Fate/WizarDragonknight 作:カラス レヴィナ
先週投稿してないから、一言……
ここで(ネタバレ防止)だとォ!?ってなりました
「う……」
美炎は、頭を抑えながら呻き声を上げた。
「やっぱり何回来ても、全く何も手がかりなんてないよ……」
美炎はそう言いながら、今出てきた建物を見上げた。
見滝原図書館。見滝原の中でも指折りの蔵書数を誇る施設。
この場所で、コヒメが無害だと証明する証拠を探しているものの、美炎は元来本を読むのが苦手な部類。
よって。
「結局、ほとんど私が調べてるけどね」
「う……ごめん清香」
美炎が肩をがっくりと落とす。
「昨日も、わたしが可奈美と一緒に行っている間、調べてくれてたんだよね」
「手がかりになりそうなものあまりなかったけどね」
清香がため息をついた。
「今日は、コヒメちゃんも連れてきてよかったのかな?」
「大丈夫じゃない? 今日も煉獄さんがお店手伝ってくれているし。でも、わたしが見滝原を離れることができないっていうのは速くなんとかしないといけないしね」
美炎の言葉に、清香も頷いた。
一方、コヒメ。
美炎と清香の話にも我関せずとばかりに、彼女は今図書館で借りてきた絵本を見下ろしていた。
「コヒメ。……何読んでるの?」
「本」
端的に答えたコヒメ。だが、コヒメはピタリとも動かずに読み進めている。
本の中身は、大きなイラストに、文字が散りばめられている。絵本のようだった。
「これ……とっても面白い」
「面白い? 何々? 白雪姫? シンデレラ? それとも……」
「日本神話だね」
コヒメを挟んで反対側。清香が屈んで、彼女の表紙を覗き込む。
「え? にほ……何? 絵本って、三匹の子豚とか赤ずきんとかじゃないの?」
「美炎ちゃん……刀使なんだから、多少はこういう知識持っていてよ。コヒメちゃん、面白い?」
「ちょっと……面白い」
コヒメが、鼻から息を吐いた。
彼女が呼んでいるページ。そこには、大きな八体の蛇のイラストが掲載されていた。
「うわっ! 蛇! 大っきい! 一杯いる!」
「これ、
驚く美炎に対し、清香は中腰で話を進める。
「山田さんのお家?」
「違うよ。八岐大蛇」
清香は訂正した。
「で、その山田のオロチは……」
「だから……! 八岐大蛇だよ」
「みほの。ひょっとして頭悪い?」
「なっ!?」
コヒメの何気ない一言で、美炎は凍り付いた。
一方、コヒメはやっぱりと言った顔で「あー」と言葉を伸ばす。
「大丈夫大丈夫。人には出来ること出来ないことがあるから。みほのもきっといいことあるよ」
しゃがんだ美炎の頭を撫でるコヒメ。
涙目になる美炎は、コヒメの手が動くごとにどんどん悲しくなっていった。
「う……で、何て名前だっけ?」
「八岐大蛇。頭が八つあるでしょ? 八つの又に分かれているから、八
「な、なるほど……」
清香の説明に納得しながら、美炎はふと思いつく。自らの左手を出し、その指を数えた。
「ひい、ふう、みい……あれ?」
「どうしたのほのちゃん」
「おかしいよ。頭が八つなら、又は七つだよ?
