アカメが斬る!〜闇のキバが裁きを下す〜 作:マスティ魔
※所々甘い展開がありますのでブラックコーヒーをお手に。
タツミがシェーレによって慰められてからも月日は流れていく。その中には、野党によって両眼を失った少女をタツミとシェーレがアジトへ連れてきてしまったこと、先代のインクルシオの所有者であるゲンセイ率いる人のこころを修羅へと変貌した武人たちのなれ果てである眉雪会との激戦などといった暗殺と日常を重ね合わせながら、革命への一歩を着々と進めていく。
そんな彼らナイトレイドのある日。
修練場でタツミは教育係の番が回ってきたハドーによって押さえ込まれていた。
「ぐぬぬぅぅッ!!」
地面とハドーの間に挟まれる様にいるタツミは、身体中に力を入れハドーの拘束から逃れようと試みるが、原因は不明だが抜け出せずにいる。そんなタツミをハドーは流し目で拝見しながら、服の上からでもタツミの筋力が以前よりも格段に上がってきていることを改めて理解する。そして、数分もの間のタツミの抵抗も虚しく彼は白旗を上げ、ハドーに降参する。
「クッソォォ!なんで勝てないんだ!?」
「単純な話だ。お前は全体に力を入れ過ぎのあまり筋肉を硬直させてしまい、簡単に間接技を決めさせる要因を作った。さらにお前は、力に頼りすぎるあまり敵から受ける力を流すということをしていない」
「うーん?中々難しいのな。俺ってば、ハドーみたいに受け流す柔関連の技とか苦手だから」
「人には向き不向きがある。しかし、俺たちはいつ死ぬかも分からない日常を送っている。苦手とは言え、初歩関連はお前の身体に叩き込んでやる」
「おう!頼むぜハドー!!」
「意気込みはいいな。だが、気合いだけでは生き残れはしないぞ」
ニカッと暗殺者とは思えないほどの明るい笑みを浮かべてくるタツミに、少々複雑そうな表情をするハドーは、タオルとともに水筒を手渡す。
「うぅ…アニキにも言われることだからな」
「常にココロは熱く、頭はクールにしておけ。俺もナイトレイドに入りたての頃は熱いせいで、ラバに怒られたことがあるからな」
「へぇ〜そうなのか、意外だな。仕事の時とか、剣を握った時とかハドーはクールなのにな」
暗殺の依頼を行う際に冷徹なまでに冷静に対処するハドーを見ているタツミは、信じられないと言いたげに驚いた表情を浮かべる。目を見開くほど驚きを露わにするタツミをおかしそうに見下ろしながら、ハドーは少し懐かしそうに語る。
「オレが初めて標的として帝具使いと相対した時、相性の悪さでアカメが倒されていた時、冷静さを欠いて飛びかかりそうになったんだ。その時は、ラバにキバットもいたお陰で危なかったがな」
「あ、あのアカメがやられるってやべぇな」
「その時の相手は風を操る上に、近づいたら周囲の空気をなくし、無空状態にする奥の手を有していたからな。近距離による接近戦を得意とするアカメでは相性最悪だから。だが、何とか俺とラバの連携技で倒すことには成功したし、その帝具も革命軍が所有している此方は戦力増強もできた」
「何事も慌てず、常にその時の最善を尽くすってことだよな!」
「そう言うことだ。それと、コレはアカメ以外のナイトレイドの皆が了承してくれた大事なことを伝えるぞ」
「なんだよ。大事な事って?」
そして、今度は明らかに先程とは雰囲気が違うハドーに訝し気な眼差しをタツミは向ける。
「いずれ俺は、アカメの血だけでは抑え切ることが出来なくなる日が来る。そして、その時の俺はおそらく人のココロを失い、血を求めるだけの怪物に成り果てるだろう。その時は……………俺を殺してくれ」
「なっ!?」
悲痛な目をするハドーから底知れぬ覚悟を感じ取ると共に、仲間である自分達に自らを撃つように懇願するとは思っていなかったのか、タツミは大口を開け持っていた水筒を取りこぼすほど驚きを露わにする。
「今のお前には早いかもしれないが知っておいてほしかった。例え、俺を斬る覚悟が出来なくてもいい。人のココロを失った俺からアカメを……ナイトレイドの皆を護ってくれ。おそらく、アカメは自分の血が無くなるまで俺に飲ませてでも救おうとしてくれるだろう。でも、俺はアカメにそんなことをしてほしくない。アカメの命を代償にしてでも、俺は生き永らえようと思わない」
「で、でも!」
いつの日か、ココロを失うことを予期しているハドーは、詰め寄ってくるタツミの胸部にそっと拳を当てながら、話を続ける。
