FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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合間にこういうの書かないと多分持たないみたい。


こちらグリフィン本部ロビー前派出所

 G&K(グリフィン&クルーガー)社、通称グリフィンと呼ばれているPMCの本部にて、様々な職員が忙しそうに行き交う中に一人の女性が廊下を歩いていた。

 

 その女性、赤い制服に片眼鏡が特徴的なヘリアントス上級代行官ことヘリアンは歩き続け、仕事の為に外出手続きをするためロビーへ向かい歩みを進めるが、近づくにつれてその表情が険しくなっていく。

 すれ違う職員がヘリアンの不機嫌な顔を見ながら何事かと囁き合う、微かに「もしかして、また合コンで……」という声が聞こえて更に険しくなる表情のヘリアン、もはや苦虫を噛み潰したような表情にまでなりつつもロビーの手続き用カウンターへたどり着いて担当職員に話しかけようとするが、その時に声がかかった。

 

「おや? お出かけですかヘリアンさん! もしかしてまた合コンですか? 精が出ますねぇ!」

 

「ぐっ……!」

 

 顔を引きつらせながら声がした方を睨みつけるヘリアンの様子にカウンターにいた職員たちも思わずビビって仰け反る。

 睨みつけた声の主はカウンターの隣に立っている奇妙な形のロボットだった。

 

 一輪のタイヤの上に案山子のような肩幅の広い角ばった胴体、その真ん中部分にはモニタースクリーンがあり、そこにはデフォルメされた間の抜けた笑顔が映っていた。

 

 そしてその手前には【モハビ・エクスプレス依頼窓口】と書かれた看板が……

 

 セキュリトロンと呼ばれるタイプのこの奇妙なロボットは腕で大げさなジェスチャーをしながら更にヘリアンに話しかけてくる。

 

「もしよろしければ、こちらでお手伝いできることがあるかもしれませんよ! ウフフフ!」

 

「何度も言うがイエスマン、貴様らモハビ・エクスプレスには世話になるつもりはない! あと合コンは関係ない!」

 

 【イエスマン】と呼ばれたセキュリトロンの声に苛立ち言い返すヘリアン、だがその様子に全く気にも留める様子はない。

 

「ええ!? もったいない! ヘリアンさんのおかげでここで受付ができるようになったんですよ?」

 

「貴様! うぐぐぐ……」

 

 イエスマンの言葉にヘリアンは言い返そうとしたが、できなかった。

 そうなのだ、この無礼極まりないロボットが、グリフィンでそしてよりによって本部社内で、弱小他社であるはずのモハビ・エクスプレスの営業を認めることになったのはヘリアンが原因であるのだ。

 

 ことの経緯はモハビ・エクスプレスの運び屋がグリフィン本部に営業と称して突如飛び込んできたことから始まった。

 その時の対応したのがヘリアンだったのだが、適当にあしらって帰らせようと考えながら運び屋との面談に応じた時点で既に手遅れだった。

 知らず知らずのうちにその威圧感ある見た目の迫力のせいで押されたのか、気が付けば運び屋の話術(Speech)に乗せられてそのまま話が進んでいってしまったのだ。

 結果、グリフィンの本部に堂々と他社の営業を許し窓口係を住まわせてしまうという事態となり、他の上役から言いたい放題に嫌味を言われ、社長であるクルーガーにも何をやっているんだと小言を言われてしまう始末。

 

「何でも申し付けてくださって結構ですよ! 決して相手や依頼内容で区別したり、不平等はありません! 手早いし確実ですよ!」

 

「貴様らは運送業者だろう、万事屋や便利屋ではないだろ……」

 

「あの人は様々な無理難題な依頼に挑むが好きなんですよ! 本当に自分を痛めつけるのが大好きみたいですね!」

 

 そのイエスマンの返答に何とも言えない顔になるヘリアン。

 

「……モハビ・エクスプレスの狙いはなんだ? ペルシカに聞いたぞ、I.O.P本社にも貴様が営業してると」

 

「おや、ペルシカさんとお知り合いでしたか! まさしくその通りです! 最近になってI.O.P本社でも私のボディーであるセキュリトロンを配置することになったんです! いやぁ、彼の営業力にはワタシも驚かされます!」

 

 問い詰めたつもりのヘリアンだが、イエスマンは嬉々として語りだす。

 

「そもそも大企業二社のグリフィンとI.O.Pの関係がズブズブな所に、弱小会社のモハビ・エクスプレスが取っ付いたぐらいどうってことないでしょう?」

 

「……これもペルシカから聞いたんだが、その貴様がボディーに使ってるセキュリトロンとやらには大層に物騒な武器弾薬が詰め込まれてるらしいじゃないか」

 

 そのヘリアンの言葉に、近くで聞いていた職員が全員後ずさって距離を空けた。

 

「おや、そんなことまでわかるんですねあの人! でも御安心を、本来インストールされているセキュリトロン用OSのような火器管制プログラムはワタシには入っていませんので!」

 

「そんなの信用できるか! そもそも武器弾薬をここに持ち込んでることには変わりないだろう!」

 

「それのどこに問題があるんです? ここの戦術人形だって武器弾薬を持ち歩いてるじゃないですか」

 

「戦術人形は基本人間を攻撃はできない、そこの信用性が貴様にはないんだ!」

 

 ヘリアンとイエスマンの言い合いが続くが、いい加減無駄骨だと悟ったのかヘリアンのほうが折れた。

 

「はぁ…… もういい、とにかく貴様等モハビ・エクスプレスのことは信用せんからな!」

 

 イエスマンに捨て台詞を吐いた後、ヘリアンはそのまま外出手続きをしてロビーから出ていくのだった。

 

 その後ろ姿を見届けた後にイエスマンは言った。

 

「基本の戦術人形は攻撃できないなら、基本から外れた人形はワタシみたいに邪険にされるんですかねぇ? あははは!」




ちなみにヘリアンさんと対面したときの服装はエリートライオットギア装備(Charisma +1 Speech +5)



【セキュリトロン】
奇妙で尚且つユニークなフォルムをしているロボット。
AIの入れ替えが容易で、それに合わせてスクリーンモニターの顔画面が変わったりする。
見た目に反して腕に9mmサブマシンガンやガトリングレーザー、グレネード速射システムそして肩部分にはミサイルランチャーが内蔵してあり凶悪な攻撃力を持っている。
耐久性もチタン合金製のボティと自己修復システムによりかなり強固である。

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