刀使と紡ぐ物語   作:生き甲斐探す

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とじともの姫和 めちゃんこかわいい


かわいいデレデレ姫和をいつかかけたらなと思う人生。


弱さを認める者

「反逆者二人を生み出した罪は大きいぞ!  

                両学長!!!」

凄まじい程の怒鳴り声が刀剣類管理局に響き渡る。

何なら清々しいとすら感じてしまえる。

現在、とある一室には声の主高津学長と平城、美濃関の両学長、親衛隊から皐月夜見、柳瀬舞衣の5名がいた。

 

「…親衛隊は何をしている!!…夜見、紫様のお側に在りながら…何たる醜態だ!!巫山戯るのも大概にしろ!!」

 

 

「まぁまぁ、そのへんにしてぇな 親衛隊にはご当主様(紫ちゃん)の護衛があんねんから」

 

「その護衛がシッカリしていればこんな事にはならなかった…うちの沙耶香を親衛隊に入れておけばよかったものを…」

 

そんな最中高津の目に別の少女が映る。

皐月夜見から柳瀬舞衣へ、失敗者同士一括の部屋では彼女にとって誰をターゲットにしても関係ない。

 

 

「…柳瀬舞衣…貴様も…反逆者を目視しておきながら…見す見す逃がすとは!どういうつもりだ?」

 

「私は刀使として、目の前の被害を、ノロの回収を最優先し、」

 

「荒魂など放置しろ!!そもそもノロを回収できていないだろ」

 

その声色に怖気づいたのか、目に涙を浮かべ、それでも訴えかける舞衣だが、冷静さを欠いた高津の目にはそれさえも格好の的に見えてしまう。

 

「…貴様、まさか逃亡補助か???」

 

フッと憐れむかのように笑い失敗者を陥れようと更に追い打ちをかける。

逃げ場のない恐怖からカクカクと足を震わせる舞衣。

その様子に興味をなくしたのか、単に怒り飽きただけなのか、高津はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「昔は、先輩、先輩ってようなついたかわいい後輩やったのになぁ…」

 

「いつからタメ語に…」

 

「意外と時間って短いですね…」

 

「そやね、じゃぁ私はこんくらいでお暇させてもらうわ…よぅ頑張ったな…舞衣ちゃん…」

バイバイと 平常女学院学長、五條いろはは、そう言い残し皐月夜見と共にその場をあとにする。

皐月夜見自身、もともとこの部屋にいたのは、あくまでも客人のもてなし役であったためのようでその必要がなくなればこの部屋にいる必要はなくなる。

 

騒がしかった高津が消え、空気をその場を静寂が支配する。

 

あまりにも静かな空間に感傷的になる舞衣、何とかすんでの所で留めていた涙が一気に溢れ出す。

 

「おいで?」

それを見越してか、羽島は舞衣を抱き寄せる。

羽島の安心感からか、温かさからなのかはわからないが、涙腺が緩み声を出し泣き出してしまう。

 

悔しさ、悲しさ、それ以上の辛さに涙が応えてしまい、まさに涙が止まることを知らない。

 

 

「ヒグッ ヒグッ 学長、わたし わたし 可奈美ちゃんをッ」

 

「強がらなくてもいいのよ、柳瀬さんはよく頑張ったわ。」

 

 

 

 

少しの間彩され落ち着きを取り戻した舞衣。

「私、事の重大さは理解しています。それでもッ 

可奈美ちゃんを信じていて…」

 

「フフッ やさしいのね。 三人なら大丈夫よ」

 

舞衣はその本来学長から出てはいけない発言に疑問を持った。

 

 

 

 

 

「紫様も紫様だ…沙耶香、不要な御前試合は負けてしまったけれど、私にとっては関係ない。あなたの価値は変わらないわ…」

 

 

「そう、任務達成率百パーセント、それがあなたの価値なのよ。」

瞳を覗き込む高津。その目は糸見沙耶香を移しているようです移していない。

まるでコレクションの一つをおもちゃ箱から取り出すように、頬を撫で触る。

 

コレクションの一つとそう称された者、糸見沙耶香はそれをわかっていながらその感覚に身を委ねる。

 

