天使なヒーロー!   作:寧太

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学校によっても違うし雄英は名門校だしどうなんかなーと思いつつ、自分の高校入学時代を思い出して書きました!いやー懐かしい!
そして息を吸うように行われる捏造ゥ!


03 入学準備

合格発表から幾日、無事に卒業式を終えて後は入学を待つ身となった今、やらなきゃいけないことはいろいろある。例えば、通学カバンや靴の用意、制服や体操服の採寸、教科書の用意やその他細かいことを上げればキリがない。

1学年11クラスもある雄英はいわゆるマンモス校で、当然被服店などで採寸する際期間中各々が訪れる日付がバラけるとは言え途方もない人が押し寄せるのが目に見えているので指定被服店は関東各県に5店舗はある。

その他の学用品、例えば靴や鞄は学校指定ではなく個人の自由で、教科書などは自宅に郵送される。

 

今日はその制服・運動着の採寸の為、都内某所の被服店に来ていた。

制服・運動着自体はどの科も共通なので、複数店舗で人が分散しているとは言えやはり人は多い。あちこちで見かける両親または片親で受付や採寸しているのはおそらく同じ新入生だろう。発動型はともかく、私のように体の一部を変化させる変形型や常時個性が発動しているような異形型はより詳しく採寸して、場合によっては体に合うように改造をしなければいけないので、普通の人に比べると少し時間がかかるけれど、割と早い段階に訪れてもうすでに採寸が終わっている私は現在一緒に来ている母を待っているところだった。

 

郵送手続きや会計を済ませるカウンターは、同じような人で列をなしていてまだまだ母の番は遠いだろうことが遠目でもわかって、いっそ近くのカフェで時間でも潰そうかと思っていたところ、気づけば私が立っていた壁際の数歩隣に一人の小さな女の子がいるのに気づいた。

 

今日手続きに来た新入生のご家族だろうとなんとなしに様子を伺っていたのだけれど、なんだかオロオロとしていてまるで何かを探すようにキョロキョロとしている姿にピンと来た。

 

「こんにちわ」

 

怖がらせないようにゆっくり歩み寄りながら声を掛けて、視線を合わせるために女の子のすぐ目の前に膝をついた。

 

「けろっ……こ、こんにちわ!」

 

びっくりしつつも挨拶を返してくれた女の子。一瞬「(けろ?)」と思ったものの、なるほどよく見ればまん丸の目や少しだけ大きい口元はどことなくカエルっぽいような気がするのでおそらくそういう個性なのだろうと一人納得する。

 

「私ね、今年から雄英のヒーロー科に入学する天使藤乃(アマツカフジノ)っていうの」

「!ヒーロー科……お姉ちゃんとおなじ…!」

「あらそうなのね。今日はお姉さんの制服を作りに来たのかしら?」

「うん、そうなの!ケロっ!」

 

自分のお姉さんと同じヒーロー科ということでどうやら変に警戒はされていないみたいで内心ホっとする。聞けば愛知からお母さんとお姉さんとお兄さんの4人で来たらしく、別件で東京に用事があったからそのついでに制服を作りに来たらしい。

 

「そういえば、お名前を聞いてもいいかしら?」

「蛙吹 さつきです!6さいです!」

「さつきちゃんね。よろしくね。…ところで、そのお母様たちは何処にいるのかしら?」

「…わからない。気づいたら一人で……けろぉ…」

 

やはり迷子だったみたいで、聞いた瞬間に俯いてしまったさつきちゃん。二つ括りで可愛く結んである頭をそっと撫でれば顔を上げたさつきちゃんと目が合った。安心させるようににっこり微笑んで口を開く。

 

「大丈夫!私と一緒にお母様たちを探しましょうか」

「!ほんと…?」

「ええ、勿論!これでもヒーローの卵だからね、ふふ」

 

さつきちゃんに一つウインクをして、さて何処から探したものかと考えながら立ち上がる。

 

「最後にお母様達と一緒にいたところはわかる?」

「わかる!」

「じゃあ一先ずそこまで行きましょうか」

 