「頼む。お前を男として、見込んで頼む。俺からアカメを……ナイトレイドの皆…家族を護ってやってくれ」
「…………………分かった。でも、俺だって諦めないからな!」
ハドーの覚悟を汲み取ったタツミもまた自らの決意の証としてハドーの胸部に拳を当て、覚悟の炎を宿す瞳で言葉を繋ぐ。
「あぁ、わかった。
元気のいい返事をし、タツミはハドーとともに支度を済ませて傷薬の作り方を教わりつつ薬草採取を行うのであった。
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日が沈みかける夕方にハドーとタツミはアジトに帰還した。目的の薬草の他にも、道中遭遇したアブルファンゴを狩ったため夕食には又しても肉料理となったのは余談である。
そして、食後の運動としてブラートは素振りへ、タツミとマインは帝都から戻ってきたラバックから大人気マンガ『オーダーマン』の作者ピュア先生の話を聞いていた。暗殺者としてではなく、貸本屋としてのラバックと交流があるピュア先生は、人当たりが本当によく、困っている人を見捨てることの出来ない帝都に数少ない善人の1人である。
「その先生の描くオーダーマンってどんなマンガなんだ?」
「知らないの?ホント、アンタって田舎者なのね〜」
ピュア先生が描く漫画に興味を持ったのか、少年のように瞳を輝かせるタツミに対し、マインは相変わらず小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。田舎出身なため帝都のことを詳しく知らないタツミは田舎者であることを否定できず、悔し気に下唇を噛み締める。
「読んでみろよ。少年のお前向きだぜ」
「そ、そうか。俺ってば結構精神年齢上がって来ているんだぜ。コレでも」
「私も知らないので一緒に読ませて下さい」
分かりやすくソワソワしているタツミとともに後ろからシェーレも興味深そうに顔を出す。その後、タツミとシェーレはともに少年漫画である『オーダーマン』を読むのであったが、シェーレは早々寝落ちしてしまう。しかし、タツミは黙って1人で読み続け全てを読み切るや否や、立ち上がる。
「アニキィ!俺とオーダーマンごっこやろうぜ!!」
そして、先程まで精神年齢が上がっていると発言していた者とは思えないほど幼稚というのか、少年心の極みというのか分からなくなるほどの遊びに素振りから帰ってきた歳上のブラートを誘う。
「いいだろう!!俺も熱い物語は大好きだぜ!!」
対する大人の筈のブラートも乗っかり2人して、ヒーローごっこへと走るのであった。そんな2人をちょっと混ざりたそうなナジェンダと、うたた寝をしかけているシェーレ以外の女性陣であるレオーネ、マインはドン引きしたかのように呆れる。そんな2人を置いて、キラキラと瞳を輝かせるタツミはハドーにも声をかける。
「なぁ!ハドーもやろうぜ!!」
「悪いが遠慮する」
しかし、彼はその誘いを断る。
「なんでだよ!熱いヒーローものは、男のロマンだろ!!」
「見て分からないのか。今の俺は———」
「コラ、ハドー起き上がろうとするな」
起き上がって理由を話そうとしたのだが、アカメの声が頭上から聴こえてしまったので、ハドーはしぶしぶ寝転がるのであった。
「アカメにマッサージして貰っている途中だ。だから、参加せん。マインに頼め」
レオーネ仕込みのマッサージをアカメはハドーに施しているため、2人の参加を断念したタツミは燃え上がり続ける熱意のままマインを願い続けるのであった。その結果、キレたマインがパンプキンを取り出しブラートとタツミに襲いかかってしまったことで、ごっこ遊びはオーダーマン役がタツミ、ヒロインであるレディオーダーマン役を何故か嬉々としてブラートが、敵役がマインという図式になってしまうのであった。そんな3人を呆れたように眺めつつも、思いの外アカメのマッサージが心地いいのか、だらし無いような間抜けな顔になり始めるハドーはアカメのマッサージを堪能するのであった。そんな2人を相変わらずラバックは血の涙を流さんと言わんばかりに嫉妬の鬼と化しかけるのだが、ナジェンダの拳骨によって強制的に沈静化させられるのであった。
「全く、コイツらは。それよりもレオーネ依頼進展は?」
「いんや全然」
「どんな内容でしたっけ?」
「確か、娘が行方不明になった父親からの依頼だったはずだ」
