このふたりの男女に祝福を!番外 作:スカイハーツ・D・キングダム
みんなの駄女神様の誕生日!
これは、去年に短編で投稿した
【この素晴らしい駄女神に誕生日会を!】をリメイクしたものです。
本当は全く違う話にしたかったです。
そして最後に
駄女神様 誕生日おめでとうございます!!
カズマ「はいめぐみん、ダクネス集合」
夕飯にはまだ早い時間帯
アクアが出掛けたのを見計らい
めぐみんとダクネスを居間に集めた
カズマ「集まったな?……集めたのは他でもない。もうすぐアクアの奴の誕生日が……それでその話し合いをしようって思ってな」
めぐみん「え?もうすぐアクアの誕生日なんですか?」
ダクネス「アクアは言わなかったから知らなかったな」
カズマ「それでな、誕生日に出す料理やプレゼントをどうするか、お前らの意見を聞きたい…」
めぐみん「料理ですか……アクアはジャイアントトードの唐揚げが好物でしたね……それと、私が作ったザリガニ料理もたくさん食べてましたね」
ダクネス「それと霜降り赤ガニに………後カズマの作ったチャーハンも好物だったな」
カズマ「あいつよく食べるからな……それと酒……誕生日だから特別に高いシュワシュワでも用意するかな……」
めぐみん「あの……特別な日ですから私も飲んで」
カズマ「駄目」
めぐみん「ですよね…」
カズマ「と言いたい所だが……呑まれない程度なら許してやる」
めぐみん「ほ、本当ですか!やったです!」
ダクネス「それで…誕生会には誰を呼ぶか……私はクリスを誘おうかと思う」
めぐみん「なら私はゆんゆんを……あの子、友達の誕生日会に呼ばれる機会が片手で数えられるくらいでしたから必ず来ますよ…」
カズマ「俺はゆんゆんを誘うならダスト達も一緒だな、それにウィズとバニルは……喧嘩になるだろうからウィズだけにしようか」
話し合いは実に順調に進んだ
あんまり時間掛けてたらあいつが帰ってきちまうから急ごう
カズマ「後はプレゼントか……」
ダクネス「プレゼント……アクアが喜びそうな物と言ったら」
めぐみん「お酒…」
ダクネス「変わった石」
めぐみん「宴会芸の小道具」
……改めて思うが、酒はともかく他の2つにも喜びそうなアイツっていったい
ダクネス「……なんというか……アクアが喜びそうな物はどれも女らしくないな」
めぐみん「アクアですしね…」
その納得の仕方は酷えな
この場にいないアクアを不憫に思う
カズマ「お前らさ……なんか勘違いしてねえか?」
めぐみん「勘違い…ですか?」
カズマ「ああ……時にお前らはさ……貰うプレゼントに希望とかあるか?」
めぐみん「そうですね……私は爆裂魔法をより大きく、より強く撃てる様になりたいですから、爆発系統の魔法の威力をあげる杖……いえそれよりもダイナマイトや爆発系のポーションでも……ああ!でも爆裂魔法を何度も撃てるようマナタイトというのも捨てがたいですね…」
ダクネス「わ、私は……可愛い縫いぐる…いや何でもない……もっとモンスターの攻撃をうけても耐えられるような頑丈の鎧を……頑丈ということは、攻撃をいくら受けても平気というから攻撃を受ける大義名分が……ハァ…ハァ…」
カズマ「オーケー分かった、お前らにプレゼントの希望を聞いた俺がバカだったわ…」
お前らの喜ぶ物だって、ダクネスの言いかけたヌイグルミ以外は女子らしさのかけらもねえな
