このふたりの男女に祝福を!番外   作:大トロ

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今日は最強最弱冒険者カズマの誕生日だ!!

祝え!!


この皆に愛されし主人公に祝福を!

〘ある日の夜〙

 

アクア「カズマカズマ」

 

カズマ「ああ?何だ?」

 

アクア「明日暇?」

 

カズマ「暇っちゃあ暇だがどうした急に?」

 

アクア「うん、あのね…明日私とデートしよ?」

 

カズマ「……はあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「…眠れねえぇぇ…」

 

突然昨日アクアからデートの誘いが来てなんやかんやあって結局承諾してしまった

 

人生初のデートのお誘い

だが相手はあのアクアだ

 

これまで女性と見た事はない奴からだ

 

なのに昨夜は全然眠れなかった

相手がアレでも初デートって事で脳内がパニクっていたから眠れなかった

 

しかもこのデートのまちあわせ時間も変わっていた

 

朝6時に屋敷の外でって、普段寝坊ばっかしてるあいつが起きそうにない時間帯だ

 

まああいつが6時に来るように言ったからには6時に屋敷の外に居なきゃいけない

約束の時間までまだ30分あるが全く眠れなかったから約束の時間30分前だが外で待っとこうと思い外に出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「……で?何でお前までいんのかアクア?」

 

アクア「……ふぁー、昨日私全然眠れなかったから3時間位前から外で待つことにしたのよ」

 

………お前もかよ

しかも俺より前に来てんじゃん

 

まさかこいつもこいつでデートに行くので脳内がパニクっていたのか?

 

カズマ「…なあ、無理せずまた今度ってことにしないか?」

 

アクア「駄目よ!どうしても今日デートじゃないと駄目なのよ!」

 

本当どうしたんだこいつ

 

眠そうにしてるのにデートを優先するとかこいつ本当にアクアか?あの怠惰で勤勉のきの字もないこいつからは想像もつかないな

 

カズマ「はあ…」

 

アクア「何よ、ため息なんてついて」

 

カズマ「いや、俺にとっては人生初のデートなんだが、その相手がお前だということにな」

 

アクア「はあ!?何文句言ってんのよ!私だって初デートなのに相手がアンタって事に色々言いたい事があるのに我慢してんだから文句言うんじゃないわよ!」

 

カズマ「言ってんじゃねえか!やっぱやめるか」

 

アクア「駄目よ!これは決定事項よちなみにどこに行くかは私がもう決めたから」

 

カズマ「初デートでアクアにリードされんのかよ」

 

アクア「とにかく行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「さあ着いたわカズマ!早速デートに」

 

カズマ「帰らせて頂きます!!」カズマは逃げ出した

 

アクア「待ちなさい!」だが回り込まれた

 

俺はアクアに連れられてテレポート屋に来た

 

行き先は秘密と言われたが、この時点で俺は嫌な予感がしたが、アクアが強引に連れて行こうとしてそれについのってしまった

 

だがその行き先は

 

 

カズマ「何で初デート先がアルカンレティアなんだよ!!俺への嫌がらせか!?それともこの間俺が言ってた通りアクシズ教徒を滅ぼしても言いのか!?」

 

アクア「良くないに決まってんじゃないの!それと安心して、今日だけアルカンレティア全体にいるアクシズ教徒全域に渡って勧誘活動と問題を起こす事は絶対に禁止にしてるから、それとアルカンレティアにいるアクシズ教徒は今日だけカズマの言う事に従う事になってるから…」

    

へえ〜、()()だけ………

 

ああ、そういう事ね

なら乗ってやるか

 

 

 

カズマ「……分かった、ただし…一度でも問題を起こしたりしたら速攻でアクセルに帰るからな」

 

俺はそう念押ししてアクアと一緒にアルカンレティアをまわった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「どうカズマ、アルカンレティアをあちこち見て回った感想は?」

 

カズマ「……正直普段からこうだったらなあって思った。一応この世界をあちこちの街を見て回った中でアルカンレティアは特に綺麗な所だとは思っていたがお前の教徒のせいで色々台無しになってたからな」

