いい加減怒られそう。
セヴァストポリ、かつて連邦と帝国と呼ばれる二国がぶつかったとされる土地でその為に半ば要塞化されたような都市であるこの場所で運び屋とM3はMSFのスコーピオンに新たに依頼された仕事をすることとなった。
その依頼仕事の内容とは迫りくるモンスターに対してこの都市セヴァストポリを防衛線にする為に立ち退きを拒否する人々を
なんでも、各地に散ったモンスターは各地のグリフィン基地に無力化されたらしいのだが、そのモンスター達を島から追い出した元凶モンスターがこの地に向かっており、このままでは工業地帯に貯蔵された可燃物やコーラップスが撒き散らされて大惨事になりかねない状況、そして元凶モンスターに対抗する為の防衛線を構築する為に住人を退避させなければならなかった。
「で、ですから……ここは危険なんです。 早くこの場を退避しないと……」
「儂はこの土地に生まれた時から住んどるんだ! 何と言おうと絶対に退かんぞ!」
「お、お願いですから……で、でないと」
「人形に何がわかる! 儂はな── ひっ、なんだ!?」
M3が必死に老人を説得しているが、頑なにきく耳を持たない老人。
だが、そこへ突然に扉を開けて現れたのは全身金属製の防護アーマーとヘルメットに身を包んだ人物、運び屋だった。
その防護アーマー、背中の換気扇が特徴的とも言えるパワードスーツ、レムナント・パワーアーマーを着込んだ運び屋はその威圧的でヘルメットによる変声した声で立ち退く様に恐怖を煽りながら脅しつける。
老人は目の前の
「ち、ちょっと強引……すぎるんじゃ?」
たしかにいつもの運び屋ならもっと言葉巧みに説得し、その上で立ち退きの為の費用と称して金を本人からせしめていたであろう。
ぶっちゃけ、先ほどの老人からすれば脅されるだけで済んでいるので、まだそのほうが良かったとも言える。
だが今回に関してはとにかく時間をかけていられないのだ、未だに立ち退きを拒否する人々はまだまだ残っている。
未だ見ぬモンスターを相手にできると意気揚々とパワーアーマーまで持ち出し、防衛線構築の為の物資輸送だけで終わるかと思っていた依頼、だが現地に来てみれば住民の強制退去をさせてくれとスコーピオンに更に頼まれてしまったのだった。
<ウゥゥ……ワン>
一緒に持ち出してきたサイバードッグガンも出番がないことを察して心なしか機嫌が悪い。
「そ、その銃…… モンスター相手にする為に持ち出してきた……ってことは、それなりに強かったんですね」
こんな見た目のサイバードッグガンだが、MODを取り付ければ実は運び屋の持っている武器の中でも屈指の火力を持っていたりする。
さすがに.357マグナム弾を容易くはじく相手には効果がないが……
まさか剣で弾き返す輩がいるとは世界にはまだまだ強者がいるものだと思う運び屋。
後にこの地でその本人と顔を合わせることとなり、色々と周りを巻き込んで険呑な場面にしてしまうというトラブルがあったり、そのせいでM3がメンタスを一箱分消費したりするのだった。
ようやく一通りの立ち退きを終わらせた運び屋は、M3を出来るだけ安全な場所へ退避させた後にパワーアーマーを着込んだまま防衛最前線になる要塞内にいるはずのスコーピオンを探していた。
探し回る中でようやく見つけたスコーピオンは、エグゼとあのイチイバルと呼ばれた少女が言い合いをしているのを止めに入っていた。
また仲裁やら説得しろとだとか頼まれるのも嫌だったので見なかったことにして引き返そうとすると、
「あっ、パワードスーツ着てる! 私と同じじゃん!」
声をかけてきたのは戦術人形のAm RFBだった。
なんでも彼女も似たようなパワードールスーツとやらを着込んで戦うらしく、興味を惹かれて声をかけてきたようだ。
ちなみに彼女の駆るそのスーツを見せてもらったが……まぁ独特のフォルムであった。
レムナント・パワーアーマーとフォルムが似ているとRFBは称していたが、運び屋の感想としては辛うじてヘルメットアイのフォルムが似ている気がするのが精々のような気がした。
というか運び屋が装備しているこのアーマーを正式配備しているかのエンクレイブと呼ばれる連中からしたら、きっと心外であろう。
「おぉっ!? なんだそのぶっ飛んだマシンガン! ガトリングガンか何かか!?」
そして今度は別の男が声をかけてくる。
筋肉質にガタイのいい身体、そしてガスマスクをしている男はマシンガン・キッドと名乗った。
キッドはどうやら自らマシンガンを名乗るだけに、運び屋が持っていたサイバードッグガンの方に興味津々なようだ。