途中から性癖出してる奴も居るしな(それは無論ダクネス)
カズマ「それじゃあ逆に……それ以外のプレゼントを貰っても嬉しくないのか?」
めぐみん「いえ、そういう訳では……ただ気持ちのこもった物を貰うのは嬉しい……あ!」
ダクネス「余程困ったものでは無ければ……あ!」
どうやらふたりとも気づいたみたいだな
カズマ「そ……大事なのはあげる側がもらう側に何を贈ろうが、気持ちをこもった物あげること……そもそもプレゼントって言うのは、有形無形に関係なしに、相手に気持ちを贈る物のことを言うんだ」
て、日本にいた時に読んでた本に書いてあった事をそのまま言った
めぐみん「そうですか……それなら当日までに決めておきます」
ダクネス「ああ、私もそうする」
じゃあこれで終わりか
そう思っていると
アクア「ただまー」
まるで狙っていたかの様に、女の子らしさの無い認定されてる奴が帰ってきた
カズマ「おかえり、今から丁度晩飯の用意をしようと思った所だ」
アクア「あ、それなら今日鍋にしようよね……またエリス教徒に嫌がらせをしていたアクシズ教徒を止めていたらお礼に鍋に使えるお野菜貰ってきちゃったわ」
マジでなにしてんの
お前の信者は……だから人類と魔王軍の第二の敵なんて言われんだよ
カズマ「……そのうち滅ぼそうかな…」
アクア「それはやめて頂戴…」
まあアクシズ教徒が一人も居なくなれば、信仰心が力の元になっている神……この場合はアクアの力が弱体化するし、最悪この世界から存在が消えてしまうかもしれないからな
カズマ「……」
俺はアクアの顔をじっと見た
もうすこしで……
アクア「うーん?どうしたの、私の顔なんて見て」
カズマ「いや、ダクネスとめぐみんの言うとおり女らしくないのかなあって思ってな」
アクア「なんですって!めぐみん!ダクネス!そんなこと言ったの!?」
めぐみん「ご、誤解ですよアクア!」
ダクネス「そうだ!私達はただ、アクアの好きそうなものが皆女らしくないと言っただけで…」
アクア「それ言ってるようなものじゃない!」
めぐみん「ちょっとカズマ!余計な事を言わないでくださいって、耳ふさいで台所に逃げないで下さい!ちょっ!カズマ!カズマあああああああああああ……!」
俺は耳を塞ぎながら今晩の晩飯を作ろうとしていた
【数日後】
アクア「……ふぇ……ここは…」
私は気がついたら、自分の部屋にいた
窓を見ると外はもう夜だった
えっと……たしか…
カズマが部屋に呼んで、寝ろとか言ってきて
私が アクア『カ、カズマ!あ、あんた!私が眠かせて人には言えないことをするつもりね!エロ同人みたいに!』
て言ったらカズマが恐ろしく早い手刀をしてそこで……
アクア「!」
私は驚いて体中を触った…幸いなにかされた形跡がなかった事に安心した
アクア「何よカズマめ!…必ず仕返ししてやるから覚悟なさい!」
そう言って私は部屋を出て1階に降りた
カズ・めぐ・ダク「「「おめでとう(ございます)!!!」」」パーンパーン(クラッカー音)
クリ・ウィ「「おめでとう(ございます)!!」」
ダス・キー・テイ・リー・ゆん「「「「「おめでとう(ございます)!!!!!」」」」」
ふぇ…?
あれ…今日って何かの記念日だったかしら…
1階に降りたらカズマ達が私におめでとうと言ってきた
あるとすれば今日は…
めぐみん「アクア、お誕生日おめでとうございます」
アクア「へ?」
誕生日…私の?
