FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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また便乗して悪さし始めたよ……

そしてついに全国の運び屋達が待望していたあのヒロインが登場?


Attack of the Infiltrator!

 S10前線基地周辺の街角にて、街の警備の為にパトロールしていた一体の人形が人通りの少ない路地に入り込みさらに奥に進む。

 路地には誰もいないどころか最近人がいた形跡も見当たらず、人の営みからは離れ忘れ去られた場所のように思えた。

 人形が路地の奥へどんどん進んで行くとやがて路地の先は袋小路になり、その最端に佇んでいる青い奇妙なフォルムのロボットと対峙した。

 

「やぁ相棒、いつもより遅かったじゃないか」

 

「警備シフトから抜け出すのも大変なんです。 あと、その相棒っていうのやめてくれませんか?」

 

「それはすまなかったな、前の相棒がボスになっちまったもんでな。 寂しくてつい口走っちまうんだ」

 

 そのロボット、セキュリトロンの顔になるモニタースクリーンにはデフォルメされたカウボーイのイラストが映っていた。

 人形の方のGr MG4は嫌そうな顔をしながら目の前のセキュリトロンである【ヴィクター】に言ったが、その直後には真剣な顔つきに戻る。

 

「はぁ……で、急に呼び出したのはなんでしょうか? 定期的には情報はお渡ししてるはずですけど」

 

「あんたの所で起こる悪魔ってやつの情報は十分さ、直接聞かされてる俺からしたら摩訶不思議な話ではあるけどな」

 

「まさかグリフィンやS10基地の情報を渡せというのなら前にお断りしたはずですが」

 

「心配ぜずともそんなもんはウチのボスとイエスマンがグリフィン本部に直接乗り込んで勝手に仕入れてるからいらんさ」

 

 睨むMG4をまったく気にした様子もないヴィクターは話を続ける。

 

「今回はちと面倒なミッションをこなしてもらうことになるだろうな」

 

「ミッション? 私はS10基地に所属してるんですよ? ただでさえ最近になって疑われてるというのに……」

 

「そこらへんは気にしなくていい、もしバレてもあんたは事件に巻き込まれたってことになるだけだからな」

 

「事件に巻き込まれた? 一体何を──」

 

 ヴィクターの不可解な言葉に戸惑うMG4、だがその背後から声がかかる。

 

「可哀想だけど、囮役ってやつだよ」

 

 MG4が振り向くとそこには一体の人形と赤い宇宙服のような見た目のヘルメットとスーツを着た人物が立っていた。

 

「やぁ、待たせちゃったかな? ボクとしてはこれでも急いできたんだけど」

 

「ちょうどいいタイミングさ、このお嬢さんからしたらもう少し待たせてやった方が心の準備ができたかもしれんがね」

 

「ヴィクター! この二人は一体な……」

 

 いきなりの乱入者に戸惑い間ながらもこの二人が何者なのかと、聞こうとしたMG4だったがその内の一人である赤いスーツの人物を見て口から出ていた言葉が止まった。

 最初に目に入った時はヘルメットが光に反射して見えていなかったが、なんとその人物の着るスーツの中身が空っぽだったのである。

 

「やっぱり人形でも驚くんだね、彼の名前はマスタートラウマハーネス、ボクの護衛役だから安心してね」

 

 言葉に詰まったMG4にもう一人である人形が喋り始めるが、こちらも少し様子がおかしかった。

 驚くMG4に落ち着かせるように言い聞かせる人形、見た目は戦術人形のMP40なのだが、声はエコーがかかったような声な上、喋っているはずの彼女は表情どころか口も動いていないのである。

 

「それでもってボクはステルススーツMkⅡ、しばらく一緒に付き合うことになるし言いにくかったら略してステルでもいいよ。 中国製と一緒にされてるようでちょっと嫌だけどね」

 

「それじゃあステルツとかにすればいいじゃないか」

 

「でもそれだと語呂が悪いし男みたいな名前じゃない? あ、フルネームでステル・ツーってのはどうかな?」

 

 ステルススーツMkⅡと名乗った人形はヴィクターと談笑し始めるが、相変わらず表情は動いていない。

 マスタートラウマハーネスに至っては顔すらなく喋りもしない、この二人に比べれればカウボーイの顔イラストが表示されてるだけで代り映えしないはずのヴィクターのほうが表情豊かに思えるほどだ。

 

