字数少ないです。すみません。
あ、後令和ジェネレーション見ました。
面白さがヤバいヤバいヤバいです。皆さまも是非。
「結論から言うと、スバルのゲートは制御できてない類のものだから、無理しない方がいいね」
「この状態見て最初に出る言葉がそれかてめぇ」
「てへ」
「可愛くねぇよ!?」
腕を組みながら総評を口にするパックに悪態をつき、スバルは固くて冷たい芝生の感触を体全体で味わっていた。
草の上にうつ伏せになるスバルは息も絶え絶えで、全身が異常にだるい。高熱を発したような倦怠感が体中に行き渡り、手足に闘志が伝わる気配が感じられない。
「全く。人騒がせな奴だ」
「ええ。ホント。てっきり侵入者かと思ったじゃない」
「うう……。面目ないです……」
息が切れる。こんな言葉ひとつ言うだけに、どれだけ体力を浪費しているというのか。
どうにか立ち上がろうとしてみるが、体のどこにも力が入らず、結果的に寝転んでうなるのが関の山だ。
「スバル。動いちゃだめよ。体中のマナを使いきっちゃったんだから今日一日はおとなしくしてないと」
その言葉を聞いて、それは困る。と言おうとするが、それすらも絞り出せない。
もしこのまま今日一日を本当に棒に振るようなことがあれば、それはループに対して得た、一日の猶予を自ら捨てることにある。
それは馬鹿すぎる。致命的だ。
が、その言葉すらも絞り出せない。
マズイ。と思った時――
「それは困るな。何とかこいつを直せないか?」
代わりに士がそんなことを言ってくれた。
恐らく士もスバルが仕事をしないことが危険だという事に気が付きそれをカバーしてくれての発言だろう。
その言葉を人づてではあるが伝えることができ、ホッと息をつくスバル。
「どうしてそこまでしてバルスを働かせたいのかしら」
「俺が屋敷の草木の手入れを全てやったのにこいつだけサボるなんておかしいだろうが」
「……ったく。……少しは人を……いたわりやがれ」
持てる全ての力を使い、必死で上半身を起こす。
「ちょっと、無理したらダメだってば」
「大丈夫だって。速く仕事に戻んねえと……」
そのスバルの必死さにエミリアの考えが変わったのだろうか。少し肩をすくめ、
「ホントに仕方ないんだから、もう」
「?エミリアたん何をもがっ」
エミリアが口に手を当てるのと同時に、口の中に何か丸いものが入ってきた。
「噛んで」
「?」
「噛んで、ごっくんする。さん、はい」
有無を言わせぬ態度に気圧され、スバルは口の中の感触――それを思い切って噛み潰す。
「ふぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
直後、全身に火を入れたような熱がみなぎり、スバルはその場で飛び上がるように立ち上がる。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!??」
と、そこまで叫んだところでようやく自分の体が立ち上がっていることに気が付いた。
「エミリア。今スバルに食わせた物は何なんだ?」
「ボッコの実っていう果物。食べると体の中のマナが活性化して、ほんの気休めだけどゲートが力を取り戻すの」
「ほぉー。結構使えそうだな」
「そうでもないわ。体中のゲートを無理やりこじ開けてマナを体中に巡らせるから、体に悪いの」
「今度からバルスのやる気が出なくなったら、これを口に突っ込むことにするわ」
「おい!一人凶悪なこと考えてる奴いたぞ!」
体にだるさは残ってはいるが、いつもの力の60%程で体を動かせる。これなら十分だ。
「ふぅ……。サンキュー、エミリアたん」
「大丈夫? ちゃんとお仕事できそう?」
「おう。全く大丈夫って訳でもないけど、多分イケるよ」
「心配すんな。ぶっ倒れてでも無理やり働かせてやる」
「ええ。そうね」
「同僚に対して厳し過ぎる!」
「もう、二人共。スバルをもう少しいたわってあげて」
病人にも容赦のない二人を、エミリアがやんわりと叱る。
士とスバルは認識していないが、この屋敷の中で権力が一番大きいのはエミリアである。
