アカメが斬る!〜闇のキバが裁きを下す〜 作:マスティ魔
帝都警備隊副隊長トルグの暗殺をさせたレオーネ、ブラートと合流したハドーたちはアジトへ帰還し、ナジェンダに報告を行う。
「そうか、オールレンジに優れた翼の帝具か。 それならば密偵が風と言っていた事も合点がいくな」
「ありゃー大分室内での戦闘に慣れている動きでしたから、かなりの年数であのレベルまで使いこなしていましたよ」
「ふむふむ大丈夫かアカメ? 手酷くヤラれたみたいだけど」
「問題ないぞレオーネ。ハドーとラバックのお陰で私は軽傷だ」
「しっかし、奥の手で相手を窒息死か。俺とレオーネの所に居なくてよかった言えばよかったが、ラバックとハドーの合わせ技じゃないと勝てないってかなりヤバいな」
「だが、全員無事に帰還し任務をやり遂げてくれたことに感謝する」
ナジェンダの労いの言葉を貰い全員で夜食を取ろうとするが、
「すまない。俺は思ったより消耗しているみたいだから遠慮するよ」
今まで最低限の報告事項しか口を開かなかったハドーが断りを入れる。ダークキバの魔皇力を使った必殺技を1日に連発して使ったため想像以上に消耗していると不審がるアカメたちに説明を行い、部屋を退室する。そして、残ったアカメたちは夜食を食べながら、ハドーの容態が安定してない原因は明らかに魔皇力以外にあるのではと仮説を立てていると、ハドーと共に部屋を出ていった筈のキバットバット2世が会話に入る。
『お前達の推察通りハドーの容態の変化は魔皇力による疲労ではない』
「……やはりか、では何が原因なのだ。教えてくれキバット」
棚どころから器用にワインを取り出しラッパ飲みをしながらナジェンダの問いにキバットは答えた。
『時期を見てアイツの口から話す予定ではいたが致したかない。要約するならば今、アイツの身体を蝕んでいる症状は吸血衝動だ』
「「「「「吸血衝動!?」」」」」
『その通りだ。我が帝具である闇のキバは本来なら人間にとって有害とされるオレ達魔族の魔皇力を宿す特殊な鉱石である魔皇石を用いて造られた。そして、以前にも話したがオレの役目は資格者の血を対価に強大な鎧の魔皇力を制御し、オレを通して鎧の魔皇力を資格者の身体に流し込み適応させ、資格者の肉体を強化し、魔皇石で造られた鎧の力を最大限に引き出すことだ。コレによりダークキバとなった資格者は帝具の中でも
「それが吸血衝動ってわけか、でも何でそんな衝動が突然現れたんだ蝙蝠擬き?」
『今から説明してやるから少し待っていろ! ミドリ小僧』
「っんだと!! コラァァ!!」
話しながらワインを定期的に飲むキバットに食ってかかろうとするが、ナジェンダからうるさい!という義手による制裁で撃沈するラバック。しかし、その顔には幸せそうであった。
キバットの説明を聴き、仲間がそんな爆弾を抱えていたことを気付いてやれなかったことを悔しがるブラートとレオーネ。そして、ハドーを見送ってからずっと不安そうにしているアカメはキバットの話を聴きながらハドーの日常状態を思い出していく。
『話を戻すが、ハドーの体内に流れる魔皇力を制御するためにも俺はハドーから血を吸っていた。そのためオレを通して流れる魔皇力がオレのキバット族としての魔族の細胞とともに少しずつハドーを侵食し、吸血衝動という形でその身体を蝕んだ』
「治す方法はない…………のか?」
藁にもすがる思いでアカメは問いかける。
しかし、キバットの答えはアカメが期待に応えるものではなかった。
『そんな物は存在しない。こうなることはハドー自身も承知の上だ。それに歴代の資格者達は全員吸血衝動を発症している。コレは避けられない運命だ』
「……くッ‼︎」
「…………アカメ……」
『歴代の資格者達は闇のキバの力を引き出せば引き出すほど魔皇力による侵食を許した。そして本能のままに力と血を求め続け、その果てに人のココロを失い、血を求めるだけの怪物と成り果て死んだ資格者は殆どだ。今のハドーはその吸血衝動を自らの血と危険種の血をそれぞれ混ぜ合わせた血を飲み、その症状を緩和している。だが、それも完全な解決にはならない』
「どうにか出来ないのか、このまま俺たちは指を咥えていることしか出来ないのか……ッ!」
『残念ながら
「「「「「……………………」」」」」
『詳しいことは明日ハドーと直接話せ。それまで人を捨てつつあるアイツとどう向き合うかのか話し合っておけ』
