うわぁぁぁぁぁぁぁ(雑な展開や話の作り方への自己嫌悪)
MG4は思い出す。
S11地区のあの悍ましい基地の中で運び屋と取引をしてしまったときのことを──
同じ基地の他の人形達の代わりに、あの基地の指揮官の死と引き換えに、交わしてしまった口先の悪魔との契約。
間者として偽りの自由を与えられた。
それでも今いるS10地区の前線基地での生活は自分にとって勿体ないほどのものだった。
そんな恵まれた環境を与えられているのというのに、それを与えてくれる指揮官を裏切り続ける日々。
グリフィンやS10地区の情報は今まで漏らしたことはない、けれども代わりに送っている悪魔の情報も決して安易に外部へ漏らしていい情報であるはずがない。
MG4は思う。
ああ、これはきっと罰で、恩知らずの私にはお似合いの扱いだと──
「……わかりました。 その任務、成し遂げて見せます」
『あれ? 思ったより潔いね、ボクとしてはそのほうがありがたいけどね』
いつの間にやらMG4に着せられていたステルススーツMkⅡことステルからことの説明を聞かせられた時、あまりの扱いの酷さに思わず自分のことながら怒りを通り越してMG4は呆れてしまった。
今ここにいる場所は人類人権団体の中でも特に知られている過激派の拠点で、MG4は気を失っている間にこの拠点の人間に連れて行かれたのだという。
何故人形を毛嫌いするどころか憎んでいる人権団体が人形を、それはMG4の周りの人形達の惨状で一目瞭然だ。
拘束具を着けられて転がされてる人形達はどれも酷い有様で口がまともにきけない所か意識を保っている者もいるのか怪しいぐらいで、ありとあらゆる甚振られかたを試されたように見えた。
そして、今ここにいるMG4以外は五体満足な者は誰一人いない。
『酷いよね。 人の為に作られたのに挙句にこんな扱いなんてさ』
「そして次は私ですか……ステル、でしたっけ。 そういう意見を言うのは意外ですね」
『ボクはどちらかというと人形の味方だよ。 まぁそれは置いといて任務を始めよう? 部屋と拘束具のロックは外してあるよ』
どうやってとは聞かなかった。
元々そういう風に仕組まれていたのだろう。
言われた通り拘束具を少し弄るといともたやすく外れてしまった。
手足の具合を触診で確かめながら、今いた部屋を出ながら残された人形達をふと見る。
「……彼女達は助からないんでしょうか?」
『このまま予定通りに行けばこっちが回収するってさ、労働を求められるだろうけどここよりはマシでしょ? 他から見たら多分いい労働条件だと思うし……人形を執拗にイビってくる奴がいる以外は』
「まぁ直接害があるここに比べればそれぐらいはいいんじゃないでしょうか」
『実害がないって訳じゃないんだけどね、キミがいまこの状況になってるのもソイツがボクと一緒に任務をする予定だったMk23のメンタルぶっ壊しちゃったせいだし』
曰くMG4が今回巻き込まれた理由はかつて基地の副官をしていた事を理由に実力を見込まれてのことだったらしい、そのMk23とやらも実力は相当なものだったらしいがメンタルが不安定で挙句に追い込まれて意識不明のままなのだという。
ここにる人形達もメンタルに相当傷を負ってるはず、それは本当に大丈夫なのかと疑問が頭によぎるが今は自身のやるべき事に集中するべきだと考えを切り替える。
腰を屈めながら気配を消し、先の通路をクリアリングする。
「ステル、外の見張りどころか人の気配がほとんどしません、一体どういうことなんですか?」
『ここにいた人達はほとんどが結婚式にご出席だよ、人の恋路を邪魔する連中はいまごろ馬にでも蹴られてるんじゃないかな?』
「いまいち言っていることはよくわからないですけど、とにかく人員がほとんど配備されていないってことですね?」
『そういうこと、もうしばらくしたらマスタートラウマハーネス達がここに乗り込んでくるから残ったのも更に引き付けられて減るはずだよ』
ステルがそう言い終わった直後に遠くから銃声や怒号が微かにきこえてきた。
『もう始まったみたいだね、じゃあ任務を続けるよ。 目標の大型ドールズジャマーを探し出そう!』
MG4が潜入している拠点の外ではあの赤い宇宙服のようなスーツ姿のマスタートラウマハーネス、そして同じような宇宙服姿の者達が入り口に突入しようと総攻撃をかけていた。
「なっ、なんだこいつら!?」
「敵襲だ! ふざけやがって!」
「うあぁあ!? 撃たれた! 撃たれて溶けたぁ!」
「こっちは消し炭になってやがる!」
突然の奇襲に驚いて慌てる人類人権団体の残党達がレーザーやプラズマによる銃撃で次々と殺され、運が悪いものは灰や緑色の粘液にされていく。