「あ゛ぁ、む娘は家出をす、するような子じゃ、すまんアカメ…もう少し腰を強く押してくれ。あ゛ぁぁソコソコ。するような子ではなく、もしも犯罪的な…ぐぅ…ことに巻き込まれているのなら、そ、ソイツらを殺してくれという…い゛依頼だ」
ごっこ遊びに参加できなく少し残念げなナジェンダは気を取り直して、レオーネに今請ている暗殺の依頼についての情報を整理する。そんな2人の会話に眠りかけていたシェーレ、ハドーにマッサージ中のアカメ、されているハドーも参加し、改めてどの様な内容であるのか、再確認する。
「テメェ!アカメちゃんに黙ってマッサージされるか、ちゃんと喋るかどっちかにしろ!!話が聞き取りにくいんだよ!!つーか、ソコ変われェェェ!!」
「標的がハッキリしない以上雲を掴む様なモノだが、もしものことを考えてラバック、レオーネ。もう少し帝都を探って来てくれ」
「りょーかい、ほら行くぞーラバ〜」
「ちょちょっと待ってレオーネ姐さん!ハドーを殴らせて!殴らせてぇぇぇ!!」
「ハイハイ、2人のラブっぷりは今に始まったことでもないだろ」
レオーネに首根っこを掴まれながらラバックは、彼女とともに帝都へ調査に向かうのであった。
「どうだ、ハドー。レオーネの様に上手く出来ているか?」
「あ゛あ゛、マジで気持ちい゛い゛。さいごぉ〜〜〜」
どことなく甘〜い雰囲気を出すアカメとハドーを面白そうにナジェンダは眺めているとテーブルで1人酒を飲み続けるキバットが耐えキレなくなったのか、眉間にシワをよせ始める。
『全く、随分と間抜けヅラになったモノだな』
「そー言ってやるな。たまには、あぁいうリラックスも2人には必要なことだ。しかし、いい加減に身を固めてくれないものかな」
そんな2人の声がタツミたちのごっこ遊びでかき消されてしまったため、ハドーとアカメの耳に入ることはなかった。
ハドー爆発しろ!!
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その日の深夜の内に異民族の男によって、見知らぬ女性が拉致されそうになっていた現場に出くわしたピュア先生は自らの善意のままに飛び出す。その結果、ピュアは重症を負うものの調査に来ていたラバックの機転によって助かる。そして、漫画家としての絵の才覚によって一瞬の内に、その異民族の男の似顔絵を描き、ラバックに託し、力尽きるように意識を失う。
その後、ラバック、レオーネ、ハドー、タツミ、マインの調査によって、たった数時間で、その男のアジトを発見する。そして、その男こそが連続女性行方不明事件の首謀者であることを突き止め、夜襲をかけることとなる。
「なぁラバ、なんでオーダーマンの面なんか被ってんだ?」
『俺たちのパクりか、小僧』
「チゲーよ!ピュア先生の分も乗っけて、悪人を裁くんだよ。そのためにちょっとオーダーマンの力でも借りようって話だよ」
「なんだが、ラバのくせに生意気ね」
「えぇぇぇぇ何で!俺結構カッコいい言ったのに!?」
「いい加減に漫才も終わりにしろ。行くぞ、奴等もそろそろ古代危険種を目醒めさせようとするぞ」
「標的…異民族全員。皆、気を引きしめろ」
「「「「「了解」」」」」」
ナジェンダ以外のナイトレイドのメンバーはそれぞれ気配を殺し、建物へと潜入する。すると中では、数十メートルはある巨大な卵を祭壇に置き、その側に死した3人の年若い女性を貼りつけにしていた。そして、その側には男と同じような装束をした異民族の者達が何十人も狂ったように祈りを捧げていた。
「間もなくだ…間もなく我らの大願が成就する。生贄の血によって古代危険種バルルキングの卵は孵化する。そして、目覚めたバルルキングによって、お前たちの帝都は地獄へと化す!我らの一族の復讐は果たされるのだぁ!!」
「狙いをベラベラと喋ってくれてありがとよ」
「お陰で貴様達が何をしようとしていることも把握した」
儀式に夢中でいた異民族の者達はラバックとハドーの声に驚愕し儀式を中断する。
「誰だ!?」
「貴様たち……」
「悪を斬る者さ」
声のする方を振り返ると、オーダーマンの仮面を付けたラバックと顔に魔皇力によるステンドグラスの様な紋様を浮かび上がらせるハドーがいた。
「「さぁ……お前たちの罪の数えろ」」
その言葉を合図とする様に、物陰にいた他のナイトレイドのメンバーが次々と現れ、異民族の者達全員を取り囲む。
「全員生かして帰すなぁぁ!!」
「行くぞ、キバット」
『有り難く思え!絶滅タイムだ!』
「変身」
