アカメが斬る!〜闇のキバが裁きを下す〜 作:マスティ魔
侵入者の三人組の元へ移動していると頭に獣の皮を被っているのを確認すると、どうやら帝国に雇われた異民族のようだ。ダークキバになっている今の状態なら余裕で追いつける。
「ちっ!追いつかれたか!?」
「コイツのこの容姿……キバだ!?」
「なっ!?」
どうやら俺の噂も知っているようだが関係ない。アジトを知った以上絶滅させるだけだ。
驚きを露わにしている標的達の中で一番近くにいる曲刀を持っている禿げ頭の心臓に細剣ジャコーダーロードを突き立てる。
「ガハッ!?」
あまりの速さで自分がヤラレた事に驚愕しながら男は絶命した。そして、今度は獣の皮を被っている男がハドーの死角から斬りかかってくるが、常に視界に頼らない訓練を積んでいるハドー相手には愚行である。突き立ているジャコーダーから手を離し、上段から振り下ろされる剣を片手で捕まえるや否や数秒も待たずにその刀身を砕く。粉々に砕かれた剣に気を取られ動きに遅れを出した男の心臓目掛けて拳を振り抜く。すると、心臓諸共男の身体をいとも簡単に拳が撃ち抜き2人目を絶命させる。
「ヒッ!?」
目の前で起こった惨状に小さな悲鳴を上げながら、最後に残った標的の異民族の年若い男はハドーに無防備な背中を晒しながら逃げる。
「
『絶滅タイムだ!喜べ!』
ジャコーダーを回収し、鞭形態のジャコーダービュートへ変え、ジャコーダーをキバットへ噛ませた。
『
「スネーキングデスブレイク」
キバットに鎧の魔皇力をジャコーダーへ流させ、強化されたジャコーダービュートで標的を刺し貫いた。そして、ハドーはまだ息がある標的を近くの木で吊るし上げ、ジャコーダーに流れている魔皇力を標的へと流し込んだ。
「ガア″ア″ァァァァァァ!!!!」
人体にとって有害である魔皇力を流し込まれた男は苦痛の悲鳴を上げ、目、鼻、口、耳と言ったあちこちから血を流しながら絶命した。
自分が担当した標的の死を改めて確認し、アジトへ戻っていく。
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日が沈み夜となりタツミの加入と初任務を生き残ったことを祝して小さな宴会が開かれた。アカメによるとタツミは敵を討つことを躊躇し窮地に陥ったがアカメが駆けつけことで事なきを得たという。そして、戸惑いをアカメに指摘されたタツミはうかない顔をしながら何処かへ行った。
「考えが甘ちゃんすぎるのよ、あの新人」
タツミが友人の墓へ行ったのを見計らってマインは肩を竦めながら愚痴る。
「お前も初任務の時は似たようなものだったろ。シェーレに危ない所をフォローしてもらってた癖に」
「アレ、そんなことありましたっけ?」
「シェーレは忘れているだけだ」
「はぁー!?私があんな奴と一緒なわけないでしょ!!」
「えぇーマインちゃんも中々危なかったって俺も記憶してるよ」
「うっさい!!ドヘンタイ!!」
「ヒデェ〜〜〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
キシャーと唸るマインにタイコウバチの蜂蜜がかかったホットケーキを渡しつつラバックを生贄にし、タツミの元へ向かう。案の定、死した友の墓の前に膝を抱えこんで座っていた。
「初任務の死亡率は高い。よく生き残ったな」
「ありがとう、ハドー。でも、俺………躊躇しちまったよ…殺し屋になったのに」
「仕方がないことだ。相手も人間だ。お前が故郷を救いたいという戦う理由があるように敵にも戦う理由がある」
「ハドーは………迷わないのか?」
「迷わない。レオーネあたりに聴いたと思うが、俺は父を討つ。しかし、それは俺個人としての目標だ。俺が今すべきなのは“民の誰もが心から笑い合える国を創る”こと。だから、その道のりで誰に怨まれようとも闘い続ける覚悟を兄の墓前で誓った。だから、俺は迷わない」
「すげいなハドーは。でも俺は………」
「殺した相手のことよりも、殺しによって救える命があると思えばいい。それに殺し屋として生きていけなくても人はいくらでも生きていける………俺はそろそろ戻る。お前も早めに戻って来い。ボスもお前も交えて話があるみたいだったからな」
「おう……ありがとうなハドー……俺も頑張ってみるよ」
それだけ告げて立ち上がるとその場を後にし、アカメたちの元へ戻っていく。ハドーが戻ってから数分も経たないうちにタツミは戻り、ナジェンダからアカメの下で色々と勉強しろと告げられた。
そして、楽しい宴会が終わり皆んなが寝静まっていく中ハドーは、
「すまないアカメ」
「構わないさ。いつでもいいと言ったのは私の方だ」
「ちょっと痛いと思うけど我慢してくれ」
「心配しすぎだぞ。それに………辛いんだろ?」
「ありがとうアカメ」
「来てくれ………ハドー」