ダクネス「カズマから聞いたぞ。今日が誕生日だったんだな。何だ、全然言わないからカズマが言うまでアクアには誕生日がないかと思ったぞ」
キース「まあ俺達はカズマに誘われて来たわけだが」
ダスト「ちゃんと祝うぞ」
リーン「後日頃のお礼も兼ねてね」
テイラー「今日は呼んでありがとな」
ウィズ「アクア様、おめでとうございます」
アクア「えっと……」ポリポリ(頬をかく)
クリス「ちょっとゆんゆん、そう固くならないでよ」
ゆんゆん「だ、だって、……、お、お友達の誕生日会に、……よ……、呼ばれるだけじゃなく……こ、…こうして、参加も……で……、できる……なんて……」
めぐみん「ゆんゆん、ボッチが出てますよ」
………
こういう時どうすればいいか私分かるわ
アクア「もう!とにかく楽しんじゃえ!!」
そう言って私はお酒の入ったグラスを持った
うんうん、楽しんでるみたいだな
アクア「ん、美味しい。出されてる料理皆好物の物ばかりで幸せ♡」
カズマ「お前…分かっていたが、よく食うな」
ウィズ「あ、あのアクア様」
アクア「ふご?」
料理を食べていたアクアにウィズが近づく
ウィズ「お誕生日おめでとうございます。これ……私からのプレゼントです」
そう言ってウィズは包装紙を巻いたプレゼントを渡した
アクア「あ、ありがとうウィズ。じゃあ開けるわね」
アクアがそう言って包装紙を剥がすと中身は
銀色のブレスレットだった
アクア「うわ〜、キレイ。本当にありがとね」
ウィズ「いえ、喜んでもらえて良かったです」
カズマ「あれ?ウィズ、お前今週赤字って言ってたけど、生活大丈夫か?」
ウィズ「だ、大丈夫です!当分砂糖水で生活すれば何とか生きられます」
カズマ「いや無理するな!」
プレゼントの為に生活が苦しくなるって、もう少し自分の所持金考えてプレゼント選びしろ
アクア「と、とにかくありがとね(汗)。これほんと大事にするからね」
自分の為に生活が苦しくなった事への罪悪感とプレゼントを貰った事への感謝の念があるようで、苦笑いして受け取るアクア
ダスト「うんじゃあ、次はこっちな」
ダストがそう言うと、包装紙に巻かれた酒をアクアに渡す
アクア「わあ、ありがとう。これで私のお酒のストックが増えるわ。でもこれ高かったんでしょ?」
ダスト「なあ〜に、気にすんなって」
ダストがどうってことないと言うが、後ろにいるダストのパーティメンバーがダストを睨んでる
テイ・キー・リー「「「(調子のんな!カスが!)」」」
後から聞いたが
プレゼントを買う金が無いバカの為にゆんゆんを除いた全員(ゆんゆんは別のプレゼントがある為)で金を出してプレゼントを買うことにしたらしい
なおそのバカはこのあとパーティメンバーにボコボコにされたみたいだ
クリス「じゃあこれはあたしからアクアせ……、さんに」
一瞬先輩って、言おうとしたクリスもといエリス様はすぐに言い直し、包装紙に巻かれた箱をアクアに渡す
アクア「わあ〜、何が入ってんだろ」
アクアが楽しみとばかりに箱を開けると
アクア「……銀ナイフ?」
クリス「うん。あたしが普段使ってるダガーと同じく、エンチャントが出来て、女神エリス様の加護のお陰で持ち主の運気を上げてくれる代物何だ」
カズマ「運が絶望的に低いお前にはピッタリな代物じゃん」
クリス「アクアさんって、そんなに運が悪いの?」
カズマ「悪いなんてもんじゃねえぞ。よくダンジョン行くと俺達は罠に掛からないのにこいつだけ掛かったり、2択でこいつが選んだ所だけ何かしらの不幸があったり、限定販売してたケーキ、コイツの番になった時には売り切れてたり、クエスト請けたら最低1回以上の不幸にあったり、1人だけ爆発に巻き込まれたり、アンデット引き寄せて迷惑かけたり、他には」
めぐみん「カズマ、そのへんにしてあげて下さい」
めぐみんに止められアクアの方を見ると
アクアが床にうずくまっていた
俺が言ってた自分の不幸を思い出して
心にグサグサきたんだろ
クリス「と、とにかくエリス様の加護が付いてるそのナイフが、アクアさんを守ってくれるよ」
アクア「ほんと?クリスありがとうね」
少しは運気が上がると聞いて嬉しそうに笑うアクア
カズマ「なあ、これ本当に効果あるのか?」
クリス「効果あるよ………多分」
多分さっき俺が言ってたアクアの不幸を聞いて
自信が持てなくなった様だ
なおアクアの運気は上がらなかった模様
ゆんゆん「あ、あの、……ア…アクアさん…」アセアセ
めぐみん「ゆんゆん、落ち着いて下さい。ほら、一緒に渡しましょう」
緊張してるゆんゆんと一緒にめぐみんが箱を渡してきた
アクアが、礼を言って開けると中身は
アクア「アクセサリーだ。キレイ〜」目がキラキラ♫
赤色の
いや、紅色をしたアクセサリーを持ってアクアの目がキラキラしている
めぐみん「ゆんゆんと一緒に選びました。いつもアクアが使ってる杖につけると、魔法の効果が高まります」
装備品か
めぐみんが選ぶプレゼントにしてはまともだな
あ、ゆんゆんが一緒だからか
めぐみん「本当は爆発系のポーションをプレゼントしたかったんですが、ゆんゆんに止められて」
ゆんゆん「当たり前でしょ!誰しもめぐみん見たく爆発バカじゃないのよ!」
ナイスだゆんゆん
略してナイゆん
てかめぐみんはなんてものをプレゼントしようとしてた
ダクネスが貰っても困らない物にしろって言ったのに、危険物プレゼントするな!
