魔法科高校の第三魔法使い   作:揖蒜 亜衣

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大変間が空いてすみません。
今回と次回は真由美回!そして一向に進まない本編...
戦闘まだか...


第5話:そして、幾年何時日は目を閉じた。

 憂鬱だ。

 

 空が青い。ポストが赤い。

 

 そして何より同じキャビネットに雫と乗っている。

 

 嗚呼、憂鬱だ。

 

 不意にムニュッと頬を抓れられた。

「今、失礼なこと考えてた。」

「雫はなんとも思わないのかよ。周りからなんて言われるかわかったものじゃないぞ。」

「何時日となら大丈夫。」

「ああはいそうですか。...どうなっても知らないからな?」

 

 駅に着いて直ぐに雫から離れようとしたが無言で着いてきた。こんなことで全力で走るのも大人気ないので俺は諦めて歩調を合わせる。

 

(客観的に)2人仲良く歩いていると司波兄妹(馬鹿ップル)を見つけた。

「司波、おはよう」

「深雪、おはよう」

 

 俺が司波に声を掛けて雫が司波達の方を向いた瞬間に全力疾走をきめた。

 

 だって俺高校生だし?

 

 校門が遠目に見えるところまで来るとクラスメイトの西城レオンハルトに声をかけられた。

「ん?どうしたんだ幾年。そんなに焦って。」

「西城か...。悪い。金持ちちびっこお嬢様に絡まれてな。」

「幾年。後ろ見ろ後ろ。」

「えっ...雫⁉︎早くないか⁉︎」

 背後を振り向くと怒髪天をついた(幼馴染み基準)雫が立っていた。

「西城くん。捕まえてくれてありがとう。」

「おう。どーせ幾年が北山を怒らせるようなことしたんだろ?」

「出会って昨日の今日で随分な言い草だな。」

「クラスじゃお前が生徒会長を真っ平らだのちびっこだの言ったって噂だぜ?」

「事実じゃないか。」

「そういうところだと思うぜ?」

 西城が呆れたように首を振るが、トップの短所を指摘したら追跡とかソ連も真っ青の言論統制だぞ。

「それじゃ、あとはお二人さんでよろしくやってくれ。」.

「待て西城。その言い方だと俺と雫が...」

「うん。ありがとう。」

 薄情にも西城は俺の言い分を無視してさっさと歩いて行ってしまった。

 

「なあ、雫。昔は俺の方が上だったよな?一体4年間で何があったんだよ。」

「昔から私が上だったよ。もう忘れた?」

「ほーう?体育も身長も友達の数も俺の方が上だったよな?今ならワンチャン魔法力でも勝てる自信があるぞ何なら今ここで...」

「5歳の頃、お泊まりした翌朝何時日が泣きついてきて________」

「よし分かった俺の負けだ」

 昔の話を出してくるのはずるいだろ...

 

 結局、雫と二人で登校して周囲にあらぬ誤解を与えたのは言うまでもない。

 

 

 昼休み。

 

「幾年って北山さんとどんな関係なんだ?」

 周囲から雫との関係について沢山尋ねられた。

「雫とは単なる昔馴染みだよ。親同士が仲が良かっただけだ。」

 これを何度繰り返しても信じて貰えない。

 流石に面倒くさくなって昼飯を食いに席を立った。

 その時、教室の後ろのドアが開き一人の女子生徒が入ってきた。

「何時日くん?ちょっといいかしら。」

「ゲッ!真由美ねぇ...」

「昨日、北山さんの家に泊まりに行ったって聞いたけど、本当なの?」

 

 その瞬間、教室中の雰囲気が変わった。

 

 女子の家に遊びに行き泊まり。しかも相手は幼馴染み。朝は二人で登校。

 

 なるほど。俺への当て付けか。

 

 あの毒舌女!後でぶん殴ってやる!

