FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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ちょっと某所のコラボネタを拝借しました。

乗っかった訳ではなく実は運び屋にとって一つの目的として元々考えていた話でした。
いいタイミングでしたのでちょっと関わらせたのですが……


Mr.Robot

「……P基地へ帰りたいです」

 

「落ち着け、お前の帰る場所はここだっての」

 

「だ、だってぇ……  ルキアちゃん達とで癒されたいんです! うぅ……」

 

 P基地へ出向かった騒動からの後日、L38地区の事務所棟へ戻ってきたM3だったがP基地での予想外な対応と出会いはM3にとって正にここでは得られない癒しであった。

 優しく接してくれたユノやぶっきらぼうながらも気遣ってくれたノアという少女達や人形達、そしてその彼女達の子供の可愛さたるや……

 それに比べて窓から見えるこの外景はどうであろう。

 そこら中に武骨なロボットやサイバードッグが徘徊し、それにビクつきながらこそこそと首に奴隷用の爆弾首輪を着けた人形達が歩き回る情景。

 そういうことを気にしない人形達もいるが、そんな彼女たちの一部は釘バット片手に「スワッター! スワッター!」と叫びながら弱気なタイプの人形グループを追いかけまわしている。

 無差別的にロボットやサイバードッグに喧嘩を売ってないあたり、人形達にもなにかしらのカーストのようなものが出来上がっているようだ。

 

「見てくださいよあれ…… P基地に比べてなんて殺伐とした人達と情景でしょうか……」

 

「言っとくけど、あそこも割と殺伐とした武闘派だしここではその人形連中のトップがお前なんだからな」

 

 呆れた風にCZ75が呟きM3を諭す、M3はまだ自覚が足りていないようだがここの人形の中でもっとも権限と立場を与えられているのが彼女である。

 恐らくはこの場所でM3以上に自由な権限をもっている人形達は居らず、ロボットでも例外的なのはイエスマンぐらいであろう。

 

「う、うぅ…… ルキアちゃんと一緒にまたフルーツタルト食べたい」

 

 

 一方M3とCZ75達から少し距離を置いた場所で運び屋はイエスマンからのとある情報を聞き入れていた。

 P基地での騒動で酷い有様となっていた運び屋のデザートレンジャーアーマーとマスクヘルメットも整備されいつも通りの見た目になっており、あまりにも特徴のないのが特徴と言えてしまうほどの素顔はガスマスクで隠されてしまっている。

 おかげで既に素顔を見たはずの当人であるM3とCZ75は既に運び屋の顔を思い出せなかったりする。

 

「どうやら例のカジノグループの店舗がグリフィンによって一斉摘発されるようです! 邪魔なライバル候補が消えてこれでまた大きな目的へ一歩近づきましたね!」

 

 イエスマンは実に喜ばしいニュースとばかりにグリフィン側から掠め取った作戦情報を運び屋に嬉々としながら報告する。

 話の内容にあったのはとある企業が裏で経営している違法カジノのことで、そのカジノの最大の目玉は──賭け試合だ。

 賭博の中で賭け試合は特に大きな金が動くと共に様々な事情が交差する。

 場合によっては八百長の試合情報にですら大金が動き、その情報の伝手からのコネや場合によっては試合に出される側ですらその思惑に左右されるのが常で、聞いていた運び屋も三つのカジノグループの元締めもとい調停役だとか、地下闘技場でクリーチャー相手に試合に出た経験がある。

 

 そのカジノグループを運営している大企業の女社長が人形と子供を使って賭け試合での賭博をしているせいで摘発されるらしい、そんなもので違法摘発されるというのは正直言うと理解し難い運び屋であったのだが……

 運び屋が元締めとなっていた三つのカジノグループなんて一つは美食と謳って人肉食ってるわ、もう一つは売春とドラッグを売りとしていたし、最後のも一番まともな経営ではあったがそのトップの奴に頭に弾丸くらわされて墓に埋められたりしているし、地下闘技場でも試合に出る以前に戦う相手になるはずのクリーチャーの卵を集めさせられた経験もある。

 

「そういえばこのカジノ店舗に行ったことがあるんでしたね! えぇっ! また締め出されたんですか?」

 

 そうなのだ……実はその違法カジノへ運び屋は足を運んでおり、しかも全店舗に赴いていた。

 結果、全ての店から出入り禁止にされた運び屋なのだったが……

 

 持ち前の強運とインプラントされている演算装置のせいで賭博については負け無しの運び屋、おかげで元締めであったはずのカジノグループからも実は賭博禁止令をくらっており、やっとこちらの地でまたカジノで大きく遊べると楽しみにしていたのだが結果は同じように出禁扱いであった。

 

 

 

 ……だからこそ、この地で巨大カジノを作ろうと計画したのだが。

 

 

 

 

 