ではなと言い部屋を退室するキバット。
残されたアカメ達はハドーの身体に起こっている症状に対して何も出来ない無力感を感じざるおえなかった。
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「ぐゔぁぁあ″あ″…………ぁあッ‼︎」
危険種と自分の血を混ぜ合わせた血を全て飲み尽くしても収まらない底知れない飢餓感と血を求める本能。
あのままナイトレイドのみんなと一緒に居れば血を求める本能に負け襲いかかっていたかもしれなかった。それほどなまでに強い衝動……自身が想像している以上に強い血への欲求。今まで魔皇力を使った必殺技は1日に1度に定めていたが、今晩は臣具を通してとは言え2回目も使用したためいつもとは比べられないほどに身体が血を求めている。いつのまにかキバットはいなくなっていたが、今のハドーにはそれを気にする程の余裕はなかった。
「ク……ソ…………ッ‼︎は、ハヤク……チを…………血を……ッ‼︎」
収まりきらない血への渇望を止めるためにハドーはアジトの近くに生息する危険種達の血を求め、部屋を後にする。
アジトから出て行く際にある人物に見られていることも知らずにハドーは内側から溢れる本能を抑えるために獣たちの血を求める。
しばらく散策するとすぐに夜行性の危険種 ブランズフォックスを見つけたハドーは、こちらへ飛びかかってくるブランズフォックスを一瞬のうちにジャコーダービュートで絞め殺した。亡骸と化したブランズフォックスの首にいつのまにか口元に変貌していた鋭く伸びる牙を突き立て凄まじい勢いで血を啜るハドー。そして、1分と待たずに全長2メートル近くあったブランズフォックスの亡骸は体内の血を総て吸い尽くされ、ミイラへとかわった。
かなりの量の血を飲んでも身体の奥にある血への渇望は止まらない。
タリナイ……ゼンゼンタリナイ……コノ程度デハ…
…満タサレナイ……モット……モット血ヲ…ッ!!
自分の知らない自分がずっと語りかけてくる。
血への欲しさでおかしくなりそうな自分を必死に抑え込もうとするが、収まる気配が無いことに悔しさの炎を募らせる。
もう一度国を民が心から笑い合える国にするために人であることを捨てる覚悟を決めていたのに自分の中に暴れ続ける魔皇力を抑えることが出来ない事に怒り、悔しさのあまり下唇から血が出る程に歯をくいしばっていると、
「……!やっと……やっと見つけたぞハドー‼︎」
いつものように凛とした
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自分達ではどうする事も出来ないハドーの現状をどう解決するのかについて話し合っていたが解決策が見つからず、時間が流れ続けるためナジェンダは次の日の朝にハドーも交えて話し合うこととし、一時解散することとなった。各自部屋へ戻り仕事の疲れを取ろうとした際にアカメは、ハドーがアジトから急いで出て行くハドーを見つけた。キバットの話を聞いたことで今のハドーは吸血衝動に苦しんでいることを知ったアカメは急いでハドーの後を追った。本来なら仲間であるレオーネ達に知らせるべきなのだが、この時のアカメにはハドーの後を追うことしか頭になかった。
時は戻り現時刻。
ハドーが危険種であるブランズフォックスの血を飲み尽くした所でアカメは漸くハドーに追いついた。そして、ハドーの顔にステンドグラスを想起させる紋様が浮かび上がっている事にアカメは驚きを隠しきれなかった。
「……大丈夫なのか?」
「来るな!」
驚きはしたがハドー自身が未だに苦しそうな表情をしていたため容態を確認するために近づこうとするがハドーはそれを強く拒絶する。
「今の俺ハ……ッ!!」
「知っている。キバットからお前の容態を総て聞いた」
「ッ!? なら、何で来た‼︎今俺の近くにいたら危険であることぐらいわかるだろ!!」
「
そう言ってアカメは自分でも驚くほど素早くネクタイをほどき首にかかっていた滑らかな黒髪を退かし、その細い首を露わにした。
「ッ///!?!? ア、アカメ!?」
「私の血を吸ってくれ」
「ハアァァァ!?」
「私の血をお前が満足するまで飲んでくれて構わない。お前のその辛さを私にも分けてくれ」