密かにアカメに吸血させてもらっていた。
あの一件から吸血衝動は収まるには収まったが、魔皇力を用いた必殺技を使用した日には無性にアカメの血を吸いたくなってしまう。ソレは回数の多さに関係なく。
パジャマに着替えていたアカメの白い肌の首元に伸びた牙をそっと突き立てる。
「あぁ……くぅ…」
チクリとする痛みとともに来る快感によりアカメの声は僅かに震えてしまう。自分の理解できない感覚に戸惑いながらもハドーが優しく抱きしめてくれていることに安らぎを感じながら自らの血をハドーに吸わせる。
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タツミの初任務から数日の月日が経ち、タツミはアカメの下で炊事担当をしながら、ちょっと自分の扱いに不満があるようだ。そんなタツミにマインは意地悪そうに突っかかりとたわいない光景を広げている。
「殺し屋なのに来る日も来る日も炊事担当………」
「それはしょうがない。ナイトレイドの中での私の割り当ては炊事だからな。私と組めば必然的にお前も炊事担当になる。この後は私と食料調達に行くぞ」
「ああ……というか、さっき出てった他の皆は何処いったんだ?」
「別の任務だ。因みに言っておくと、ハドーも私と同じ炊事担当だが、アイツは医師でもあるからハドーと組めば薬作りも学ぶことになるぞ」
「へぇー炊事もしながら薬も作っているのか、ん?でも朝からハドーもいないけど一緒に行ったのか?」
聞き返すと、アカメは被りを振って否定した。
「いや、今朝からハドーとキバットは帝都で革命軍の密偵チームと情報収集だ。帰ってくるのは明日の朝ぐらいになる」
ハドー達が各自の役目を全うしているのに対して自分はまだまだ新人であることを痛感しながら、アカメとともに食料調達へ行く。そして、ブラート、ラバック、マイン、シェーレの不在の間にタツミたちに民からの帝都警備隊長のオーガ、油屋のガマルの暗殺依頼が入る。タツミはコレを自分たちがやり遂げると宣言し、見事その依頼をやり遂げた。余談ながら傷を負っていないか確認するためタツミはアカメ、ナジェンダ、レオーネにパンツ一丁にされたが、アカメが自分をとても心配してくれていたことに初めて気づいた。
そして、後日タツミはマインの下で殺し屋として勉強しろと言われた。
タツミがマインの下で働くことになった次の日の朝、今だに部屋から出てこないマインをナジェンダの命令によりタツミが呼び行っている間に帝都での調査を終えたハドーはナジェンダに報告を行っていた。
「———以上が大臣の遠縁に当たるイヲカルの情報です。裏も取れているので護衛諸共殺しても問題はない。だが、その護衛は破門されたとは言え皇拳寺出身者で内の1人は元師範代を務めていた程の難敵だ」
「わかった。すまないな危険な潜入の後にまた暗殺の任務まで」
「問題ない。あの変装は………………言いたくはないが完璧だ」
「ふふん!そうだろそうだろ!」
半端なく言いたくないという顔をしながらも潜入する時にいつも女性陣に無理矢理やらされる
「で、決行は今晩なのか?」
「あぁ、お前たちの情報で標的が自室を出る時間が判明したから、その瞬間にマインに狙撃させる。その後追って来る護衛達をナイトレイド全員で駆逐する作戦で行く」
「了解。今のうちに少し仮眠をさせて貰う」
「アカメ達には私の方から話しておく。今は休んでおいてくれ」
そう言ってキバットが既に戻っている自室で仮眠を取るため会議室を出ていく途中で小腹が空いたため厨房へ行くとアカメが朝食の準備をしていた。
「ん? おかえりハドー。戻って来ていたのか」
「ただいま。今さっきな潜入での報告を終えたところだ」
「そうか、お疲れ様だな。何か食べるか?」
「小腹が空いたから、林檎でも貰うさ」
「好きだな林檎」
「果物の中では一番の好物だからな」
置いてある林檎を丸噛りながらアカメが作っている朝食のスープを見ていると、アカメが味見用の容器を突き出して来た。
「味見してくれ」
突き出してくれた容器を飲ませてもらったハドーはスープの味に満足したためアカメにグッドサインを出す。
「いつも美味しいなアカメの料理は」
「そう言って貰えると作っている者として気分が良くなる」
「昼食は俺も手伝うからな」
「あぁハドーの料理はどれも美味しいからな今からでも楽しみだぞ。おやすみ、ゆっくり休んでくれ」
眠気に負けそうになりながら部屋に辿り着き、そのままの格好でハドーは眠りについてしまった。しかし、ハドーが完全に眠りにつく前に
…ウ……ヌハ…シ…ヌ…コノ………マ…マ…デハ…
…………ザン………バ……ト…ヲ……ツカ…メ……
今まで聴いた事も無い声が耳に入って来た。
その言葉の意味を理解することになるのは、もう少し先のことになるのをこの時のハドーはまだ知らない。
