失敗してはなりませんよ。それと切歌と調を向かわせます』

 

「ありがとう、マム」

 

『何を言っているんだ、お嬢さん(レディ)。こんな宣戦布告のやり方誰も従わんよ。分かっていないのか?』

 

途中ナスターシャとの通信に割り込み、アッシュボルトが発言する。

 

「アッシュボルト、私のやり方にケチをつける気?」

 

『ああ、勿論だ。人質を取り、開放するのが君のやり方か?全く以てなってない。君にはこの人質の意味がどういう意味か理解していないのか?』

 

「既に宣戦布告はしたわ。私の行動を貴方に口出しされる筋合いはないわ」

 

『いいや、あるさ。私はお嬢さん(レディ)達の協力者であり、君達の唯一の支援者(サポーター)であるのだから、失敗を作るような真似をすれば言うさ。こんなやり方ではいずれ何処かで綻びが生じる」

 

アッシュボルトが呆れた口調でそう言った。

 

『見せしめというものは必要なのだよ。国に対してそれを実現するという証明を今この場で示さなければならない。私達という存在が本当に国を襲い、脅威となるという証明をな』

 

「何をする気なの!アッシュボルト!」

 

マリアはアッシュボルトの言葉に小声で喋るのをやめ、叫んでしまう。

 

だが混乱する会場にそれに気付く者はいない。

 

同じステージに立つ翼以外。

 

「アッシュボルト!何故その名を!?それに何をする気だマリア!」

 

翼はマリアに向けて叫ぶが、マリアは通信に気を取られ気にも留めない。

 

『やれ、Dr.ウェル。見せ付けるんだ、我々の存在を。世界を脅かす新生するフィーネという存在を』

 

『ああ!アッシュ!勿論だよ!僕もこいつを試したくてうずうずしてたんだ!』

 

マリアの通信機にマリアを無視して火蓋が落とされた。

 

「やめなさい!アッシュボルト!」

 

だが、それに反応する声はない。そしてノイズがソロモンの杖に操作されて動き始める。

 

「全員逃げなさい!早く!」

 

マリアは叫ぶ。翼は何故解放したのに叫ぶかは分からないが動き始めたノイズを見てそれを理解する。

 

もう堪えていられず、聖詠を歌おうとするが会場を覆う程の大きな雷撃の膜が突然出現すると動き始めたノイズを次々と炭の塊へと変えていった。

 

「なっ!これは!?」

 

マリアは突然のノイズの消滅に安堵と驚きを隠せない。

 

それと同時に何が起きたか分からない観客達はノイズという脅威が消えたのを確認して我先に会場を去ろうと走り始めた。

 

それと共に会場の裏から虹色のオーラを纏い、一人の男がステージへと降り立った。

 

蒼いコート。長い金髪を三つ編みに結び、手には特殊な銃、ダートリーダーを携えた男。

 

「どうにか間に合ったみたいだね。ありがとう、シアン。力を貸してくれて」

 

「GVの頼みだもん。私はGVの頼みだったら断らないよ」

 

そして降り立ったと同時に現れた蝶の模様を模した女性。

 

ガンヴォルトとシアンの姿であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。