戦姫絶唱シンフォギアAB   作:株式会社の平社員

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小説を投稿して一年になりました。
と言う事で何か企画しよう思いましたが決まらないのでアンケートを取りたいと思います。
 


7GVOLT

「久しぶりだね、翼。無事?」

 

敵である目の前の黒いガングニールを纏う、マリアを見据えながら翼に言う。

 

「ガンヴォルト!?」

 

突如来訪したボクに驚きを隠せない翼。

 

「ライブにも行く予定だったんだけど仕事が長引いたのとこんな事態になるなんてね」

 

ボクは会場から消えたノイズと観客、そしてマリアを見据えてそう言った。

 

「ライブは仕方ないかもしれないけど…ガンヴォルト、大丈夫なの?テレビ中継されてる中、その力を使って」

 

「さっき展開したこの会場を覆った雷撃鱗で電源系統をあらかた破壊したから問題はないよ。これで翼もシンフォギアを纏う事は出来るよ」

 

ボクは翼にそう伝えると翼は聖詠を歌い、青いシンフォギアを纏い、剣を握り、ボクの隣に立つ。

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴ。フィーネを語る何者かは知らないけどこれ以上被害を出させる訳にはいかない。ここで君を捕らえさせてもらう」

 

「ガンヴォルト…二課に所属する第七波動(セブンス)能力者…そして電子の謡精(サイバーディーヴァ)…」

 

その言葉にボクは完全にアッシュボルトがフィーネという組織に手を貸している事を確信する。第七波動(セブンス)能力は未だ諸外国にすらノイズを倒す事の出来る力としか伝わっていない。そして第七波動(セブンス)を知るのは所属している二課と国の重鎮とアッシュボルトのみ。

 

「GV、やっぱりシンフォギア装者っていうのは何か知らないけど私の姿を視認出来るみたい。なんでなんだろう?」

 

「シアン、今はそんな事はどうでもいいわ。とにかく、この場にいるノイズも障害となる中継されたカメラも無くなったのだから目の前のシンフォギア装者を捕らえるのが先よ」

 

「翼ってばGVと私が助けた事忘れてない?」

 

「助けたのはガンヴォルトでしょう?」

 

「私も頑張ってGVの力を最大限に引き出したの!」

 

「二人とも、敵の前なんだからそういうのは後でやって」

 

ボクはマリアを見据えながらそう言って二人を諫める。

 

「まさか、貴方もこの場に来るなんて思いもしなかったわ。国を救いし英雄の貴方が」

 

「ボクは英雄なんかになったつもりはないよ。それに、この国もこんな非常事態なのになんの対応をしないはずもないだろ?」

 

ボクはダートリーダーを構え、マリアに降伏するように促す。

 

「投降してくれ」

 

「投降?笑わせないで!」

 

「GV、あの人多分言っても無駄かもしれないよ」

 

シアンもマリアが簡単には投降しない事を告げる。

 

「分かっているよ、シアン。こんな大掛かりな事を起こしておいて簡単に投降なんてしてくれるはずがない事なんて。でも、出来るだけ争いは避けたいんだ」

 

「GV…それって相手が女だからって事はないでしょうね」

 

「ガンヴォルト…久しぶりに会ったと思えばシアンの言う通りだというのなら私も貴方に言わなければならない事が幾つも出てくるのだけど」

 

「そういうのじゃないって…」

 

二人が本当に話を脱線させるのに辟易しながらも言う。

 

マリアもボクが視線を切らせた瞬間にボクへと向けてマントを器用に操り、攻撃をする。

 

「随分と余裕な事ね!敵を前にしてそんな下らないお喋りを続けるなんて!」

 

だが、マントによる攻撃をボクは雷撃鱗を展開して攻撃を防ぐ。

 

「君には悪いと思っているよ」

 

「なっ!?」

 

雷撃鱗を解くと同時にボクはマリアへと一気に距離を縮める。今までとは違う、シアンのバックアップを受けた身体強化。シンフォギアを纏うマリアでも反応出来ない様に弾かれたマントを死角にしてマリアへと接近して避雷針(ダート)をマリアへと向けて撃ち込んでいく。

 

「くっ!」

 

マリアも何とか反応をして紙一重で避雷針(ダート)を躱すが、躱した先へと先に回り込んでボクはそのままマリアへと雷撃を纏う拳を振るう。

 

「この!」

 

マリアも弾かれたマントをボクへと向けて巻き込む様に振るう。ボクは敢えてそれに包まれるが、その瞬間に言葉を紡ぐ。

 

「天体の如く揺蕩え雷、是に到る総てを打ち払わん!迸れ!蒼き雷霆よ(アームドブルー)!ライトニングスフィア!」

 

マントが完全にボクを捕らえる前に紡いだ言葉に呼応して現れる三つの雷撃の球体。

 

