FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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ROちゃん普通にオッパイでかいよね(話とは全く関係ないセクハラ発言)


Come Fly With Me

 光し者から発せられる目も眩むような強烈な光を目前にしても、AR小隊の全員は光し者をさほど強敵と考えてはいなかった。

 他のグールより多少危険な個体だと、高を括っていた……

 だが状況によっては個体の強さよりも戦況を変えうる能力のほうが脅威になりえる。

 残念ながら能力や性能では正しくエリートと呼べるAR小隊だが、それに咄嗟に気が付けたのはM16だけだった。

 

「こいつ!? 全員アイツから距離をとれっ!!」

 

 光の正体、それは強烈なまでの放射能だ。

 次の瞬間には光し者を中心に周囲に凄まじい量の放射線が発せられる。

 その危険度数値は圏外のレッドゾーンに該当するレベルの放射能汚染度であり、光し者は一瞬のうちに周囲を重度の放射能被爆地帯に変えてしまったのだ。

 

「ねぇ! あいつら起き上がってくるよ!」

 

「なんて連中なの……」

 

 そして死んでいたはずのグール達がその放射能に晒され、次々と息を吹き返し始める。

 グールの生態を事前にブライトから聞いていたROですらも目の前で起こっていることに戦慄するしかなかった。

 

「ぐっ、これがグールの……放射能を吸収して代謝を増幅させる能力というわけですか」

 

「もういい喋るなRO! M4、後退命令を頼む!」

 

「わ、わかりました姉さん! SOP、AR-15後退しながら撤退戦! UMP9も一緒に下がって!」

 

 M16はROを担ぎながらグール達から距離を離そうとするが、息を吹き返したばかりとは思えないような素早い動きで追いすがってくる。

 

「こんのぉ! よくもROを!」

 

「駄目、下がらないと囲まれる!」

 

 M4がSOPMODに指示をしながら必死に考える。

 頼りにしたいM16も今はROを助け出しながらで手いっぱいで、それでも敵は次々にものすごい勢いで襲い掛かろうとしている。

 どうするべきか──

 

「大丈夫、援軍はきっと来るから今の状況だけ考えればいいよ」

 

「え?」

 

「大丈夫……きっと来るから」

 

 突然のUMP9の言葉に一瞬呆気にとられるM4だったが、その自信ある眼差しを見た瞬間に何かに気が付いたようにすぐさまSOPMODに向かって声を張り上げる。

 

「SOPは榴弾をあの光っている敵に撃ち込んで!」

 

「えっ、でも結構距離が近いよ!?」

 

「いいからお願い!」

 

 撃ち込むには些か近すぎると返すSOPMODだが、普段のM4からは想像できない気迫に驚きつつも指示に従い笑いながら榴弾を光し者に向かって撃ちこんだ。

 

「へへっ、知らないよ みーんな吹き飛んじゃうんだからっ!」

 

 撃ち出された殺傷榴弾が群れるグール達の中で一際目立つ光し者に着弾する。

 その周囲にいたグール達を巻き込み爆発、他の面々も爆風に煽られ顔面を庇ったり倒れ込む。

 

「ケホッ、撃つなら合図ぐらいしなさいよ!」

 

「えー、だってM4が……」

 

 突然の爆発に曝されてAR-15がSOPMODに文句を言うが、言い返そうとしたSOPMODの言葉が詰まりその視線の先を見る。

 そこには死屍累々のグール達をしてもなお健在な光し者がいた。

 

「グゥアアアアアルゥア!」

 

 そして両手を天に掲げ勢いよく光り輝くと、周囲のグール達が再び蘇り始める。

 これでは同じことの繰り返しだ。

 

 

 そう思われる次の瞬間、グール達に向かって四方から弾丸の嵐が浴びせられた。

 その銃撃はまさしく嵐であり暴風であり、その容赦ない攻撃にグール達はズタボロの挽肉になっていく。

 

「随分と追い込まれてたみたいじゃない」

 

 しばらく続いた銃声の後に声をかけてきたのは404小隊のUMP45だった。

 その背後にはAR小隊や404小隊と同じ基地に所属する様々な人形達だ。

 

「45姉……やっぱり来てくれたんだ」

 