「ふざけるなッ! この衝動は歴代資格者達も収まり切らない物である事もキバットから聴いている筈だ。第一お前の血をコイツみたいに吸い尽くす恐れもあるんだぞ!!」
「そうか…………出来れば穏便に血を渡したかったが仕方がない」
自身の中の衝動の危険性を誰よりも理解しているためアカメの血の提供を断固として拒否する。しかし、アカメもハドーが血の提供を断ることは分かっていたため強硬手段に出ることにした。
「無理矢理飲ませる!」
「えぇ!?」
驚くハドーを置き去りにアカメは凄まじい速さでハドーの懐へ入り込むと、その勢いに乗せて服の襟を掴み、思いっきり背負い投げた。
投げられたハドーは自身の身体の奥で暴れ続ける魔皇力を抑えることに精一杯であるのでアカメの強硬手段に対応することができぬまま組み伏せられてしまう。
「ちょッ!? ちょっと待てアカメ! 話を聞け!!」
「聞かない。今のお前は私の血を飲むことだけを考えろ」
ジタバタと暴れるハドーからジャコーダーを取り上げ、ジャコーダーの刃で先ほどあらわにした首に軽く傷を入れる。ちくりと痛みが走ったのちに首から鮮血が滴る。自分の目の前に流れるアカメの血に自身の奥で暴れる衝動が激しく反応し、先ほどより強く魔皇力が暴れまわる。しかし、ハドーはギリギリ残っている理性を総動員し抑える。
「早く私の血を飲め」
「!……ふ、ふざ……け……るな……ッ!!」
仰向けの状態で両手をアカメの両手に抑えられている上に馬乗りに乗られているためアカメを退かせることが出来ずいながら、断固として拒み続ける。そんなハドーを見かねたアカメは自身の下唇を強く噛み切り、自身の口内に血を出させると無理矢理ハドーの唇に自分の唇を押し付けた。
「ッ!?!?」
そうアカメはハドーに口移しで血を無理矢理流し込んだ。そして、アカメの口から直接流し込まれくる血への渇望を抑え切れなくなったハドーは本能のままに送り込まれる血を飲み続ける。ハドーが自分の血を飲んでくれたことを確認できたアカメは一瞬両手の拘束が緩めてしまった。コレによりアカメの血を強く求めるハドーは拘束を振り払い、アカメを荒々しく抱き締める。驚くアカメの唇を強く重ね合わせる。アカメの口内の血を一滴残らず味わい尽くすような長い……長いキスをする。
「……んっ!? (な、なんだ⁉︎この感覚は⁉︎メ、メラ達のセクハラとは全く違う⁉︎……頭がフワフワして……く…………るぅ……)」
帝国の暗殺者として戦っていた際にある暗殺組織の首領(女性だらけの殺し屋)に捕らえられ、事あるごとにセクハラさらまくり色んな意味でおかしくなりそうな体験をしていたアカメだが、男性相手のキスは初めてでもあるため未知の感覚により全身の力が抜けていく。
そして、いつのまにかアカメはハドーに押し倒されているが未知の感覚の際で気づいていない。またハドーも現在理性が吹っ飛んでいるので気づいていない。ちなみにキバットバット二世は密かに傍観している。2人に気付かれずに。
しばらくの間ハドーはアカメの口内の血を総て飲み尽くすと、アカメの匂いに誘われる様に鋭く伸びた牙を白い首筋へと牙を突き立てようとしたところでハドーは僅かな理性を取り戻すと、
「…………本当にいいのか?」
最後の確認をアカメに問いかける。
そして、押し倒されているアカメも頰を赤らめながらハドーの目をしっかりと見つめ、
「私の血を吸ってくれ」
ハドーに首筋を差し出す。
アカメが差し出してくれた首筋にハドーはその牙を突き立てる。
「あ……ぅ……」
痛みとわずかな快楽のような込み上げ、声が僅かに震える。そして、ハドーの背中に手を回し、互いに抱き締め合いながらアカメは微笑みかける。アカメの血を大事そうに少しずつ吸いながら、自分の中で暴れ続けていた衝動が凄まじい速さで無くなっていくのを感じながら、ハドーは深く……深くアカメに感謝する。
『コレでお前の“
この密かな吸血が次の日の朝に別の意味で問題となることはこの時のアカメとハドーは知るよしもなかった。
ちょっとしたお知らせとして、あのドS将軍率いるイェーガーズにオリキャラを1人、また慢心ボンボン率いるワイルドハントにもオリキャラを1人追加します。加えて、どちらも仮面ライダー型の帝具としています。どんなライダーなのかは既に決定しています。予想してみて下さい。
それでは次回も楽しみにしていて下さい!!