ダークキバへと変身したハドーは向かってくる武装した異民族の者達に正面から突っ込んでいく。ハドーの無策に異民族の者達は不敵な笑みを浮かべるのだが、近くの建物を支える柱が死角から現れたシェーレによって両断される。その結果、前列にいた者たち数人は柱を避けることが出来ず、踏み潰され圧殺される。そして、倒れた柱を踏み台にし飛び上がると、ジャコーダーをキバットに噛ませる。
『
「スネーキングデスブレイク」
魔皇力によって強化させた、ジャコードビュートで祭壇に鎮座している卵の中で眠っているバルルキングの心臓目掛けて、その切っ先をハドーは突き出す。刺し貫いた感触を確認し、ハドーは標的であるバルルキングへと鎧の魔皇力をジャコーダーを通して流し込む。すると、魔皇力に耐え切れなくなったバルルキングは、数秒と待たずに卵諸共粉々に爆散する。バルルキングの死滅を確認したハドーは、周りを見渡すと既にラバックが相手にしている首謀者の男以外他のメンバーたちによって異民族の者達は全滅させられていた。
「悪を斬ると言うのなら貴様ら…帝国を討て!!」
ラバックのクローステールによって四肢の動きを封じられた男は怨嗟に満ちた叫びを上げる。
「それも討つよ……逝った先で見てな」
そんな男の叫びに対し、ラバックは不敵な笑みを浮かべ、男の頸を180°回転させ、頸の骨をへし折り絶命させる。
「作戦終了…帰還する」
アカメの言葉に全員が頷き、彼らはアジトへと帰還するのであった。
任務を終え皆が寝静まる中ハドーの部屋では、
「ぐぅ……はぁはぁはぁ…っ!」
「我慢するな、吸いたければ吸えと言っているだろ」
パジャマ姿のアカメは苦しげにする彼に寄り添っていた。
「だ、だが…こんなペースでお前の血を吸ってばかりいては…」
「私がいいと言っているんだぞ」
魔皇力を使っては直ぐにアカメの血を求めてしまう自分の身体に、ハドーは少しでも忍耐をつけさせようとするのだが、思いの外上手くいっておらず、アカメに襲いかかりそうになっている。
「もういい。お前がそこまで強情になると言うのなら、私も強行手段を取る!」
「強行ってまさか!?分かった!!分かったから待っ——」
「もう遅い」
アカメの言葉の意味を理解したハドーは慌てて、彼女を止めようとするのだが衝動を抑えるのに必死であったため止めることができず、
「ん………」
「んん………っ!?」
彼女に唇を奪われ、口移しで血を流し込まれることとなった。
「ん……ぅんん…はぁやくのメェ…!」
「……んちゅ…あ、ふぁかめぇ……」
アカメが血を飲ませようとしているのだが、以前と違いハドーを押し倒してはおらず、今回は2人ともベッドの上で座っているせいで、アカメがハドーの胸の中に入り込む形で口移しをしているので上手くいかず、ただ舌を絡め合う結果となっている。しばらく、アカメとハドーの攻防が続くのだが、押し寄せる衝動の
「んっ!んんちゅっ……ん…くちゅ……んあぁっ!ふぁ、ふぁろ…」
「………ゴメン…もう少しだけ……我慢してくれ…」
送り込まれる血を舌で汲み取りつつもハドーは、アカメの口内にある血を全てを飲み干すべく彼女を強く抱き締め、逃がさないかの様に彼女の後頭部に手を添えて位置を固定する。
「……わかった。ハドーの…気が済むまで…吸ってくれ」
「………ゴメンな。いつも、痛かったら…言ってくれ……んっ」
そして、アカメの了承を得てハドーは彼女をゆっくりと寝かせ、まだ彼女の口内に残っている血を舌で汲み取りつつ吸い出していく。その途中で、彼女の舌と絡め合うことが何度かあり、数分後には2人は単なる血の口移しではなく、深い口づけに変わっていたことには気づかず、
「んんんっ!……あぁっん……ぅんん…らぁ」
「ゴクっ…んちゅ…んっ!んん……ゴクっ!」
自分の血と思い込みアカメは唾液をハドーへと送り続け、対しするハドーもアカメの血と思っている彼女の唾液を荒々しく吸い出していくのであった。
その後、アカメはかつて同性愛者であるメラから受けたセクハラまがいのキスとは違うハドーとの口づけの快感によって、首筋の血を吸わせて終えた後、彼と一緒のベッドで眠りについてしまうのであった。そして、次の日の朝、朝食作るためにハドーを呼びに来たタツミは、髪と服が乱れたアカメと一緒に寝ているハドーを目撃してしまい、色んな意味でいつもよりも騒がしい朝を迎えることとなったのは余談である。
マジでハドー爆発しろやぁぁぁぁぁ!!