FALL OUT GIRLS   作:WarBoss

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雑なまとめ方ですが、これにてプロローグ終了。
次からは割と軽い話とかが入り混じると思います。


Cross Road Blues

 I.O.P本社のヘリポートに着陸したベルチバードの中でUMP9は不安に耐えながら待ち続けていた。

 運び屋はUMP45を連れて行ってしまい、ED-Eとレックスもそれについて行ってしまった為に中に残ってるのは他にラウルとリリーだけだった。

 

「ほら、応急修理だが壊れた状態よりはマシなはずだ。 言っとくが間違っても撃とうとするなよ、ジャムったぐらいならともかく暴発なんてされたらたまらん」

 

 念の為の注意をしてから、UMP9の銃を返すラウル。

 

「……ありがとう、でも本当に45姉は大丈夫なんだよね?」

 

「依頼内容に無頓着なボスが直接無傷で無力化したんだろ? 本来は人形相手なら四肢捥いででも連れて行くようなことぐらいするだろうしな」

 

「……それ聞いて安心する要素がまったくないんだけども」

 

 UMP9の言葉にラウルが返すが、その返答で更に不安になってくる。

 その様子に言い方が悪かったかとフルフェイスのヘルメット越しに爛れた手を額部分に当てながらラウルは言い直した。

 

「あー、なんというかボスは本当にいい加減というか面倒を嫌う性格でな、そのボスに態々手間なやり方させるってことはそういう依頼条件だったってことさ…… リリーのばあさんがやらかしそうになってたが」

 

「煩いよラウル! だからあれはレオがやれって言ったんだよ!」

 

「というか、45姉を不意打ち……にしても何をされてあんな状態になったの? スリープ状態にも見えなかったけど」

 

「多分強制シャットダウンさせたんだろうさ、ロボット相手にやってるのを見たことがある。 人形相手にも出来るとは知らなかったが……」

 

 最後のラウルの言葉に驚きを隠せないUMP9。

 

「戦術人形を強制シャットダウン!? そんなの私も電脳戦に特化した45姉もできないよ!?」

 

 

 

 

 

 

「いやいや…… キルスイッチ押したって、それが存在するとか何処にあるかって知ってるのなんて私を含めてもI.O.P内でほとんどいないはずだけど」

 

 I.O.P本社内の臨時メンテナンス室で今回の依頼人であったペルシカリアことペルシカは運び屋の言い出したことに驚きを通り越して呆れていた。

 I.O.P社製に限らず鉄血工造や他社の人形には物理的に強制停止させるキルスイッチが存在している、不測の事態に対しての予防策としてあるのだが、I.O.P社製や鉄血製のキルスイッチの存在はトップシークレットな上に製造工程でスイッチ位置がランダムで決められる。

 その為に各人形のキルスイッチ位置を知るには、最上位クリアランスで製造工程ログへアクセスするしかなく、そんな手間な為に蝶事件が起こった時も何の役にも立たずほぼ忘れ去られた存在であった。

 そもそもキルスイッチの存在を知っていたとしても、暴走した人形に近づいてそのスイッチを押せる人物が果たしてどれほど存在するのだろうかという疑問もあるが……

 

「まぁいいけども…… まさか本当に404小隊のUMP45を抵抗させずに連れてくるなんて君の腕前はたしかみたいだね、正直驚きっぱなしだよ」

 

 そう言いながら、検診台に寝かされたUMP45の頬を撫でるペルシカ、だがUMP45は目を閉じたままなにも反応を示さない。

 UMP45を連れてくるように依頼した本人、ペルシカはそのまま周囲の機械を起動させていく。

 

「他の404小隊には悪いことしたとは思うけど、彼女なかなか検診させてくれないからね…… 9も後で連れてきてくれればメンテするよ」

 

 ペルシカの言葉を聞いて運び屋は任務完了と判断し、さっそく報酬について話そうとするが、UMP45を検診し始めたペルシカは周囲の機械のスクリーンを見た途端に顔を渋らせる。

 

「……申し訳ないけどハズレだったみたいだよ」

 

 ペルシカの言葉を聞いた途端に運び屋は腰のホルスターから銃を抜き出そうとした。

 その様子を察したペルシカは焦って運び屋を宥める。

 

「ちょっと待ってっ!? 別に報酬を払わないとかそういうことじゃないからっ!?」

 

 運び屋はいかなる依頼任務で、子供のお使い程度の内容でも一度受けたのならば完遂するのが信条だった。

 だが、その対価を瓶の蓋一枚(1cap)すらも払わないという不届き者には、その身体に相応の対価を支払わせてきたのが運び屋だ。

 

「どうやら、ダミー部隊を掴まされたみたいだね」

 

 404小隊じゃなかったのか? と事前情報を元に動いていた運び屋は疑問だったが、ペルシカは首を横に振りながら言った。

 

「404小隊であることには間違いはないんだけど…… グリフィンの一部の基地に配属されたUMP45・UMP9・HK416・Gr G11が404小隊という工作部隊を編成するように意図的に仕組まれているというのはヘリアンに聞いたことがあるね……」

 

 つまり目的である本来の404小隊以外にも、別の404小隊が存在してると言うことらしい。

 

「詳しいことはヘリアンに聞けばわかるだろうけど ……ちょっと待ってゴメン今のなし、さすがにヘリアンが可哀想だからさっきのは聞かなかったことにして」

 