しかしラムだけはそれを理解していたため、
「……分かりました。エミリア様」
その指示に従った。
「じゃあバルスには……村へ買い物に行ってもらおうかしら」
「村へ?」
「ええ。ちょうど香辛料が切れそうなの」
ラムのことだ。どうせまた鬼畜な仕事を押し付けてくるのだろうと思っていたが、内容が思いのほか単純なものに驚きを隠せないスバル。
「姉さまにも良心とかあったんですね」
「あら。切り刻まれたいのかしら?」
「何でもないですね!すぐに行ってきます!」
「待ちなさい。村に行くのはどちらにせよ昼食のあとよ。陽日の二時以降――それまでに、普段の仕事は終わらせておきましょう」
「そうだな。それが一番いい」
その提案に士も賛同し、今日の予定が決まったころ。ある一つの違和感を士は覚えた。
「そういえばレムの姿が見えないがどこに行ったんだ?」
「……確かにそうね。少し待ちなさい……」
そう言い目をつむり集中しだすラム。
「……村へ行っているようだわ。バルス。やっぱり今の予定は取り消して。屋敷の仕事を手伝いなさい」
「え」
「レムが買い物に先に行ってしまったみたいだわ。残念だけど、屋敷の仕事をしてね」
いつもは絶対に見せないような笑顔を作り、ウィンクしてくるラム。
どうやらこの姉妹はスバルがどんな疲弊している状態でも逃がしてはくれないらしい。
その事実を飲み込むと同時にスバルが特大のため息を漏らす。
「へいへい。分かりましたよ」
「素直でよろしいわ」
「まぁ、諦めろ」
歩き出す士とラム。そしてエミリアに続き、渋々スバルも屋敷の中へ戻っていった。
「ほい。お嬢ちゃん」
「ありがとうございます」
慣れた手つきで香辛料の入った大きい酒樽を担ぐレム。
その光景は正直言って異様なものだが、村の住民には日常と化している。
余計な寄り道などせずに一直線にロズワール邸へと帰るレム。
その道中、森の中から子犬が飛び出してきた。
しかし、ラムやスバルと違って仕事にまじめなレムは、一瞬視線をそれに向けたもののすぐにその場を立ち去っていく。
「痛っ」
その時、突然レムの手の甲に犬が噛みついてきた。
こちらを見て低くうなり威嚇してくる犬。
恐らくこの香辛料の強烈なにおいが嫌なので噛みついてきた。と判断したレムは、仕方ないと考え、左手から流れる血を気にせずに帰路につく。
レムの姿が完全に見えなくなったところで、再び森の中から何かが出てきた。
灰色のコートに全身を包み、同じ色の帽子をかぶった男。
――いつか、士を襲ったあの男だ。
「よしよし……いい子だ。次は村だ。行ってこい」
ワン。と一回鳴き、元気よく村の方へと走り出す犬を見送り、男はコートのポケットへと手を入れる。
そこには黒く、上にボタンがついている時計のようなものを取り出す。
それの表面に禍々しいオレンジ色の怪物が描かれている。
「……まずは小手調べと行こうか、ディケイド。お前がどう行動するのか、見せてもらおう」
その時計をポケットへしまい、男は自分が呼び出したオーロラカーテンの中へ消えていった。
あけましておめでとうございます!
これから冬休みの宿題を片付けなくてはならないので、次回の投稿は遅くなるかもです。申し訳ない……。
あ、自分どんなに遅くなっても何の知らせもなく失踪は絶対しないので、気長に待って頂けると幸いです。
(二月までには出します)
最後にもう一つ。
読んでくださっている皆様にアンケートを取っていますが、それらの結果を受けまずは一章を大幅に書き直そうと思い、只今編集作業中です。
なので今読み始めた皆様は頭に?が浮かんでいると思いますがそういう理由です。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
かなーり説明回に時間を割いたため、王選候補者一人ずつの自己紹介はダイジェストみたいな感じでよろしいでしょうか?
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NO