とある古い貸倉庫の薄暗い中で、そこに男達が数人あつまり何やら話し合い会合をしていた。
一人を除く男達は俗にいう人類人権団体と言われている者達で、人間のあるべき権利を侵害しているとして人形には排他的で時によっては見るに堪えない悪逆非道なこともすることでもよく知られる集団だ。
その一部では過激派テロリストの扱いを受ける集団もあり、今いる集団もそういったものに部類されている者達であった。
「で? 注文してたブツはちゃんともってきてたのかよ?」
「半端なモンもってきたのなら、そのまま無事でいられると思うなよ!」
凄みながら問い詰める人類人権団体の男達は部外者であるとある一人の人物に対して高圧的な態度で口々に言う。
その部外者の人物……運び屋は落書きされたヘルメットにフルフェイスガスマスクとコンバットアーマーの上に使い古したロングコート衣装を着たいつもの出で立ちで頷くと、大きな木箱を抱えながら男達に見せる。
運び屋が木箱を開けるとそこにはかなり大型のガス圧式のカタパルト射出機のようなものが出てくる、作りがあまりにも簡素であり、簡易的な構造だと見て取れた。
「おい、ふざけんな! なんだこれは! 高い金を要求しといてこんなもんが強力な武器だと!?」
その射出機、名をファットマンと言い圧縮したガスにより弾頭を発射するだけであり、たしかに言われた通りとても簡素な構造の武器であった。
問題は、その射出される弾頭がミニ・ニューク……つまりは小型核弾頭というトンデモ武器、いや兵器なのである。
それを運び屋から聞いた男たちの態度は驚きと疑いの入り混じる態度に変わる。
「おい……まじかよ、へへ、ならいいんだけどよ」
「本当なんだろうな? これが……」
「ちょっと待て…… おい、その肝心の弾はどこだよ?」
だが途中で肝心の弾頭が木箱の中のどこにも見当たらないことに気が付く。
問いただすと別売りだと言う運び屋に男達は憤る。
「は? ミニ・ニュークは別売り!? ふざけんな!」
「とにかく先に金を出せだぁ! ……テメェ舐めるのもいい加減にしろよ」
殺気だった男達は運び屋を囲み、それぞれ刃物や銃器を構えて近づくが、全く動じてない運び屋はとにかく金を払うように要求し続ける。
「本当だったら、はした金でも払って追い返してやろうと思ってたがよ……気が変わったぜ、テメェを殺して全部貰うぜ!」
男のその台詞で、運び屋は気が付く。
特に相手に対して交渉が通じるかという見極めに対してはかなり秀でた天性を持っており、応か否かが確実に見極められるほどだった。
その時点で人類人権保護団体を名乗る男達の末路が決まってしまった。
彼の愛銃の銃口が硝煙を吐き出しながら
そしてその場にいた運び屋以外の全員は、彼の拳銃が腰のホルスターからいつの間にやら抜き取られているのに気が付かないまま、脳天に.45 Super ACP弾*1が撃ち込まれ頭が弾け飛ぶ。
運び屋の周りに首から上のない死体が転がる光景は、さながら
死体となった男達の武装はナイフや拳銃しかでてこず、どうやらテロリストと言われる割にはチンピラ程度の武器しかなかったことに残念がる運び屋、何か有用な物がないか死体を漁った後、貸倉庫の中を探し始めた。
しばらく運び屋が貸倉庫内を物色していた所で物音が微かに聴こえていることに気が付く。
物音が聴こえた物置の陰を見ると、そこには錠がかけられた鎖で雁字搦めにされている古いロッカーがあった。
運び屋が鎖に掛けられた錠とロッカーの鍵をヘアピンで軽々と
朱い髪をツインテールにした人形は酷い有様で、人形用の強化手錠を掛けられ衣服が意味をなさない程に破かれていた上に複数の殴打の跡、おまけに口は丁寧にガムテープで塞がれており、どうやら男達のあらゆる欲望の捌け口として使われていたと見て取れた。
だが人形……いや彼女、CZ75の眼は未だ折れておらず目の前の運び屋を睨みつける。
運び屋が口のガムテープを剥がすと出てきた言葉は──
「アイツ等を殺したあとはアタシかよ、武器商人、いや殺し屋か?」
黙ったままの運び屋を射殺さんとばかりに睨み続けるCZ75。
「目撃者は生かして返さないってか、人間ってやつはホントに徹底して腐ってやがるな」
どうやらロッカーの隙間からことの顛末を見られていたらしく、運び屋のことを武器商人か殺し屋と勘違いしているらしい。
やってることが実質的には同じである為、否定する要素はなに一つもないが……