気持ちが込もった物なら爆薬でもいいってかあ?
ふざけんな!
ダクネス「では最後は私だな」
今まで会話に入って来なかったダクネスが、冬将軍の人形を持ってきた………うっ……
ダクネス「これは、私からのプレゼントだ、受け取ってくれ」
アクア「ありがとうダクネス!……カズマ?」
冬将軍の人形を見て顔をしかめた俺に声を掛けてきた
めぐみん「あ〜、そういえばカズマ、昔冬将軍に殺されかけたことがありましたね」
アクア「あ〜、だから顔色が悪くなったのね」
カズマ「別に冬将軍が怖い訳じゃない。ただ、……あの時は本当に殺されかけたから苦手意識が、おのれ冬将軍め…俺の心に傷をつけた恨みは、生涯かけてでも晴らしてやるからな…」
アクア「うーん、わかっては居たけどカズマは結構根に持つタイプね…無理はないけど…」
そんなこんなでアクアと軽く雑談しながらも、俺達は誕生日会を過ごしていった
カズマ「う〜〜ん、誕生日会は成功だったな」
そう言って腕を天井に伸ばして言った
今俺は、自分の部屋にいる
あの後俺達はバースデーケーキを食べたり酒飲んだりして満喫していたが
誕生日会を初めて4時間経つ頃にはダスト達のパーティとウィズは帰っていった
片付けが凄く大変だったが、クリスとゆんゆんも手伝ってくれたお陰で片付けが早く終わった
ちなみにクリスとゆんゆんは屋敷に泊まると言う事で
現在互いの親友の部屋に寝ている
カズマ「おっと、そういえば俺、渡すの忘れてたな」
後でプレゼントを渡すつもりだったのに忘れてた
仕方ない
明日にでも渡そうか
そう思って寝る準備をしようとしたが
コンコン
カズマ「ん?」
俺の部屋のドアに誰かがノックしてきた
アクア「カズマ、今いい?」
アクアか
もう寝てる頃だと思ったが起きてたのか
カズマ「ああ、鍵開いてるから勝手に入れ」
俺がそう言うとアクアが部屋に入ってきた
カズマ「それで、……俺に何か用か?」
アクア「カズマ、………いろいろ言いたい事はあるけどまず私の質問に答えてくれる?」
アクアが改まった様子で俺に言ってきた
アクア「どうして、…………今日、………私の誕生日会を、………それ以前に、……なんで今日が私の誕生日なの……?」
アクアが恐る恐ると聞いてきた
カズマ「アクア、…………俺達が、この世界に来てしばらく経った時の事覚えてるか?」
アクアの質問に俺は目をつむり
あの日のことを思い出す
カズマ「ん?なあアクア。お前の冒険者カードには、お前の誕生日が書かれてないんだが?」
アクア「ああ私、自分がいつ生まれたのか分からないの」
カズマ「いつ生まれたのか分からないって……そんな事があるのか?」
アクア「大体の神は、自分がいつ生まれたのか分からないわよ。自然発生みたいに生まれるから」
カズマ「自然発生って、……雑な生まれ方だな」
アクア「どうでも良いじゃない。それより早くギルドにいきましょ」
カズマ「あ、まてってアクア!…」
カズマ「あの時の俺は、そんなに深く考えなかった。けどな、後になって思ったんだ。お前みたいなバカでも誕生日がないのはなんか……、かわいそうだなあって、思ってしまったんだよ」
アクア「……」
アクアがした質問に俺は答える
アクアは黙って聞いていた
カズマ「誕生日って言うのは、そいつが生まれた事に感謝して、祝う日でもある。お前にも、そんな日があった方がいいって、俺の勝手で決めた事だけどな」
アクア「……そう」
これまで俺の話を聞いていたアクアが返事をした
カズマ「今日をお前の誕生日にしたのは、俺にとっても特別な日だからな」
俺はしみじみとアクアに言った
