Re:ゼロからでもない私の異世界生活!   作:アルトΔライヤ

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パック「前回のあらすじだよ!」
スバル「前回はまたユウが掃除してたなぁ。ってかエミリアたんからクッキー手渡しとかズルくね!?」
パック「僕も欲しいなぁ。(本編の出番)」
スバル「ま、まぁ、パックもいつか出るだろ…多分。」
パック「えー、本編どうぞ!」


ミッション

「おはようございますユウちゃん。」

「あぁ…おはよう。」

 

取り合えず、早朝の襲撃は無かった。

手の痛みも完全に引き、早速働けそうな気がする。

 

「二人ともありがとう。」

「いいのよ。あとコレ。」

「おぉ!」

 

ラムから私用の服が渡される。

上からネクタイ、片方だけの白手袋、Yシャツ、ベスト、ズボンの順に畳まれており、燕尾服(執事服)の上着がないバージョンっぽい。

正直メイド服は恥ずかしいのでこの服はいいと思う。

 

「ちなみに冬用には綿のつまった暖かい上着があります。」

「ありがとう。早速着替えたいんだけど…」

「お着替えはレムに任せて下さい!」

「ん?」

「いやいや、自分でできるよ?そこまで子供じゃないからね?」

「でも胸は子供ですよね?」

「これも一つのアイデンティティーだから!」

 

結局目の前で着替えた。

普通同性でも、少しは目をそらすと思うんだけどね…まじまじと見つめられるとすごく恥ずかしいです。

 

ナイフをポケットに入れてネクタイをキュッと絞め、片方の手袋を右手にはめれば完成!

すこしコスプレっぽい気もするがまぁ良いだろう。

 

「どうかな?」

 

くるりと一回転する。

 

「とても良いと思います!」

「似合ってるわ。」

「ありがとう。じゃあ、行こっか。」

 

恐らく、私に近づいているのはハルマだ。

なら、私が何とかしなくちゃいけない。二人には、その手伝いをしてもらう。

 

 

 

 

「……久しぶりだね、ハルマ。」

 

屋敷の目の前に、ハルマは居た。

 

「やぁ、久しぶり。早速だけどおとなしく捕まってくれないか?」

「断る。私はここに居るって決めたから。」

「そうか、じゃあ、力付くだね…!」

 

キィイイン!

 

レムのモーニングスターとハルマのナイフがぶつかって大きな音をたてる。

その隙にすかさずラムが風魔法を撃つ。

 

「っと危ないなぁ、女の子がそんな物騒なもの持って…」

「隙ありっ!」

 

私も隙をみてハルマに切りかかる。

当たった…!

 

「ダメじゃないか、キャンプ用のナイフをこんな使い方しちゃ…」

「何で…!」

 

腹部を切られたのにニヤリと笑っている。

 

「おいおい、朝っぱらから何して…」

 

最悪だ。スバル先輩が来た。

先輩とハルマは中学時代仲が良かったらしい。

 

「あぁ、ナツキ先輩じゃあないですか。」

「おいおい、なにしてんだよハルマ。おまえもこっちに来たのか?

ってかなにそのナイフ、本当に何する気だよ。」

「邪魔をしますか?」

「スバル先輩戻って!ハルマの狙いは私だから!」

「ユウが狙い…?」

 

この時スバル先輩は何を思ったのかハルマに飛び付いた。

 

「何をしやがるんですか!?」

「俺の身内は誰だって殺させねぇよ!」

 

先輩が思いっきりハルマを殴る。

 

「ひどいなぁ…何も、殺すとは言ってないじゃないですか…」

「スバル君危ないです!相手はナイフをもっています!」

 

ハルマは先輩の腹にナイフを刺そうとしている。

 

私はすぐに左手の手袋を取って放り投げ、ハルマのナイフめがけて手をのばす。

 

「くらえ!『時戻し』!!」

「なっ!」

 

