FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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人様の設定を借りてきてやりたい放題する奴。
焔薙さん作の【それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!】の設定を少しお借りしました。

怒られたら消すか修正します(スライディング土下座)


Why Don't You Do Right?

 とあるスラム街の一角にある建物内の朽ちかけた部屋、その部屋の中心には机が置かれ、さらにその上には年代物と思われる古いパソコンが一台だけ乗せられていた。

 そのパソコンに向かって一人の男が必死にタイピングをする。

 男はどこかおびえた風な顔つきで、額に冷や汗をかきながら最後のパスワードを入力した。

 するとパソコンはジージーピコピコと煩い音を立てたと思うと、突如パソコンから機械音声がし男に問い質す。

 

『こちらM.E社取引窓口です。 ご用件をお伺いします。 当てはまる要件内容にそって番号を』

 

「緊急の要件だ! とにかく急いでるからイエスマンを出してくれ!」

 

『特定キーワード確認しました。 しばらくお待ちください』

 

 男はパソコンからの音声案内を無視してパソコンに向かって必死に怒鳴り、パソコンのほうも応答した後に暫く沈黙する。

 そして突如にパソコンの画面がシャットダウンし、再度起動したかと思うとその画面には何とも間抜けなデフォルメされた笑顔、イエスマンが現れた。

 

『おや? 誰かと思えば! やっと人形の用意ができたんですね! いやぁ、よかったです! なにせそちらに前料金を払ったのにもかかわらず中々人形を引き渡してくれない上に、図太くも後払い料金で奴隷用首輪の購入まで言い出したんですから! 彼もかなり機嫌が悪かったですよ!』

 

「そ、それは悪かったと思っている…… だが今回は別の要件を急ぎで依頼したいんだ。 内容は……俺をS09地区から抜け出すまで護送してほしいと運び屋に伝えてほしい」

 

『えぇ? その上更に依頼ですか? 未払い滞納してる中でそれはさすがに難しいと思いますよ! 彼には伝えますけどね!』

 

「た、頼むぞ! 支払いは後でちゃんと出す!」

 

 男は必死にパソコンに移ったイエスマンに懇願する。

 

『わかりました! 彼と連絡を付けますますので暫くお待ちください!』

 

 パソコン画面が切り替わり暫くの間【Connection Lost】の文字が映り続ける。

 

 男は内心おびえながらも待ち続けた。

 その時間は数秒に満たない時間だったが、男にとってはとても長い時間のように感じられ……

 そして、再びイエスマンの顔がパソコン画面に復帰した。

 

『よかったですね! ちょうど其方が発注した奴隷用首輪の為に彼がそちらに向かっていた所だったようですよ! 実に幸運でしたね!』

 

「そ、そうか! 出来るだけ早く頼むぞ!」

 

『ええ、もちろんです! ……ところでお支払いはどうされます? 人形密売の拠点であるアジトは既にグリフィンの基地に摘発されたのでしょう? ふふふ』

 

 安堵していた男だが、その後にイエスマンに言われた言葉に顔が引きつる。

 

『先ほど入ったグリフィン本部の情報から見ますに、貴方の所の人形密売組織が摘発され商品である人形も保護されたみたいですね! ついでに貴方の口座と持ち金を予測計算しましたところ……これは困った! 全然足りません!』

 

「ちょ、ちょっとまってくれ! 他にもツテがあるんだ、未払い分以上の金額もこの地区から出れれば……」

 

『もはや貴方の逃げ先もマークされるのも時間の問題だと思いますよ? S09地区のグリフィン指揮官様は非常に優秀な方のようですね! いやその指揮下にある方々でしょうか?  向こう側に探りを入れるのにバックアップとデータ出力用に使っていたセキュリトロンが17体も電子部品が焼き切れて吹き飛び、挙句に何の成果も得られませんでしたしね!』

 

 男は冷や汗をかいた顔を更に青褪め、イエスマンの追求にどう逃げ応えるか考えを巡らせていた。

 所属していた違法人形密売組織の摘発を察知し、ブローカー役である男は我先にと逃げるつもりでモハビ・エクスプレスを頼ったのだが状況は不利どころか最悪だった。

 あくまで男は人形密売組織のブローカー、窓口であり営業役であったがまさか拠点となるアジトの連中がイエスマンが言うように人形を差し渡さず、挙句に追加注文をしているとは知らなかったのだ。

 