「待ってください、ステルススーツ? 貴女はそのステルススーツとやらに烙印されている人形ということでしょうか?」

 

「ちょっと違うかな。 キミたちI.O.P製の戦術人形の本体はあくまで銃ではなくその身体だけどボクの本体はこのスーツのほうさ」

 

 ステルと名乗った人形がそう言うと、彼女の着ていたMP40のトレードマークともいえる軍服が突然消えたかと思えば黒と白を基調とした軽装アーマーに代わっていた。

 

「中身はダミー人形、衣装の見た目はホログラムで好きに変えられるんだ。 ビッグ・マウンテンの技術の粋がこのボクに詰め込まれてるのさ、すごいでしょ?」

 

「もしかしてそちらの方も……」

 

「マスタートラウマハーネスもスーツが本体、というよりもスーツだけで動いているんだけどね」

 

 MG4はもう一人の伽藍洞の赤いスーツの方に視線を向けると、その疑問に答えるステルススーツMkⅡ。

 

 

 そして、しばらくしてヴィクターが話を切り上げて元々の目的だった行動に移り始めた。

 

「それじゃあ、お互いの自己紹介も終わったようだから早速始めるとするか」

 

「それもそうだね、さっさと済ませてしまわないとね」

 

「……待ってください。 そもそも何故私がここに呼ばれたんですか? 一体何をさせるつもりで──あぐぅ!?」

 

 MG4がそう口にした直後に意識を失い倒れ込む。

 その背後にはMG4を気絶させた張本人であるマスタートラウマハーネスが電磁式のスタンロッドを片手に持っていた。

 そして、そのまま倒れたMG4の衣服を脱がせ始める。

 

「わぁ…… すごい犯罪じみた光景」

 

「この光景をグリフィン側の人形擁護派連中に見られたらと思うと、ゾッとするね。 ぶっ壊されてバックアップからやり直しなんて勘弁だぜ? こんなことはあのボスのおべっか使いにやらせておいてほしいもんだ」

 

「この前の鉄血のS地区全体で起こった大規模攻勢のせいで余計にセキュリティーとか監視が厳しくなってイエスマンが手出ししにくくなったんだっけ」

 

「おかげでスタンドアロン型として俺が駆り出されてるわけさ」

 

 そんなステルススーツMkⅡとヴィクターの会話をしている間にマスタートラウマハーネスは衣服を脱がし終え、その場には気絶したままのMG4が下着姿で地面に横たわっていた。

 

「さて、ボクのほうもお願い。 後の段取りは任せたよヴィクター」

 

 続いてマスタートラウマハーネスがステルススーツMkⅡの本体であるスーツを脱がしていく。

 スーツを脱がされるとそのまま中身であったMP40のダミー人形が崩れ落ちて倒れる。

 

「しかし本当にその人権屋が釣れてるのか怪しいもんだが」

 

 ヴィクターの言葉に、スーツだけとなったステルススーツMkⅡはマスタートラウマハーネスに抱えられながら喋り続けた。

 

『イエスマンが言うにはもう盛大に釣れてるらしいよ、だから今は彼らの拠点はボクと同じ伽藍洞さ』

 

「釣れてなきゃ、相棒にとって地獄のミッションになるってわけだ。 無事今の基地に帰してやれるといいが」

 

『ボクがついてるんだ、心配無用だよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 MG4が目を覚ますと、彼女が最初に目にしたのは自分の手足に取り付けられた人形用の拘束具だった。

 そして周りには同じ拘束具を着けられた人形達、その姿は衣服を手荒く破かれていたり酷い暴行を受けた痕や中には手足の欠損までしている者もいた。

 

「……え? ここは」

 

『目が覚めたかな? ここは過激派で通ってる人類人権団体の拠点さ。 さぁこれから始まるのはヴァーチャスミッション、ボクも応援するから頑張ってね!』

 

 目覚めから突然ステルススーツMkⅡに告げられたMG4のミッションが唐突に開始された。

 




勝手に人様の基地に所属してる人形を巻き込んでる事案。
他にもいくつか勝手によそ様のネタを引っ張ってきてますが、怒られたら修正します。



そしてついに登場させることが出来た、ステルススーツMkⅡちゃんです。
ゲーム本編から更にファームウェアがアップデートされ新たな機能が追加されています。
そこら辺の詳細はまた次回と言うことで……

あとMG4ちゃん、本当に申し訳ない(無能博士並感)

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