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輝く星々が暗夜の空の下でハドーたちナイトレイドは標的イヲカルが屋敷から出てくるのを待っていた。
「随分とイヲカルの情報を集めてこれたな?」
「
「なるほど〜コレはレオーネ姐さんの大手柄とも言えるな〜」
「いや〜(^◇^;)ホント、あの時の酒の勝負で勝っておいて良かったぁ〜」
「確か〜レオーネがハドーの吸血の事を弄り倒しすので、それに怒ったハドーと多少の酔っていたレオーネと酒の飲み比べの勝負をして、ハドーがあっさりと負けたのが原因でしたよね?」
「その通りだ。その一件の際でハドーは潜入任務の時は必ずと言っていいほど
「ま、負けちまったものはしょーがねぇさ。負けた以上男らしく振る舞えよ」
「あんな格好で振る舞えるかぁぁぁぁ‼︎」
標的が現れなず、離れた所にいるマインの狙撃も無いため何気ないラバックの一言から始まり、最終的にはここにいないマインとタツミ以外のメンバーにレオーネに飲み勝負で負けたことを掘り返される。
「お前ら……あの一件を掘り返してたのしいか?」
「「「「「うん」」」」」
「ッざけんな!絶滅させるぞ?」
「きゃ〜助けてくれ〜アカメ〜ハドーが私達を虐めようとしてくるぅ〜」
「ダメだぞ、ハドー。皆んなは大事な仲間なんだからな」
「何で全面的に悪い事になるだよ」
深いため息を吐いた所でイヲカルの屋敷から一筋の光が走った。即ち其れはマインのパンプキンによる遠距離狙撃。そして、見事に標的を仕留めたためおこぼれを貰っている護衛達がマインを捕らえるために動き出す。しかし、そんなことは予想済みであるのでアカメ、ブラート、シェーレ、ラバック、ハドーが仮面を付けた5人の護衛の進行方向で待ち伏せる。案の定、護衛の内の1人がハドーへ襲いかかってきた。
「皇拳寺の門下生も堕ちる所まで堕ちるか…」
「ダマレェェェェ!!」
皇拳寺の門下生として鍛えられているため中々のスピードの拳をふるってくるが、普段からブラートの槍捌きやアカメの剣を相手に訓練を積んでいるハドーからすれば避けるのに難のことはない。降り注ぐ拳の雨を全て受け流し、相手が拳を振り抜く瞬間を狙いすまし、
『「絶滅しろ」』
鋭い手刀で男の心臓をぶち抜き、身体を大穴を開け絶命させる。
手についた血を振り払い、周りを見てみるとレオーネが最後の1人を片付けていた。
「あー! スカッと爽やか♡」
暴れられてレオーネはどうやらご満足な様子でストレスが全くないホクホクな表情を浮かべる。そんなレオーネに仮面の下で苦笑いを浮かべているハドーは、死体となった護衛達の数を数える。
「やはりか……」
「1人足りないようだな」
標的のイヲカル、その護衛の数は全員で6人の筈。しかし、ここにいるメンバーで倒した数は5人。明らかに足りない。数が合っていないことに疑問を浮かべ、口元に手わ置き、調べた筈の情報をもう一度整理し直していると、アカメもその疑問に便乗する。
「おそらく、残りの1人はマインとタツミの所に行った可能性が高いな。逃げるより下手人を差し出した方が自分が生き残れる可能性を高いはずだからな。先に行ってくる」
「2人を頼むぞ」
「大丈夫だろ、あの2人はそう簡単にやられる筈は無い」
「////……ん…」
2人の無事を想うあまりに不安そうな顔をするアカメの頭を1撫でしてからハドーは魔皇力で強化された脚を使い、もうダッシュでマインたちとの合流場所へ向かう。
そして、合流地点へ向かってからしばらくしたとき、ハドーの耳に何かが放たれる轟音が入ってくる。しかし、ハドーはそれに薄く笑みを浮かべ合流地点の近くに行くと、聞き覚えのある声が怒鳴りあっているのが聞こえる。
「なによ!せっかく認めてあげようと思ったのに!!」
「うるせぇ!お前天才じゃないな、秀才止まりだ!!」
茂みを抜けて声のするほうを見ると、案の定タツミとマインが言い争いをしていた。彼等のすぐそばには護衛の一人と思われる男の骸が胸を打ち抜かれた状態で倒れていた。恐らく先ほどの轟音はパンプキンの砲撃で、護衛の男はそれに打ち抜かれたのだろう。しかし、タツミの頭を見てみると頭頂部がチリチリになっており、多少なり煙も出ていた。随分と大変なことになっているようだ。肩を竦めつつ未だに言い合いをしている二人を見ていると、アカメ達がやってきた。
「やっぱ心配する必要なかったな」
「ああ、あの程度の奴等なら問題はなかっただろ」
「………そうだな」
レオーネの言葉に頷きつつ、アカメは薄く笑みを浮かべる。
その後、二人のいい争いが一段楽したところでナイトレイド一行はアジトへと帰還した。
会話の中にある変装についてはその内出しますよ〜
ハドーは心底嫌っていますが、女性陣はキャーキャー言っています。
それでは次回も楽しみにしていて下さい。