無事ナイフに触れることができた。

ナイフはどこに行ったかわからないけど、取り合えずハルマにもう武器はない。

 

「あっぶねぇ…助かったぜユウ。」

 

バッとスバル先輩はハルマから放れる。

 

「悪いことは言わない。私のことは諦めてくれないかな。」

「あはは、仲間のピンチに気がつかないなんて君も最低だな。」

「え…?」

 

ハルマが指を指した先には、ラムとレムが宙に浮いている。

 

「見えざる手…!ハルマてめぇ!」

 

スバル先輩には何が見えているのかわからないけど二人が捕まっているらしい。

 

その時、私の中で何かが起きた。

 

「…二人を離せ。」

「気づくのが遅いんだよ。ユウ。」

 

ハルマはユウを蹴り飛ばす。

 

ゆらりと立ち上がったユウの頭には、立派な鬼の角が二本生えていた。

 

「ユウ、お前その角…」

「下がって下さい先輩。これは僕たちのことですから。」

「やっと正体を現したねユウ。いや…『ルト』と呼ぶべきかな?」

「二人を離せって言ったんだよ。」

「ははは、いいねいいね!一つ聞こうじゃないか、同族の彼女達は君にとっての何だ!?」

「ラムとレムは…僕が守るって決めた、僕の唯一の友達だ!」

 

ハルマの背後に回り込み見えざる手を切る。

二人は運よく柔らかい草の上に落ち腰を少し打った。

 

「ケホッ、レム、あれってもしかして…」

「正真正銘ルトです。」

 

その時、スバルは一人見ることしかできなかった。

 

「くそっ、アイツは見えねぇ手と戦ってんのに俺は…そうだ!」

 

スバルは何か思い付きハルマの元に走っていく。

 

「やっぱり邪魔をするんですね!?」

「くらえ!『シャマク』!!」

「ぐぁっ!」

 

『シャマク』でハルマの視界を塞いだ隙にユウが一気にハルマに触れた。

 

「全ての起源まで戻れ。」

 

この瞬間、アリヅカ・ハルマという人物の存在は無くなった。

 

「よし、よくやったなユ…ウ……?」

 

バタッ

 

ユウが倒れる。既に角は消えている。

 

「恐らくマナ切れでしょう。お部屋まで連れていきますね。」

「これもつけてあげなくちゃね。」

「お、おう。そうだな。ってかその手袋の模様かっこいいな。」

 

 

 

 

 

ただのマナ切れ。それだけならどれほどよかっただろうか。

あの後一週間がたった。

ユウはずっと昏睡状態で目を醒まさない。

 

 

 

__昔の話をしよう。

鬼族の住む村に、『ルト』という一人の子が居た。単髪で毛先だけ白くそれ以外は黒髪の子で、彼女は鬼化の能力が自分では納められない子であった。

それを神様の怒りだと不吉に思った村人は、ルトがある程度育ったら殺す予定であった。

処刑の日はちょうど、忌まわしき炎の夜の日。

しかしその前の晩に、ルトの処刑を可哀想に思った村長は、彼女の能力を封じ、記憶を消し、別の世界で生かしてやることにしたのであった。

 

そのあと、地球に送られたルトは、病院で目覚める。

そこに施設園長が来て引き取られたそうだ。

 

また、大人に激しく怨みを持っていたルトは、地球に送られる直前に『時戻し』の能力に目覚めたとか。

 

 

 

「ねぇルト…目を…開けて下さい……」

 

彼女を愛していた一人の少女は、涙を溢した。




ロズっち「次回予告の時間…っておやぁ?次回は未定?」
ラム「この小説に次章があるかは不明のようですロズワール様。」
レム「でも、番外編が出るそうです。」
ロズっち「秘鬼編は謎が多いかーぁらね、解説とかほーぉしいね。」
ラム「質問などがあれば随時答えていくそうよ。作者が。」
レム「次回:『番外編』お楽しみに。」

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