選ばれし英雄と悪魔の娘 with極東の魔法使い達 作:Quick
1981年10月29日
ロンドンの郊外の住宅地にて
「ただいま」
「お帰りなさいウィング」
自宅へ帰還したウィング・ブラックを出迎えたのはペチュニア・ブラック。
「今日はどうだったかしら」
「うん、あまりいい成果はなかったかな。死喰い人も見つからなかったし」
「でも、あなたが無事に帰ってきて、本当によかったわ」
ウィングは、不死鳥の騎士団として死喰い人ととの戦闘に明け暮れていた。職は就かず、実家の仕送りでやりくりしていた(ブラックの分家といっても、資産はかなりある)。
ペチュニアは不死鳥の騎士団には入っていないが、妻として戦場に赴くウィングを影で支えていた。
「・・・・・いい笑顔だ」
ウィングは一枚の写真を眺めていた。
「確か、ウィングのお兄さんの娘さんね」
「うん、名前はカグラというんだって。誕生日は8月1日」
「・・・・・リリーの子と1日違いなのね」
写真に写っていたのは、ウィングの兄、アルデバランの娘のカグラである。2つ上には、双子の兄弟がいる。アルデバランは、日本人の魔女と結婚してからは日本で暮らしている。
イギリス魔法界は、ヴォルデモートの脅威に晒されていた。その脅威を打ち払おうと、アルバス・ダンブルドアが率いる『不死鳥の騎士団』が抵抗していたが、戦力差で苦戦を強いられていた。
不死鳥の騎士団だけではない。魔法省の闇払いも次々と犠牲になった。
その中に、ウィングの姉であるレプスも含まれていた。更に、レプスの夫も殉職し、残された1人娘は祖母にあたるミコトが保護していた。
「ねえ、明日も、必ず無事に帰ってくるよね」
「勿論だよ。絶対にチュニーを置いて死なない。
そして、リリーやジェームズ、そして、2人の息子を守ってみせる。
シリウス、リーマス、ピーター達と共に」
しかし、戦友が裏切って最悪な結末になることを2人はまだ知らない。
マルフォイ邸
話は6ヶ月前に遡る
「貴女に、頼みがあるのシシー」
「な、何でしょうかヴォルデモート夫人・・・」
「ここでは、そんな堅苦しい呼び名じゃなくていいわシシー」
マルフォイ家の当主、ルシウス・マルフォイの妻ナルシッサの元に、姉であり、夫が仕えているヴォルデモート卿の妻、アリエス・リドルが訪れていた。
「わかったわアリエスお姉さん」
「単刀直入に言うわ、
私の娘を託したいの」
「!?」
「万が一、彼に何かがあったら、あの子達が無事には済まないわ。だから、いざというときはあの子達を匿って欲しいの
貴女とルシウスの娘として、育てて欲しいの」
そのアリエスの頼みは、今後のストーリーに大きな影響を与えることを、まだ、誰も知らない。
ヴォルデモートの館
1981年10月30日
「いよいよ、魔法界は俺様のものとなる」
「ついに、そこまで来たのですね」
「ああ、邪魔者となるポッターの息子を殺せば、魔法界を征服したのも同然だ」
ヴォルデモートは、予言の男の子を探すよう命じていた。
その結果、ハリー・ポッターである可能性が浮上。更に、ハリーの行方を突き止めたのだ。
「あなた、必ずこの戦いを終結させて、私を女王の地位へと」
「わかっている。
更に、2人の娘を、新魔法界の王女として、この世を謳歌することにしよう」
「ありがとうございます」
ヴォルデモートと語り合うのは、彼にとって最愛の妻アリエス。
愛を否定するヴォルデモートだが、何故かアリエスからの愛を受け取っていた。
アリエスから生まれた2人の娘にも、ヴォルデモートは心から好きになっていた。
「さあ、もう今夜は遅い。
お休みの時間だ、我がプリンセス」
ベビーベッドで寝ている2人の女の子の頬を撫でるヴォルデモート。
この2人こそ、ヴォルデモートとアリエスとの間に生まれた娘である。
しかし、その翌日、後の英雄と同じように、両親との別れることになるのは、まだ誰も知らない。
ヴォルデモートの2人の娘の名前は、後々紹介します。
因みに、ウィングが触れていたカグラと双子の兄弟に関しては、ホグワーツでハリーと深く関わってきます。