FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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なんだかんだでコラボ話になってました!

今回の裏話は白黒モンブランさんの【Devils front line】内の『Act85 True end』で書かれています。
是非読んでね!


Attack of the Infiltrator!

 人類人権団体の拠点基地内部にあるという大型ドールズジャマー、それを見つけ出すためにステルススーツMkⅡを着込んだMG4は気配を消しながら拠点の奥へと進んで行く中、MG4はステルことステルススーツMkⅡがスニーキングスーツとして如何に優秀なものだということを思い知らされた。

 

 まず身体を動かすことによる音が一切しない、どんなに慌てて動こうが足音どころかスーツから擦れる微かな音すらも消音され聴こえない。

 更には身体能力を補助してくれているらしく軽快に素早く動ける、姿勢を低くし屈みながら動いてもスーツのおかげで意識せずとも普段の歩く速度より断然早いぐらいだ。

 そしてステルが索敵によりそれを素早く的確に教えてくれる。

 

「なるほど、ステルススーツを名乗るだけのことはありますね」

 

『そうでしょ! でもボクの進化した性能はまだまだこんなものじゃないんだよ。 あ、丁度あと10メートル先のT字路の曲がり角先に見張りがいるみたいだよ、早速お披露目になりそう!』

 

 MG4は曲がり角の手前で止まり、僅かに顔をのぞかせて確認するとたしかに見張りの男が二人銃を構えて立っているのが見えた。

 

「それで……どうするんです? 二人ともこちらの方向に向いてます。 隠れる障害物もありませんし、いくらなんでもこのまま素通りはできませんよ」

 

『大丈夫、ボクを信じてそのまま進んで!』

 

「え!? ちょっと!?」

 

 ステルは強制的にMG4の身体を無理矢理操って動かし前へ進ませる。

 どうやらステルにもトラウマハーネスのように装着者を強制的に動かす機能があるようだ。

 だが、このままでは見つかって逃げ場のないまま銃撃を食らう、そう思っていたMG4だったがその銃撃は一向に来なかった。

 

 なんと不思議なことに見張りの射線から阻むようにMG4の目の前に壁がいつの間にかできていたのである。

 

「これは……」

 

『じゃーん! なんとこれはホログラムで壁を作り出してキミを隠してカモフラージュしてるんだ。 しかも物理的に触れられるし銃撃もちゃんと防ぐこともできるよ』

 

 ステルはなんとホログラムでMG4を隠す壁を投影しているのだという、しかも物理的に触れられるというのだからMG4は驚くしかなかった。

 だがそれ以上に驚愕させられることをステルはやってのける。

 

『驚くのはまだまだだよ。 このホログラム技術を応用するとキミの知ってる人の真似事なんてのもできるの』

 

 ステルがそう言った途端にMG4を隠していたホログラムの壁が消える。

 当然、見張りの視覚のど真ん中にいたMG4は見つかるが……

 

 次の瞬間にはステルによってまたも身体の動きを操作されたMG4が、見張りの喉元に青く光る剣を投擲した。

 突き刺された見張りは何があったかのか理解できずにそのまま息絶える。

 

『JACKPOT! ……なーんてね』

 

「この技はたしかギルヴァさんの使っていた幻影刀では……」

 

『ホログラムで投影して投げつけたの、物理的に触れられるということはそれをぶつけることもできちゃうってことだしね』

 

 徹底した静粛性ステルス、身体能力をサポートし時には強制的に動かせる機能、そして先ほど見せられたホログラム技術。

 どれもI.O.Pの16Labや正規軍が扱うようなレベルの技術であるということに驚かされるばかりのMG4だったが、同時にあることに気が付く。

 

「……ですが、勝手に私のバッテリー電力を使われているのはどういうことなんでしょうかね」

 

『ごめんね、特にホログラム投影には結構な電力エネルギーを使うからキミから少し分けてもらったんだ』

 

 ちなみに人形ではなく生身の人間が装着しているときはスタミナを電気エネルギーに変換するらしい。

 どちらにせよ勝手すぎる迷惑な話である。

 