ボクを包もうとしたマントは吹き飛ばされるように弾かれ、公転する雷撃の球体がマリアへと襲い掛かる。

 

「何!?」

 

マリアも捉えたと思った攻撃が弾かれ、更に現れた雷撃の球体に驚きを隠せていないが、ギリギリでその場から飛び退き、辛うじて直撃を回避する。

 

「私を忘れてもらっては困るぞ!」

 

既にその先には剣を構えた翼がおり、マリアへと向けて剣を振るおうとした。

 

だが、翼の攻撃を中断させる様に緑色の凶刃と桃色の丸鋸が翼へと襲い掛かる。

 

翼もそれを回避しようとするが、間に合わず、隙を晒す翼。だが、そうはさせないと飛び去るマリアよりも早く動き、翼の元へ辿り着いたと同時に雷撃鱗を展開してそれ等の攻撃を弾く。

 

「翼!大丈夫!?」

 

「ごめんなさいガンヴォルト…油断したわ」

 

「無事ならそれでいいよ」

 

「全く翼は世話が焼けるんだから」

 

「だから助けたのはガンヴォルトでしょう」

 

シアンが再び翼と言い合いを始めるが、もうその光景に口を出すのも諦め、新たに現れた二人がマリアの元に駆け寄るのを見届ける。

 

「切歌!調!」

 

「マリア、大丈夫?」

 

「マリア大丈夫デスか!?」

 

新たに現れた黒を基調とした緑と桃色のシンフォギアを纏う二人。

 

「マムに言われて来てみればアイツまでいやがるなんて本当にとんでもない事になってるじゃないデスか!しかも私達の一撃を簡単に弾くなんてとんでもない奴デス!これも聞いてたあの飛んでいる女の力と関係してるデスか!?」

 

「うん。第七波動(セブンス)だっけ?初めて見たけど凄い超能力。私も使ってみたい」

 

「貴方にはあんな力は不要よ、調。それと二人共ありがとう」

 

警戒しながらも二人の頭を撫でるマリア。その姿にボクは彼女達がテロリストに見えなく見えてしまう。

 

テロリストとして活動していた傍ら、ボクを仲間として大切にしてくれていた人達の様な温かな物。

 

「…今の様な君を見ているとテロリストなんて似合わないよ…」

 

何処かあの三人にフェザーにいた頃の自分を重ねてしまう。ボクもボク自身の正義を、能力者と無能力者の差別無き未来を目指していた。

 

そんなボクと同様に彼女達も何かしらの信念を貫いてこんな事を企てたのかもしれない。

 

だが、それでも彼女達はこの国どころか世界を敵に回そうとするこの国と世界の敵であり、口に出した言葉を振り払い、三人へと向けて言う。

 

「悪いけど君達も拘束させてもらうよ。宣戦布告もされてボク等も黙って君達の為そうとする事を見過ごす訳にはいかないんだ」

 

「何も知らない奴が何を言っているデスか!私達がやろうとしている事は!」

 

「切歌!この男に何も言わなくていいわ!」

 

何かを隠す様に切歌の言葉に被せる様にマリアが言う。

 

「何を為そうとしているかなど関係ない!世界を混乱に導こうとするならば私達が止める!」

 

「全く、GVの台詞をすかさず取っていくわね」

 

体勢を立て直す翼もボクの隣に立ち、剣を構えながら言った。シアンもそんな翼を見て溜息を吐きながらもいつでも戦闘が始まってもいい様、歌を歌い、ボクの蒼き雷霆(アームドブルー)を強化してくれる。

 

一触即発の雰囲気。睨み合う両者。どちらかが一瞬でも動き始めれば戦闘が始まる。

 

動きを見せたのは調という少女。ボク等へと向けて接近して丸鋸の様なものを再び振るう。

 

雷撃鱗を展開してその攻撃を防ぎ、雷撃鱗から飛び出した翼が調へ向けて剣を振るう。

 

それを防ぐ為に切歌が調の前に現れ、鎌のような物で剣を受け止める。

 

だが、切歌の練度が低いのか翼は剣を逸らして簡単に切歌の鎌を流してしまう。

 

切歌に向けて剣を振るおうとする翼だが、それを防ぐかの様にマリアがマントを伸ばして翼を絡め取ろうとする。

 

だが、そんな事をさせるはずもなく、ボクは雷撃鱗を解除して腕から雷撃を放出してマントを焼き払う。

 

だが、振るう剣は切歌に当たる事はなく調が再び操る丸鋸で防がれる。スケートの様に動く調は切歌を回収して距離を開けようと動くが、ボクは避雷針(ダート)を撃ち、追撃を行う。

 

「調!追撃が来るデス!」

 