睨み続けていたCZ75だったが、ふとにやけた顔になった。
「だけどよ、最後にアイツ等が死ぬ様を見れたのはスカッとしたぜ。 それが見れただけでも……」
幕を引きたいのかと問いかけた運び屋、もしCZ75がそこで頷けば間違いなく彼女の頭は撃ち抜かれていただろう。
運び屋がテロリストに武器を売ろうとしていたのは事実で、見られたまま放置するのはデメリットしかない。
だが、CZ75の人の眼に映った意思、汚い欲望に犯されてもなお挫けぬ意思に非常に興味を持った。
運び屋は人形を道具として認識している。
道具だからといって粗末に扱ってもいいものでもないし、大切に扱い過ぎて愛でるべきでもない、道具は用途に合った使い方をするべきだというのが運び屋の考えだ。
「……嫌だね。 噛みついてでもオマエに、人間に、最後まで抵抗してやる!」
これを使い捨ての道具のままにして置くのは運び屋にとって酷くもったいないように思えた。
あと運び屋のことをちゃんと人間と認識しているのも好感が持てた要因だった。
やっぱり、あの鉄血人形の眼は節穴だったと考えながらCZ75に手を伸ばし──
「そこまでよ! 彼女から離れなさい!」
突如、運び屋の後ろから警告の声が発せられた。
運び屋が後ろを振り向くとそこには桃色の髪をした戦術人形、ST AR-15が銃口を向けていた。
ここで過激派人類人権団体が武器取引がされるという情報を元にAR小隊が駆り出されたのだが、いざ屋内を探れば多数の頭のない死体とロッカーに押し込められているCZ75、状況から見て明らかに運び屋が怪しいとしか言えない光景だった。
「ゆっくり手を挙げて、下がりなさい!」
背後のAR-15に言われるままにゆっくりと手を挙げる運び屋だが、そこで顔を向けたまま見つめてCZ75に問う。 ──人を殺せるか、と
「殺してやるさ、もう鉄血人形なんかどうでもいい。 死ぬべきなのは……死ぬのは奴らだ」
「貴女何を…… っ!?」
CZ75の言葉を聞いたAR-15はどういう意味なのか聞こうとするが、そこで運び屋の足元に何かが落ちたのに気が付いた。
運び屋が落とした物、
「なっ!? おい、何すんだ」
内部から聞こえるCZ75の声を無視してそのままロッカーを担ぎ上げ走り出すが、AR-15が意識を朦朧とさせながらもそれを阻止しようとする。
「くっ! やってくれるわね! っきゃっ!?」
だが運び屋はロッカーを担いだまま器用に
そしてそのまま、窓をぶち破って外へ逃げて行ったのだった……
『AR-15! どうした応答しろ! 何が起こったんだ!? さっきロッカーを担いだ運び屋が凄い勢いで窓から飛び出て行ったのが見えたんだが……』
同じAR小隊のM16A1から通信が入るが、AR-15はどう返せばいいか分からなかった。
銃整備の仕事が増えるよ、やったねラウル!
【ファットマン】
通称ヌカランチャー、ガス圧式のカタパルト射出で小型核弾頭ミニ・ニュークを撃ち込む。
当たり前だが着弾すれば大規模な爆発と放射能汚染に見舞われる。
今回出てきたのは実の所、ガンランナーと呼ばれる店からの転売品、吹っ掛けた金額は割と暴利だったりする。
【闇に輝く光】
コルトM1911のオーダーメイド銃で、通常のM1911より銃身が短く弾倉が一発少ない、だがその威力と使い勝手はオリジナルを遥かに凌駕している拳銃。
銃身のスライド部分にはギリシャ語で聖書の一節「光は闇の中で輝くが,闇はそれに打ち勝たなかった」と彫られている。
モハビ最強のとある宣教師から託された運び屋の愛銃。
【Grim Reaper's Sprint】
運び屋はPip-BoyでV.A.T.S.と呼ばれるアシストシステムを使用し、相手を殺す度に行動力が回復する。
つまり少ない行動力で一人殺せれば、もう一回殺せるドン!ということになり、通常の視点から見れば瞬く間に次々に命が刈り取られていくチートじみた光景に見えるだろう。
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ドルフロ知ってるけどFallout知らん
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両方とも知ってるぞ
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