アカメが斬る!〜闇のキバが裁きを下す〜   作:マスティ魔

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第6話 殺し屋の日常

 アカメの血によって吸血衝動は収まったハドーはすぐさまアカメの止血を行い、今夜起こった事は明日の朝ナイトレイドのみんなにきちんと説明することを約束し、2人はそれぞれ部屋へ戻った。

ちなみに帰る途中で隠れていたキバットを見つけた2人は驚くほど息の合った動きで捕獲し、何処まで見ていたのかを尋問した。

 

そして、次の日の朝。

ハドーは誰よりも早くに台所で全員分の朝食の用意をしているとアカメ以外のメンバーは容態が安定しているハドーを見て驚きを露わにする。ビックリしているレオーネ達をアカメと共に落ち着かせ、吸血衝動が緩和したことを話す。しかし、今まで重大事項を黙っていたためブラートによる鉄拳、ナジェンダには義手によるリアルアイアンクロー、レオーネの逆エビ固めで危うく死にかける。

 

「で、同様やって衝動を抑えたんだ? 歴代の資格者達も全く緩和できなかったのに」

「……えーと、そ、それは……」

 

軽いチャップを浴びせたラバックはどのようにして衝動を抑えたのかをハドーに問いかけるが、ハドーは昨夜のことを思い出してしまったため言い淀んでしまい説明できずにいると、

 

「昨夜、私がハドーを押し倒し、そのまま口移しで血を飲ませた。すると、ハドー曰く暴れ回っていた魔皇力が収まったそうだ」

 

 アカメが真顔で爆弾を投下した。

 

「「「……………………」」」

「ちょっ!?ア、アカメ!?」

 

「ん? 何だ? 事実だろ?」

「いや、確かに事実だが……」

「「「ええェェェェェェ!?!?」」」

 

 ナジェンダ達が驚くのも無理はない。しかし、誰よりも冷静さを取り戻したレオーネは何処と無く悪い笑みを浮かべながらアカメに質問する。

 

「にゃるほどにゃるほど☆でさ、親友よ。口移しだけで済んだのか?」

「いや、流石に足りなかったのか。首筋の血も吸わせた」

「ほほう。ではアカメ、どんな風にハドーに血を与えたのか、もっと詳しく分かりやすく私たちに教えてくれ」

 

「構わないぞボス。これでハドーの容態が安定した理由がわかるかもしれないしな」

「そうだぞアカメ〜もっとオネェさん達に教えておくれよ〜」

 

 そして、いつのまにか復活したナジェンダも加わり暴露大会となってしまっている。本来ならハドーはすぐさま止めに入ろうとしたのだがブラートによって拘束され、止めることができずにいる。

 

「離せブラート!! これ以上昨夜のことをボスとレオーネに弄られたくない!!」

「まぁーまぁー俺たちに黙っていたんだから、愛の制裁だと思え。そう…………愛の制裁…………愛の」

 

「人を拘束しながら頰を赤らめるなァァァァァァ!!」

 

 この後数分間、氷使いのエスデス将軍と同等のドSな笑みを浮かべるレオーネとナジェンダによってハドーは弄り倒されることとなる。

 

 

 

「いや〜中々アカメも大胆だな〜オネェさんはビックリだぞ」

「いや全くだ。夜の森の中でそんな風に血を与えたとはな〜だが、これでハドーの容態も安定したとはいえ、いつまた症状が出る可能性もある。アカメはいつでもハドーに血を与えれる様にしておけ」

「わかった」

「わかったではない!!いい加減にしてくれ!これ以上この話を掘り下げないでくれ!!」

「ま、いいじゃないかコレで許してもらえるんだからな」

 

 ニヤニヤ顔のレオーネとナジェンダ、ブラートの視線を向けられながら恥ずかしそうに顔を真っ赤にするハドーに今まで黙っていたラバックが話に入る。しかし、その声音と体は震えている。ラバックの心中を察しているナジェンダはラバックの肩にポンっと手を置きラバックのある感情を爆発させる。

 

 

 

 

「本音は?」

 