「ナイン、遅くなってごめんね。 妨害電波のせいで基地に連絡して応援を呼ぶ為にかなり離れなきゃいけなかったの、銃声だけじゃ場所を絞り切れなかったんだけども榴弾の爆発がいい目印になったわ」

 

「えへへ……」

 

 満身創痍のUMP9を抱きながら頭をなでるUMP45、そして振り返り冷たい眼差しで見つめる先には他のグールと同じように執拗な銃撃によりズタボロになった光し者だった。

 今も自ら汚染した被爆地帯の効果で徐々に再生しつつある……とてつもない生命力である。

 

「グゥルウ……」

 

「妹が世話になったわね、これはお礼よ」

 

 UMP45の銃弾が光し者の頭部を粉々に砕いた。

 

 

 

 

 

 その様子をスコープ越しに覗いていたハーランドは何が起こっているのか察しすぐにこの場を離れようと動こうとした。

 

「マジかよクソったれ! 援軍を呼ばれてたのか」

 

「だから言った。 早々に刈り取るべきだと」

 

「うるせぇ! とにかく一度戻るぞ!」

 

 相変わら動じない白い人形に怒鳴りながらハーランドは立ち上がろうとする。

 

「戻れると思ってるのかしら」

 

 それを逃すまいと現れたのは404小隊の残った416とGr G11、白い人形が反応し動くと416は即座に発砲するがやはり謎の障壁によって銃弾が防がれてしまう。

 だがG11の銃口はハーランドの方へ向けられていた。

 

「……やっぱり隠れて撃った方が楽だったかも」

 

「俺を脅しか取引材料にでもしようってのか……っておい」

 

 ハーランドもG11に向かって既にハンティングライフルの銃口を向けていたが、意外なことに先に武器を下げたのはハーランドでもG11でもなく416と対峙していた白い人形だった。

 

「驚いた。 お前が俺を案じてくれるような奴とは思わなかったぜ」

 

「あなた達が不利になるような行動はするなと命令されている」

 

「ちっ、まだお構いなしに暴れてくれてた方がやりようがあったのによ」

 

 白い人形の様子を見てついに諦めたのかハーランドは銃を捨てて降参のジェスチャーをした。

 

「言っとくけど、ここまで簡単にいくとは思っていないから油断してると思わないことね」

 

「あぁ わかってるさ、少なくともお前なんかよりこの帽子チビは油断ならねぇことぐらいはわかるぐらいにはな」

 

「私は早く基地に帰って寝たいだけ」

 

 気怠そうに言うG11だが少しでもおかしな行動をすればすぐにでも脳天に銃弾を撃ち込むであろうことはハーランドは察していた。

 勝気で冷静を保っているように見える416以上にG11は容赦のない人形なのであろうと、

 

「だが悪いことは言わんから、そのまま何もせず帰りな。 こっちも見逃してやるように説得してやるからよ」

 

「この状況でそんなこと言えるだなんて顔だけじゃなくて頭まで腐ってんの?」

 

「言ってくれるな人形風情が、だがブライトの奴はお前等グリフィンとはやり合う気はないみたいだ、そいつの仲間はどうだか知らんけどな。 多分容赦ないぜ」

 

 G11に銃を突き付けられ、416に罵倒されるのもさも気にした風もなくハーランドは一緒にいた白い人形のほうを見ていた。

 白い人形はハーランドの言いたいことを察し答えた。

 

「グリフィン部隊が大体的に乗り込んできた時点でこちらの部隊も既に向かっている。 ドッペルゾルドナーやウーランも……私の偏向障壁を微塵も破れない様ではグリフィンの人形達の全滅は見えている」

 

「だとよ、俺もこいつらの起動兵器やら戦車を見せてもらったことがあるが悪いことは言わねぇから退いたほうが賢明だとおもうぜ」

 

「私達にしっぽ撒いて逃げろって言いたいわけ!?」

 

 ニヤニヤと笑うハーランドに逆上する416だったが、その直後にUMP45から通信が入る。

 

「……なによ、ハァ!? 撤退するって何言ってんのよ指揮官にはどう説明するのよ!!」

 

『撤退指示したのは指揮官よ、通信越しに聞いていたけどたしかにかなりの数の部隊と思われるものがこちらに向かって来ているわ……あのグール連中もちらほらまた集まり出してる』

 

「チッ、G11……下がるわよ」

 

「……了解、ついでに撃っとく?」

 