「……支払いについては」

 

『あぁ、ちょうどよかったです! その後の交渉ついては彼に直接してもらったほうが良さそうです!』

 

 なんとか交渉を続けようと粘る男だったが、次に言われたイエスマンの言葉に一気に緊張感が高ぶる。

 

 そして扉の開ける音がしたと思いそこへ振り返れば、いつもの落書きされたヘルメットにガスマスクに使い古したような装備……デザートレンジャーコンバットアーマーを着込んだ運び屋とその隣には、奴隷用首輪を着けたCZ75立っていた。

 

 男が初めて会った頃から運び屋は相変わらず表情が見えず何を考えてるかわからない不気味な奴だったが一人でしか来ることはなかった。

 だが今回は人形を連れており、その人形CZ75は男を気に食わないとばかりに睨みつけている。

 

「運び屋! なんなら帰る途中まででもいい、頼む助けてくれ……」

 

 男は懇願するが、だが運び屋は荷物から奴隷用首輪を取り出すと男の足元に投げ落とした。

 

「なっ、なんだ?」

 

「対価を払えってことだよ、アタシみたいにな」

 

「ふざけるな! お前のような人形風情と同じようになれと!?」

 

 CZ75は自分の首に着けられた首輪をコンコンと指で叩く。

 その意味を察した男は顔を真っ赤にして憤慨しに食って掛かるが、CZ75は睨み返して言う。

 

「オマエみたいな奴は真っ先に殺してやりたいけど、運び屋は骨折り損にはしたくないってよ」

 

 今度は運び屋を見て睨むCZ75、まさか人形密売組織からも人形を買おうとしていたとは……だが初対面の時も人類人権団体に武器を売ろうとしてたのを思い出し、よく考えれば不思議でも何でもなかったなと、睨む目がジト目に変わる。

 

(もしかしてコイツ等が人形をなかなか渡さなかったから、アタシやM3が連れてこられたのか?)

 

 そうであったのならば、人形密売組織のおかげで運び屋に助けられることになったのだろうかと、CZ75はふと思う。

 

「まぁ、考えても今更仕方がないか……それでどうするんだよオマエ」

 

 床に転がる奴隷用首輪を前に、苦り切った顔をして悩む男。

 

 そして奴隷用首輪を手に掴み──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それではここのアクセス用のパソコンは証拠隠滅の為、私が自壊させておきます! それではS地区の旅の続きをお楽しみください! 09地区に近づくのは暫くはお勧めはしませんが……でも、貴方がそうしたいのなら私は何も反対しませんけどね! それではお元気で!』

 

 パソコンに写ったイエスマンはそう言うとその後、パソコンは破裂音と共に火花と煙を上げ爆発して破壊された。

 

「へっ、これでオマエもアタシと立場は同じ、先輩は敬えよ。 それと……」

 

「グあぁっ!?」

 

 CZ75は自分と同じ奴隷用首輪を着けた男の顔面を殴り飛ばすと、人間とは桁が違う人形の腕力で殴り飛ばされた男は口から血を溢しながら壁際に吹き飛んだ。

 

「また人形風情なんて言葉吐いたら次は殺すぞ人間風情が!」

 

 運び屋はCZ75に殴り飛ばされ気を失った男を担ぎ上げるとそのまま部屋を出て行こうとする。

 

「それで、この後どうするんだよ。 グリフィンの連中にコイツを連れてるのバレたらヤバくないか?」

 

 CZ75も、まだそのグリフィンの所属ではなかったかと運び屋は言うが、CZ75は不機嫌な顔になり。

 

「アタシはグリフィンには戻らないぞ……って、このままS地区で買い物して帰る? 何を買うってんだよ」

 

 その答えに運び屋は人形と答え、CZ75を置いて部屋を出ていった。

 

「ホント、アイツ馬鹿じゃねぇの……」

 

 怒りを通り越してもはや呆れ果てるCZ75は、トボトボと運び屋の後を追うのだった。

 




自分でも書いてて頭おかしいと思いました。



【奴隷用首輪】
爆弾が取り付けられた機械式の首輪、首輪は任意で爆破できる以外にも、逃走防止用に一定距離を離れると爆発する設定にも出来る。
ラジオ等が発する電波に干渉してしまい爆発してしまうような不良品同然の首輪もあるが、運び屋はそれを思い出の品として残している。
エリヤのジジイ絶対許さねぇからな

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