 

アクアと共にアルカンレティアを回るデートをしてかれこれ数時間が経ったまだまだ回ってないところはあるが

それなりに楽しんだ

 

そして驚くぐらいにアルカンレティア中にいるアクシズ教徒達は全く勧誘活動や問題を起こしてない

 

普段からこれなら信者も少しは増えるだろうに

 

カズマ「っと、そろそろ腹が減ってきたな」

 

アクア「だったらあそこのカフェで昼食にしましょ。私奢るから」

 

カズマ「いや待て、普通逆じゃねえか。というか今日やたらお前にリードひかれてんだが…」

 

アクア「いいから、早く行きましょうよ」

 

やれやれ

俺の初デートは、女子にリードひかれんのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「う〜ん、美味しかったわねさっきのカフェで食べたクラブサンドは」

 

カズマ「確かに美味かったが……なんか俺のだけ多くなかったか?」

 

アクア「サービスでしょ…それよりカズマ、だいぶ汗かいたんじゃないかしら」

 

カズマ「ああ…あれだけ歩き回ればな」

 

アクア「だったら、あそこの温泉に入って汗流しましょうよ」

 

カズマ「そうするか」

 

確かあの温泉でハンスとあのお姉さんが話ていた混浴があるんだったよなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ふぅ〜、いい湯だなあ」

 

アクア「そうね〜、でも私が入ったらただの湯になるのよね…」

 

カズマ「出ろやバーカ」

 

俺とアクアはアルカンレティアにある温泉に入っている

 

そして俺の隣でアクアも入っている

 

異性同士で入っていると言う事はここは混浴だということが分かる

 

なぜ俺とアクアが混浴に入っているのかは至って単純な理由だ

 

女湯も男湯も、どちらも立ち入り禁止になっている

 

残ったのは混浴だけなんだが入り口に『本日のみサトウカズマ様とアクア様専用』と書かれた立て札があった

 

色々ツッコミたいとこだったが、温泉に入りたい気持ちが優先してしまって俺達は入った

 

当然アクアはタオルを巻いていて俺の正面には立たないようにしている

 

あとさっきアクアが背中洗うとか言って背中を洗ってもらった

 

……今日のアクアはリードを引くだけでなく尽くしてくるな

 

アクア「カズマ…はい」

 

アクアはどこからか酒と酒用の木の器を二つ持っていた

 

そのうちの一つを俺に渡してた

 

カズマ「ありがとよ……温泉に入って酒飲むの、一度やってみたかったんだよなあ」

 

アクア「フフッ分かるわ。私も天界の上から日本を見ていた時何度もやってみたいって思っていたんだもん」

 

カズマ「日本で思い出したんだが…アクア、お前って『三保の松原』って知ってるか?」

 

アクア「ああ……知ってるけどそれがどうかしたの?」

 

カズマ「いやな、ガキの頃親から聞かされて、日本にいた時は迷信だと思ったが、お前に会って実話だったんじゃねえかって思うようになったからさ」

 

アクア「あれは実話よ………だってその天女って私だもの」

 

カズマ「はあ?」

 

アクア「ええっと、あれは確か……いつもみたく天界から下界の日本を見ていた時なんだけどね、その時羽衣落としちゃって急いで降りて取ろうとしたら丁度その時、地上の漁師に取られちゃって返してくれないか言ったら天上の舞を見せたら返すって言ったから、ダンスを見せたわ。そしたら返してくれておかげで帰れたわ。一応無くても帰れはするけど女神の証である羽衣を地上に落として無くしたら色々まずいことになるから助かったわけ。あとそれから時々羽衣を地上にわざと落として拾いに行くふりして地上を堪能したわ。ただいつの間にか伝説になっちゃったけど」

 

カズマ「……知りたくなかったその事実。ちなみにその時の格好は」

 

アクア「今と一緒よ?」

 

俺が聞いた伝説に伝わる格好も見た目も、長い時をえて随分変わったな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄の悪い冒険者「オラオラ!どうしたお前ら!今日はいつもみたいな狂気的な宗教活動しないんだな!!」