「やっぱお前が一番おっかねぇみたいだな帽子チビ、勘弁してくれ」

 

 

 

 

 

 UMP45は416に通信を終えると目の前の人物に向かって話し始める。

 二人の周りには互いに銃を向け合うグリフィンの人形達と武装したグール達が臨戦態勢でいた。

 

「ジェイソン・ブライト、だったかしら? 聞いての通り私達は退くわ……」

 

「それが賢明だと私も思う、お互い切っ掛けが悪かったとも言える。 今一度言うが少なくとも我々同胞は君達に敵意を持っているわけじゃない」

 

「……ふん、ここまでしてよく言えるものね」

 

 ブライトの言葉を聞きながら厳しい目付きで見つめる先には、ROとUMP9が応急手当てを受けて介抱されている。

 それに気が付いているのかいないのか、ブライトはゆっくりとその視線先へと歩みよりROの前で立ち止まった。

 だが近付いたブライトにM16は銃を向けて睨みつけ、同じように他のAR小隊も撃ち殺さんと睨みつける。

 

「おい、それ以上一歩でも前に出てみろ……その穴だらけのスーツが更に穴だらけになるぞ」

 

「それは遠慮したいところだが、最後に彼女に挨拶させてくれないかね?」

 

 ブライトは懐のポケットから一つの瓶の蓋をROに投げ渡した。

 

「君には気の毒なことをしたと思っている。 だが同時に我々が匿う真実の一端を見たはず、君ならきっと特異点の方向性を変えられるはずだ」

 

「……これは?」

 

 ROが渡された瓶の蓋を裏返すとそこには赤い星のマークが描かれていた。

(それを見たM4がスターキャップだとか騒いだが他のAR小隊の面々に速攻で取り押さえられた)

 

「そのキャップが彼との交渉の時に役立つだろう。 次は穏便に顔を合わせることができることを期待しているよ新たな放浪者」

 

「……この後はどうするつもりです。 E.L.I.Dを匿うだなんてグリフィンはまだしも正規軍は黙っていないはずです」

 

「なに彼が動いてくれればなんとかなるはずさ、こちらにも協力者がいるのもあるがね」

 

 ROは()とやらが何者かは分からなかったが、その協力者とやらがあの白い人形ということは察した。

 そしてその協力者の大部隊が今もこちらに向かっている。

 

「早く行きたまえ、追撃をしない様には私からも説得しておくとも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ROは自分の手のひらに乗った瓶の蓋に描かれた赤い星のマークを眺めながら思い出す。

 あの後、ROはグールの存在やそこに匿われたE.L.I.D感染者の事を報告したが結局は何も状況は動くことは無かった。

 未だにグールのカルト教団はあの森林地帯に潜伏しており、それについてグリフィンの上層部も正規軍も動く気配は無い。

 確かに変化があった証拠として残るのはこの星の描かれた瓶の蓋のみである。

 

「RO! お願いですからそれを譲ってください! なんでもしますから!」

 

「いい加減にしろM4! また指揮官に説教くらいたいのか!」

 

「なんかM4、目がヤバいよ」

 

「いいからとにかく連れて行くわよ」

 

 

「……あとM4がこれを見た途端におかしくなったことでしょうかね」

 

 AR小隊の他の面々に引きずられていくM4を遠い目で見つめながらたしかにかつてあった事件の事を思い出しながら呟くROだった。




赤いスターキャップはFalloutNVのファンムービーであるNukaBreakよりネタを拝借しました。
敵対するスーパーミュータントが交渉に応じるぐらいにはすげーアイテムっぽいです。



【光し者】
グールの上位種であり進化した成れの果て。
通常のグールより非常に耐久能力が高いが、能力には個体差が大きく中にはとんでもない脅威度を持つ者もいる。
お前の事だよ監督官
常時放射能を撒き散らし、更には蓄えた放射能を解放して広範囲を重度の放射能汚染地帯にする。

ちなみに放射能解放によって他のグールが復活するのは4からであってNVではそういう効果は無い。
やっかいなことには変わりはないが……

この話を読んでる方の情報はどんなもんでしょ?

  • ドルフロ知ってるけどFallout知らん
  • ドルフロ知らんけどFallout知ってる
  • 両方とも知ってるぞ
  • 両方とも知らんぞ
  • この界隈のコラボは知ってる
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