「何で!ハドーはアカメちゃんとそういう展開が多いんだよ!?この前も俺に騙されたとは言え、アカメちゃんの裸を覗くわ。普段から行動するのが多いから他から見るとアベックにしか見えねぇーし!!今度はアカメちゃんから押し倒された上に口移しだけでなく、アカメちゃんの首筋の血を啜るとか何だよオマエ!?ラブコメの主人公かよ!?いくらオリ主だからって何でも有りかよ!?ふざけんなよ作者!!俺にも美味しい想いさせろよ!!タグ見てみろ!ラバック幸せにし隊ってあんだろうがぁぁ!!何で1話から最新話まで俺は痛い目ばっかあってんだよぉぉぉ!!」

 

「ツッコミが長いってラバ。嫉妬の炎燃やしすぎだろ。後、途中から何言ってるんだお前?」

 

 ナジェンダとレオーネはラバックの心の叫びにドン引きしながら、途中から訳の分からないことを口走るラバックを放置することにし、ハドーとアカメが作った朝食を食べていく。

しばらくの間、ハドーはアカメとの初めての吸血のことを弄られ続けることとなってしまった。自業自得である。

ちなみにキバットは朝は弱いためハドーの部屋に創った止まり木で爆睡している。

 

そんなこんなで腕利きの殺し屋とは思えない穏やかな日々が過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦♦♫♦・*:.。♦♫♦・*:.。♦♫♦♦

 

 

 

 そして月日は流れていき、アレからナイトレイドのメンバーもまた増員された。新たにメンバーに加わったのが狙撃手のマインと天然ボケの凄腕の殺し屋シェーレが加わった。そして、2人にも帝具が与えられた。マインはかつてナジェンダが将軍時代に使っていた浪漫砲台 パンプキン、シェーレは革命軍に保管されていた万物両断 エクスタスのそれぞれ使い手となった。マインの初陣の際はちょっと危険な場面はあったが、マイン自身の狙撃手としての才能はナジェンダも大小判を押すほどなまでにあった。加えてシェーレも革命軍にスカウトされる前はハドー同様に殺し屋をやっていた経験もある上に殺しになると極めて冷徹となり、プロの暗殺者となる。そんな頼りになる2人を加えたナイトレイドはより一層名前が帝都において広がるようにもなっていた。ちなみに現在の状況で顔が割れているのが、アカメ、ブラート、ボスのナジェンダ、シェーレの4人となっている。そのため帝都での情報収集はスラム育ちのレオーネ、警戒心が強いラバック、軍で死亡したことになっているハドー、マインとなっている。

 

 そんなある日、地方から出稼ぎに来た身元不明者たちを甘い言葉で騙し、己の屋敷で監禁し、趣味である拷問で死ぬまでその命を弄ぶ一家への暗殺依頼が来た。現在ボスであるナジェンダは革命軍の本部へ出かけているのでアカメがボス代行となり、アジトの会議室にて集まったナイトレイドのメンバーに任務の指示を出す。

 

「レオーネとラバックが集めて来てくれた情報によるとやはりこの一家は黒であることが判明した」

「間違いなかった。屋敷の周辺から僅かだが血の匂いやら人が腐る匂いやらがした。しかも民衆にはばれないようになってもいやがる」

「おまけに護衛たちにも賄賂を送って黙らせているから護衛達も同罪さ」

 

 集めてきた情報を提示しながら分かりやすく顔を顰めるレオーネと此方も分かりやすく肩を竦めるラバック。そんな2人の証拠を聴いたボス代行のアカメは凛とした声で決定事項を告げる。

 

「標的が黒であることがわかった以上、私たちがやる事は一つ……標的を葬るだけだ」

「だな。そんでどうする? ボスがいないから指示はお前に任せるぜ、ボス代行」

 

 ブラートが言うと、アカメは頷き皆に告げてきた。

 

「夜襲を仕掛けるのは明日にしよう。今日はレオーネとラバックが帝都まで行ってきてくれたわけだからな」

「私は別にそこまで疲れてないけどなー」

「別に大したことしたわけじゃないさ」

「ラバックはいいとして、レオーネは随分と帝都で楽しんできたみたいにも見える」

 

「ギクッ!?」

 

 レオーネたちの言葉の後に続く様に悪そうな笑みを浮かべているハドーが告げた。

 

「隠すなよレオーネ。酒の匂いが強いってことから大分飲んできたな?」

「な、なんのことやら?」

 

「おいおい。隠すなって言ってるだろ? この間、俺に金を借りに来るくらい金が無いのにアルコールの匂いが中々だから言い逃れは出来ないぞ。それにその腰の袋は何だ? 誰かからチョロマカしてきたんだろ?」