 早速ヘリアンに会って聞き出そうとする気満々の運び屋の様子を察して、グリフィンの極秘情報を諸々吐かされるヘリアンを想像し、あまりにも気の毒だと思ったペルシカは先ほどの話を取り消した。

 

「まぁとにかく、依頼を受けてくれたことに感謝するよ。 まさか冗談半分で言った404のUMP45を無傷で連れてくるなんて、本物じゃなくてもかなり難しい案件だっただろう。 404を勝手に動かした連中も、今頃はヘリアンが対応してくれてるだろうし、彼女たちの所属している指揮官とも話を付けておくよ」

 

 そこら辺のフォローに関してはまったく気にしてなかった運び屋、ありのままの評価を受け入れるというのが彼のスタンスである。

 それがたとえ憎まれ狙われようともだ。

 

「I.O.Pやグリフィンの敵役を飲んでくれる所なんて今時なかなかないからね、そういう君達の存在は貴重だしありがたいんだよ」

 

 その後、ペルシカと報酬の件で話し合った後に運び屋はヘリポートへ戻ろうと部屋を出て行き、その後ろを部屋の外で待っていたED-Eとレックスが後を追っていった。

 それを見送ったペルシカはポツリと呟く。

 

「……しかしI.O.P製と鉄血製、偽物だとしたらどっちだろうね。 ねぇ、45?」

 

 

 

 運び屋がヘリポートに着いたところで、横から声がかけられた。

 

「おや? 思ったより早い到着でしたね! その様子では依頼は完了したということですか、相も変わらず惚れ惚れする仕事ぶりです!」

 

 I.O.P本社に配属されていたロボット、セキュリトロンことイエスマンは運び屋を見つけると早々に近づき話しかける。

 

「I.O.Pとグリフィンが我々モハビ・エクスプレスの依頼内容を嗅ぎつけてきたのを逆に利用するなんて実に爽快でしたね! いやぁ、404小隊も気の毒としか言いようがありません!」

 

 つまりは、モハビ・エクスプレスの存在を気に食わないと考えるI.O.P社とG&K社の一部が404小隊を使って輸送物を奪って面目を潰そうとしていたのを察知し、都合よく今回のペルシカの依頼内容と合致したのを利用したのが今回の案件だった。

 

「404小隊が裏工作で隠そうとしていても、その小隊に指示を出す側が筒抜けなんてなんとも間抜けな話ですよねぇ!」

 

 イエスマンは自立人形の通信であるプロトコルは規格の違いにより感知できないが、それ以外の旧時代から使われてきた通信規格には問答無用で介入でき、G&K社とI.O.P社に配置されていたセキュリトロンを介してイエスマンは人形が行うプロトコル以外の通信やデータログをすべて監視していたのだ。

 

「そうね、哀れなぐらい間抜けな話だったわね」

 

「おや?」

 

 気が付けば、嬉々として語るイエスマンの背後にUMP45が立っていた。

 

「立ったまま死ね!」

 

 直後、UMP45はイエスマンの顔であるスクリーンモニターに拳をぶち込んでいた。

 

「オオゥ!? これはまたいいパンチをお持ちですね! もっとお好きに痛めつけくださっても構いませんよ! ですが申し訳ありません、私は……死ねないんです!」

 

 イエスマンはオーバーなリアクションをするが、殴られたスクリーンモニターは罅が入っただけで痛手を負ったわけではなく、逆にUMP45の拳に怪我をさせただけだった。

 

「ちっ、それは残念ね……」

 

 そう言いながら今度は運び屋を冷めた目付きで近づき、UMP45は互いの顔が触れる直前まで近づいて運び屋の耳元で囁く。

 後ろではレックスが唸り声を上げて警戒していた。

 

「話はペルシカから聞いたわ、どうやら私達は完全にしてやられたみたいね。 でもこれは借りよ ……今度任務で相手をするとなったとき覚えておきなさい」

 

 UMP45が底冷えのするような目で睨むが、顔を覆ったガスマスクのせいで運び屋の表情は分からなかった。

 

 

「嬢ちゃんの姉ちゃん、なかなかおっかねぇな」

 

「うわぁ、45姉あれはマジでキレてるよ」

 

 ベルチバードからその様子を見ていたラウルとUMP9だったが、険呑な空気を察したラウルはUMP9の背中を叩いて外へ出るように促した。

 

「姉ちゃんのとこへ行ってやりな、妹の無事……とは言い難いが、家族の姿を見たらまぁ少しは落ち着くだろ」

 

「……家族か、うんっ! 45姉と私は家族だからね!」

 

「お、おう、そうだな? それと……リリーのばあさんは外に出るなよ、余計ややこしくなる」

 

「なんだい今日はやけに冷たいじゃないかいラウル!」

 

 後ろに控えていたリリーは不満の声を上げるが一応そのまま大人しくしてるつもりらしい。

 

「それじゃ、一応だけど武器の修理ありがとねラウルさん! 他の連中はあまり好きになれないけどラウルさんならまた会えてもいいかなって思えたよ」

 

「こんな草臥れた年寄りに構ったっていいことなんてないだろ、さっさと行きな」

 

 そうして外へ出て行ったUMP9はUMP45をどうにかして宥めようとする。

 そんな様子を見届けたラウルは操縦席に座り離陸の準備をし始めるが、ふと寂しそうに一言呟く。

 

「妹と家族か、年老いて呆けていた年寄りには懐かしい響きだな……」

 

 

 

 

 

 




クエスト完了

■完了:輸送物をI.O.P本社に届ける

■完了:(オプション)404小隊の戦力を無力化する

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