ジョジョの奇妙な冒険――タンザナイトは穢れない―― 作:伝説の超三毛猫
こっちは気まぐれ投稿になります。
投稿ペース-E になるのでご注意を。三次創作してもいいんじゃよ?(マ○ト風)
「……まったく、なんの冗談だ? コリャ」
水の流れる音と陶器が重なる音がわずかに聞こえるとある住宅のリビングにて、一人の男が手紙を片手に、宇宙の果てのような美しい群青色の瞳を手紙に向け左右させながらそうぼやく。
彼の髪は照明に照らされ紫に反射し、今は座っているが、立てば180センチは優に超すだろう大型の男だ。しかし、無駄のない筋肉質な体は同じくらいの体形の男性と比べ細身で、隣に立たれても威圧感は感じないだろう。
「何が冗談なの、あなた?」
水音がやみ、キッチンからそんな男の独り言を聞いたのか、女性が彼の隣にやってくる。肩甲骨まで届くほどの長さの髪色は赤を基本とした明るい色で、ラフな普段着にエプロンを巻き、穏やかな笑顔をたたえた姿は、まさしく新妻である。
妻がいる方向に夫が視線を向ければ、彼女がそんな家庭的な姿で立っている。夫は招待状をひらひらと見せ、妻に渡す。
「コイツを見ろよ、そうすりゃあわかるぜ。」
「…あら、結婚式の招待状じゃない。」
妻の言う通り、夫が手に持っていたのは結婚式の招待状である。疑うまでもなく朗報を知らせるものの筈なのだが、知り合いが結ばれることの何が不満なのか、と視線で夫に問いかける。
「そうなんだがよ、見ろよ、新郎新婦のところ。」
「? ……ああ、なるほど」
招待状の中にある、夫が不満を漏らす原因を目で追うと、やがて妻にも見知った名前がそこに記されているのが見えた。
―――新郎
その名前は、夫婦にとっては特別なものだった。
「……私たちの友達じゃない。そんなにイヤ? 結婚で先を越されたわけじゃあないのに。」
「イヤもなにも、新婦のところもちゃんと見たか? 俺と風太郎が兄弟になっちまうんだぞッ!」
夫の言う通り、妻は新婦の所もしっかり確認していた。彼の言う通り、新婦の名前は妻のもっともよく知る者の名前であり………
「親友が家族になってよかったじゃない」
「良くはないッ! 何が悲しくて、あんな本場のドネルケバブの余りモノみてーに勉強以外を削いできたスカタンを兄弟呼ばわりしなきゃあいけねーんだ!」
妻の笑顔に夫はツッコむ。しかし、言葉だけではボロクソに言っていても、夫の表情までは嫌悪に満ちたそれにはなっておらず、むしろ『嬉しいけど複雑』って顔をしていた。
これでは妻があらあらとほほ笑むのも無理はないだろう。
「あなたと初めて出会った時も、風太郎に関してはそんなことばっかり言っていたわね」
口ではなんだかんだ言いつつも、複雑な感情を隠しきれていない夫を前に妻は笑い出す。突然笑い出した妻が言い出した「初めて出会った時」を耳にした夫は、親友を罵るのをやめ、妻と同じようにその初対面の時を回顧することにする。
「そうだなぁ……君と初めて出会ったのは…確か、高2の時だっけ?」
「そう。
妻は夫にそう答えると一息おいて、
「そこで、風太郎君や――――――
愛しい人の名前を呼んだ。
妻から久しぶりに名前を呼ばれた夫は、先程よりも赤くなった顔を俯かせて妻の言葉に続ける。
「……そこからだ。あんな奇妙な日々が始まったのは。」
「そうね。私も驚いたわ。
そこで初めて
夫の言葉に相槌を打った妻は自身の左手の薬指の指輪を見ながらしみじみと、愛おしかった日々を懐古する。
「俺も驚いたんだぜ。なにせ―――
彼女の懐古に、夫はそう返した。妻とお揃いの蒼い宝石――
「ねぇ、あなた」
「ん?」
「……私を選んでくれてありがとね」
「何言ってんだ。そんなの、今更だろ?」
一組の夫婦の惚気た会話を爽やかな風が運びながら。
未来の話で大分脇道に逸れてしまったが、物語はこの夫婦の語らいよりいくらか昔――――――――――――2017年より始まる。
これから語られる物語は、“天国”が存在しない世界で、一人の男が“とある力”を持つ
物語の主人公の名は―――――
この物語では『ジョジョ』と呼ばれる、知られざる
To Be Continued…⇒
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『北条錠磁! 上杉風太郎に会う』