アクア「……それって、……今日は、私とカズマがこの世界に来た日だから?」
カズマ「お前、覚えてたんだな。普段覚えてる事が苦手なお前が」
俺は少し苦笑して言った
カズマ「お前の言うとおり、今日は俺とお前がこの世界に来て丁度1年たった日。もっと言うと、冒険者登録をして冒険者になって、パーティを結成した日でもある」
さらに俺は言い続ける
カズマ「今まで日本に住んでた俺と、今まで女神をやってたお前にとっては、二度目の人生だ。俺は日本に居た時の記憶があるから、この世界での俺の誕生日は日本基準。誕生日が分からないお前は、二度目の人生が始まった1年前の今日って事にした」
まあ、ちょっと誕生日の極め方が単純な気がするけどな
アクア「カズマも、……祝いたかったの?……私が生まれた事に」
カズマ「祝いたかったって、言うより俺は、お前にも誕生日があった方が良いって思っただけだ。ただ、……まあ、少しは、……思ったけど」
少し恥ずかしいな
こんなこと言うのは
アクア「ぷふっ」
アクア「ふあっはははははははは」
カズマ「な、何がそんなに可笑しい!」
突然笑い出したアクアに思わず怒った
アクア「だ、だって、あれだけ建前言っといて、本音をボソっと言っちゃうんだもん。ツンデレ!カズマのツンデレ!滅多に見れないからかなりレアね!」
こいつ今すぐ3階の窓から突き落としてやろうか?
カズマ「ど、どうだっていいだろ、俺の本音なんて。それよりどうだったか。初めての誕生日に誕生日会は」
アクア「うん、もうすっっっっっごく楽しかったわ!誕生日の人はあんな感じで過ごすんだなって、思ったわ」
カズマ「もう今からでも来年の誕生日が待ち遠しいだろ?」
アクア「うん!」
カズマ「そうだろ。誕生日が終わると来年が待ち遠しくなるのは誕生日あるあるだからな」
アクア「そういえば今更だけど、なんで私を眠らせたの」
カズマ「いやだって当日、お前がでかけたら誕生日会の準備しようと思ったのにお前が家に残るから無理やり眠らせてから準備を」
アクア「だからって、もうちょっと他になかったの!」
カズマ「いやほんとに悪かったって」
睡眠薬でも飲ませるべきだったか?
カズマ「ああそうだ、忘れるとこだった」
俺はそう言うと机に置いてあるプレゼントを巻いてある布を取る
カズマ「お前に渡すはずのプレゼント、渡すの忘れてたわ」
そう言ってアクアにプレゼントを巻いた布を渡す
アクア「カズマが、私に?」
カズマ「開けてみてくれ」
俺がそう言ってアクアは布を取る
アクア「……これ、髪飾り?」
アクアにあげたプレゼントは水色の羽衣を模した形をしている
カズマ「俺の手作りだ。気に入ってくれたか?」
柄にもなく手作りをプレゼントした
そもそも手作りのプレゼントなんて初めてだ
アクア「これ、……、手作りなの?」
カズマ「ああ、どうせプレゼントするなら、送る相手に気持ちを込めた物にしようって、思ってな。気持ちを込めるって言ったら手作りが一番だ」
よくもまあこんな恥ずかしい事普通に言えたな俺
カズマ「お前さ、女の子らしくないって言われてたからこれ付けて、女の子らしくなれよな。ってあれ?」
アクアの方を見るとアクアがうつむいている
カズマ「どうしたアク……」
うつむくアクアに近づいて顔を見ると
アクア「うっ、ふっ、うぐっ、ううぅ」
アクアが泣いていた
カズマ「どうしたアクア。……もしかして、気に入らなかったのか?」
アクア「ふぐっ、違うの、ふっ、ひぐ、……カズマがくれた、ふぐっ、プレゼントが、うっ、……、凄く、ひっ、嬉しくて、ううぅ、涙が、ひぐっ、止まらないの、…、あぐっ、」