人権団体の方も銃撃で応戦するのだが赤い宇宙服のようなスーツは見た目とは裏腹に思った以上に装甲が固く、上手く被弾させたとしてもまったく平然としている有様だ。
「仮装パーティーみたいなもん着込んでなめてんのか! おい、対物ライフル持ってこい!」
人権団体側の一人が大型の銃を構えて狙いを定める。
標的を撃ち抜くためにスコープ覗くと見えるのは宇宙服用のヘルメットとその中の顔。
拘束マスクとゴーグルを着けている為に表情が見えず気味が悪いと感じつつ、その顔を狙い定めて引金を引く、次の瞬間には赤い血肉を撒き散らせながらヘルメットが粉々に砕けて吹き飛ばされる。
「へっ、ざまぁみろ」
「いやまて…… あれ、何か様子がおかしいぞ」
だがなんと首から先がなくなり死んで倒れたはずのソレは再び起き上がり武器であるライフルを拾い上げて戦闘を続行し始めたではないか。
その正体はマスタートラウマハーネスの量産型であるトラウマオーバーライドハーネスを着込んだロボトミーだった。
人間の脳を入れ替えられ感情どころか痛覚もほとんど感じないロボトミーがトラウマオーバーライドハーネスをアーマースーツとして着込むことによって恐ろしい耐久性を得て、更には中のロボトミーが戦闘不能状態になってもトラウマオーバーライドハーネスが起動しその死に体を無理矢理動かして戦闘を続行するという正に人間の尊厳を踏みにじったような兵であった。
「な、なんだありゃ…… あれも人形の類かなんかか?」
「そんなのどうでもいいから、もう一発撃t ──ぶぎゅあっ!?」
人権団体の一人がさらに追撃をするように指示を出そうとした瞬間、横合いからの銃撃によりズタボロの肉片となり果てる。
銃撃の射線の先にはガトリングガンのような機関銃を構えたマスタートラウマハーネスがいた。
その機関銃の名はK9000サイバードッグガンといい.357口径マグナム弾をフルオートで連射するというイカれた銃で、更にイカれている部分としては火器管制や索敵追跡の機能を取り付けるために犬の生きた脳を組み込んでいることだろう。
「ひぎぃ!」
「うっげぶぁ!」
マスタートラウマハーネスはサイバードッグガンで射線に入る人権団体を次々と穴だらけの肉片へと変えていく。
掃射が数十秒続いた後に残るのは赤い肉のシミと化したモノだけだった。
<ワン、ワンッ!>
サイバードッグガンから犬の鳴き声がするとそれが合図かのように、一斉にトラウマオーバーライドハーネスを着込んだロボトミー達が拠点内部へ乗り込んでいく。
その様子を見張りながら佇むマスタートラウマハーネスだったが、突然にサイバードッグガンが更に吠え出して敵の接近を警告し始めた。
<ゥゥウ! ワン!>
サイバードッグガンは人類人権団体の拠点側に対してではなくその反対である外部に向かって吠え猛る。
マスタートラウマハーネスはこちらに向かって新たに敵がやってくることを察知し、そのまま迎えうつべく拠点内部へと侵入していった。
マスタートラウマハーネス君、この後死んだんだよね……
【Y-17 トラウマハーネス】
ビッグ・マウンテンで研究開発されていた負傷した兵士を戦場から安全に退避させるために開発された、宇宙服のようなデザインのスーツ。
装着者が負傷するとモーターが作動し歩行や戦闘を代行するように設計されていたが、いくつかの重大な欠陥が放置されてしまったせいで一転して狂気のマシンになった。
ビッグ・マウンテンに初めて運び屋が足を踏み入れた時にはトラウマハーネスを着込んだ白骨化死体が徘徊し襲い掛かってくるというホラーな展開になっていた。
後にビッグマウンテンでの問題を解決し、トラウマハーネス達も停止させられ囚われていた遺体もついに安らかに眠ることが出来た。
……のだがその後、運び屋の気まぐれで再び起動していいように使われることとなった。
【K9000サイバードッグ・ガン】
三連銃身携行機関銃といった外見で.357口径マグナム弾をフルオートでばらまく頭のおかしい重火器。
しかし、最大の特徴はそこではなく銃に犬の脳が組み込まれている点で、犬の脳を活用して火器管制だけでなく、周囲の索敵や敵の追跡能力を付与されている。
かなり大型の重火器だが、分類としてはサブマシンガンとマシンガンの中間ぐらいにあたる武器になる。
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ドルフロ知ってるけどFallout知らん
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両方とも知ってるぞ
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