刀使と紡ぐ物語   作:生き甲斐探す

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今は天馬が別格みたいになってますけど、その内パワーバランスなんとかするのでどうぞよろしく!


親友と事実

「でもまぁ良かったじゃねぇかよ。捕まるのにビビって化物に背を向けるならてめぇの目的は一生果たせねぇからよ。」

 

「!?おまえ…あの時の攻撃が見えていたのか?」

 

「…?」

 

「…話はあとだ。チンタラしてっと見つかるぞ。」

 

そう、彼らには時間制限が設けられている。具体的な時間の縛りはない。だがアバウトな、できるだけ速やかにその場をあとにするという、つまり早期決着を余儀なくされていた。

 

 

「私が行くから、姫和ちゃんと天馬さんは後方支援をお願い。」

 

目の前の障壁はまるで化け物だった。。荒魂で間違いはないのだろうが、聞いていた情報とは比較にならないほど禍々しい。

 

(…人工穢れってところか。)

 

「迅速、八幡力。」

目の前の荒魂に向かい迅速のスピードを駆使し御刀を振るう可奈美。その剣筋は標的にまっしぐら。まるで姫和の突きのように真っ直ぐに突っ込む。

「ハァァ!」

 

可奈美の攻撃を突然の飛行で回避し後方の姫和に向かい迫る荒魂。

 

「外した…」

「ごめん姫和ちゃん。」

 

 

「ああ!任せろ。」

 

「はあぁぁ…たっ!」

 

それに対応するように振るった姫和。その斬撃は確実にダメージを追わせた、ように見えた。だが…

 

「ッッしまった 浅かったか!」

 

(「一の太刀」を放った消耗がここまでとは…)

 

披露のせいかその斬撃は荒魂に致命傷を負わせるには叶わなかった。姫和自身今写しを張るだけで精一杯。

急旋回でそのまま空へ舞い上がられる。

(陣形が乱れた。いくら数の利がこちらにあっても、祓いきれない。更に空中となると我々だけでは打つ手が…ない…)

早期決着。それが条件だった。チリチリと姫和の表情に焦りが見え始める。

 

(このままでは管轄の刀使が押し寄せてくる。)

現実が突き詰めてくる事実。それが姫和をより一層焦らせていく。

 

よもやここまでか、そんな考えが頭にうかんだ刹那。

 

「ドッガァン!!!」

と少年の声が鳴り響いた。

 

声のする場所、即ち上空を見上げると先程までそこにいた荒魂の姿はない。

 

 

(何か起きた??)

先程まで上空を漂っていた物は消え失せ、心なしか降り注ぐ邪心の消えた塵。地上に降り立った天馬のあとを追いかけるように星型のセーマンが浮ぶ。あまりにも未知な領域に理解が追いつかない二人。

 

「ヘッ、この程度かよ、んん〜?」

 

「すごい!」

 

「…貴様、何をした?」

 

「ノロはどうなった?…天馬、貴様一体何者なんだ?」

 

「…チッ。後で説明ならしてやる。」

 

 

「それよりも、来客だ。」

 

 

 

「可奈美ちゃん!!!」

 

「舞衣ちゃん?!」

 

「…美濃関の追手か。」

 

「待って姫和ちゃん!舞依ちゃんは私の親友で、舞衣ちゃん、どうしてここに?」

 

「スペクトラムファインダーに荒魂の反応が出たから。…ノロは見当たらなかったけど、貴方が退治した所は見ました。」

 

(チッ…見られたか)

 

「一応ノロの回収を要請しておきましたのでじき部隊が到着します。」

 

「…可奈美の親友だったな。だったらなぜ御刀を向ける?」

 

「貴方達が可奈美ちゃんを危険にさらしているからです。可奈美ちゃんを守る為なら愚行な行為も躊躇いません。」

 

「ちょっと二人共御刀を収めて!」

 

「…聞いただろ。向こうにその気はないようだ。」 

 

 

「聞いて可奈美ちゃん。学長が約束してくれたの。私と一緒に帰ったら罪を軽くしてもらえるように全力で守ってくれるって。」

 

 

「…好都合だ。それなら可奈美、お前はここで戻れ。」

 

 

「…ですが、十条さん。そこの貴方も、私達と一緒に折神家へ同行してもらいます。それが条件です。」

 

 

「それはできない相談だな。」

 

きっぱり言い張る姫和。

そして小烏丸の御刀を再び構える。姫和の構えた型は一種の威嚇の構え。

「だったら力でねじ伏せるまでです!」

 

だが、

迷いなく構える舞衣にはその威嚇は通じない。覇気の籠もるその目には殺意すらも感じる。

恐らくだが、柳瀬舞衣はかなり怒っている。可奈美の行為もだが、親友を巻き込んだ二人に。

 

フッと写しが張られた直後。柳瀬舞衣の素早い迅速が迫り、戦闘が行われる。

 

…予定だった。

 

今回は天満の仕業ではない。 天馬は微動だにしない。一切動かなかった。

 

 

それをいいことに、一騎打ちを始めようとした両者。

迫りくる柳瀬舞衣、それを迎え撃とうとした姫和だったが、その間に可奈美が割り込んだのだ。

 

御刀を受け止め、臨戦態勢の舞衣に" お願い"と語りかける。

 

「…ごめんね、舞衣ちゃん。私達ここで捕まるわけにはいかないの。」

 

「!?可奈美ちゃん」

このタイミングで彼女は、御刀をようやく収めた。可奈美が割り込んできたことが、主な理由だが、それでも彼女は崇拝する者を捨てられない。

だが、可奈美が強要されている思い込んでいた舞衣には可奈美が割り込んできた理由がわからなかった。

「…どうして…」

 

「私見たの!紫様の後から出てきた黒い影を。そして何もない空間から御刀を取り出して…」

 

「…やはりお前には見えていたのか…」

 

「うん…一瞬だったし見間違えかと思ったけど……あれは荒魂だった。だから多分姫和ちゃんのしようとしてることは間違いじゃない。」

 

「荒魂?…そんなはず…あの人は折神家の当主で大荒魂討伐の大英雄で…」 

 

「…違う。奴は折神紫の姿をした大荒魂だ。」

 

「じゃぁ、折神家も…刀剣類管理局も…国伝も…」

 

「そのすべてを荒魂が支配している。」

 

「…とにかく私は姫和ちゃんを一人にはできない。」

「だからお願い、舞衣ちゃん。」

 

時に言葉は残酷だと思う。お願い、その一言がどれだけの束縛力をもつかは計り知れない。可奈美は舞衣に見逃せと遠回りに強要している。

だからだろうか、少し申し訳そうに頼み込む。

 

「…十条さんを手伝うの?」

 

「うん…ごめんね。」

 

「…本気なんだね?」

 

「うん。…」

 

「わかった。わかってるよ。可奈美ちゃんがする事はいつも本気だってこと。」

 

 

「これ、忘れ物。他の荷物は押収されて返してもらえなかったんだ。」

 

 

「…ありがとう。じゃぁ…行くね。」

 

「うん、またね。…十条、可奈美ちゃんをお願いします。」

 

「私は自分の果たすべきことを果すだけだ。」

そう言い残すと先を急ぐため、一度だけ振り返り先へ進みだした。

舞衣はその様子に、にこやかにお辞儀をする。

「そこの貴方。何者かはわかりませんが二人をお願いしますね?」

 

「…心配しなくても手は出さねぇよ。」

 

そう言い残すと彼も後を追った。




燕結芽ちゃんにご登場願いたい一心です。

予定として、アニメの最終までかけたら天馬編に入ろうかなと
彼の壮絶な過去 すごく書きたい。
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