どうやら俺があげたプレゼントを大変気に入ったようだ
作ったかいがあって良かった
カズマ「落ち着いたか?」
アクア「うん」
しばらくアクアは泣いていたが泣き止んだ
アクア「カズマ、ありがとうね。この髪飾り、大切にする」
プレゼントにあげた髪飾りをつけてアクアが言う
アクア「ど、どうかな?」
カズマ「ん、良いじゃん、似合うよ、さすがは俺が作った物だ」
普段自画自賛なんかしないが
自画自賛するくらい似合ってた
アクア「あ、そうだ。ちょっと待ってて」
そう言うとアクアは部屋から出て行った
しばらくすると、アクアが戻って来た
片手には酒瓶を持ってた
アクア「本当はね………今日、パーティを結成して1年が経った記念日だから、皆でお酒飲もうって思ってたけど、いろいろあったからすっかり忘れてたから………、今から飲もう」
そう言って俺に湯呑を差し出して来た
カズマ「今からか?明日で良くないか?皆で飲むなら」
まあめぐみんはまだだめだが、特別に一杯くらいは飲ませても良いかもしれないが
アクア「いや、今飲みたいのよ、私は」
カズマ「そもそも今日はお前の誕生日って、事で飲んだからもういいんじゃないか」
アクア「あれは私の誕生日って、事で飲んだ訳だから、パーティ結成記念日って事で飲んだ訳じゃないからノーカンよ」
ただ飲みたいだけじゃないか?
俺はそう口にしょうとした
アクア「それに……」
アクア「今は…………カズマと………二人っきりで飲みたいの………………だめ?」
カズマ「………はぁ…」
俺はアクアが差し出した湯呑を受け取ると
カズマ「さっきたくさん飲んだから、少しだけ飲むくらいで良いなら………飲んでやるよ」
酒瓶をとって酒を入れる
アクア「ええ………それでもいいから………一緒に飲みましょう」
アクアが嬉しそうに笑う
はぁ〜
我ながら自分の甘さには呆れるな
こいつのこんな顔を見たらなんかもう、どうだって良いって思ってしまうな
こんなの、ダクネス達に知られたら『カズマはアクアが好きなんだな』とか『やっぱりアクアが好きなのですね』とか言われるだろうな
そういえばいつだったかめぐみんに
めぐみん『普段雑に扱いますが、なんやかんや言って、カズマはアクアに甘いですね』
って言われたな
俺はアクアの事を異性として意識してないんだけどな
だけど
俺はアクアの湯呑に酒を注ぎ
お互い湯呑を持って
カズマ「じゃあ、アクアの誕生日改めパーティ結成記念日に」
アクア「……乾杯…!」
俺はこいつのバカみたいに笑った顔が
本当に
好きなんだよな
屋敷の中は静まり返り
屋敷の一室だけ明かりがついている
向かい合ったふたりの男女は、互いの湯呑を
カチン
ぶつけ、酒を飲む
湯呑をぶつけた事で出た音は
暗く広い屋敷中に、広まった
まだ今日は終わってない
湯呑を持って、酒を飲むふたりの男女は
日付が変わっても、飲み続けるのだった
ねえカズマ
私ね…この世界に来て…色々なひどい目にもあったし、死にかけた事もあったわ
けどね、それ以上に楽しかったことや、うれしかった事もたくさんあったわ
今日だってそうよ
誕生日なんて…私には縁のないもの、なんて思ってたけど……この世界に来て
生まれて初めて自分の誕生日を迎えた事を
私は決して忘れないわ
アンタは
意地悪で鬼で容赦ない策士だけど……心の底は、誰よりも優しい男ね…
ねえカズマ
恥ずかしいし、今の私の気持ちを言ったら『何言ってんだお前』って言われそうだけど
あえて言うわ
カズマ
私の誕生日を作ってくれて
私の為に誕生日会を開いてくれて
私を……この世界につれてきてくれて
アクア「ありがとうね!」