 

柄の悪い冒険者2「日頃の恨みをここで晴らしてやんぜ!」

 

温泉から出た俺達が見たのは

柄の悪そうな冒険者2名が周りでおとなしくしているアクシズ教徒達に威張り散らし、暴言を吐いている

 

更に

 

柄の悪い冒険者「オラ!これは俺達に散々しつこく勧誘活動してきた罰だ!」

 

そう言って一軒の店の前にある野菜の入ったカゴを蹴り飛ばす

 

あいつらも色々ここのアクシズ教徒達にやられた鬱憤が溜まってんだろうが、やりすぎないか少し不安になる

 

そしてそういう輩に対しても周りのアクシズ教徒達は決して騒がずにいる

 

それに調子乗ったのか

 

柄の悪い冒険者2「オラ!散々そのエロい体を見せつけてきながら勧誘活動してきたそこの姉ちゃんも今日は無抵抗なんだな!」

 

その冒険者は近くにいるプロポーションのいいアクシズ教徒の女性の尻を揉んだ

 

これは止めたほうがいいか

 

アクシズ教徒の少女「止めて!お姉ちゃんに触らないで!」

 

そこに、いつかダクネスに入信書をビリビリにされたアクシズ教徒の少女が止めに入った

というか姉妹なんだな

 

柄の悪い冒険者「あッ?邪魔すんじゃねえよこのクソガキが!」

 

そう言って柄の悪い冒険者はなんと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクシズ教徒の少女「アアッ!」

 

その少女を蹴り飛ばした

 

カズマ「!」

 

俺は気がついたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄の悪い冒険者「グハァァッ!!」

 

少女を蹴り飛ばした冒険者を殴り飛ばしていた

 

柄の悪い冒険者2「て、てめぇ!何しやがる!」

 

カズマ「……何しやがる…か……それはこっちのセリフだ。……まだ十にも満たない子供を蹴り飛ばすとは……お前らこそなんだ?」

 

口調こそ穏やかでも

 

俺の内心は物凄く怒っていた

 

柄の悪い冒険者2「だ、黙れ!日頃から散々目障りな事ばっかしてくるこいつらに仕返ししてやる絶好のチャンスだったからそうしただけだ。そこのガキはそれの邪魔をしてきたから蹴ったまでだ」

 

カズマ「黙れ…どんな理由が有ろうと、ガキに暴力を振るやつは絶対許さん」

 

柄の悪い冒険者「う、うるせえ!俺達の邪魔すんじゃねえ!」

 

カズマ「……一度だけチャンスをやる。その子に謝れ。そしてさっさとこの街から出てけ」

 

柄の悪い冒険者「黙れ!誰か謝るか!こうなったら俺らふたりでお前をボコボコにしてya」

 

カズマ「そうか…残念だ」

 

俺はすぅーと息を吸い込み

 

カズマ「アルカンレティアにいるアクシズ教徒達!こいつらを捕らえろ!!」

 

大声でそう言った

 

すると周りからぞろぞろとアクシズ教徒達が出て来て冒険者2名を捕らえた

 

柄の悪い冒険者「な!何しやがる!!離しやがれ!!」

 

カズマ「……こいつらを教会に連れて行ってアクシズ教徒になるように調……洗礼をやれ、俺が許す」

 

そう言うとアクシズ教徒達は2名の冒険者を連れてアクシズ教の教会に連行して行った

 

柄の悪い冒険者「ま、待ってくれた、頼む!!助けてくれ!」

 

柄の悪い冒険者2「お、俺達が悪かった!!だから止めてくれ!!」

 

カズマ「……だから一度だけチャンスをやるって言ったのにな…」

 

結局ふたりは連行された

 

カズマ「アクア…その子の怪我は?」

 

アクア「大丈夫よ…怪我は大したことないし、回復魔法掛けといたから」

 

そう言ってアクアは少女を立たせた

 

プロポーションの良いアクシズ教徒「あ、あの…」

 