 

 

「それが?」

 しかし内心を見せずに真由美ねぇを見つめ返す。すると逆に気圧されたのかやけにしどろもどろになり始めた。

「と、年頃の男女が家に泊まって朝帰りなんてはしたないでしょ⁉︎」

「特大ブーメラン投げるなぁ...。真由美ねぇこそ人のこと言えないじゃん。」

「な!?わ、分かったわ。ここだと人が多いから生徒会室で話し合いましょう。」

「やだよ。面倒くさい。それにこれから雫達と昼飯。」

「何時日くんに拒否権はないわよ。 これは生徒会長命令です。」

「弾劾裁判って規定にある?」

 それでも真由美ねぇは俺がのらりくらりと躱すのを徹底的に追い詰めてくる。

「...仕方ないか。司波。悪いが伝言を頼む。」

「ああ。分かった。」

 こうして俺はめでたくクラスから腫れ物扱いを受けました。

 ちくしょうめ。

 

 

 そして生徒会室にて。

 

「何時日くんはいつからこんな不良になったのかしら...」

「どうした発育不良会長?」

「なっ!?何時日くん!女性にその台詞はセクハラよ!」

「ごめんごめん。なんとかグラマー(笑)だっけ?」

「何時日くん!」

 

 俺が真由美ねぇを煽り続けて真由美ねぇが過剰に反応するのを生徒会の面々が遠巻きに見ていた。

 

「会長にあんな話し方ができる人がいるなんて...」

 中条先輩が感心半分呆れ半分に呟いた。

「会長はああ見えて自分の体にコンプレックスがありますから」

「しかしそこを容赦なく突く幾年も大概だな...」

 市原先輩と渡辺先輩は劇を眺める観客のように解説していた。

 

「幾年!それ以上はやめろ。会長も困っているだろう!」

「はんぞー君?」

 その時1人の先輩が割って入った。若干狙っていた節が見えたので早速利用させて貰おう。

「初めまして、先輩。真由美ねぇがまた変なあだ名をつけてるみたいですみません。」

「あ、ああ。いつも言っているんだがなかなか直してもらえなくてな...」

「俺も何時日でうぃるくんにされかけましたから。必死に抵抗して逃げ切りましたが。」

「...ちなみにどうやって回避したんだ?」

 よし。あともう少しで落ちる。

 確信した俺はここぞとばかりにもう一押しをする。

「真由美ねぇね下の名前を呼び捨てにすればいいんです。そうすればあっさり折れましたよ。」

「な、なに!?いや、それは流石に...」

「いいんですか?このままだと卒アルにもはんぞー君が永久に残りますよ?」

「む、むぅ...」

 いい兆候だ。押せ押せあと一押し!

「頑張ってください!真由美ねぇならそこまで後は引きません。今がチャンスです!」

「今が、チャンス...。ま、真由________」

「よしそこまで。幾年。なかなかに面白かったがもうそこまでにしてやってくれ。服部が可哀想だ」

 ギリギリで渡辺先輩が介入してくれた。さっきから笑いを必死にこらえていたのでこうしてくれるとは分かっていた。

 一方で先輩は顔を真っ青にして真由美ねぇに頭を下げていた。

「す、すみません会長!なんと言えばいいか、これは...」

「大丈夫よ。はんぞー君。そこまで気にしてないからはんぞー君は心配しないでね?はんぞー君ならきっと踏みとどまってくれると信じてたから。ね?はんぞー君?」

 おこだった。まじでおこだった。

 真っ黒な真由美ねぇに恐れをなした先輩は逃げるように生徒会室を去って行った。...あっ、名前聞き忘れた。

 

「それじゃあ、俺もそろそろ次の授業があるし。」

 さりげなく生徒会室を出ようとすると肩をガシッと掴まれた。

「何時日くん。今日の夜、予定空いてるかしら?」

「ごめん、今日も雫の家に泊ま_______」

「父や妹たちが何時日くんに夕食をご馳走したいって言ってるの。」

「雫の家で晩御________」

「空いてるわよね?」

「いや、そのまぁいろいろ予定が________」

 

「 空 い て る わ よ ね?」

 

「はい...」

 

 俺はもはや頷く以外に選択肢はなかった。これが十師族の本気...

 後ろで中条先輩が小さくなってカタカタ震えているのを見つけ、この後の自分を想像して背筋を震わせた。

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