FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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ドルフロにFallout: New Vegasぶち込めたら面白そうとかいう、そういう妄想から生まれました。



Mojave Express

 どうしてこうなった……

 

 UMP45は今の状況に必死で思考をまわす。

 今まで無理難題や危険な任務をやってきて多少なりとも404小隊が危機的状況に陥ったことはあった、あったが……

 

『……近距離ラインまで接敵された、しかもステルスも入り混じってる』

 

「光学迷彩ステルスなんて! ただの一端運送会社とは違うとは思っていたけど……!」

 

『チッ! ダミーを連れて来ればよかった!』

 

 416が今更遅い悔やみながらの台詞を吐いているのが聞こえる。

 

「416、G11! 接近してる敵を優先! 近接攻撃主体だから遠距離の敵はとりあえず無視!」

 

 そもそも情報ではモハビ・エクスプレスの人員はごく少数で戦術人形もいないという、今回の任務はそれぞれ404小隊のオリジナル一人ずつでよかったはずだったのだ。

 実際に情報をもとに待ち伏せをしてモハビ・エクスプレスの人員を銃で脅しつけて目標の輸送物を奪って終わりだったはずだったのだが……

 

『45姉! アイツの姿が見えない!』

 

 焦った様子のUMP9が情報を伝えてくる。

 

 ……どうすればっ!? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モハビ・エクスプレス?」

 

「そうよ、その会社が運送してる何かってのが今回の作戦標的よ」

 

 ヘリで輸送中の404小隊は作戦直前でのブリーフィングをしている途中、聞き慣れない名前だと思った416の質問にUMP45が答えた。

 

「初めて聞いた名前だけども、グリフィンとI.O.Pが雁首揃えて指令してくるってのはなかなかないよねー」

 

「どうでもいいから、早く終わらせて寝たい……」

 

 他の404小隊のUMP9が座席で足を投げ出しながら言い、その向かい側のGr G11は興味ないといった風に眠たげに言う。

 

「最近になって名が出てきた会社よ、モハビ・エクスプレスは正規軍やPMC相手に大量物資輸送を受け持つような会社とは違って、直接依頼主から貴重品等を秘密裏に輸送することを主としている会社みたいね」

 

 説明を続けるUMP45、404小隊はG&K、つまりはPMC会社であるグリフィン&クルーガーの暗部部隊として度々駆り出されているが、そのせいか全員指示に対して真摯な対応をしているとは言えなかった、指示を担当するUMP45本人ですらも。

 

「グリフィンとI.O.Pからの直接指示って45姉、これ絶対ろくなことにならない任務だよね」

 

「まぁ、そんな予感はするわね……いつものことだけど」

 

 そんな会話をする人形たちを輸送しながらヘリは目的地の鉄血との抗争で廃棄された市街地へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目的地の旧市街地へヘリで降り立った四人はそれぞれのポジションへ移動する。

 今いる旧市街地はかつての第三次大戦での核攻撃で放射能汚染された為に放棄され、汚染は低濃度ではあるがいくら自分たちが人形だからといって長居はしたくない場所だ。

 

「基地に帰る前に除染させてくれないかしら」

 

 人形とはいえ放射線がまったく影響ないというわけではない。

 UMP45は独り言ちながらじっと周囲を警戒する。

 今回の作戦は待ち伏せだ、情報によるとモハビ・エクスプレスはこの旧市街地を通過していき、目的地はI.O.P本社らしい。

 

(お互い任務指示にI.O.Pが直接絡んで目的地もI.O.Pと…… 事情は知るつもりはないけどご愁傷様ね)

 

 だまして悪いが、なんて自分たちの仕事柄よくある話だ。

 

『……たぶん標的だと思うのが近づいてるよ ……ふぁ』

 

『今寝たらマジでそのまま置いてくわよ』

 

『言われなくてもわかってる……』

 

 G11の眠そうな声と416の釘を刺す声が通信越しに聞こえてくる。

 続いてUMP9からの通信が入る。

 

『45姉、こっちも目標を視界にとらえたよ』

 

「OK それじゃ作戦開始といこうかしら」

 

 

 

 404小隊が待ち伏せている旧市街地に現れた人物は一人だけだった。

 いや、正確には一人と一体と一匹だった……

 

 一人は厚手のロングコートを着込んでいてコートの隙間からはコンバットアーマーらしいものを装着しているように見え、頭部はヘルメットとフルフェイスのガスマスクを装備しており側頭部には補助用のセンサーアイらしきものが取り付けてあった。

 全体的に使い古しの装備なのかところどころ修復の跡がみられ、ヘルメットなどは何か落書きがされているようだった。

 

 一体はおそらくはドローンか鉄血製のスカウトのようなロボットだろう。

 人の頭より一回り大きなサイズの丸いボディーにセンサーやアンテナが取り付けられ浮遊している、こちらも少し古ぼけたようで金属製のナンバープレートが張り付けてあった。

 

 そして一匹は犬だった。

 ……いや、犬とはわかるのだがどうにも普通ではない、体半分が機械化されており四肢もそのまま生身なのは前足一本だけ、そして更に普通ではないのは頭部だ、脳味噌が半球状のクリアケース内部で保護されて浮かんでおり丸見えなのだ。

 

 

 

 この一人と一体と一匹が404小隊と対峙したのが最初の出会いだった。

 




連載になったらこれがプロローグになるんでしょうね。

追記:なってしまいました。後の話を繋げるため修正しています。

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