 ともかく、見張りを片付けその奥の部屋へと入るとそこは巨大な機械といくつものモニター画面が並べられていた。

 モニターには各箇所の監視カメラからの映像が流れておりどうやらこの部屋が司令塔の役割を果たしているらしいことがわかった。

 部屋の内部にいた人権団体の男達は突然入ってきたMG4に銃を向け撃とうとしたが、それより先に投影したキューブ状のホログラムをぶつけられ全員があっという間に息の根を止められた。

 

『実はホログラムを刀状にしなくても十分威力あったりするんだよね』

 

「……それはいいですから、勝手に私の身体を動かしたりバッテリー消費するのいい加減やめてほしいんですけど」

 

『あはは、ごめんね。 それはともかくここが探していた場所だったみたい』

 

「ということは、この巨大な機械がドールズジャマー……」

 

 MG4は部屋の中央に佇む巨大な機械を睨む。

 人形を無力化してしまうドールズジャマー、種類やサイズは様々だが大体使用される目的というのは鉄血の人形相手した戦術兵器ではなく、無力化したI.O.P製の人形達を欲望の捌け口にする為に利用されている。

 この機械のせいで数多の人形達が食い物にされてきたかと思うと心の内が熱く憤るMG4だった。

 

『正確にはこの機械じゃなくてこの部屋全体がドールズジャマーなんだって、なんでも正規軍からもってきた戦略級のがこれらしいよ』

 

「これを探し出すのが目的といいましたが、結局どうするんです? 破壊するんですか? まさか運び出すというんじゃ」

 

『まさか! まぁ必要としているのはこの機械じゃなくて……』

 

 ステルはそう言いながら、MG4の身体を使い大型ドールズジャマーの内部にある電子基板を抜き取った。

 

『必要だったのはこの基盤なんだけどね、似たような機械はこっちで作れるんだけども人形だけをってなるとちょっと知識や技術が足りてなくてね』

 

「……それを一体どうするつもりですか」

 

『一応誤解しないように言っておくと、ここの連中や元々キミが居た基地みたいな用途に使うつもりはないよ。 誓って言う、まぁグリフィンが攻めてきたり暴徒鎮圧用ってところなのかな?』

 

「そんなの結局は変わらな──」

 

 MG4が苦言を口にしようとした瞬間、建物全体が振動で揺れる。

 一体何事かと監視カメラのモニターに視線を向けるとこそにはMG4の所属するS10地区前線基地の仲間の人形、そしてあの便利屋のメンツがトラウマハーネス達を圧倒して蹴散らしている場面があった。

 

『わお、来るとは思ってたけど予想よりかなり早いね。 キミを助けようと指揮官まで乗り込んできたみたい。 ふふ、愛されてるね』

 

「……っまさか指揮官まで!?」

 

 こんな裏切り行為を働いている自分の為に自ら乗り込んできた指揮官のことを知り心が苦しくなるMG4。

 

『キミの基地にいる人形だけならトラウマハーネスとロボトミー達で十分足止めになると思ってたんだけど、あの便利屋さん達まで来たとなるとどうしようもないね。 おや? 処刑人なんてのもいたんだ聞いてた情報にはなかったけど』

 

 剣戟と銃撃で攻め立てるコート姿の男二人、そして見慣れない義手で暴れる鉄血人形の処刑人を相手に、並大抵では倒すことが出来ないはずのタフネスを持つトラウマハーネスを着込んだロボトミー達も次々と容易く屠られていく様子が監視カメラに映っていた。

 しばらくして、赤いコートの男が監視カメラに気付いたのか画面に向け銃を向け発砲したかと思えば画像が途切れた。

 

『うわぁ、これは早々に撤収しないとまずそうだ。 それじゃ急だけどミッションはこれにて終了にしようか、短い間だったけど一緒にいて楽しかったよ。 また会えるといいね!』

 

「何を突然……っ!」

 