そこには彼女の意思など存在しない。 

 

 

コクリと頷き求められたように体を動かす。

 

まるで人形のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がラッと扉が開き姫和が入ってくる。 

風呂上がりの為か、肩にはバスタオルがかけられており、髪も少。し濡れていた。服装もラフなパジャマに代わっている。

まぁ、それは天馬も同じなのだが…

 

それでも制服しか見たことなかった天馬には少し新鮮に見えた。

 

状況整理(秘密の話)は終わったかよ?」

 

「…あぁ、」

 

天馬の隣に並び夜風に当たる姫和。

少し間を置き本題を持ち出す。

「……天馬、話がある。」

 

そう言う少女の面構えを天馬は確認する。目元は薄っすらとだが赤みがかっていたが、それ以上に目つきが先程とは違っていた。

覚悟の決まった目だ、そう感じた。

 

「…へぇ…なんだよ 」

 

その返答には姫和への称賛が含まれていた。なんせ意図的ではないにしろ一度、抉られた心の傷はそう簡単に克服できない。天馬がそうだったから…

弱さを突き詰めらてた者が再び立ち上がるのには時間がかかる。

 

(…コイツ…)

 

「先程、可奈美と折神紫について(昨日のこと)を話していた。可奈美には折神紫の荒魂が見えたらしい。」

 

歯ぎしりの音が聞こえた。それは他者への嫉妬ではなく、純粋に自身の弱さへの怒り。

それでも続ける姫和。

 

「迅移で最高速まで加速していた…私でさえ見えなかったというのに…」

 

「…それで?」

姫和は自覚してしまった。己の力不足を…一人でやりきると、そう告げるには実力不足だった自身を。

だから諦めるというわけにもいかず苦しんでいた彼女。

 

「可奈美やお前を巻き込んでしまった事は申し訳なく思っている。それでも…私は折神紫を撃たなければならない。私の命に代えても。」

 

「だから、」

手伝ってくれ そう言いかけるもその言葉は止められてしまった。

 

天馬は知っている。誰かを頼ることの怖さを。

裏切られるかもしれない。恨まれるかもしれない。

そんなつらさを知っている彼だから。彼女のつらさを受け入れられる。

「巻き込まれてやる。だから…………」

 

 

 

 

 

 

 

そこから先は話をした。

父母を早くになくしたこと。自分が少しばかり有名な家柄に生まれてしまったこと。本心では可奈美をこれ以上巻き込みたくないこと。

天馬のことも少し聞いた。驚いたことも多かった。彼はどうやら陰陽師らしい。街角などでよく目にする役職だが、あまり活動している姿を見たことがなかったので半信半疑だった。

思えば天馬の話を聞くのはこれが初めてだった。

 

シンミリとした話だけでなく当たり前の学生の様な会話もした。天馬の友人の話は面白かった。彼はトリ丸と呼ばれているようで、ライバルのようなものだとか。

結局、天馬は友人でもライバルでもないと言い張っていた。だが、トリ丸と呼ばれるその少年を語る天馬は年齢相応の生き生きとしていた。

 

天馬から聞いたのは、姫和の体験したことのない、短く、切なく、最初は恐る恐るだったが、距離を詰めゆっくりと歩み寄った、笑いの絶えない。そんな話だった。

 

「それでよ、トリ丸がよ…って聞いてんのか?」

 

「んっ、あぁ…すまない。流石に疲れた。」

そう言う姫和は目をこすりあくびをする。

いかにも眠そうだ。その仕草に彼は幕引きを感じたのだろう。

 

「わぁった、寝ようぜ。」

 

そう言いベランダから出ようとした彼は引き止まった。

 

振り返り姫和を見つめる。

 

「…さっきはすまなかった…」

 

「?」

 

「…って言ってんだよ。」

 

「?聞き取れなかった。」

 

「ダァー!いいか、もう言わねぇぞ。」

 

「…さっきは言いすぎた。悪かった。」

 

姫和はその日、天馬のことを少しわかった気がした。

 

本当の強さも。

 




どうも可奈美と姫和の直接的なからみが少ない気がする。

「私が半分持ってあげる。」 


書きてぇー
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