さっきあの柄の悪い冒険者に尻を揉まれたアクシズ教徒が来て

 

プロポーションの良いアクシズ教徒「さっきは…私と妹を助けて頂いて、ありがとうございました!」

 

アクシズ教徒の少女「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう」

 

礼を言われた俺達は礼はいいといってその場を去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「……」

 

カズマ「……」

 

結局あの後何事もなくデートを続けた俺達は

アクセルに帰ってきた

 

たださっきからアクアが黙りこくっていた

どうしたんだ

 

アクア「ごめんね」

 

カズマ「あん?」

 

突然アクアに謝われた

 

アクア「……せっかくの初デートに…あんな面倒なことに巻き込んじゃって…」

 

カズマ「別に…お前が謝ることじゃねえだろ?」

 

アクア「ううん……私がデート先をアルカンレティアにしたから、あんな面倒なことにカズマが巻き込んじゃったから…」

 

どうやらさっきの事を気にしていたようだ

 

アクア「……今日だけはカズマには…面倒事には巻き込まれないようにしたかったのに失敗しちゃった…」

 

結構落ち込んでんな

 

気にしてない…そう言おうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「カズマの初デート……楽しくしたかったのに…失敗しちゃった……やっぱり…私が相手じゃなかったら…」

 

カズマ「……」

 

俺は無言でアクアの頭を軽く小突く

 

アクア「ッ!」

 

カズマ「自分からデート誘っちゃって、何言っちゃてんの………失敗なんかじゃない………少なくとも俺は楽しかった……初デートの相手がお前だって思った時は気分が萎えたけど…デートしてみたら思いのほか楽しかった

……だから……初デートの相手がアクア……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「お前だっていうのも……案外悪くなかったよ」

 

俺は笑みを浮かべてそう言った

 

アクア「!」

 

アクアは驚いた様子だったがやがて…アクアも笑みを浮かべた

 

カズマ「それはそうと……俺を今日デートに誘ったのは………今日が俺の誕生日だから……準備の間…外に連れ出すためのものだろ?後、デートの最中色々俺に尽くしてきたのも、誕生日だからだろ?」

 

アクア「やっぱりバレちゃってたか……ええそうよ。でもね……最初はそのためだったけどね……私も楽しんじゃってたわ!」

 

アクアが笑顔でそう言ってきた

 

カズマ「……なあアクア……」

 

アクア「なあに?」

 

カズマ「今日のデート…本当に楽しかった……けど今日はずっとお前にリードをひかれてたからどこか満足してねえんだよ。だからさ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「またデートする時は、俺がリードをひくからな」

 

そう俺が言うとアクアは…キョトンとした顔から急に笑いだした

 

アクア「アッハハハハ何それ!デートのお誘いのつもりハッハハハハハハ!!」

 

ひとしきり笑った後

 

アクア「でもそうね……色々奢るならまたデートしてあげるわ!」

 

そういった

 

カズマ「へいへい」

 

いつの間にか俺達は屋敷の前に来ていた

 

アクア「あっ!そうだこれ!はい」

 

そう言ってアクアが俺に布に包んだものを渡してきた

 

俺はその布をめくってみた

 

中には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水色と緑色の星の形をしたお守りが入っていた

 

アクア「カズマが私の誕生日の時……手作りのプレゼントを渡してきたから私も手作りのプレゼントを渡すことにしたの……どう?」

 

俺は笑みを浮かべると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ありがとう……相棒」

 

そう言って大事に懐にしまった

 

そして屋敷の中に入った瞬間

 

めぐ・ダク・ウィ・ダス・リー・キー・テイ・ゆん・クリ「「「「「「「「カズマ(さん)(君)!誕生日おめでとう!!」」」」」」」」

 

中で待機していた俺の仲間達が祝いの言葉を投げてくる

 

アクア「ああ…私も言い忘れてたわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「誕生日おめでとう…カズマ…」

 

カズマ「ああ…ありがとう…皆…アクア」




次回【このふたりの男女に祝福を!】
第51話 主人公が行くところではいつも事件が起こる

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