 

 輝く程の笑みを浮かべているが目が笑っていないため恐怖しか無い。そんな恐ろしい笑みを浮かべながらにじり寄ってくるハドーにレオーネは滝の様に冷や汗を流し目を逸らす。

そして、

 

「逃げるが勝ち!!」

 

脱兎の如く近場の扉へ手を伸ばすが、

 

「逃がさん!ジャコーダービュート!!」

 

鞭形態のジャコーダービュートによって捕縛された。

 

「ふぎゃっ!?」

 

魚釣りの一本釣りの様にレオーネを引き寄せ、レオーネの脳天でチョップを入れる。

 

「どうせ地方出身者からくすねたんだろ。まったく、そういうお前が標的になりかねない真似はするなって言っているだろ」

「い、いや〜コレはアレだよ!?アレ!!そう!授業料みたいなアレであの少年も帝都の厳しさが分かったかなーと思ってねぇ〜〜〜テヘェ☆」

 

「テヘェ☆ではない!! 明日の任務が終わったら返してこい!!」

「ちょ、ちょいまち! 返して来いって言ったって帝都はかなりの広さが……」

 

「ライオネルの嗅覚強化を使えば簡単なはずだろ。その袋に付いているはずの持ち主の匂いを追えば」

「私は犬か!?」

 

 ジャコーダービュートを解きながら説教を行い終えたためレオーネを離す。解放されたレオーネは頭に出来たタンコブを抑えながらあうーと落ち込みその場に仰向けに倒れこんだ。しかし、すぐさま起き上がり近くにいるアカメの近くに行くと、嘘泣きしながら彼女の胸に飛び込んだ。

 

「アカメー!ハドーが私のこといじめるぅー!」

「だめだぞハドー、レオーネをいじめては」

 

「何で俺が悪いってことになるんだ」

 

 めんどくさそうにため息をつきと、頭にキバットをずっと乗せているハドーは踵を返して会議室を出て行こうとする。

 

「あれ?ハドーは任務ないだろ?」

「夜食の下ごしらえだ。アカメ、行くぞー」

「……うん♪今晩はハドー特製のステーキ丼だからな全力で手伝うぞ♪」

『デザートはスイカを所望する』

 

 ラバックの問いに答えながらアカメを呼び、呼ばれた彼女は嬉しそうに笑みをうかべてながらハドーについていった。

 

 

 

 2人と一匹が会議室を出ていったあと、マインが呟く。

 

「それにしても、あの2人は仲良いわね。アレで付き合ってないってどういうことなの?」

「まぁ〜ハドーにとってアカメは自分の吸血衝動を止めてくれる“血の提供者”だからな〜私らの中じゃ〜アカメは特別なんだろうねぇ〜アカメもアカメでハドーの事を気に入ってもいるし、よくコンビも組むし、鍛錬も付き合ったりしてるから懐いているんだろ。あと、ハドーの料理が好きって可能性も前にはあったけど今はどうなっているんだろうな〜」

「ある意味でお似合いの2人ではあるがな」

 

「確かにね」

「クソ羨まケシカラン!!」

 

「「うるさいドヘンタイ」」

「姐さんとマインちゃん辛辣すぎッ!?」

 

 

 あいもかわらずのラバックのお笑いポジションは絶好調なためブラートたちは可笑しそうに笑い合う。

 

 

 

 

 

そして、任務決行日。

太陽が西に沈み、既に夜が世界を包んでいた。だが、天高く上がる月は不気味なほど赤く染まっている。

 

「赤い月とか珍しいな」

『オレからすれば実に気分が乗る月だ』

 

「ハハハっ、確かにお前の体色も赤だもんな」

「任務を遂行する。標的は富裕層のあの一家全員と護衛たち全て以上だ」

「了解した。行くぞキバット?」

『絶滅タイムだ!!』

 

ガブリとキバットに手を噛ませ、魔皇力を注入しベルトを出現させる。

 

「変身」

 

掛け声とともに鎧を纏わせる。

 

「では、皆準備はいいか?」

 

彼女の問いにハドーを含め全員が頷く。

それを確認したアカメは静かに頷いた後踵を返した。

 

「では行くぞ」

 

 

 

 

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