ルパン三世 レッドスカルの財宝をねらえ!   作:来海杏

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七話

「招待に応じていただき感謝感激だ!キャプテンアメリカァァ!!」

 

コンテナの積まれた港に響き渡る下品な声、そんな所からはじまりはじまり。

 

等と書けば少しは素敵な物語に聞こえるかも知れないが、実際は高低差を活かした周囲360度の包囲網がキャプテンアメリカとルパン三世達を迎えていた。

 

 

ここに至るまでに交わされた議論の中で、銭形は強硬突破するべきだと説いたがキャプテンアメリカの「これだけの包囲なのに奴等はただ誘導するだけだ、何か最終的に目的があるんじゃ無いかと」其処に逃げる隙がある筈だとの、その一言で銭形は下がりここに到った、各員の狙いはさておき、スコープ越しに自分達を狙う敵、スコープ越しに狙う標的。似たようで違うその二つがこの場の二陣営にとって最も重要な事であった。

 

 

「君の目的を聞こう」

ロジャースと銭形が車から降り問い掛ける、手摺と繋がれて居た手錠は今、余計な事をしない様にと銭形が自身と繋ぎ直していた。

 

ロジャースの迷い、正義と暴力の直結していた彼は迷った末に話を聞こうとしたのだ、悪の話を。悪手であった

 

血の臭いを感じさせる笑顔のまま、悪の中身が、妬み嫉み怨み怒りが溢れだした。

 

 

 

「目的?目的だ?世界平和だと言ったらアンタは信じるのか?」

 

笑顔のまま悪が続ける

 

「信じないだろうよ!俺達皆が世界平和の為にこんなことをしたと言ってもあんたは相手にしないだろうよ!何せこの国に!この世界に!正義の味方はアンタだけだからだ!!だから俺達はこんな手を使った!だからアンタみたいなのを巻き込んだ!!」

 

どうだ?キャプテンアメリカ、俺達は世界平和の為にアンタをここに連れてきた。そう言ったら信じてくれるかい?

 

悲しげな顔で涙すら浮かべ、それでもなお口元は笑顔のまま悪が問い掛けた。言葉は続かない、逃げるなと、沈黙を持って悪はロジャースに問い掛ける。

 

 

だが、まぁ、だからどうした

 

 

「楽しんでる所悪いんだがな」

 

悪の演説につられるように車から降りて来たルパンと次元、入念に周囲に視線を送っていた彼らだが、芝居がかった言い草に耐えきれなかったのだろう、背中のマグナムの感触を確かめながら次元が口を挟んだ。

 

「おめぇの顔には覚えがある、頭の中身をやられちまった退役軍人達のマフィア、第六国防軍」

 

銃器や麻薬の密売に殺し、悪人相手の用心棒で名の売れたお前らがなんだってこんな事に手を出す?

 

「あぁ、俺もお前さんの顔には覚えがある、ICPOの要注意リスト内の一人、第六国防軍リーダーのジョン・マッケイン、たかだか海兵隊崩れのチンピラが拐うにしてはこの坊やは少々大物過ぎる」

 

銭形はそう言って手錠を引き寄せながら頬吊り上げる、鍛え上げられたロジャースの身体はピクリとも動かない

 

「誰に雇われた」

 

つまりはそこが銭形の目的であった。

 

 

男は一層笑みを深め、血の臭いが一層濃くなる。俺達は俺達の選択で此処にいるのさ、その一言で男は、ジョンは銭形の言葉を切り捨てた。

 

「キャプテン!アンタが壊滅させたヒドラの秘密基地、その最後の一つの座標を教えて貰いたい」

 

その言葉を合図に周囲を囲む連中がレーザーサイトをオンにする、50近い赤い点が4人を逃がさぬ配置で檻のように囲い込んだ。

 

 

「オォイオイ、たーったこれだけの人数で俺達の事を捕まえでもしたつもりか?」

 

「確かに!ルパン三世。アンタは盗みと逃走に関してはプロフェッショナルだ俺達じゃあ相手にならないだろう」

 

たぁしかに!伝説のガンマン次元大介、かの高名なICPOの銭形警部相手も同じ!これだけの人数であろうと足りるかは分からないだろう!!!

 

「だが、俺達は元とは言えプロフェッショナルだぞ??」

 

普通に考えりゃアンタ等は狙わない。

 

4つの銃声と共にルパン達が乗ってきたバンのタイヤが全て狙撃され、赤い点全てが運転席に隠れていたソニアに向けられた。

 

「さぁキャプテンアメリカ、此方に来て貰おうか!その子が死んでもいいと言うのなら結構、助けられる自信があると言うなら尚結構」

 

 

だが、俺達は確実にその子を殺す

 

 

行くなと、言外に制止するべく手錠を引き寄せた銭形の目を見るもロジャースは指先と手の動きだけで手錠を壊してのける。罪無き人が死ぬこと等許される筈もない。

 

そうして彼が歩き出そうとした時だ。

 

 

「ハァーイキャプテン、帰りが遅いから迎えに来たわよ」

 

クインジェットに乗りナターシャが現れた。

 




良い女「ハァーイルパン、久しぶりね」

三世「ふぅーじこぉ~、良いとこに来てくれるんだからもぉ」

次元「今回ばかりは助けられたな」

的な

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