 ステルが突然そう言い出したかと思えば、MG4は突如小さな痛みを感じた。

 その直後、急に全身の力が抜け意識が朦朧としはじめてその場で倒れる。

 スーツから何かを注射されたのだと気付いた時にはもう遅く完全にMG4は眠りに落ちたのだった。

 

『さぁこれにてβテストは終了、次のボクのバージョンアップデートが楽しみだよ』

 

<ワン! ワオーン!>

 

 そして眠りに落ちたMG4の他にその場にはいつの間にいたのか、サイバードッグガンを抱えた運び屋が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、MG4は人権団体の拠点内で倒れている所をS10地区前線基地の面々に発見されて保護された。

 その時の衣服は身にまとっておらずボロの布切れで身体を包み覆っていただけらしく、ステルススーツMkⅡの痕跡は何一つ見つからなかった。

 

 自ら乗り込んでまでMG4を助け出そうとしたその指揮官である彼女、シーナの行動力は驚くべきものだったと言える。

 なにせ、更には再びヴィクターに会おうとしたMG4の後を着け、その現場でMG4を自由にするためにヴィクターを脅しつけて見せたのだから。

 

 

 

 まだ少女と言えるほどの若さのはずであった指揮官、シーナ…… 彼女が去った後も、修羅の鱗片を覗かせる胆力に驚かされしばらく言葉を発せないでいたヴィクターだった。

 そしていつの間にやら現れ佇んでいた運び屋に言った。

 

「驚いたお嬢ちゃんだ、上に伝えろと脅されたよ…… しかし上に伝えろっていうのは誰にだろうな、お前さんか? ジョンソン・ナッシュの爺さんか? それともMr.ニューベガスにか?」

 

 ヴィクターが運び屋に向かって聞くが、当の運び屋は聞いているのかいないのか反応らしいものはせず、ホロテープと呼ばれる三つの記録媒体を手に持って中のデータを確認していた。

 

 ── 一つは、今回運用されたステルススーツMkⅡの試験データ。

 

 ── 二つ目は、ドールズジャマーに記録されていた使用時のログデータ。

 

 ── 三つめは、S10地区前線基地の戦術人形と便利屋とのトラウマハーネス及びロボトミー達の戦闘データである。

 

「MG4をどうするのかは知らんがな、あんな脅しされた後だ、俺はしばらくここにいるのは御免こうむるぜ。 セキュリトロンは置いとくからイエスマンでもなんでも代わりをさせりゃあいい」

 

 ヴィクターがそう言うと、ボディーであるセキュリトロンのモニター画面に映っていたカウボーイの顔が消え、何も映っていない状態となった。

 そしてその場にいた運び屋もいつの間にか居なくなっており、その場にいるのは画面に砂嵐を写して微動だにしないセキュリトロンだけだった。

 




さて、次はモンハンコラボ回やな……またコラボばっかしてるって?

……それな。


【ステルススーツ MkⅡ】
元々は中国軍製のステルススーツを模して対抗作として生み出されたスニーキングスーツ。
中国軍製ステルススーツに光学迷彩が装備されているが、それに対抗する為に光学迷彩に頼らず静粛性を追求し目指したものとなるはずだった、だがその途中で放置されているのをビッグ・マウンテンで運び屋に見つけ出され、ファームウェアの向上の為に運び屋がテストに付き合ったりして完成へ。
スーツにはボクっ娘なAIがついており、様々な助言や会話をしてくれる。
ついでに負傷時に薬物治療をしてくれる機能もあり、否応なくスティムパックや鎮痛剤であるMed-X(モルパイン)を中毒になるのも関係なくガンガン注入してくれる。

更なるビッグ・マウンテンの技術によりトラウマハーネスの装着者を動かす機能や、ホログラム技術も組み込まれることになり、見た目の偽装やカモフラージュ、更には攻撃やダミー投影等ができるようになりかなり万能になった。

この話を読んでる方の情報はどんなもんでしょ?

  • ドルフロ知ってるけどFallout知らん
  • ドルフロ知らんけどFallout知ってる
  • 両方とも知ってるぞ
  • 両方とも知らんぞ
  • この界隈のコラボは知ってる

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