「む、昔からきっとヤマタと決まってるんだよ!」
「何で? 何でそんなややこしい名前になってるの?」
「し、知らないよ!」
清香の顔に、「ほのちゃん何でこういう時に鋭いの?」と書いてあった。
「でも、蛇かあ……こんなに
美炎は、コヒメが夢中になっている蛇のイラストを見ながら言った。
八つの蛇の頭が、白い礼装を纏った
「うわあ……この服、かっこいいな……」
最初は蛇を見ていたはずなのに、いつの間にか男の服に目移りしていた。
「みほの、これ好きなの?」
コヒメが巫覡の服を指差す。
巫覡の服装。
白い和服をモチーフにしたものだが、神社育ちの美炎の目には、なぜかとても特殊なものに思えた。
「好きって言うか、なんか目が離せないかな」
「美炎ちゃん……まさか、この巫覡さんに恋!?」
「そんなんじゃないよ。そもそもわたし、このお話知らないし」
美炎は両腕を振った。
そんな美炎の反応をしり目に、コヒメは頭を抑える。
「このお話……多分、本当にあったんだと思うよ」
「え?」
美炎と清香の目が点になる。
コヒメは続けた。
「この、主人公のスサノオって人は分からないけど……多分、この八岐大蛇って、大荒魂の一つだと思う」
「え!?」
そのカミングアウトに、美炎と清香は顔を見合わせる。
大荒魂。
刀使が古来より戦い続けてきた異形、荒魂。その中でも、特に強大な力を持つもののことを示す。
それは、可奈美が聖杯戦争に関わることとなった遠因であるタギツヒメ。かつて美炎、清香をはじめとした調査隊と呼ばれる部隊が倒したスルガが該当する。
通常の荒魂に比べ、能力も力も、そして内臓するノロと呼ばれる物質もけた違い。刀使にとってはまさに大敵という相手である。
「ふーん……で、この大荒魂はちゃんと討伐されたの?」
「それは……コヒメちゃん、もう読んだ?」
「うん。この、スサノオって人がやっつけてるよ」
「そうなんだ。だったら、今はもう心配なさそう!」
ニコニコと美炎が言った、その時。
「きゃあああああああああっ!」
突如として響く、女性の悲鳴。
同時に、コヒメを突き飛ばした黒い影。
「わっ!」
「コヒメ!」
美炎は、バランスを崩したコヒメを受け止める。
コヒメの手から落ちた手提げ袋からは、図書館で借りてきた本たちが散らばった。
「ちょっと!」
美炎が声を荒げる。
コヒメに激突していたのは、全身黒ずくめの男だった。サングラスを付けるほどの日差しではないからこそ、その特異性が目立つ。がっしりとトートバックを胸に抱えていおり、見ただけで怪しさを感じてしまう。
彼は美炎とコヒメ、そして清香を一瞥し、走り去っていく。
「な、何なの? あれ……」
清香が戸惑いの声を上げる。
その時。
「引ったくりよおおおおおおおおお!」
空気を震わす悲鳴。
運動をしていなさそうな中年女性が、必死に走ってきているところだった。
彼女は美炎たちの前で膝を支え、黒服の男を指差す。
「た、助けて! 引ったくりよ!」
「引ったくり!?」
その単語に、美炎は思わず駆け出した。
抜群の運動神経で、彼の後ろを追いかける。
刀使である美炎の運動能力は、当然常人のそれを大きく上回る。
あっさりと、成人男性の腕を掴む。
「ちょっとストップ! ダメだよ、人の物を盗んじゃ!」
だが、引ったくり犯は即座に腕を引く。
すると、バランスを崩した美炎は、そのまま体勢を崩した。
「うわわっ!」
両手で、倒れる体を支える。
だが、その間にすでに彼は美炎から遠く離れていく。
「ま、待って! あ、清香! 先にコヒメと帰ってて」
「え? う、うん」
ほぼ不意打ち気味に、清香は頷いた。
美炎はコヒメを預け、そのまま改めて引ったくり犯を追いかける。
住宅街を越え、川を越え、公園を越え。
やがて、美炎が来たことがない見滝原の奥地へどんどん進んでいく。
幾つか地区を越え、大きな道路の中で。
その時。
「とうッ!」
それは、美炎の頭上。
歩道橋の上。そんな時間はないはずなのに、その姿に美炎は一瞬見惚れてしまっていた。
寒天の春空を泳ぐ、たった一つの影。
美炎を越え、窃盗犯を越え。
右膝と左手を地面につける三点着地。所謂スーパーヒーロー着地とも呼ばれる膝に悪そうな着地したそれは、少女だった。
褐色気のある髪をした、明るい顔付きの彼女は、凛々しい顔付きで引ったくり犯を睨む。
「それ以上はダメだよッ!」
彼女は、そのまま仁王立ちといった体勢で、引ったくり犯に構える。
引ったくり犯は、構わず少女に激突。
だが、少女は格闘技のように腕を繰り出し、犯人の腕を掴まえる。
