——半年前。
勝負は決した。私の勝ちだ。
私のチーム、相手のチーム、観客。皆唖然としていた。時が止まってしまったかの様な空間に、私と相手選手だけが動いていた。
実際には相手選手は立ち尽くして動いていない。私もそんなに身動きはしていなかった。動いているのは二人の感情。
恐らく相手は意味がわからないのだろう。そしてその後沸々と怒りが湧いてくる。私はそうなる人を何度も見てきたし、この人もそのタイプだろう。
対して私は悲しさを覚えていた。自分の勝利は嬉しい。しかしこれは団体戦であり、チームとしては負けているのだ。
ここで私たちは敗退。中学最後の部活はここで終わり。地区大会は制したが全国では一回戦負け。それが私たちの最高記録。
「し、試合終了! 大将戦勝者、戦場学園、新宮月乃選手!」
「ありがとうございました」
「あ、ありがとう、ございました⋯⋯」
私と相手は互いに前に出て握手する。相手の握る手は強い。すぐに離れようとしたが、離してくれなかった。
「あんた、何なのよ。何てデッキを組んでるのよ! 今のはまぐれよ! あんなカードを入れてるなんて、ふざけてるわ!」
チームでは勝ってるというのに、ご立腹のようだ。
「たしかにまぐれだと思います。実際あなたの方が強いですし。でもふざけてはないです」
「どこがよ!」
「あのカードをデッキに入れてるのはおふざけじゃないんですよ。あのカードを使ったから勝てた。これが良い証拠だと思いますけどね」
「そんな⋯⋯っ、限定的過ぎるわ! あり得ないでしょう!?」
「それが私のデッキです」
語気を強めて言った。それでどうやら納得してくれたみたいで、それ以上の追求はない
「あなたは強いです。多分今大会で誰よりも。あなたのチームの方もそれなりに強いので多分優勝はあなた方だと思いますよ」
「⋯⋯当然でしょう。優勝以外有り得ないわ」
「ふふ、そうですね。あなたは多分、この先誰にも負けずに優勝まで行くと思います」
「でしょうね」
「でも、私はあなたに勝ちましたからね」
「⋯⋯」
「それくらい、夢を見てもいいでしょ?」
後ろのチームメイトからはすすり泣く声が聞こえる。正直に言って、泣きそうだった。虚勢を張るので精一杯だった。それを見越したのか、相手からは怒りが消えていた。
「⋯⋯あんた、名前は」
「新宮月乃と言います」
「そ、私は」
「知ってます。デュエル前に名乗り合いましたから」
「⋯⋯そう言えばそうね。そうか、その時点で私は負けてたのね⋯⋯」
自重げに笑う。自分でそれに気づけるならこの人はもっと強くなるだろうね。
「また、デュエルしましょう。今度は私が勝つわ」
「はい」
そう言い残し、九条京華は去っていく。私も振り返りチームメイトの元へ戻った。
中学校全国大会の優勝校は、宣言通り九条さんたちの学校だった。思った通り、九条さんは私に負けた以外に敗北することはなかった。
そして現在。私はデュエルの名門、天使原学園に入学した。どこの部活に入部するか、まだ決めかねている。