 外の世界がどう変化し移り変わろうと、L38地区の地下では相も変わらず人形そしてロボットやロボトミー達により掘削作業を続けられていた。

 地下深く下へ掘るわけでもなく、ただ只管に真っ直ぐ前へ前へと道を作るように掘り進められる地下道はいったいどこを目指しているのだろうか。

 人形達を見張りながらまるで督戦するように人形達にがなり立てる大佐とその部下のロボット達に聞いてみても中身が無いプロパガンダ染みたスローガンを称えた言葉しか返ってこない。

 もしかすると、そもそも大佐達も知らないのかもしれない。

 

 

 人形達からなるD班のリーダーである男、スレイブはそんなことを考えながらロボット達が会議し合う部屋の中で座っていた。

 スレイブが今いる部屋では地下でのそれぞれの統括役が定期報告をする為に集まっている。

 全員がスレイブ以外は人間ではなく、唯一まだ近い見た目がMP40のダミー人形であるステルススーツMkⅡことステルがいるぐらいで他は皆ロボットだった。

 

 そのステルがスレイブの目前で少し苛立ったようなトーンで同じようにこの場にいる大佐に言った。

 

「だからさ、大佐がMk23を使えなくしたせいでMG4の力を借りることになったわけ」

 

「その結果がロボトミー諸共全滅だと! そのMG4とかいうクソ人形を引きずり出してこい! 貴様諸共に軍法会議にかけてやる!」

 

「だーかーらー! それは彼も織り込み済みなんだって!」

 

 ステルと大佐が言い合う中、別のロボット達が話に割り込む。

 

「ですが減った分のロボトミーの準備を急ぐ必要があります。 処置する人数分の刈り取りはどうなっていますか?」

 

「最近はグリフィンと鉄血との抗争が益々酷いせいで小規模な外れ者達はほとんど郊外にはでてこなくなった。 それなりの規模の連中でも先ほど言っていた件のようにグリフィンに先を越されて捕まるか殺されて使えない有様だ」

 

 話に割り込んできたロボットの内の一体はカラーリングは違えど大佐のようなMr.ハンディー型のバリエーションモデルであるMr.オーダリーと呼ばれるタイプの白いロボットである。

 そして続いて話したのは頭部の半球状クリアドーム内に浮かべられた脳と移動用に取り付けられた無限軌道が特徴的なロボブレインというロボットだ。

 

 前者の統括役ロボットはDr.オーダリー博士と呼ばれ(本当はDr.オーダリー MD PHD DDSとかいう長ったらしいめんどくさい名前だとかステルがたしか言っていた)

 後者の名ははスーパー・エゴという。

 

 この二種のロボット達のここでの主な役割はロボトミーの確保である。

 ロボブレイン達がゴロツキや犯罪者等の行方不明になっても問題ない人間を狩り、その狩られた人間をMr.オーダリー達が()()してロボトミーを作り上げるのだ。

 はっきり言ってここに連れて来られるまではその狩られる側の犯罪者であったスレイブからすればこのロボット達に悍ましいとしか言いようのない感情が未だに拭えない連中だ。

 

「ソレニ関シテハ、私モ総支配人カラ実験トシテ必要ナ犠牲ダッタト報告ヲ受ケテイマス」

 

 今度は更に別の一体のロボットが一言話すとロボット達は言い合いや雑談を止め一斉に静かになる。

 この地下の管理役であるカストディアンと呼ばれているプロテクトロンだ。

 

「元々ノ目的デアッタ妨害装置回路ノ入手ト、ステルススーツMkⅡオヨビ、トラウマハーネス・ロボトミー ノ データ記録回収ハ無事完遂トナリマス。 装置ト データ モBig・MTヘト既ニ送ラレマシタ」

 

「つまり何か、他はともかくコイツのバージョンアップの為にロボトミー共を使い潰したというのか!」

 

「なにさ、まだ文句あるの?」

 

「ソレガ総支配人ノ意向デス。 ソレニ アイアンベリー大佐ガ起コシタ人形達トノ騒動ニヨルMr.ハンディー ノ損害モ馬鹿ナラナイノデスヨ?」

 

「それは人形共が……ウギギ!」

 

 カストディアンの発言に大佐がステルを手の代わりとなるマニピュレーターで指図しながら怒鳴るが、それも以前起こした騒動の事を持ち出されると唸りながら黙り込むこととなった。

 

「サテ……次ノ案件デス。 D班ノ稼働状況ト運用計画デスガ──」

 

 だがそんなことはここではよくある日常、この地のロボット達と人形達は運び屋の道具として今日も働き続けるのだった。




違法賭博といえば賭け試合ってはっきりわかんだね。
映画の『スナッチ』とか好きです。

この話を読んでる方の情報はどんなもんでしょ?

  • ドルフロ知ってるけどFallout知らん
  • ドルフロ知らんけどFallout知ってる
  • 両方とも知ってるぞ
  • 両方とも知らんぞ
  • この界隈のコラボは知ってる
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