そのまま、彼の腕を自らの肩に乗せ、そのまま肩を軸に放り投げた。
「我流 当て身投げ!」
音をたてて地面に落ちた引ったくり犯。痛みに呻きながら、彼は手のトートバッグを手放した。
「もう、こんな悪いことしちゃ駄目だよ!」
「ひ、ひいいいいいっ!」
笑顔を見せる少女。それにすごまれて、引ったくり犯は一目散に逃げていった。
「すご……」
その一部始終を見届けて、美炎は口をポカンと開けていた。
一方、トートバッグを拾い上げた少女。彼女は笑顔で、それを美炎へ差し出した。
「はい、これ。盗まれちゃダメだよ」
「ああ、これわたしじゃなくて……」
「ああ、ありがとう……!」
追いついてきた、引ったくりされた女性。彼女は、息を大きく吐きながら、少女からトートバッグを受け取る。
「助かったわ……! 二人とも、ありがとう! 何かお礼をしなきゃ……」
「あ、いえいえ。これくらい、へいきへっちゃらッ!」
少女はそう言いながら、女性の礼を遠慮する。
「なんてこと……こんな世知辛い世の中に、あんた達みたいな殊勝な若者がいるなんて、おばさん嬉しいよ……」
「ああ、いいですから! 気にしないでください! ……ほら、君も!」
「う、うん!」
少女に促されて、美炎もまた頷く。
そのまま感涙していった女性は、手を振りながらその場を去っていった。
女性の姿が見えなくなったところで、美炎は少女へ言った。
「君すごかったね! 着地から全部、まるでヒーローみたいだったよ!」
「ありがとう! でも、今一番カッコよかったのは、わたしじゃなくて、最初から人助けをしようとしたあなただよッ!」
「いやあ、そんなことないよ……あ、それより、ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「わたしも! 聞きたいことがあるんだ」
そして、美炎と少女は、同時に笑顔で言った。
「「ここ……どこ?」」
見滝原ではある。
それ以外、美炎にも少女にも、全く手がかりがなかった。
ココア「うーん……よし! 今日もこれから、ラビットハウスで頑張ろう!」
千夜「あら? ココアちゃん、今日バイト?」
ココア「そうなの。新しく煉獄ってお兄さんが入って来たから、いろいろ教えてあげなくちゃ」
千夜「また新しく入ったのね。いいわね。どんどん人が増えていって」
ココア「千夜ちゃんだって。甘兎庵に、紗夜ちゃんが入ってるんでしょ?」
千夜「ええ。快感よ。あの鬼の風紀委員を顎で使うことが出来るなんて……」
ココア「千夜ちゃん……あいたっ!」
???「あ、ごめんなさい」
ココア「あ、うららちゃん。大丈夫だよ」
うらら「そう……」
千夜「うららちゃん、もしかしてこれから図書室?」
うらら「ええ」
ココア「うわー、すっごい勉強するよねうららちゃん。でも、最近山田君と結構親しいって噂だよ?」
うらら「気のせいよ」
千夜「いやいや、これはスキャンダルの匂いがするわ!」
ココア「特に、最近山田君もうららちゃんの影響か、授業サボることも少なくなったよね! その代わり、その時大体うららちゃんいないけど……」
うらら「……失礼するわ」スタタ
ココア「……千夜編集長。これはどう思いますか?」
千夜「図書室で勉強とは方便で、本当は山田君と密会を……!?」
ココア「追いかけよう!」
図書室にて
ココア「あ! うららちゃん!」
うらら「ああ? 何だよ」
ココア「さっきまでとキャラが全然違うよ! あれ? あっちに山田君が……」
山田「……」黙々と勉強
ココア「逆に普段不良で授業サボりの山田君が勉強してる!」
千夜「これは、もしや……!」
___くちづけDiamondを あなたの指に渡そう 形のない約束 いつだって 思い出して___
千夜「きっと、人格の入れ替わりよ!」
うらら「なっ!?」
ココア「そんなベタな……」
千夜「いいえ! この学校には、七人の魔女がいるって都市伝説をきいたことがあるわ! テレパシーとか雲隠れとか……その中の一つよ!」
ココア「そんなまさか……」
うらら「ち、ち、ちげーし!」
千夜「2015年の4月から6月まで放送していたアニメにも、そんなものがあったわ!」
ココア「この流れでまさかの紹介コーナーやるの!?」
千夜「やるわ! 今回は珍しくシリアスな話じゃないもの! 今回を逃したら、レギュラーじゃない私の出番が次いつになるのか分からないわ!」
うらら「何か、すっげー燃えてる!」
ココア「千夜ちゃんが壊れた!」
千夜「そんな今回のアニメは、山田くんと七人の魔女よ!」