「まずは前と同じく状況整理だ。スバル。お前はどうして死んだんだ?」
疑問に思っていたのだ。
レムが襲撃者ということが分かったが、スバルはあの場から逃げ、レムの脅威からは遠ざかっていたのだ。
にもかかわらずスバルは死んだ。つまりレム以外に何らかの死因があったということだ。
「……あん時体に異変が起こったんだ」
「異変?」
「おう」
聞けばあの時スバルは廊下を曲がったところで違和感を感じたらしい。
まず最初は少しの寒気。
その時はレムが裏切ったことのショックのせいかと思ったがどうやら違ったようだ。
体を抱いて擦り、摩擦熱を起こして体を温めようとしたが、やってもやっても寒気が引くことを知らず、見ればジャージ姿の袖の下、肌には粟立つように鳥肌が浮かび、芯から冷たさに震えているのが目視で確認できるほどだ。
異常なことだった。この世界の気候は温暖で、普段はスバルや士の恰好でちょうどいい程度の気温が保たれているのだ。
――おかしい。
楽観的に考えていたスバルも、ようやくそれに気づいたが、
もうその時にはすでに手遅れだった。
全身に力が入らず、意識しなければ呼吸することすら忘れてしまいそうだ。
喘ぐように唇を震わせながら、スバルは震える足を引きずるようにレムから逃げたが――
20mほど逃げたところでもう体が永久に動くことはなくなった。
「っていうわけなんだ」
「大体分かった」
つまり呪いのようなものに掛かっていたのだろう。
しかし状況が分かったといえば分かったのだが……
「不審な点が多すぎるな……」
「え?どういうことだ?」
「まず第一に、レムがスバルを殺す気ならその呪いだけで十分だ。スバルに魔法の知識や呪いの知識がない事なんて五日間一緒に仕事してたら分かるだろ?」
「確かにな……」
しかももっと不審な点もある。
「二つ目はレムが呪いの発動するタイミングより少し前にで襲いに来たことだ。仮にレムが呪いをかけたとして、それが失敗に終わったのを確認してから襲いに来る方がいい。それなのにレムは呪いの発動前に現れた。この二つを合わせると導かれるのは……」
「……レムと呪いの主は別々ってことか!?」
「そういうことになる」
しかし俺はともかくスバルはこの世界の人間に恨みを買うようなことをしたことはない。分からないことだらけだ。
それに……
「多分レムは人間じゃない」
「……まぁ俺もそれは何となく感じてたよ。あんな凶器普通の女の子があんな軽々振り回せるわけないもんな」
だったら何なのだ。という話になるがこれも一旦保留だ。
「……まぁとにかく今回は情報を集めるぞ。この前と同じ感じでいいが、まず呪いを解けそうなやつの協力を得に行くぞ」
「……それってまさか……」
「この部屋のドアを開ければそいつはそいつは居る。だけど今はこれも保留だ」
「分かった。……行くか?食堂」
「そうだな。俺は直接向かうがスバルは……」
「エミリアたんを待て……だろ?」
話が速くて助かる。
「じゃあ……勝負だ運命!!あとレム!!」
俺達は元居るべき場所に戻った。
そんな...オデノカラダガ...ボドボドニ...?ウゾダ...ウゾダドンドコドーン!
かなーり説明回に時間を割いたため、王選候補者一人ずつの自己紹介はダイジェストみたいな感じでよろしいでしょうか?
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YES
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NO