「へぇ、すげぇじゃねぇか! マグナム弾を撃ち出すマシンガンとはなかなかにぶっ飛んでるな! しかもなんだその脳味噌……犬の脳?」
<ワウ!>
サイバードッグガンも褒められて嬉しいのか、下り坂だった機嫌が治り嬉しそうに吼えた。
運び屋の装備するパワーアーマーとサイバードッグガンに興味を持った二人は互いの自己紹介と共に色々と話を交えていった。
どうやらRFBはグリフィンのS09地区P基地の所属で、キッドはMSFの所属らしい。
「へぇ、あんたの名前はクーリエ・シックスって言うのか、所属は……なに? あのモハビ・エクスプレスだって?」
「え、モハビ・エクスプレスって言うと…… もしかしてあの運び屋!?」
キッドはスコーピオンから聞いていたらしく運び屋を興味深く見るが、RFBの方は顔を引き攣らせながら一歩下がる。
RFBの態度に若干不服に感じる運び屋であった。
「い、いやぁ…… リーダーが運び屋のこと相当嫌ってるみたいで色々と聞かされてるんだよねぇ」
「まぁ俺もたしかにエグゼからちょっとばかり聞いたが……」
RFBとキッドの視線の先では、イチイバルとエグゼが未だにメンチの切り合いをしている。
とりあえず、運び屋は後で両陣営に
なんだかんだとあったが、結局のところ運び屋が防衛線の前線に立つことはなかった。
装備してきたパワーアーマーは戦闘で活躍することは無く、防衛線内の要塞壁や塹壕の増設や修復の為の力仕事の為に使われたのである。
なぜそのような扱われかたをしたのか、それはRFBのパワードールアーマーや所属する部隊であるランページゴーストとやらの活躍のせいでもあった。
なんとパワードールスーツを駆るRFBを含めあの部隊は空を飛ぶのである。
しかも、他のグリフィン基地から参戦してきた巨大ロボも空を飛ぶわ、水辺から現れた新たなモンスターも仲間として参戦する始末だ。
挙句に今回の目的であり進行を阻止するべき元凶であるらしい規格外な巨大モンスター、ゴグマジオスとやらも空を飛ぶ始末である。
結局はゴグマジオスは撃退されたのだが、その間ずっと空を飛ぶこともできないパワーアーマーを装備した運び屋は工兵の使い走りのような扱いになっていたのだった。
「え、えっと…… でもそういう役回りも必要だと思います……よ?」
「運び屋が弾薬の運搬をしてくれてたから、あの臼砲をブチかませたんだぜ?」
「リーダーは色々言ってたけど、住民の退避とかしてくれてなかったら皆ここまで暴れられてなかったって!」
M3、キッド、RFBはそれぞれ運び屋の働きにねぎらいの言葉を言うが、当人の運び屋は背を向けたまま終始無言で、着込んだレムナント・パワーアーマーの特徴である背後の換気扇が虚しく回り続けるだけであった。
その後、事件の解決のお礼としてアイルーと呼ばれるあの二本足で立つ猫達からゴミみたいな報酬を貰った後、腹いせに隠し持っていた素材とやらを勝手にかっぱらってセヴァストポリを去っていった運び屋なのだった。
サブタイトルの割にはモンスターハントまったくしてないという話でした。
ちゃうねん、ほんまにモンハンはノータッチやったねん(なら何故コラボ参加した)
【レムナント・パワーアーマー】
別名エンクレイブ・パワーアーマーやアドバンスド・パワーアーマーとも呼ばれることもある背中の大きな換気扇が特徴的な重装アーマー。
その他のパワーアーマーの中でも後期型ならではの優秀な装甲性能を誇る。
パワーアーマーは筋力サポートシステムが組み込まれているが、それ故に内部フレームがあるタイプでない限りは特殊な訓練を積んでいないとまともに装備することもできず、大変危険であるのに注意が必要である(逆にフレームさえ内蔵されていれば素人でも簡単に装着できるし、内蔵された機械部分を取り除いて装甲のみを装備するという使い方もある)
派生型にテスラ・パワーアーマーという対エネルギー兵器に特化したアーマーも存在する。
【Terrifying Presence】
運び屋は巧みな会話能力で自身を相手に恐るべき存在として認知させ、逃げ惑うように仕向けることができる。
常人なら脅しつけて終わる程度のはずなのだが、運び屋はそれ以上に言葉で恐怖を植え付けて相手を逃げ腰にさせる。
逃げ惑い無防備な背中を見せる相手をあとどう料理するかは運び屋の気分次第である。
この話を読んでる方の情報はどんなもんでしょ?
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