また迷わないように手を…と思ったけれど、如何せん女子の中でも背の高いほうな私と小柄なさつきちゃんでは歩きづらいかもしれないと考えて、一言断って彼女を抱き上げた。あーちゃんとは違う小さな子の重さに一瞬戸惑ったけれど、いつものようにしっかりと抱っこする。

 

「さて、では道案内をお願いできますか?小さなカエルさん?」

「けろ!まかせて!」

 

元気な声を合図に、さつきちゃんの家族を探し隊が意気揚々と出発するのであった。

 

 

 

 

 

 

「さつき!」

 

さつきちゃんの家族を探し隊が出発してから15分程、最後に家族と一緒にいたところの周辺で人が多そうなところを重点的に探していた私達の後方から声が聞こえてきた。そちらを振り向けば、おそらくお兄さんであろう少年とその後ろにはお母様と、道中教えて貰った`梅雨`お姉さんが立っていた。

抱っこしていたさつきちゃんをゆっくりと地面に下ろせば、ご家族の3人がこちらに走り寄ってきた。

 

「さつき!おまえ…」

「無事で良かった…探したのよぉ、けろぉ…っ」

「本当に無事で良かったわ…」

「お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん……ごめんなさい」

 

無事に合流できて良かった、と胸を撫で下ろしてれば、さつきちゃんのお母様が私の方に話しかけてきた。

 

「貴女がさつきを保護してくださったんですね?本当にありがとうございました」

「いえいえとんでもないです!…無事合流できて良かったね、さつきちゃん」

「ふじのお姉ちゃんありがとう!…あ、お姉ちゃん!ふじのお姉ちゃんもゆーえーなんだって!」

「あら…ええと、先輩かしら?妹を保護していただいてありがとうございました」

「大したことはしてませんよ。…ふふ、実は同級生なんですよ?」

「けろっ?…じゃあ新入生なの?」

「ええ、雄英ヒーロー科入学予定の天使藤乃です。よろしくね、蛙吹梅雨さん?」

 

これも縁、仲良くしてくださいなと手を差し出せば、体が小柄なのに少しだけ大きな手で握り返してくれた。

 

「ふふ、嬉しいわ。まだ入学していないのにもうお友達ができるなんて。蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで?天使ちゃん」

「ええ!私も雄英のお友達第一号がこんな可愛いカエルさんで嬉しいわ、梅雨ちゃん!私のことも藤乃でいいのよ」

「ケロケロっ…よろしくね、藤乃ちゃん」

 

ちょうどその時、諸々終わったらしい母から連絡がきたので、梅雨ちゃんと手早く連絡先を交換してまた学校で!と別れた。本当にありがとうございました、と頭を下げるお母様と、またねと手を降ってくれた梅雨ちゃんとさつきちゃん、それとお兄さんに手を振り返して母の元へ向かう。

 

「藤乃ー!」

「お母さん!もう済んだの?」

「バッチリ!あとは届くのを待つのみね!そういえば何処にいたのー?てっきり近くで待ってるかと思ったのに」

「ふふ、ちょっとヒーロー活動して、新しいお友達ができたわ」

「えー?なにそれどういうこと?」

 

出口に向かって連れ立って歩く中、ついさっきあったことをお母さんに話して聞かせながら、また一つ学校が楽しみな出来事が増えたなぁと顔を綻ばせる私だった。

 

 

 

 




どうでもいいメモ

天使 光黄 アマツカ コウキ
個性:光による治癒
ヒーロー名:Dr.ライト
数少ない医療系ヒーロー。敵退治もやるけれど、仕事の大半は敵被害にあった方の治療・保護。
事務所と並列で病院もあり、実家は医療に携わる企業のボンボン。愛妻家で子煩悩パパ。

天使 赤羽 アマツカ アカネ
個性:翼人
ヒーロー名:エル・レディ ※エルはフランス語で翼
夫のサイドキックとして同じ事務所に所属。夫とは6歳差で、大恋愛の末に結婚。実はイギリスとのハーフだが、中身は生粋の日本人。


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