切歌もそれを調へと伝えるがそんな事関係なしにボクは避雷針(ダート)を撃ち出していく。何発かは避けられるが一発が調の丸鋸へと着弾し、紋様が浮かぶ。ボクはすかさず雷撃鱗を展開して必中の雷撃を調へと向ける。

 

「調!切り離しなさい!」

 

マリアの言葉で調は丸鋸を切り離し、必中の雷撃をなんとか逃げ切る。切り離された丸鋸へと向かう雷撃は丸鋸を雷撃で破壊される。

 

「マリア、ありがと。あの男、凄い厄介。私達の攻撃は全部防がれるし、あの男に集中しようなら隙あらば攻撃してくるし」

 

「デスデス!あのとんでも能力は凄い厄介デス!」

 

「能力に加え、突出した戦闘センス。本当にシンフォギアを纏っていない人間とは思えないわね」

 

ボクを見据えた三人はそれぞれの評価をボクに向けて言った。だが、そんな言葉は聞き飽きている。

 

ボクはシアンにより強化された力で自身の生体電流を操作して身体から更に雷撃を迸らせる。

 

「なっ!?」

 

マリアの前に瞬間移動を思わさせる程の速さで移動したボクに目を見開く三人。ボクはこの三人を捕らえる為にはマリアという頭を拘束した方が早いと判断し、マリアを行動不能にするくらいに雷撃を当てようとする。

 

だが、その瞬間に気付いた何処か感じた事のある様な誰かに見られている感覚。ボクは嫌な予感を感じ、拳に纏う雷撃を止めて、マリアを拘束すると共に雷撃鱗を展開した。

 

それと共に一発の銃声が響く。

 

その瞬間に雷撃鱗へと一発の銃弾が衝突する。

 

雷撃鱗であれば普通の銃弾であれば雷撃により破壊される弾丸。だが、あろう事か雷撃鱗を徐々に貫いてくる弾丸。

 

「シアン!」

 

「任せて!」

 

シアンが歌の力で雷撃鱗を強化してくれるが依然弾丸の勢いは衰えない。

 

だが、強化された雷撃鱗は強力な磁界を生んで、弾丸を逸らして、ボクと共にマリアを貫こうとした弾丸はボクとマリアの横を通り過ぎて地面へと着弾する。

 

「ッ!?」

 

マリアも突然のボクの行動に驚いていたが、自身をも貫こうとした弾丸を見て拘束されながらも叫ぶ。

 

「アッシュボルト!仲間である私まで巻き添えにする気!」

 

「アッシュボルト…やっぱり君達の裏には」

 

雷撃鱗を解いてマリアへとそう言いかけた瞬間に、突如として響く足音。ボクは拘束していたマリアを突き飛ばし、足音のする方へ避雷針(ダート)を撃ち出す。

 

だが、避雷針(ダート)はそのまま何も当たらずに空を切る。それもそのはず、ボクが避雷針(ダート)を撃った場所には誰もいなかったのだから。

 

「GV!?誰かいる!」

 

「分かっている!」

 

ボクはシアンに力を強化してもらい、会場を覆う程の雷撃鱗を再び展開する。

 

「ガンヴォルト!?何をしているの!?」

 

ボクの行動が読めなかった翼が叫ぶ。翼は何も分かっていないが、ここに姿の見えない誰かがいる。そして雷撃鱗が覆う会場の中で僅かながら歪みが見える。それも翼の背後に。

 

「翼!離れて!」

 

ボクは避雷針(ダート)を翼の背後にいる何かへと撃ち出す。

 

翼はボクの言葉通り、素早くその場から飛び退く。そして一直線に向かう避雷針(ダート)はその歪みへと当たる瞬間に何かに弾かれる様に方向を変え、地面へと落とされた。

 

「何かあそこに!?」

 

翼もその存在に気付き、剣を構える。

 

そしてその歪みがゆっくりと姿を現していく。

 

そこに現れたのは見た事のない鎧の様な装備をして頭を全て覆い、顔も見えない装備を纏う大柄の人物。

 

「アッシュボルト!なんでマリアも狙うデスか!」

 

「ふざけないでよ!なんでマリアまで!」

 

現れたアッシュボルトへと離れた切歌と調も叫ぶ。マリアをも穿とうとした一撃に二人は怒りを露にしている。

 

「落ち着きたまえ、お嬢さん(レディ)達。この挨拶程度の威嚇で喚かないでくれ」

 

機械により変声された声で二人へと言うと、アッシュボルトはボクの方へと向く。

 

「貴様とこうして面と向かって会うのは二度目となるが、あの時も貴様には名乗っていなかったからな、あちらとは名は変えたが挨拶しておこう。私がアッシュボルト。貴様の追っていた第七波動(セブンス)を知る者…そして貴様の事を僅かに知る者だよ」

 

突如この場に姿を現したアッシュボルトはボクへと向けてそう告げた。




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